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文在寅政権しゅごい

韓国の文在寅政権すげえなあ。ここまでイっちゃうともう、ある意味何も言う事ねえよ。

プレシアンより
http://www.pressian.com/news/article.html?no=172538
文大統領「防衛産業国産化を超えて輸出産業化せねば」
「友邦国と武器体系共同販売が可能になるだろう」
2017.10.17 11:54:23

中央日報より
http://news.joins.com/article/22018979
文大統領「平和守る為の力が必要…独自的防衛産業の力量確保が切実」
2017.10.17 10:47


上記2紙だけでなく、今韓国の新聞ではどこも「文在寅の軍需産業を輸出産業化」ニュースで持ち切りである。全文訳すのは面倒なのでこれらを要約すると(もちろん間もなく日本語版各紙で記事が出るとは思うが)、

・韓国の軍需産業を輸出型グローバル産業へと飛躍させる。

・友邦国と軍需産業共同協力体を構築し、安保協力国家達と先端武器体系を共同で企画・開発・運用していくシステムを拡散。それで開発した武器体系を世界市場へ共同で販売していく。

・そうする事で国防費節減して、開発段階から市場を確保。協力国達との国防力強化と世界平和にも貢献。

・軍需産業の競争力強化でより多くの職場を確保。軍需産業が新しい未来成長動力に発展。

・北の軍事的脅威から国民を守る先端武器を戦力化。

・我々は今やいついかなる時よりも平和を守って作り出す力が必要。


まあ、こんな感じです。お読みになってお分かりの通り、日本で安倍晋三や小野寺五典や小池百合子の言ってる事と全然違わない。もちろん枝野幸男率いる立憲民主党の性格ともナイスマッチであろう。これからの韓国は「死の商人立国」を目指して狂奔していくのです! 
突っ込み所は一杯あるが、今後の韓国は世界各地の紛争地域へ武器を売りまくり、そればかりか武器の需要を作る為に自ら当該国に軍事挑発や内紛・内戦の種をバラ撒いていく事になるだろう。本格的にアメリカや日本の後を追って、すなわち2周3周遅れの「小アメリカ」「小日本」とも言うべき(三流)帝国主義国家への道を歩むという事だ。韓国の軍拡化も日本に負けず劣らず危険な水域へ突入しようとしており、東アジアの平和を脅かす最悪の存在としての日本と韓国の姿がこれほどあからさまになった時代はないであろう。その一方で今回の文在寅の発表を聞いて「韓国の軍事的独立」「兵器輸出で経済発展と国際競争力を」「強力な安保」「北に対する強力な抑止」などと沸き返る国家主義者が保守・進歩問わず韓国で大量に発生するのは間違いあるまい。が、しかし…。

今回の件はもちろんトランプ政権以降のアメリカの影響を多分に受けている。トランプがこの間言ってきた事というのは下位同盟国(衛星国)達に対して「守って欲しかったらもっとゼニ出せや」という事に尽き、当初は米軍の駐留費、さらには当該国の防衛費そのものをもっと上げろ(そしてうちからもっと兵器買え)という圧力にエスカレートしていった。トランプのアメリカ優先主義とはゼニにならない国際警察ごっこはしないという事であり、それが必要だとされた時には衛星国に米軍駐屯費以上の莫大な請求書を尽き付ける。元々トランプ以前のモンロー政権による「孤立主義」は帝国主義間の戦争に無闇に割り込まず自国民の犠牲を最小に抑え、その代わりに民間の兵器輸出はバンバンやって戦争特需を享受するというものであった。そして世界大戦の趨勢が決まりつつある時期にようやく重い腰を上げる事で戦勝国の地位を占める。トランプが推し進めようとしている「アメリカ第一主義」も同じ概念だ。ただしアメリカがこうした方向へ進む予兆はオバマやブッシュジュニアの時代からすでに表れてはいた。「アメリカの負担軽減」という事が言われて久しく、それはすなわち日本や韓国にツケを回すという事でもある。アメリカの借金はすでに天文学的に膨れ上がってどうしようもない水準に達しており、戦後の「介入主義」から再びトランプの「孤立主義」に回帰するのは必然であったろう。ただトランプが執権以後に執った進路は「アメリカの負担軽減」を遥かに超越した「史上最大の超搾取」とも言うべきものであり、これはそれだけアメリカの借金額が常軌を逸しており、かつての世界大戦のような大戦争も起こしようがない国際情勢ではそれを挽回出来なくなっている事を意味する。何しろ核はアメリカとその同盟国だけの独占物ではないのだから! そこにアメリカの落日がよく表れていよう。
このような状況で韓国が軍需産業育成に力を入れるという事を、超親米な文在寅政権の性質と重ね合わせて考えれば答は一つ。今回の件もアメリカへの「上納」という性質が色濃いのではないか。つまり韓国の軍需企業がいかに武器を輸出して稼いでも、肝心の兵器製造に関わる技術ライセンスなどの知的所有権が欧米の兵器産業にことごとく押さえられているのではないかという事だ。原発の核心技術がほとんど欧米の企業にあるように、軍需産業の革新技術もそうである可能性が高い。韓国(と日本)が兵器をいくら売っても欧米の軍需産業にライセンス料をピンハネされるだけで、成長動力もへったくれもない結果になるであろう。アメリカは働かずして馬鹿な韓国と日本から不労所得をせしめ、ここにアメリカの「孤立主義商法」はなったという話だ(もちろんそれだけでアメリカの天文学的な借金を埋められるかは別の話になるが)。
文在寅(日本も同様)が推し進めようとしている軍需産業の育成と輸出産業化が「職場を確保」「国防費節減」「未来の成長動力」「世界平和へ貢献」する事にならないのは100%保障付きである。そもそも死の商人稼業で自国民の職場を作る、経済発展だ、世界平和だのとのたまう国家指導者こそ異常な人格ではないか。「キャンドル民心が生んだ民主主義大統領」文在寅とやらは、トランプや安倍にも決して引けを取らない戦争狂である。

