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100万キャンドルの「光と影」 その1

※先日行われた韓国の朴槿恵退陣要求デモ、12日に引き続き19日にも行われました。以下に述べるのは当初12日デモを対象に書いていたものですが、途中から19日のデモ並びに日本の吉祥寺で20日に行われた反天皇制デモについても対比しながら内容を書き加えたものです。本来は前回の金甲洙氏の翻訳記事に追記する予定でしたが、長くなったので独立記事として掲載します。


先日行われた韓国の「民衆総決起」すなわち100万人デモはその規模と行われた今の情勢からして、確かに歴史的事態であった事は間違いない。ならばなおさらその中身が精査されねばならないだろう。あのデモで政権側がさらにダメージを受けた事は間違いないが、それでもなお朴槿恵は大統領の座に居座り続けている。

「あいつ(朴槿恵)は例え死んでも辞任せえへんで」 by金鍾泌

金鍾泌の証言通り、朴槿恵の権力者の地位に対する執着は親父の朴正熙並みかそれ以上である。いや、この方面については日本の安倍晋三やアメリカのトランプでさえも及ばないであろう。闘争は何一つ終わっていないのだ。このような状況であのデモを無闇に賞賛ばかりする事は、かえって有害ですらある。実際にあの100万人集会には見過ごせない問題点も少なからず散見された。韓国の報道など見ていると、それをむしろ良い事であるかのように吹聴する傾向すらあり、このまま行ったら朴槿恵退陣どころか今後の韓国の社会運動・民衆運動に大変な悪影響を及ぼしかねない。その点は指摘しておかねばならないであろう。
韓国の主流マスコミ達がそれこそ右も左もなく「100万のキャンドル」と浮かれて騒ぎ、その明るい部分にばかり注目しているが、その影には何があったのか。そこには日本にいる我々にも嫌な覚えがダブる姿があったのではないか。

此度の100万人デモには日本からも連帯して参加した人々がいた。代表的な例として園良太氏がおり、氏は当時の状況を動画や自身のツイッターで実況して伝え、その参加した感想もレイバーネットで公表している。

http://www.labornetjp.org/news/2016/1115sono
韓国の百万人デモに参加し感じたこと(園良太)

園氏の報告の数々は自身が実際に現場へ行ってデモに参加し、その光景を収め、現地人達と会話を交わして見聞きした事を述べたレポートだ。現地の「生きた姿」を収めた、言わば「光」の側面からアプローチしたものだと言って良く、重要なものである。
一方、これから筆者が述べる事は見た光景も調べる手法においても園氏とは正反対のものだ。筆者はこのデモの現地には行っていない(行けない)ので、当時の様子は主に報道機関の記事とライブ配信によった。それを元に分析するという、言わば徹底して「影」の側面からアプローチしたものである。
重要な歴史的局面であるからこそ、光と影の両面からあのデモを見ていただきたい。


■「韓国すごい」を一番言っていたのは誰だったのか

100万人デモが行われた日とその直後、日本でのツイッターユーザー(嫌韓右翼や親日派など除く)の反応など見ていると、これを「すごい」「うらやましい」とする意見が多く見られた(飽くまで筆者が見て回った範囲だが)。言っているのもどちらかというと歴史問題や民族差別問題、労働問題などで割とまともなスタンスの層だったと言えるだろう。だが筆者はこれを見て非常に変な気分になった。この層の人々はあのデモの何を以って「すごい」「うらやましい」としていたのか? おそらくは集まった人数や、こうした抗議の声を上げて決起した向こうの市民達の意識といった事柄に対してそうした感想を持ったのであろう。外国から漠然とあの光景を眺めていれば「韓国すごい」と感じるのも無理はないし、当然の反応でもある。筆者が変な気分になった理由というのは、この「韓国すごい」という盛大な反応の嵐を別の所ですでに目撃していたからである。それは他ならぬ韓国マスコミの報道においてだ。100万人デモがあった翌日、韓国のマスコミは一斉に「偉大な100万人」「成熟した市民意識」という賛辞をトップで報じた。それこそ右の朝鮮日報から左のハンギョレ新聞まで「右も左もなく」である。今でも「성숙 시민(成熟 市民)」で検索すればそうした「韓国すごい」記事を山ほど見つける事が出来るので、朝鮮語の分かる方は試してみると良い。あれだけのデモが起こってなお朴槿恵は何ら退陣するそぶりも見せていない状況で、そこまで褒めそやして大丈夫なのか? このような自画自賛はかえって危険なのではあるまいか? 「韓国すごい」を最も連呼してたのは日本のそれも比較的良識のある層ではなく、実は当の韓国マスコミとデモ参加者の側だったのである。そうした記事はそれこそ死ぬほどあるので、まずは聯合ニュースの記事を挙げておきたい。これは日本語版では翻訳配信されていない記事である。

http://www.yonhapnews.co.kr/society/2016/11/13/0701000000AKR20161113000800004.HTML
100만명 모여 평화집회 마무리 중…시민의식 성숙했다
(100万人集まって平和集会幕引き中…市民意識が成熟した)
2016.11.13 00:42