韓国と日本が今後核武装出来るかどうかまでは分からない。アメリカの腹一つであろう。が、少なくとも文政権が米軍の戦術核を再配備させる可能性は極めて高いと筆者は見ている。もちろんその場合に請求書の額は天文学的なものになるだろうが。
韓国の国会はすでに与野党関係なく韓米同盟強化と対北敵視政策を金科玉条とする「翼賛体制」が事実上成立しており、今回のような軍需産業の国策育成や原発輸出政策、いざ戦術核再配備となった時などに、これらを食い止める政治勢力は誰一人存在しない。この方面に関しては日本よりも明らかにリードしている。

ついでに言うと、文在寅政権における原発輸出の動きもとうとう具体的な姿を見せ始めた。

http://japan.hani.co.kr/arti/economy/28649.html
韓国型原発、欧州輸出の道が開かれた
登録 : 2017.10.10 06:41 修正 : 2017.10.10 10:08   

上記記事はハンギョレ日本版で簡単に読めるはずなのに、なぜかあまり注目を受けていないのは不思議な事である。以前筆者は文在寅政権の「脱原発」とやらが「国内では一応脱原発する(つもりだ)けど、輸出は今以上にバンバンやる」という極めてインチキなものである事を指摘した。それが誰の目にも明らかになったという事であり、今後は口が裂けても「文在寅政権は脱原発」などと言ってはならない。大いなる嘘は今や完全に化けの皮がはがれたのだ。

「キャンドルデモ」を行った「韓国国民」達に、「世界の民主主義に寄与した」としてドイツ人権賞とやらが授与された。その「韓国国民」が作り出したはずの「キャンドル大統領」とやらは原発輸出に邁進し、THAADに反対する自国民を武力弾圧し、前政権の被害者である良心囚を誰一人として釈放せず、日本の軍国主義者と手を結んで自国の日帝被害者や北側の同胞達を抑圧し、軍需産業の超プッシュをするまでに至った。ドイツ人権賞とやらにどれほどの権威があるか知らないが、この賞がノーベル経済学賞(笑)並みに腐ったインチキな代物である事は間違いないであろう。そして先の「キャンドルデモ」が、その意義と生み出した結果において韓国の民衆抗争史上最低のものであった事も間違いないのではないか。

「民主的」な手続きでサイテーの国家指導者を選択する。またはそうしたサイテーな選択肢しかそもそも存在しない。

これは韓国(アメリカと日本もだが)の民主主義そのものに重大な欠陥があると同時に、西欧型民主主義そのものの破綻を象徴している。「民主主義は間違いの少ない制度」という前提自体が崩れつつあるのではないか。
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喜ぶのは早過ぎる

それにしたって「飛ばし」もいいとこな記事だと思った。韓国の文在寅政権が朝鮮籍在日の韓国訪問を許可する方針だとした、8月15日の演説についてである。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/28191.html
「朝鮮籍」の在日同胞の自由な訪韓を許可
登録 : 2017.08.15 22:26 修正 : 2017.08.16 06:43

上記ハンギョレの記事ではタイトルで「許可」としているが、実際にはまだ何も決まった所はなく、ただ大統領がそういう「方針」だと演説で述べたに過ぎない。正しくは「許可の方針」とすべきであろう。大統領が演説でちょっとリップサービスしただけなのに、それを以って「自由な訪韓を許可」がもう実現したかのようにいうのはいくら何でも気が早すぎねえか、という話なのだ。確かに韓青が8.15に韓国へ入国出来たのは朗報ではあるものの、その流れで朝鮮籍在日も韓国へ無条件で入国出来るようになるという保障はどこにもない。皮算用はやめて、もう少し様子を見るべきであろう。

筆者がこういう事を言うのは、文在寅には前科がいくつもあるからだ。何度も警告してきたように、文在寅がちょっといい事を言っても、それには大抵裏がある。脱原発を謳いながら、その一方で原発輸出は今まで(すなわち李明博・朴槿恵時代)以上にバンバンやるというのは典型だろう。

朴槿恵による全教組への法外労組通告を撤回すると選挙で公約しときながら、それは依然として実現されてない。選挙の時だけ票欲しさに甘言を弄して、当選したら知らん振りかよ。
朴槿恵政権による政治弾圧でブタ箱へ入った良心囚の釈放も「出来ません」の一言でおしまいだった。金大中と盧武鉉は就任何ヶ月もしないうちに釈放したのに何で? 
日韓慰安婦合意についても再検討タスクフォースには慰安婦問題の専門家が誰もおらず、日韓の間で交わされた合意文書の公開も「国益に反するから駄目」で門前払いである。

こうした前科を考えれば、本当に朝鮮籍在日の訪韓が認められるようになるか、誰にも保障出来ない。仮に認められるようになっても、国内脱原発と原発輸出をセットにするようなとんでもない条件をくっ付けて来る可能性が高いであろう。特に最近の韓国の関連ニュースなど見ていると「朝鮮籍在日は北とは関係ない」という事を強調する論調がやたらと目立つのだ。要するに「朝鮮籍同胞は憎き北とは関係ない。一部の総連活動家を除いて、むしろ彼らも北の政権の被害者なんだから、南は彼らを喜んで受け入れる(取り込む)べき」というスケベ心が丸見えで、要するに朝鮮共和国と朝鮮籍の在日をいかに離間させるかという「国益」に重点を置いた話になっているのだ。文在寅政権が朝鮮籍在日の韓国訪問を容認するにしても、それは決して「自由・無条件」なものではなく、朝鮮共和国との離間や朝鮮籍そのものからの離脱をうながすような策をセットにしてくる可能性が非常に高いと思う。故にうかれずもう少し様子を見るべきであるし、「言ったからには無条件で実行せえよ!」と文政権に突きつける事も決して忘れてはならない。