1年前の民衆総決起とは天地の差…秩序整然と衝突自制
「平和集会が効果的という事実を10年のキャンドル集会の歴史で体得」と評価

この記事はデモ当日の日付が変わった直後に配信されたものと分かる。この記事中ではとにかく「成熟した市民意識が輝いた」「集会は平和に幕引き」「『朴槿恵退陣』を叫びながらも秩序整然と動いた」「一部興奮した市民達が警察に文句をつけたり警察バスの上に登ったら、他の参加者達は『平和集会』を叫んで自制させた」「1年前の民衆総決起で参加者と警察の間に激烈な衝突が続き、ペッ・ナムギ農民が放水銃に当たってついに亡くなった事と比較したら天地の差だ」といった言葉が乱舞し、とにかく平和裏に集会が終わった、韓国の市民は成熟した、の自画自賛オンパレードだった。聯合ニュースだけでなく、デモ翌日の韓国メディアではこうしたニュースでほぼ100%埋め尽くされていたのである。
まず基本的な疑問として、平和デモをするのは良いが、あまりに大人しすぎたのではないか。大統領とその黒幕宗教家(崔順実)の仕出かしてきた数々の悪事、それによって多くの民衆が多大な犠牲(それこそ軍事独裁時代にも劣らない!)になってきた事を考えれば、あのデモはあまりにも抵抗運動としては大人しすぎると思う。そのように大人しい羊の群れみたいなデモを心底恐がる権力者がどこの国にいるというのか? いや、さすがに100万集まって抗議の声を上げればそれなりの効果はある。大統領が泰然(?)としているのに比べて、与党セヌリ党の面々は大慌てだ。支持率もついに国民の党にも負けて第3位に落ちるという一部調査結果まで出ているのだから。おまえら今まで朴槿恵政権下の与党議員としてさんざん甘い汁吸ったんだろうが! それを何を今さらオタオタしてるのか、みっともない。この期に及んでもまだ朴槿恵を神と崇めて決死擁護し続けている河信基を少しは見習え!(笑) 
…冗談はともかく、あのように「非暴力」ばかりを強調したデモは決定的な打撃に欠けていたのではないか。最後の最後に権力を追い詰める、そんな力が抜けていた。それを「偉大」「秩序整然」「成熟した市民意識」などと誉めそやして良いものなのか。とりわけ上記聯合ニュースの記事では「1年前の民衆総決起で参加者と警察の間に激烈な衝突が続き、ペッ・ナムギ農民が放水銃に当たってついに亡くなった事と比較したら天地の差」という一節がある。これはあまりにひどい言い草であろう。1年前のデモもまた非暴力の集会だったにも関わらず、警察当局が凄まじい一方的な暴力を加えてきたという事実が完全に忘れ去られている。これではまるで1年前のデモでは警察だけでなく、デモ参加市民の側も当初から暴力で挑んだかのような印象を受けるではないか。これでは亡くなったペッ・ナムギ氏も浮かばれないどころか、氏に対する冒涜ですらあろう。一体何を考えているのか。一言言っておかねばならないが、ペッ・ナムギ氏が警察の放水銃で撃たれた時の状況は凄惨を通り越して吐き気を催すような光景であったという。警察はニヤニヤ笑いながら、それこそ射的の的でも当てるかのようにデモ参加者に高圧放水を乱射していたのだ。高江や辺野古で海保や警察が基地建設に反対する人々をニヤニヤ笑いながら暴行していたのと、あるいは20日の吉祥寺で警察と右翼が仲良く一緒になってデモ隊に暴力を振るっていたのと全く同じである。さらにペッ・ナムギ氏がどういう人物だったのかを、どれだけの人が知っているだろうか。氏は若い頃に朴正熙の独裁に反対して民主化運動に参加し、何度も監獄に入れられた(当然拷問も受けた)という闘争歴の持ち主だった。社会人になって実家の農業を継いでからも農民運動に積極的に参加し、米価格の下落に抗議して、ついに朴槿恵政権に虐殺されるという悲運に見舞われたのである。民主主義と農民の生活に献身してきた人が朴正熙親子2代にわたって弾圧され、ついには殺された。それが持つ深刻な意味をどれだけの人々が、それこそ100万人デモで「俺達は成熟した市民だ」と自画自賛して浮かれている一部の層は理解しているのだろうか。ペッ・ナムギ氏が朴正熙親子2代に弾圧・虐殺された姿を見ていると、日本の似た光景を連想する。祖父(信介)が従軍慰安婦を狩り出し、孫(晋三)がその被害者をセカンドレイプしている光景に何とそっくりなのかと思う。
少なくともあのデモで極度に「非暴力」を訴えて「成熟した市民」と浮かれるのは何かが間違っているとしか言いようがない。韓国社会で起こっている事態の深刻さを考えればあまりに手ぬるすぎるのだ。日本の3.11後のデモや社会運動を思い出してみると良い。日の丸や右翼を引き入れた官邸前デモを安倍政権や当時の野田政権が恐れただろうか? 「警察に感謝する」などという参加者や団体が大手を振っていた反安保法デモを安倍政権は恐れただろうか? 

他にもこうした自画自賛「韓国しゅごい」記事の例を以下にいくつか挙げておく。オーマイニュースなんて凄まじいもんで、外国人の発言を引用する形で「韓国人しゅごい、韓国の民主主義しゅごい」とやっているのだから、日本で毎日のようにやってる「日本しゅごい」番組や、博多駅前の陥没事故を「世界に誇れる事故」「早い復旧に世界中が賞賛」とか言ってる一部のバカと何が違うのか分かったものではない。

・オーマイニュース
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002260110
"한국인들 좌절 충분히 이해, 동참하러 나왔다"
외국인들에게 민중총궐기 현장은 '놀라움의 연속'
「韓国人達の挫折十分に理解、参加しに出て来た」
外国人達に民衆総決起は「驚きの連続
16.11.12 18:54 最終アップデート 16.11.12 18:55

・韓国経済
http://www.hankyung.com/news/app/newsview.php?aid=201611132578g
100만 촛불집회, 평화롭게 끝났다대한민국 시민은 위대했다
100万キャンドル集会、平和裏に終わった大韓民国市民は偉大だった
入力 2016-11-13 09:18:22 | 修正 2016-11-13 10:53:50

・聯合ニュース
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2016/11/13/0200000000AKR20161113039700033.HTML
< SNS돋보기> 평화로운 100만 촛불 집회…"성숙한 시민의식"
〈SNS虫眼鏡〉平和な100万キャンドル集会…「成熟した市民意識
2016/11/13 17:04

100万人デモの後に韓国マスコミに乱舞した「韓国しゅごい」の記事達は、まさに日本で近頃流行っている「日本しゅごい」系番組や書籍類と同質である。一言で言って国家主義的ナルシズムの発露以外の何者でもない。繰り返すが、朴槿恵はまだ平然と大統領の座に居座り続けているのだよ。
(続く)
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【翻訳記事】「100万キャンドル」果たして偉大な事なのか

先日の韓国であったデモについて、金甲洙(김갑수 キム・ガプス)氏のフェイスブックより翻訳して以下に御紹介する。


金甲洙
2016.11.13

「100万キャンドル」果たして偉大な事なのか
―キャンドルデモなのか、キャンドル商売なのか

「偉大なる100万キャンドル」だという。私は1973年維新(政権)の時から40年間デモをしてきた。往来に出た事だけでも優に数100回は超える事だろう。デモには変わりなく一貫する法則が一つある。少数が参加すれば「不法」であり、多数が参加すれば「示威」であり、最多数が参加すれば「偉大」と評価されるという点だ。

私は11月12日午後1時から夜10時45分までソウル都心を歩き回った。崇礼門を始まりにソウル市庁、清渓広場、光化門、鍾路1番街、仁寺洞入口、世宗会館裏側、景福宮駅などが私の動線だった。私は最後の景福宮駅で最も長く留まった。

朝鮮日報・ハンギョレをはじめとするニュース会社達と主催側は「100万キャンドル」と言い、警察側は25万人だという。2008年狂牛病デモの時もニュース会社達と主催側は100万だという反面、警察は8万人だとした。

参加数が重要だろうか? もちろん重要だ。いや、「最も重要だ」と見る見解もある。いずれにせよこの日のデモで朴槿恵政権が受けた打撃は致命的だと見る。間もなく朴槿恵は「2線後退」したり、または退陣する事になると予想される。

朴槿恵が退陣するとしよう。そうしたら我々の抵抗は成功するのだろうか? 厳密に言って、これだけでは成功でもなく失敗でもない。よくある言葉で「半分の成功」というのがあるが、これは実際には「半分の失敗」同じ言葉だ。私は朴槿恵退陣後の歴史がより一層重要であると思う。

11月12日の抵抗は「半分の成功」にして「半分の失敗」というのが私の総評だ。だが今後の予感がさほど良い訳ではない。参考までに、私は最も失敗した抵抗の事例として狂牛病デモを挙げる。あれは人ばかり多く集まっただけで、李明博の「朝露 아침이슬」謝罪(狂牛病デモがあった後、李明博は会見で「デモ隊から私の好きな『朝露』の歌が聞こえてきた」と言って謝罪し、いかにもデモ参加市民に理解があるかのように装った件。訳者注)と主催側人士何人かを国会議員にしてやった事以外には得たものがない。ましてや以後の状況はさらに悪化した。

結論から言って、私は11月12日のデモが遺憾である。満足足りえるのは数字だけだが、数字は言葉通り数字に過ぎない。ニュース会社達と主催側は「偉大な100万キャンドル」だと口を揃える。私が見るにこの日のソウルの街に参加した人員は冷静に言って50-70万だ。

いずれにせよおかしな事が一つある。我々国民は数字に対して過剰なほど非理性的だ。数字がそれほど重要なのか? 「年齢は数字に過ぎない」としながらも数字がそれほど偉大なものだとするなら、何か御幣があるのではあるまいか?