放っておいたら文政権はまた変な事をやらかすに決まっている。こういう事を言うのは気が引けるのだが、韓青の祖国訪問も文在寅にしてみれば「小泉のハンセン病裁判上告取り下げ」みたいな単なる人気取りパフォーマンスの一つか、さもなければ朝鮮籍在日を釣る為の「エサ」に過ぎないのではないか。

文在寅に突きつけるべきなのは「朝鮮籍同胞の訪韓を容認するのか」ではなく、「朝鮮民主主義人民共和国と金正恩を支持する同胞の訪韓を自由かつ無条件で容認するのか」という事であった。それに対しても果たして文在寅は「自由に許可する」と堂々と答えられたであろうか。まあ、選挙の際に「俺様は金正恩が世界で最も恐れる大統領になってみせるぜえええええッ!」とか言って粋がってたり、国情院や脱北ブローカーに拉致されてきた人達の送還を徹底拒否し、北に友好的な在米同胞の入国禁止を依然として解除しようともしない大統領の事だから、答は火を見るより明らかだろうが。


↑ 選挙中に文在寅が自身のSNSに発表した発言。「私は金正恩が最も恐れる大統領になってみせます。アメリカが最も信頼する大統領になってみせます。中国が最も信ずるに値する大統領になってみせます」とある。出所は以下アドレス参照。
http://news20.busan.com/controller/newsController.jsp?newsId=20170410000229


文在寅政権が「脱原発」だって?

そう信じている方も多い事であろう。何しろ文政権は「脱原発宣言」したのだから、それを真に受けて「うれしいニュース。ああ、さすがは「キャンドル革命」が生んだ大統領だ。民主化運動と国民主権と新大統領だ」と喜んでいる善意の方が非常に多く見られる。が、しかし…。
そうした純粋な善意の方々にこういう事を言うのは大変心苦しいのだが、そのような見通しは甘い、とろけそうなくらいに甘い、サッカリンを大量にぶちこんだ高度成長期公害時代の日本の駄菓子よりも甘過ぎると申し上げておく。
文在寅ってのはあの「差別主義者にしてシリアの虐殺者トランプ」に世界で最も、それこそ犬のように忠節を尽くしてシッポ振ってる国家元首だぜ? 安倍以上にだよ? 朝鮮共和国に対しても軍事境界線上の挑発行為をやめるつもりは全くないとして、李明博・朴槿恵と何ら変わらぬ対北敵視政策を継続している大統領だぜ? そのくせ「北は無条件で対話に出て来い」とか勝手な事を言ってるんだぜ? そんな状況で対話に応じる馬鹿がどこにいるのかという話だろう。THAADの配備も強行した。星州で反対運動をしている住民達はどうなるのか? 彼らは朴槿恵時代と全く変わらず依然として弾圧にさらされている。辺野古と全く同じように! 

「文在寅政権は朴槿恵政権の継承政権である。韓国では「キャンドル革命」など何も起こっていない」
これこそが今の韓国を見る際に弁えておかねばならない大前提である。

本題に戻ると、文政権の「脱原発」など実に虚構と欺瞞に満ちた怪しげなものだ。確かに大統領は古里5・6号機建設も中断するとした。だがそれだけで今後韓国が原発を完全になくすと考えるのは早計に過ぎよう。以下のような恐ろしい話がある。

http://japanese.joins.com/article/741/231741.html?servcode=200&sectcode=200
脱原発後押ししながら…「産業資源部長官、原発輸出に最善を約束
2017年07月27日13時07分

朝鮮語原文記事
http://news.joins.com/article/21793113

http://news.joins.com/article/21796959#none
문 대통령 “(원전 기업의) 해외 진출 적극 지원할 것”
[중앙일보] 입력 2017.07.27 22:22 수정 2017.07.27 22:28
文大統領「(原発企業の)海外進出積極的に支援するだろう」


上記はいずれも中央日報の記事だが、結果は歴然としていよう。一応国内では「脱原発」する(らしい)が、原発輸出はこれからもバンバン行うと。これのどこらへんが「脱原発」なんだ? 国内では原発みたいなヤバいモンは一応やめる事にするが、そんな危険物をこれからは外国へ売って金儲けとか、単なる公害産業輸出や経済侵略以外の何者でもないではないか。本当に原発をやめるというなら、当然その輸出もやめねばならない。ところが文在寅政権はそうせず、原発輸出に「最善を約束」「海外進出積極的に支援」だというのだ。こんな欺瞞と偽善がどこにあるというのか。前任の朴槿恵や李明博も原発輸出に異常なほど熱心な「原発族政治家」だったが、文在寅も本質的には何も違わない。韓国では原発利権が朴槿恵&旧セヌリ党から文在寅&民主党に移っただけ、すなわち韓国で先日起こったのは「政権交代」ではなく「利権交代」に過ぎなかったのである。結果論ではあるが、キャンドルデモに参加した善意の人々はそんな下らない利権争いの片方に奉仕してやっただけだったのだ。いや、利用されたと言うべきか。そこに韓国の民衆運動が抱える泣き所がある。遺憾な事に、これは4.19の頃から変わっていない。