私は昨今の韓国野党達が嫌いだ。顔色ばかりうかがって決定的瞬間に参加するふりをする野党政治家達と遭遇するのは気分悪い。一人ずつ党の大きな黄色い旗一本ずつ持って回る正義党員達は全くもって目障りだ。

反北デモの演説者にして元お笑い芸人である金済東(김제동 キム・ジェドン)に会うのも嫌だ。彼はなぜああも無知なのにやたらと知ったかぶりをするのか? また英語で「ノーウェイ、ノーウェイ」を連発する人気歌手達の慰労の歌にも、私は慰労どころか不愉快になる。

裁判所は明らかに青瓦台道路の行進を許可した。それにも関わらず警察は青瓦台へ行く道路の要所をバスと車壁で防いだ。これは不法占有ではないのか? ましてや警察は地下鉄入口まで遮断する措置を執った。これはより深刻な不法だ。これに抗議するべく市民がバスの上に上るのは当然の事だ。いや、車壁を倒してこそ正常であった。

現場中継をする「オーマイニュース」のある女性記者は「偉大なる100万キャンドル」に加えて「暴力はいけない」という言葉を4回ずつも連発していた。もしキャンドル集会が年中行事になったら、おそらくオーマイニュースは大繁盛する事だろう。ましてやその女性記者(장윤선 チャン・ユンソン)は2012年以来、統合進歩党を最も激烈に謀害してきたいわゆる「柳派(私利私欲から統合進歩党を裏切って、同党が朴槿恵政権に弾圧・解散させられるのに最も大きな貢献をした、盧武鉉政権の元社会福祉部長官であった柳時敏のシンパの意。訳者注)」記者である事を私は知っている。だがつられて通りの人々は「非暴力、非暴力」を叫んだ。

バスの屋根に上がるのは暴力でもないばかりか、不法に抵抗するのは最小限「物理力」とすべきで、暴力とは言えない。それならば安重根と尹奉吉も暴力だと言わねばならない。「非暴力、非暴力」を叫んでいた人々が不意に愛国歌を斉唱(?)し始めた。私は場を離れる事にした。

「みなさん、来週にもキャンドル(集会)にまた出て来るでしょう?」

主催側の発言がまだ耳から離れずにいる。我々は壬辰倭乱(秀吉の朝鮮侵略である文禄・慶長の役の事。訳者注)で避難の道にある王の行列を物理力で遮った朝鮮民衆を悪いとは思わない。植民地時代以降、我々は非暴力に過度に馴れてしまっている。家に着くと夜12時をはるかに過ぎていた。私は京畿道の名もなき衛星都市に住んでいる。ほろ苦い帰り道であった。

訳:ZED

原文記事URL
https://www.facebook.com/kimcapsu/posts/722240621260218


※とりあえず金甲洙氏の記事訳だけ先に上げておきます。これを見ただけで日本の総理官邸前デモとか安保法案反対の時のSEALDsとか、嫌な思い出が甦ってくる人も多いかもしれません。もちろんそんなのが100万人デモ参加者の全てではありませんが、これまでの韓国の民衆運動になかった良くない傾向として警戒はしておくべきでしょう。訳者解説はまた後で追記します。韓国民主党もさすがに強い反発に遭って朴槿恵との代表会談は取りやめになりましたが…。
韓日軍事情報保護協定もドサクサに紛れて仮署名とか、これについても書いておきたい事が色々あるのですが…。日本でも韓国でも「帝国の慰安婦」と朴裕河を擁護・支持してた連中ほど、この協定の推進派になっているのも面白い(というか必然)現象でしょう。

韓国の100万人デモについてとりあえず

11月12日に韓国で「民衆総決起」という朴槿恵退陣を求める大規模デモが行われた。これは全国各都市でも同日に行われたが、とりわけ首都ソウルでは主催者発表で100万人参加したとされており、映像など見てもそれぐらいは集まっておかしくない規模である。このまま行けば朴槿恵政権の余命は長くあるまい。が、しかし…。

今は時間がないので簡単に論評するが、あの100万人デモってちょっとヤバくね? という不安も筆者は感じた。要するに最近日本の社会運動やデモなどでよく見られる「警察に感謝」「過剰なまでに非暴力を強調」「国家主義的ナルシズムの発露」「祝祭イベント化」といった現象がずいぶん見られたからである。一部のデモ参加者が警察の車壁を乗り越えて大統領官邸へ進もうとすると、他の参加者に「降りろ、降りろ」と引きずり下ろされるとか、これが本当に韓国の反政府デモなのかと我が目を疑った。農民が一人虐殺された1年前のデモとは比較にならぬほど参加者が激増した反面、打って変わって牙を抜かれてしまったのではないか。すなわち韓国民衆運動の「反原連化・SEALDs化」現象である。数年前から嫌な予感はしてたのだが、まさか…。

さらにここへ来て民主党が朴槿恵と単独会談に出て、野合するのではないかという疑いが濃厚だ。民主党だって12日のデモには参加していたにも関わらずこれである。考えてみれば民主党が12日のデモ参加時に掲げていたスローガンは「大統領は国政から手を引け」だった。他の市民達が「朴槿恵退陣・下野」を叫んでいた最中に、なぜか民主党だけそれよりも後退したスローガンを掲げていたのはこういう事だったのかと疑いたくなる。


共に民主党の参加議員達。手にしたスローガンは「大統領は国政から手を引け」で非常に微温的だ。


一般のデモ参加者達。こちらは「朴槿恵退陣」を掲げている。

まとまった記事は後で書くが、今回の100万人デモは問題点も非常に少なくなく、日本から参加した人々もその点は留意すべきだろう。民主党の裏切りで朴槿恵が延命する可能性も出て来ている今、状況は依然厳しいか、さらに悪化する危険性もある。

とりあえず韓国の作家・金甲洙氏が今回のデモについてそうした問題点を指摘しているので、以下リンク先を朝鮮語の読める方は目を通しておくと良いだろう。これはまた後で翻訳して当ブログでも公開する。

https://www.facebook.com/kimcapsu/posts/722240621260218

2016年第45代アメリカ大統領選挙 その1

この結果を見て真っ先に筆者の頭をよぎったのは
「間違いなく今回の選挙は漫画ゴラクの「白竜」のネタになる」
という事であった。おそらく原作者の天王寺大は今頃
「これで『白竜』のネタがまた一つ増えよったでえええええッ! このネタ、私が仕切らせていただきます」
と狂喜乱舞している事であろう! ヒラリーが当選していたらネタにならなかったが、トランプが当選したら(白竜的には)大いにネタのしがいがあるのである。

何しろ「白竜」という漫画、大事件でありさえすれば国内国外関係なく何でもネタにする(今現在の連載エピソードは豊洲市場移転問題)事を売りにしており、最近ではそれがどんどんエスカレート(いわゆる強い奴のインフレ?)して、バチカン銀行の事件やら世界を支配する予言書の争奪戦とかにまで一介の日本のヤクザが介入してシノギにし、もはやこの漫画の主人公はヤクザをはるかに超越した化け物みたいな存在になりつつある。バチカン銀行にまで介入したスーパーヤクザ(笑)がアメリカ大統領選挙に食い込んでも、作品的には全くおかしくあるまい。むしろそれでこそ最近の「白竜」だろう。「白竜」では以前にも、最初は当選見込みの全くなかった自分とこの組長をありとあらゆる手段を用いて国会議員に当選させるという凄絶なエピソードがあったが、その延長で「当初は全く当選見込みのなかったトランプ(をモデルにした候補)をありとあらゆる手を使って当選させる」という話が遅かれ早かれ登場するのは間違いないであろう。ドナルド・トランプを当選させたのは日本ヤクザの白竜であった! と(笑)。

今回のアメリカ大統領選挙、対決するは共和党のドナルド・トランプ(をモデルにした候補)と民主党のヒラリー・クリントン(をモデルにした候補)か…。

この一件、私が仕切らせていただきます!

果たして黒須組長とトランプの、どちらを当選させるのがより大変なのかというのが気掛かりかつ楽しみなエピソードになりそうだ。
天王寺大が今回の米大統領選挙を「白竜」(ミナミの帝王でも可)のネタにする確率は99.9%と筆者は見込む。少なくとも当初言われていたヒラリーの当選確率よりははるかに高いであろう(笑)。

此度の大統領選挙、真面目な話はまた次回にでも…。
(続く)

浅井基文氏の「驚き」について

http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2016/856.html
韓国における核武装の主張に接して思うこと