文在寅政権でもう一つ注目されているのが日韓慰安婦合意をどうするかという問題だが、これも原発と同じような展開が待ち構えているのではないかと筆者は考えている。そもそも日韓合意は「日韓は歴史問題を棚上げして安保協力を優先し、日韓仲良くこのアメリカ様に御奉公しろ」というアメリカ側の圧力が強く作用したのは周知の事実である。日韓合意に反対する立場からすれば敵は日本だけでなくアメリカも同様なのだ。挺隊協が米大使館前で日韓合意に反対するデモを行っているのは、それでもまだ敵を見失っていない証左であると言えよう(もちろん後述のような危惧もあるが)。だが文在寅はどういう大統領か? すでに何度も述べてきたように「世界で最もアメリカに忠実な犬」だぜ、文在寅って。他の閣僚や要職を見ても、朴裕河の最大の「パパ」であった特別補佐官・文正仁アメリカの手先になって国連で朝鮮やシリアへの圧力をかけまくった外務長官・康京和韓米FTA推進の急先鋒として韓国の農業破壊に率先し、農民達から怨嗟の的になっている通商交渉本部長の金鉉宗などなど。こんな大統領以下要職ども全員親米親日軍団の政権で、アメリカの意向に逆らってまで日韓合意を破棄出来ると思うだろうか。もちろん文在寅は大統領選挙前から日韓合意の「破棄」など一切言っておらず、飽くまでも「再交渉」としか言わなかった。だがその「再交渉」の中身がどんなものになるかは知れたものではない。「国内では一応脱原発するつもりだけど、原発輸出はバンバンやる」というのと同じで、文政権の慰安婦合意再交渉がどれだけ酷いインチキなものになるか、今から不安で仕方がないのである。
韓国政府が日韓合意を全面再検討するというニュースが報じられ、それを僥倖のように思う人もいるかもしれない。だが筆者はこのニュースを見て大変な不安を感じた。前述のように親米親日軍団である文在寅政権の本性に加え、この再検討を担当するタスクフォースに参加している委員達に怪しげな人間達(特に延世大学のソン・ヨルやハンギョレ論説委員の呉泰奎など)が散見されたからである。特に現役記者がこうした政府審議会に入るのは問題ではないのか。

挺隊協も含めて今韓国で慰安婦被害者支援を行っている人々を見ていると、筆者は非常に不安になる事が一つある。それはこうした団体の寄り合い所帯である「正義記憶財団」が外交長官である康京和を過剰に高く評価して支持し、後押ししているからだ。康京和がまだ外相に内定したばかりで国会などの審査(身体検査)を受けている段階で早くも慰安婦被害者や正義記憶財団が「康京和を支持する。彼女を絶対に長官にしろ。康長官なら必ず日韓合意を何とかしてくれる」といった事を公式に言いふらしてきたのである。だが、筆者がこれまで指摘してきたように康京和という女は極めて親米的なスタンスの外交官であり、国連でも欧米帝国主義の侵略戦争を推進する立場から「第三世界の人権問題」を悪用する例が極めて多かった。そのような人間がいかに自国とはいえ、「帝国主義侵略の被害者」である従軍慰安婦の肩を本気で持つとは考え難い。この手の欧米白人社会にかぶれたアジア人というのは、まさに名誉白人然として自国の同胞を蔑み、切り捨てるものである。康京和がナヌムの家を訪問して慰安婦被害者のハルモニ達と面会しただって? 彼女達が康を支持するのもそうした行動に起因する所が大きいと思う。だがそれだけで康京和と文在寅政権を支持するのは早過ぎる。ナヌムの家を訪問するだけなら、あの朴裕河でさえやった事があるのだから! もちろん朴裕河がナヌムの家に行ったのは「自分はおばあさん達を侮辱しているのではない」というアリバイ作りの為である。ナヌムの家に行って慰安婦被害者と面会したというだけでは、その者が本当に慰安婦問題を真面目に考えているかどうかの判定基準にはとてもならないのである。厳しい事を言うようだが。安倍だって毎年夏に沖縄の慰霊には一応行くではないか。そういう話でしかない。つまり単なる人気取りのパフォーマンスに過ぎないかもしれない行動を見て、正義記憶財団という韓国の「オール慰安婦支援者」が康京和を全面的に支持してオールインしてしまうというのは大変な悪手ではないかと、筆者はそれが不安でならないのである。
今韓国の慰安婦支援者達が陥っている状況というのは沖縄と非常に似ているのではないか。つまり

沖縄の民衆勢力や諸政党が一致して翁長雄志(元々自民党で保守派、日米安保支持)を知事に推す「オール沖縄」

韓国の正義記憶財団や当の慰安婦被害者達が一致して康京和(元々親米派で反北派、韓米同盟絶対的支持)を外相に推す「オール慰安婦支援者」

この間の推移を見ていると、翁長雄志を推す「オール沖縄」勢力と康京和を推す「オール慰安婦支援者」勢力があまりに似た様相を示しているのが非常に恐ろしい。
辺野古の基地建設を止めるにはまず知事が埋立承認撤回をするのが第一である。同様に日韓慰安婦合意についても、それを韓国政府が破棄して10億円詰めたトランクを安倍晋三(菅義偉か岸田文雄でも可)のツラに叩きつけてやるのが第一歩であるのは明らかだ。ところが現実に起こっているのは何か。「オール沖縄」に擁立された翁長知事はいつまで経っても承認撤回をせず、「オール慰安婦支援者」に後押しされた康長官はいつまで経っても「再交渉」の一つ覚え。やる気があるのかこいつらは、という話であろう。こうした翁長の「ヘマ」や「サボタージュ」に対して「オール沖縄」が何も言えなくなって久しい。慰安婦合意に関して康京和や文在寅が今後どれだけ「ヘマ」や「サボタージュ」をしても、韓国の「オール慰安婦支援者」もまたそれに文句一つ言えなくなるのではないか。
筆者が抱いている嫌な予感は、今後数年過ぎてもこうした状況が続いて状況がますます悪化し、その時になっても今と同じセリフを筆者達が言い続ける事になるのではないかという事だ。

【禍々しい未来予想図 in 20xx年】

アリの一言
「翁長知事は一体いつになったら辺野古の埋立承認撤回をするのでしょうか。辺野古の工事を止める為にも今こそ承認撤回をすべき時です。「オール沖縄」勢力もその事を翁長知事にはっきりと突きつけねばなりません」

・ウン年後の筆者
「康長官と文大統領は一体いつになったら日韓慰安婦合意の破棄をするのでしょうか。慰安婦被害者の名誉回復と植民地支配清算の為には今こそ合意を破棄すべき時です。「オール慰安婦支援者」勢力もその事を康長官と文大統領にはっきりと突きつけねばなりません」