浅井基文氏の上記最新記事によると、韓国のハンギョレ統一文化財団主催のシンポジウムで「韓国核武装」という主張が当たり前のように飛び交っていてショックを受けたとの事です。が、浅井氏に申し上げておきたいのですが、筆者はこれを見て「ああ、やっぱりね」という感想しかなく、まさに(嫌な)予感通りという印象でした。これまで筆者は何度も指摘してきましたが、韓国のハンギョレ新聞(のみならず京郷新聞、オーマイニュース、プレシアンといった韓国の著名な進歩派というかリベラル系メディア達)というのは諸外国で思われているほど素晴らしくもなければ、反権力でも反骨派でもありません(創刊間もない頃の最初期はどうだったか知りませんが)。一言で言うと、ただの煽情報道と機会主義で部数を稼ぐ事が最優先の堕落し切ったダボハゼメディアです。日本で言えば、最近なら旧噂の真相スタッフが主軸になっているらしいリテラ(その実態は、貧困女子高生バッシング報道で捏造記事を出したビジネスジャーナルの別働隊)だとか、あるいは総会屋雑誌そのものであるかつての現代の眼なんかが非常に近いんじゃないでしょうか。最近の例で言うと、ハンギョレは朴槿恵政権の歴史教科書国定化に表向き反対の論陣を張りながら、裏では政府の国定教科書推進広告を一面トップに載せるなどという露骨な事もしています。ハンギョレの掲げる「社会正義」や「民主主義」や「歴史正義」など、広告を取る為のネタでしかありません。今のハンギョレに極右朴槿恵政権の悪事を真面目に追求しようとしている記者などほとんどいないでしょう。今韓国で大騒ぎになっている「崔順実事件」にした所で同様であり、今をときめくホットイシューだからスキャンダラスかつ煽情的に書き立てているだけで、その姿勢は朝鮮日報などとほとんど一緒です。ハンギョレの崔順実事件報道に核心を突くような鋭い記事や分析はほとんどありません。対日問題についてもそうで、この新聞は日本の安保法案(戦争法)成立に対して「対北抑止力になるから評価出来る」などという、およそ日帝の植民地被害国の、それも「代表的進歩派新聞」とはとても思えない無茶苦茶な社説まで乗せていました。明仁を「平和の神」のごとくヨイショするのにも率先していますし…。
ハンギョレは「韓国報道界信頼度ナンバー1」という自画自賛が大好きですが、その実態は総会屋稼業に片足突っ込んでいるような、ブラックジャーナリズム一歩手前の存在に過ぎません。
実際に世界中見回しても、ハンギョレとアルジャジーラほど外ヅラと実態の掛け離れた「美しい誤解」を受けているメディアはないでしょう。もちろん読める記事が皆無という訳ではありませんが、基本的な会社の方針というか体質が「総会屋一歩手前」のメディアだという事は前提としてわきまえておくべきです。中国の専門家である浅井氏にこんな事を言うのは何ですが、環球時報を読むような感覚でハンギョレや京郷を読んじゃいけません。レベルが違いすぎます。雲泥の差です(笑)。
浅井氏はこのシンポで核武装論が出た事に驚いていましたが、それ以前の問題としてハンギョレという新聞社が明確な「反核メディア」であった事など一度もありませんでした。これはハンギョレという新聞を知る上で重要なポイントでありながらあまり知られていない事実で、この新聞社の核(兵器・発電問わず)に対するスタンスはとにかく定見というものがなく、下手したら核兵器がどういう物なのか、原発はどういう原理で電気を作るのか、放射能がそもそもなぜ危険なのかという常識レベルの話を理解している記者がどれだけいるのか極めて疑わしいというレベルなのです。代表的な例として、ハンギョレは日本で福島原発事故が起こった後にも関わらず原発輸出に賛成し、アメリカとの交渉で原発核燃料を独自に確保出来た事を無邪気に喜ぶ社説を堂々と載せた事がありました。朝中東のようなゴリゴリの右翼で原発推進メディアがそういう事を言うならまだ整合性がありますが、一応「進歩派」で自然環境問題などもよく取り上げているはずの新聞がそんな事を言うとか、矛盾がどうのこうのという次元をはるかに超越しているでしょう。一方でたまに思い出したかのように脱原発的な記事を載せる事もあるなど、ハンギョレが明確に「反核・反原発」のスタンスをとっている訳でない事は明らかです。なので、そんなハンギョレ(正確には系列の財団)が主催するシンポジウムで「韓国核武装論」「米軍核兵器再配備論」といった話が出ても何の不思議もありません。韓国の事情をよく知らず、漠然と「ハンギョレは軍事政権時代に弾圧を受けた反権力・反骨ジャーナリスト達が集まって出来た新聞 by本多勝一」という美しい誤解イメージをまだ抱いていた人達にはちょっとしたショックかもしれませんが…。浅井基文氏は実績ある中国の専門家で筆者も一定の敬意をはらっていますが、韓国含めて朝鮮半島のそうした実情にはまだ疎い所があり、それで今回のような驚きを感じたのだと思います。

韓国という国の進歩派マスコミは諸外国の人々が抱くイメージほど反骨精神がある訳でもなければ民主主義や平和を大事にしている訳でもなく、韓国社会の民主主義とやらもまた言われているほど社会に深く根を下ろしている訳でもなければ、市民社会や大衆の意識が高い訳でもありません。
よく朝鮮半島の平和統一を願う人々の間では、朝鮮民主主義人民共和国の情報が少ない上にそれに敵対する国家やマスコミから流されるネガティブキャンペーンが激しい事から「北の事を正しく知ろう。それが平和と統一の道」という事がよく言われます。それはその通りなのですが、では西側に住む我々は南の事をどれだけ正しく知っているのでしょうか? 朝鮮共和国の事を単純な「独裁国家、テロ国家」と断ずるのが誤りであるように、韓国の事を「民主主義と経済発展を同時に成し遂げた自由の国」などと美化するのも同じくらい間違った認識でしょう。その「経済発展と民主主義」とやらが、今もの凄いスピードで崩壊しているというのが韓国(日本もですが)という国の現状です。「自由な西側」に住んでいるはずの我々が「開かれている(はずの)韓国」の事を、さらにはその上位帝国主義国家である日本やアメリカの事すらもロクに知らなかったのではないか。