…冗談はともかく、このようにならない事を心から祈っている。

結論を申しあげたい。文在寅政権の掲げる「脱原発」は極めてインチキなものである。国内ではヤバいからやめるけど、代わりにその危険物を海外へ輸出して儲けるのは今以上にバンバン続けるとか、どんだけ酷い話なのかと思う。しかもその韓国内脱原発が完了するのは40年も後だって? アホかの一言だ。こうした実情を知らずに「韓国の民衆革命バンザイ!」「目覚めた市民がつながりあえば、それは民主主義を守る砦となる」などという寝言を口走る「環境運動」こそもはや有害そのものであろう。
考えてみれば「国内的には一応脱原発だけど、原発輸出は賛成」というのはハンギョレが以前から主張して来た事でもある。そういう社説をハンギョレは実際に載せていた。福島原発事故後にも関わらず! そうしたハンギョレの主張が政策に反映され、同社幹部記者も政府審議会に取り立てられて乗勝長駆(승승장구 朝鮮語で「快進撃」「大出世」の意)する…。セヌリ党政権時には朝鮮日報・中央日報・東亜日報といった右派新聞の主張が政策に反映されては記者達も政府要職の御用に取り立てられたものだが、それと何が違うんだ? こうした現実を見てなお文在寅政権の本質が分からないのでは救いようがない。



・おまけの補論

「文在寅政権はロクな社会改革を実現出来ず、すぐにレームダックする」
筆者も当初はそう思っていたのだが、しばらく経過を眺めているうちにこれは違うかもしれないという考えの方が強くなった。文政権は高い支持率を保って意外に長期政権になるかもしれないという方に今では傾いている。
どういう事かというと、文在寅というのは予想以上のパフォーマンス政治家にしてポピュリズム政治家であるという事が分かって来たからだ。「キャンドル革命が生んだ大統領」「国民と疎通」「脱原発」「南北対話と開城工団再開」「慰安婦のおばあさん達の涙を拭いてやれる大統領」「全教祖を再び合法労組に」などいずれも嘘八百である事が判明した「不渡り手形」ばかりだが、不思議な事に文在寅の支持率は一向に下がる事はなかった。それどころか今なお80%の大台をキープし続けている。これは文在寅の見せ方のうまさにあろう。社会改革や弊害清算の旗印を掲げて、実際にそれらしき行動を少しだけ小出しにやってみせるのである。ナヌムの家に行ったり、汚染の酷い4大河川の水門をほんの一つか二つだけ開放してみせるとか、一部の非正規労働者を正規職にしろと直接指示したりといったように。それで「改革者」のイメージを作り上げて支持率を保持するのだ。でもそれだけで、根本的に身を削って旧悪を粛清する改革にまでは決して踏み込まない。こんな政治家、日本にいる我々にも嫌というほど見覚えがあろう。かつての小泉純一郎や橋下徹、今の小池百合子と何てそっくりなのかと思う。実際あの時小泉はハンセン病の裁判で控訴を取り下げて社会的喝采を浴びた。だが、他は…。文在寅はまさに「韓国の小泉純一郎」なのである。もっともこんな事を言うと逆に喜んでしまう連中も多いかもしれない。何しろ韓国の反原発運動界隈で小泉は「脱原発へ取り組む元首相」という事で英雄扱いされちゃっている訳だから(特に緑の党が酷い)。この事は韓国の市民運動自体が深刻な問題を抱えている事を示している。こうした文在寅の狡猾さ(並びに韓国市民社会の俗物化の為に)から、支持率は意外に下がらないのではないかと筆者には思えるのだ。

韓国では朴槿恵の末期に改憲の話が出た。これはもちろん朴槿恵が1期だけでなくその後も引き続き大統領でい続けたいが為にぶち上げた話だったものの、誰もが知る崔順実事件によって政権ごとその時は流れてしまう。だが韓国では改憲の話が完全に消えた訳ではない。大統領の権限や任期の変更といった改憲の話が今も燻り続けており、文在寅政権下でも遠からずその話は出て来るであろう。その時に文政権の支持率が高いままであったなら? そして大統領任期が2期以上に改憲されたら? 文在寅政権が意外な長期政権になるのではないかというのはこうした「文政権の超ポピュリズム手法による支持率維持」「改憲」が重なる可能性があるからだ。

もっとも文在寅が小泉的ポピュリズムへ過度に走るのも、当人の性格や政治的傾向以外に理由がない訳ではない。朴槿恵を失脚させた100万人キャンドルデモと弾劾、これは良い意味でも悪い意味でも韓国政治に大きな影響を残したと思う。憲法裁判所における朴槿恵の弾劾はなぜ通ったのか? これは率直に言って「支持率」に尽きよう。朴槿恵政権最晩期の支持率はかなり下がっていたが、崔順実事件が起こって100万人デモが起こるようになるとそれに歯止めがかからなくなり、地域や年齢層によってはゼロという世論調査の結果すらあった。韓国の憲法裁判所というのがいかに「憲法の精神」や「民主主義」から掛け離れた組織であるかは誰もが知る通りで、この裁判所の行動原理とはただただ時の権力への追従と機会主義だけでしかない。韓国憲法裁判所が憲法に忠実な判決を下した例なんて、筆者は今まで一度も見た事ねえよ! 日本の最高裁(最低裁?)より酷いんじゃね? かつて統合進歩党に解散命令を下した時はまさに「朴槿恵政権という強圧的権力」と「支持率一桁台の弱小政党・統合進歩党」という、韓国憲法裁の行動原理に100%一致する条件が揃っていた訳である。だがこれは後に朴槿恵にもそのまま跳ね返る事になった。権力の空白期に、ほとんど誰からも支持されていない職務停止中大統領に対して憲法裁は何の遠慮もしなかった(機会主義)という事だ。かつては高い支持率と強圧的な権力で憲法裁判所をもほしいままにしていた朴槿恵も、いざ自分の支持率が底をついた途端に当の憲法裁に引導を渡されたのは歴史の皮肉と言うべきか。このように大規模デモとそれに動かされた国会・憲法裁による弾劾が朴槿恵という一つの悪を倒したのはまあ事実であるが、同時にこれは副作用も生んだ。時の政権の命脈が支持率次第、というのが今まで以上に厳しくなったという前例を生んだのである。憲政史上初めて大統領が弾劾されて失職、それもかつては熱狂的に支持された時期もある朴槿恵がという事になって、今後大統領に対する弾劾は簡単に惹起されるようになるであろう。そしてそれが通るかどうかは、憲法・憲政とは全く関係なく、全てが支持率次第という事だ。もし朴槿恵にあの時支持率が15%以上あったら、多分憲法裁は遠慮して(機会主義)弾劾を通さなかったはずだ。民主党は今現在少数与党であり、野党達が結託すれば国会で文在寅を弾劾する事も決して不可能ではない。だが憲法裁は? 仮にそのような状態になっても、今のように文在寅が一定の高い支持率を保っている限り、憲法裁は例え天地がひっくり返ろうとも弾劾を通す事はない。それが韓国憲法裁判所の行動原理なのだから。