今、韓国では崔順実事件によって社会に大騒乱が起こっています。暴政を欲しいままにしていた「独裁者2世」朴槿恵が実は単なるアダルトチルドレンの引きこもりおばさんで、インチキ宗教家の言いなりになっていたカカシみたいな人間に過ぎなかった事が満天下に明らかになった訳ですから。その「神のお告げ」による暴政・悪政・苛政・失政によってどれだけ多くの人々が苦しみ、生活が破綻し、実際に命まで失ったでしょうか。韓国では多くの民衆が怒って朴槿恵の退陣を求め、その間の暴政や失政の真相究明を求めて大規模なデモを行っています。ここで気掛かりなのは「今回の事件をきっかけに、果たして韓国がもう少しでも民主的で平和で暮らし易い社会に変わるだろうか」すなわち21世紀の「ソウルの春」は来るのかという点でしょう。筆者の見解を言わせてもらうなら、そうなって欲しいとは切に思いますが、生憎とそうなる可能性は限りなくゼロに近いと思います。理由は色々ありますが、今回の浅井氏の記事はそれを強く感じさせるに足るものの一つでした。ハンギョレのシンポジウムに来る人間達というのは、荒らしに来た極右勢力の「バンザイアタック(笑)」でもない限り、基本的に民主党や国民の党(あるいは正義党も)の支持層です。野党の次期有力大統領選候補とされている文在寅か安哲秀いずれの支持層に他なりません。そういう支持層が今や声高に「韓国核武装」「米軍核兵器再配備」を叫んでいる状況なのですから。もちろん今の民主党と文在寅、国民の党と安哲秀らは(野党という立場もあって)、そうした韓国の核武装に類する主張には反対していますが、今や支持者の方がそれをも飛び越して先鋭化しているというのは何を意味するのでしょう。日本でも一部の左翼や反戦運動家くずれの人間が「沖縄米軍基地本土引き取り運動」なる奇怪極まりない運動を提唱して政治カルトの様相を呈していますが、韓国での出来事もこれと同じで旧民主化勢力の中から理性を失って政治カルト化した転落者が続出している無残な状況なのだと思います(近年になって旧民主化勢力の中から朴裕河を支持する者が続出しているのも、やはりこれと平行している反動化現象なのでしょう)。さらにこのハンギョレシンポジウム参加者達=野党支持者達が同時に、今まさに崔順実事件を受けて朴槿恵退陣を叫んでデモしてるような層でもあったとしたら? もちろん韓国が核武装する事は現実的に不可能であり、そもそもアメリカがそれを許さない上に、戦時作戦権すらない国が核だけ持ってどうすんだという話にしかならないでしょう。それでも韓国に核武装させる、配備させるというのは、南北関係を改善して交流を再開したり平和的な関係を築こうという考えが全くない、それどころか戦争も辞さずという意味です。今やセヌリ党は親朴槿恵派か非朴槿恵派かといった派閥を問わず有力議員のほとんどが韓国核武装論を主張しており、日本の安倍自民党とどっちがヤバいのかねというレベルの危険極まりない集団です。親朴槿恵派の筆頭格である党代表の李貞鉉から非朴槿恵派の最有力者である前代表の金武星までことごとくそうなのですが、それに対するハンギョレのシンポ参加者(=野党支持者)達までもがそれと何ら変わらない水準の「核武装バカ一代」では、例え朴槿恵が下野してもそれで韓国社会がどれだけマシになるのか、南北関係が平和になるのか、極めて疑わしい。もちろん今韓国で朴槿恵退陣を求めて民衆デモを行っている人々が100%全てこんな連中ばかりではないはずです。それでも野党支持層にこうしたカルト化した者達が目立ち始めているというのは、恐ろしく不安を感じさせるでしょう。

「日本の安保法は対北抑止力だから評価出来る」
「韓国の原発輸出バンザイ」
「原発の核燃料が確保出来てうれしいな」
「今ある原発を即時全廃するのは無理だから、それまで可能な限り使い倒せ」
「平和の神、明仁テンノーヘーカバンザイ」
「北は(を)核放棄して(させて)国際社会に出て来い(引きずり出せ)」