韓国大統領がその地位を保つ為には、何よりも己の支持率だけを第一に考えねばならない。

これはキャンドルデモと朴槿恵弾劾が生んだ大きな副作用である。韓国の民衆運動が持つ限界と歪な韓国の政治・司法システムが、韓国政治史上類例のないポピュリズム政権に帰結したといえよう。それが軍事政権以来の長期政権となる可能性を秘めてである。李明博・朴槿恵の「失われた9年」が15年以上に延長される覚悟を今からしておいた方が良い。

「成功的に進行」

特別重大報道、すでに日本のみならず世界中の人間が知る所であるが、これは一言で言って先の韓米首脳会談で話し合われた対朝鮮政策が早くもNOを突きつけられて破綻した事を意味する。「韓国の主導権」もへったくれもない。朝鮮半島の統一問題について元より南に主導権などあるはずもなく、アメリカに媚びへつらって聞こえのいいお褒めの言葉をリップサービスされただけの話だ。それがとてつもないカウンターパンチで3日も経たずに吹き飛んだのだから、このような屈辱外交をうれしそうにやっていた文在寅という大統領がどれだけ惨めな存在か分かるというものだろう。

【ありがたい文在寅語録】

「北が(抑留されている)アメリカ人3人を釈放したら対話に応じてやる」
「北の核は不法、我々の韓米軍事訓練は合法。だからこの二つを交換する事は出来ない」

「韓米同盟、平和と繁栄の為の偉大なる旅程!」

ひいいいいいッ! い、意味が分からねえええええッ! 
何でアメリカ人を釈放したら南北対話に応じる訳? 抑留されてるアメリカ人と韓国が一体何の関係がある訳よ? 普通は抑留されてる韓国人を釈放しろって言うんじゃないの? それが何でアメリカ人よ? 文在寅は引き渡されたアメリカ人が死んだ時もわざわざ大袈裟に哀悼の意を表してたけど、この人は一体どこの国の大統領なんだ? アメリカ人の安全と人権ばかり大事にしてそこまで平身低頭媚びへつらうザマ、韓国大統領というより駐韓アメリカ大使のセリフかと思ったよ。さすがの安倍だってここまでは言わなかったぜ。安倍の場合「拉致被害者を帰さなければ対話に応じない」ぐらいは言う(言った)かもしれないが、さすがに「アメリカ人を帰さなければ対話に応じない」とまでは言わなかっただろう。それでふと思ったんだが、もし今韓国で駐韓米軍兵士による凶悪犯罪(性犯罪や殺人など)が起こったら、文在寅と康京和はどういう反応を示すんだろうね? それでもなお「韓米同盟強化」「韓米同盟は偉大なる同盟」「THAADは今まで通り配備」とか言えるのだろうか? どうせなら米軍犯罪の被害者遺族の前でそのセリフを言って欲しいものだ。どのみち米軍がどんなに酷い犯罪をしでかしても、文在寅がそのような「不法」に対して「断固たる対応」をする可能性はゼロだろうから。

それともう一つ見逃せないのは文在寅が「韓米合同軍事訓練は合法」とまで言っている事だろう。

韓米合同軍事訓練が合法だって? 
嘘こげッ、コラ! そんなん初めて聞いたわ! 

朝鮮戦争の停戦協定では何と書かれているか? 

停戦協定第2条13項
「韓国国境外部から増員する軍事人員と作戦飛行機、装甲車両、武器及び弾薬を持ち込む事を中止する」

韓米合同軍事訓練は明らかに「韓国国境外部」から大量の米軍兵士・空母・戦闘機などの兵器を持ち込んで行われている。どう見ても停戦協定違反ではないか。むしろ停戦協定第2条13項という「法」に従って考えれば、自力で開発された朝鮮共和国の核とICBMこそ「合法」であり、国外から大量に軍事人員と兵器を持ち込んで行われる韓米軍事訓練こそ「違法」という解釈すら成り立つのである。韓米合同訓練が今に始まったものではないにしても、こんな停戦協定違反を堂々と自慢する文在寅という大統領が朝鮮半島の平和など全く考えていない事はこの事だけでも歴然としているではないか。文在寅の頭にあるのは「アメリカや日本などの外勢の力にすがって北の政権を転覆し、南主導の吸収統一」という身勝手な野望と欲望だけであり、その点では李明博や朴槿恵と何らの違いもないという事だ。訪米後にベルリンへ行った文在寅はあたかもコール首相にでもなったような気分だったのではないか。「統一の英雄」という…。コールが「ドイツ統一の英雄」という幼稚で身勝手な個人的欲望の為にどれだけ多くの人々を犠牲にしたかをよく考えるべきであろう。