こういう実に勇ましい記事や社説が乱舞するハンギョレを熱心に読んだ結果、ああいう「核武装バカ一代」達が生まれて来たという話なのですから。

筆者が浅井氏の記事を見てもう一つ警戒心を抱いたのは、このシンポジウムの登壇者達です。記事に「モデレーターを勤めた延世大学名誉教授ムン・チュンイン」というのが出て来ますが、これはおそらく盧武鉉政権期に大統領の対北政策アドバイザーや外交通商部国際安保大使(長官級の役職)を務めた延世大学の文正仁(문정인 ムン・ジョンイン)の事だと思います。「ムン・チュンイン」というのは、浅井氏がこの人の名前を読み誤ったのでしょうか。しかしながらこの文正仁というのは中国関係の専門家(つまり奇遇な事に浅井氏と同じジャンル)として韓国ではかなり実績のある学者ではありますが、同時に政府のポストにかなり貪欲な無節操漢でもあるという点に注意が必要です。この人は金大中・盧武鉉のいわゆる「民主政権2代」の時に政府の重要ポストに就任し、とりわけ対北融和政策(いわゆる太陽政策)の立案や実行に大きな役割を果たしました。しかしながらその後李明博・朴槿恵政権になった後も、文正仁はこれら保守極右政権にかなりの「猟官運動」をして政府審議会(統一準備委員会)のポストをガメつく獲得したのですから無節操の極みです。朴槿恵政権の対北政策は民主政権と180度逆の対決政策だというのに、ポスト欲しさでそんな所へ潜り込むのですから! さらにこれのお相手をしたハンギョレ統一文化財団理事長の林東源こそ一番の問題人物です。こう言うと意外に思う人もいるかもしれません。林東源と言えば金大中時代に統一部長官を務めて2000年南北首脳会談の実現に大きな役割を果たし、朝鮮半島の平和実現に寄与した「ピースメーカー」というのが日本でも韓国でも一般的なイメージでしょう。金大中・盧武鉉政権期に太陽政策の実行に活動した政治家・官僚・学者の集団、いわゆる「太陽(抱擁)政策派」グループ(先程の文正仁もその一員)の筆頭格と言って良い存在です。ところがこの「太陽政策派のリーダー」たる林東源もまた文正仁に劣らずピョスル(벼슬 朝鮮語で官職とか仕官の意)に恐ろしく貪欲な人間で、金大中・盧武鉉政権と180度対北政策が違う朴槿恵政権に取り入ろうと浅ましい醜態をさらした事がありました。例えば林東源は2014年頃までは朴槿恵の「韓半島信頼プロセス」(これも中身のないもので、実際には黒幕の崔順実が思い付きで朴槿恵に吹き込んだ案である可能性が高い)をボロクソにけなしていたのです。ところが翌2015年になると突然態度を180度変えて「朴槿恵政権の韓半島信頼プロセスは実に良くやっている」と真顔で大絶賛し始めました。現実に南北朝鮮の関係はその頃どうなっていましたか? 南北間の対話は完全に閉ざされて戦争一歩手前の状態に追いやられ、朴槿恵の「韓半島信頼プロセス」とやらが机上の空論レベルにすら達してないどれだけメチャクチャなものかがすでに実証されていたではありませんか! それを「実に良くやっている」と激賛したのが「2000年南北首脳会談の立役者であるピースメーカー・林東源」だったのです! この事は日本・韓国を問わず平和統一運動の世界でもほとんど知られていなかったり無視されている事実です。なぜ林東源は単なる吸収統一論でしかないあんな朴槿恵(崔順実)のどーしよーもない暴論を大絶賛したのか。文正仁と同じで政府のポストが欲しかったからではないのか。朴槿恵の周囲は三国志に出て来た宦官の十常侍みたいなおべっか使いに取り囲まれていた事が明らかになっていますが、林東源もそのサークルに入りたくて仕方のない出世亡者の一人だったという事をここにはっきりと記しておきます。「太陽政策派」の人間達というのはこのように、かつて首脳会談を行った南北首脳達(金正日・金大中・盧武鉉)が全員世を去ってから(大体2012年以降)というもの、正視し難いほどの堕落道をたどりました。筆者がこの人達の言動を調べた範囲で、例外は一人もいません。みんな「ドイツ方式とは違う、我が民族の実情にあった平和統一」から「北の体制を転覆して、西ドイツに倣った南主導の吸収統一」へ大転向しました。まさに「金大中と盧武鉉の元側近衆はもう壊滅状態」なのです。真面目に朝鮮半島の平和を望むなら、こうした人間達を切る事から始めねばならないでしょう。冗談でなく! こうした吸収統一論への転向者が登壇して話をし、聴衆が韓国の核武装や駐韓米軍の核再配備を声高に主張するのがハンギョレの主催するシンポジウム…。こうした人間達が朴槿恵下野後の受け皿になるというのでしょうか? それで韓国に「ソウルの春」が訪れるのでしょうか?

今の朴槿恵政権の状況を指して李承晩政権最末期、すなわち4.19蜂起が起こった状況に似ているという指摘が多く見られます。しかしながら実際にはそうでなく、今の韓国は日本の第1次安倍政権末期に大変似通った状況ではないでしょうか。あの時安倍が心身ボロボロになって敵前逃亡したのは今でも多くの人が覚えているでしょう。しかしながら安倍はその後別人のようにタフになり、民主党政権の失敗に乗じて復活してしまい、長期政権として今に至っています。朴槿恵は事ここに至っても辞任する考えは全くなく、仮に下野したとしても民主主義や民生・南北関係改善といった方向へ舵を切る者は与野党問わず誰もいません。李承晩や朴正熙が倒れた時は与野党いずれにも「これからは民主化に進まねばならない」という考えがある程度共有されていたのですが、今はその点が全然違っており、あの頃よりも明らかに悪い。何しろ野党そのものよりも支持者達が先鋭化して「核武装論」ですから…。

かつての安倍のように朴槿恵がタフに変身して逆襲するか、
与党が朴槿恵だけを尻尾切りしてこれまでと同じ事を続けるか、
野党に政権交代してこれまでとあまり違わない事を続けるか、

どっちに転んでも韓国の行く手には地獄しかないのではないでしょうか。「崔順実事件」で朴槿恵政権が風前の灯だからといって、楽観出来るような情勢では全くありません。

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