筆者はとうに腹をくくっているが、韓国や日本の米軍基地に反対する者達は腹をくくるべきであろう。文在寅に対する幻想はさっさと打ち捨てねばならない。

・韓国の文在寅政権はしょせんアメリカの犬である。米軍に反対する者にとっても打倒対象でしかない。

・韓国では革命など何も起こっておらず、朴槿恵政権と文在寅政権にさしたる違いはない。文政権は断じて「革命政権」などではなく、李明博・朴槿恵政権の政策を継承する「反動政権」である。文在寅と民主党は「権力」をキャンドルデモのドサクサに紛れて奪取したが、「政策と路線」は前政権のを基本的にそのまま受け継いだ(か、中にはもっと酷いものも…)。日本で言えば自民党と民進党の政権交代、あるいは自民党内の派閥抗争による政権たらい回し程度の権力交代に過ぎない。

・文政権は今まで何一つ北側と対話などしておらず、その為の真面目で有効なシグナルも何一つ送ってはいない。むしろ制裁や圧迫ばかり前面に押し出していた。この間に文在寅が朝鮮共和国に対して口にしてきたのは、アメリカという大国をバックにしての「降伏勧告」めいた挑発や恫喝ばかり。まさに호가호위狐假虎威そのもの。そのような状態で「対話の努力を北側がぶち壊した」などというのは全く事実に反する。

・文政権の対北政策「圧迫と対話の並行」とは、米トランプ政権の対朝鮮政策「最大限の圧迫と関与」と基本的に同じものであり(実際に韓国側もそのように公言している)、徹底してアメリカのそれを追従するものである。要するに徹底した経済制裁と軍事的圧迫によって追い詰め、朝鮮側が音を上げて白旗掲げて降伏してきたら対話に応じてやらない事もない、というだけの話だ。これを「対北融和政策」と言っている連中がおかしいのである。

・文在寅は2015年日韓慰安婦合意について「国民が情緒的に受け入れられない」と言っているが、その一方でベトナム戦争に派兵された韓国軍兵士を「英雄」「愛国」として顕彰している。これでどうして日帝の蛮行を批判出来るのか? 慰安婦被害者の無念を晴らす事が出来るのか? 文在寅のこうした言動に対してベトナム政府も強く反発しているという事実も指摘しておきたい。朴槿恵はベトナムへ行っても韓国軍の蛮行について一言も謝罪せずだんまりを決め込んだ。それに取って代わった文在寅はむしろその韓国軍を英雄として顕彰した。こいつら何が違うの? むしろ文の方が朴より酷いんじゃ…。

・安倍晋三政権と文在寅政権はどちらも東アジアの平和を脅かす、極めて好戦的な政権である。

文在寅政権について:外相候補である康京和の「正体」 その1

文在寅政権に起用される人物のうち、前回の文正仁と並んで注目を受けているのが外相候補者とされている康京和(カン・ギョンファ 강경화)という人物だ。この女は外交官で特に金大中の英語通訳を務めた事で有名であり、後に国連職員に転身して国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)で女性の人権問題などをテーマに活躍した。そうした経歴と活動を買われて文在寅政権の外相候補とされたという。この為に日韓慰安婦合意を何とかしてくれるのではないかという期待が高いようだ。ハンギョレのように早くも康京和に「長官の資格あり」と誉めそやすメディアもいる。
ところが康京和のこれまでの言動を洗ってみると看過出来ない問題点がいくつも発見された。これは文正仁の時と同じように、文在寅政権の行く末に不安を抱かせるに十分な材料だと思う。「国連で人権問題をテーマに大活躍したキャリアウーマン」「韓国初の女性外相誕生か」とばかりにこの女に喝采を送るのは勝手だが、康京和が仮に韓国外相に就任して素晴らしい未来があり得るのか。それはかなり疑わしいと思う。

まずこの女の問題点として指摘しておかねばならないのは、シリア問題に対するスタンスである。OHCHRで働いていた事からも分かるように、康京和もやはり国連でシリア問題について様々な言動を行って来た。その内容はどのようなものであったろう? 以下に翻訳する。

http://news.joins.com/article/6226265
康京和OHCHR副代表「シリア死亡2700人に増えた」
[ニューシス]入力2011.09.19 23:27

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は19日、シリア政府の民主化デモ鎮圧の強さが高まり、先週で100人がさらに死亡するなどこれまでのデモ死亡者は2700人に達したと明らかにした。

康京和OHCHR副代表はこの日国連人権理事会で「先の3月デモ以降、今日現在で子供100人など全部で2700人が政府保安軍によって亡くなった」と明らかにした。

康副代表は反人倫的な犯罪者達の処罰に対する重要性を強調し、去る8月の国連報告書を引用して「このような犯罪がシリアで行われたであろう」と指摘した。


この記事は2011年、「アラブの春」とかいう中東アラブ諸国の連続政変事件の時であり、リビアやシリアに怪しげな西側のNGOなどが入り込んで暴動などを煽りまくっていた盛りの時期にあたる。この年にリビアはNATOによる侵略でカダフィ政権の転覆と民衆の大量虐殺が行われ、イスラム国(IS)のような欧米に支援された殺戮集団が跋扈して今も内戦状態に陥っているのは多くの人が知る通り。シリアもやはり怪しげな「民主化勢力」が騒ぎを起こして、それが内戦へと拡大していった。いや、内戦ではなく欧米やトルコによるシリア侵略戦争そのものである。イスラム国や反政府勢力というのはほぼ全て、アサド政権打倒の為にこうした侵略国側に支援されているのだから。この間アサド政権を悪魔化する報道が世界規模で垂れ流され、「アサド政権が化学兵器で自国民を虐殺した」といった類の根拠不明な話が飛び交った事も周知の事実である。その作業に国連も大いに加担していた。上記記事の康京和発言をよく見てみるといい。この女はアサド政権の悪魔化とシリアへの侵略行為正当化に率先して働いていた。知っての通り時の事務総長は潘基文であり、この男もまた欧米・トルコ・イスラエルによるシリア侵略を全面的にバックアップしてきた事は言うまでもない。さらに言うと康京和と潘基文は同じ韓国の外交官で同じ年に国連へ入った同期というだけでなく、お互い個人的にも親しい間柄だ。潘基文が事務総長を連任出来た最大の功労者が康京和だったと言われているくらいの仲なのだから。欧米の手先になって第三世界の侵略を推進した韓国人外交官の、何と美しい友情関係であろうか! アメリカの手先になってベトナム戦争に参戦し、ベトナム人を喜び勇んで虐殺した韓国軍(これの代表的な指揮官として派遣されてたのが新軍部クーデターと光州虐殺の全斗煥と盧泰愚)の姿を思い出させる。康京和と潘基文の関係はまさに、かつての全斗煥と盧泰愚の「ゴールデンコンビ」のごときものであった! 全斗煥&盧泰愚というと「軍事独裁」で、康京和&潘基文というと「人権と民主主義の韓国」の代表のごとき印象を受ける者が多いが、欧米帝国主義の手先になって第三世界への侵略に加担したという点で両者は本質的に違わない存在である。

シリアで民衆虐殺が行われているという根拠薄弱なヨタ話を国連の場で吹聴しただけでは飽き足らず、康京和はその後さらにこんな事まで目論んだ。以下に翻訳抜粋する。

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2012/05/18/2012051801318.html?Dep0=twitter&d=2012051801318
[Why][金潤徳の人]ソウルっ子、非外務試験出身で初めて国連入り…康京和OHCHR副代表
入力:2012.05.19 03:09 修正:2012.05.20 13:49

-最近は中東問題でお忙しいようだ。

シリアをはじめとする中東の市民団体達からSOS(緊急救助要請)が無数に入って来る。北アフリカ人権状況も毎日チェックせねばならない。戦争に向かっているシリア状況を直接確かめねばならないので入国を試みているが、政府から拒絶されている


これは康京和が先述のように「シリア政府が民間人を虐殺している」と騒ぎ立てた翌年のインタビュー記事だが、この女は厚顔無恥にもシリア現地へ入って人権状況を確かめさせろと言ったらしい。で、当然シリア政府から拒否されたと。

「アサドのクソ独裁者は民主化を求める自国民をこないにぎょうさん虐殺しよったんやでえええええッ!」

と国連で騒ぎ立てていたオバハンを、どうしてシリア政府が歓迎しなければならないというのか! 門前払いされて当たり前の話である。イラク戦争前夜の時を考えてみれば分かるだろう。あの時アメリカは「イラクは大量破壊兵器を持っている」と騒ぎ立て、イラク側はやむなく国連の視察団を受け入れて大統領宮殿の中まで見せて大量破壊兵器がない事を確認させてやった。にも関わらずアメリカは関係なしにイラクを侵略したではないか。あの時日本のマスコミもアメリカを援護射撃するかのように「疑惑は深まった」と翼賛報道してたのを覚えている人も多いであろう。むしろこの時の査察でイラクに大量破壊兵器がない事がはっきりしたおかげで、アメリカは安心して侵略に踏み切れたと考えるべきではないか。もし大量破壊兵器があったなら、アメリカも反撃を恐れてあそこまで大胆に攻撃には踏み切れなかったであろう。国連の査察など、査察団に加わった職員や学者や外交官の中に個人的に良心的な者がいくらか混ざっていたとしても戦争の抑止には全く役に立たず、むしろ侵略の為の露払いとスパイ役にしかなっていないのだ。もしシリアが康京和ら「国連人権査察団」を受け入れていたら? それで「民間人虐殺」の証拠が見つからなかったとしても「疑惑は深まった」「アサド政権はまだ何かを隠している」と欧米日のマスコミは騒ぎ立てて戦争を煽ったに決まっている。査察を受け入れようとまいと欧米から侵略を受けるのが不可避なら、そんな侵略の口実作りにしかならないものは拒絶して、国防強化や反政府勢力のならず者掃討に力を注いだ方がマシという話だろう。

康京和という女が国連でやった活動を吟味していて感じるのは、恐ろしいほどの「上から目線」である。

「第三世界の貧乏な小国を蔑んで悦に入る、英語ペラペラなアジアの成金国家のエリート官僚」

こういう外交官、我々は日本と韓国でそれこそ嫌になるくらい目撃してきたではないか! 第三世界を徹底的に馬鹿にし、そのくせ欧米の白人には卑屈なまでに媚びへつらう。この手の人間にとっては「本来なら人類にとって普遍な価値であるはずの人権」すら第三世界を攻撃する為の手段に過ぎない。康京和という女は欧米帝国主義とその手先になっている韓国(と日本)によって戦争と収奪の脅威に怯える小国の気持ちなど全く理解しておらず、しようともしていないのだ。従軍慰安婦や強制連行の被害に遭った日帝統治下の朝鮮がまさにそういう立場であったというのにだ! このような人間の言う「慰安婦問題の解決」とは何なのであろう。

緒方貞子との共通点が何となく感じられる。世間で緒方はあたかも「世界の人権女王」のごとき扱いを受けているが、この女がやった事は紛争地域を対症療法的に支援するだけで、戦争の根源をまるで絶とうとはしなかった。それどころか「難民保護」を口実に紛争地域へ先進国の軍隊を引き込む手引き役ばかりしていたではないか。ユーゴスラビアでもルワンダでも全てそうであった。先進帝国主義国家の引き込み役という点で緒方と康は似た者同士である。

【ありがたい緒方貞子語録】
日本における帝国主義はファシズムとは言えない

ひいいいいいッ! い、意味が分からねえええええッ!

…冗談はともかく、話を康京和に戻すと、ここで気掛かりな事がある。このようなスタンスの韓国外交官が、果たして北の同胞である朝鮮民主主義人民共和国にどのように対してきたのかという事だ。もっともここまで読んできた読者であればもうすでに予想済みであろうが。
その通りだよ。あなたの考えている通りさ…。
(続く)
        
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