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韓国の総選挙について

■セヌリ党と朴槿恵政権
言うまでもなく反北・親日の極右与党と政権。南北関係を李明博前政権からさらに悪化させ、開城工業団地の全面中断、北朝鮮人権法やテロ防止法の成立、史上最大規模の韓米軍事訓練と、戦争の危機を高めるだけ高めている。反面日本に対しては放射能汚染の危険が高い日本の食品や産業廃棄物(屑鉄や廃タイヤなど)をバンバン輸入推進して「食べて応援」「産業廃棄物を買って応援」まっしぐら。挙げ句が2015年末の日韓慰安婦合意…。こいつらどんだけ日本大好きなのか! 今の韓国は「アメリカの51番目の州」どころか、そのまた下である「日本の48番目の県」にしかなってないだろう。
韓国の総選挙(日本の「韓国県」県議会選挙?)でセヌリは負けた負けたと言われるがそれでも122議席も(韓国国会総議席数300)あり、おまけに朴槿恵(日本の「韓国県」知事?)の機嫌を損ねて選挙前に離党した無所属当選組(日本の郵政選挙の時の自民離脱組みたいなもん)を即復党させる事も決まったので、こいつらが依然として第1党を維持する事は変わらない。

■共に民主党
現在ここの臨時代表を務める金鍾仁は選挙少し前の今年2月に軍の視察に行き「いつか北が壊滅して統一」と発言して朝鮮民主主義人民共和国を挑発した。その前にも「国民生活に努力しなければ北は瓦解する」という発言をしている。非正規職だらけで世界一の自殺率に何の歯止めも果たせてない南の第一野党代表が、よくもここまでエラソーな事が言えるものだ。まさにおまえが言うなの極みだろう。おまけに金鍾仁は自分とこの議員達のフィリバスターを中止させてまで北朝鮮人権法やテロ防止法を採決させた。
加えて「帝国の慰安婦」の朴裕河が「スターダム」にのし上がる最大のきっかけは、盧武鉉政権が2006年に「和解のために」を文化観光部優秀図書に選定してやった事だという事を忘れてはいけない。前にも述べたが朴裕河は2012年の大統領選挙で文在寅を支持してもいる。反北・親日という点で共に民主党はセヌリとほとんど差異がない。これが「議会第1党(程なく2党になるが)」なのだという。
共に民主党は勝った勝ったと浮かれているが、金鍾仁と文在寅がいなければ実際にはもっと議席増えてたんじゃね? というのは公然の秘…。この二人は日本の民主党(民進党)で言えば前原とか長島とか松原とか、そういう「ポジション」だと言えば日本の人達には分かり易いだろうか。

■国民の党(安哲秀派)
ここの共同代表である安哲秀は2012年大統領選で6.15共同宣言の破棄など、朴槿恵よりも強硬な主張をした事がある。北が大嫌いな守旧反共主義者という点では朴槿恵・金鍾仁・文在寅らと全く違いはない。おまけに2015慰安婦合意を「問題はあるが評価」としている点も以前述べた。「第3党」がこれな訳だから、今後仮に国民の党が勢力をさらに伸ばしたり安哲秀が大統領になったとしても、南北関係の改善や慰安婦合意の破棄などは一切期待出来ない事だけは明らかである。元から安哲秀は「自分とこは民主より右」というふれこみで売り出してる訳だから。


こうした政党達が圧倒的なシェアで国会をジャックしたのが先の第20代韓国総選挙であった。上記三つの政党いずれも親米・親日・反共・反北・反労働者である事に変わりなく(日本のマスコミではよく民主党など野党を「北に親和的」と報じる事があるが、全くの間違い。そうした間違った知識を伝播させて商売してる元凶の一人が辺真一だろう)、これで韓国の政治や社会が何か変わるという事は、残念ながら期待薄であろう。共に民主党はフィリバスターを断念した時「議席が足りないから防げなかった」云々という言い訳をしていたが、じゃあセヌリが大幅に議席減らした今ならテロ防止法廃止法案を提出して当然破棄ですよね? でなきゃ詐欺だよ。まあ、無理だね。

結論:此度の韓国総選挙、韓国民衆の生活とは一切何の関係もなく、南北関係の改善や、ますます凶暴の度合いを増す日米の専横への歯止めにも全くならない、歴史の退歩だけをさらけ出した茶番劇である。セヌリが議席を減らして与野逆転した事だけに浮かれると大変な目に遭うだろう。朴槿恵という取るに足らない独裁者個人がレームダックしておしまい状態だからといって、何かが好転する訳ではない。今の韓国の状況は、日本で言うと1993年の細川連立政権成立時や2009年の民主党政権成立時に極めて似ている。当選した議員の面々を見ていると、南北関係や慰安婦問題に関して言えばむしろ選挙前よりも悪くなるんじゃないかという危惧が非常に大きい選挙結果だったと筆者は考える。

テロ防止法を破棄出来るの?
労働法改悪を阻止出来るの?
北朝鮮人権法を破棄出来るの?
南北関係改善や開城工団再開出来るの?
日本の放射能まみれな食品や産廃を輸入ストップ出来るの?
今の韓国は「遺伝子組み換え作物の壮大な人体実験場」と言われてるけど、それらを規制出来るの?
今の韓国で最大の環境破壊と言われている4大河川工事による水質汚染、原因であるダムをぶっ壊せるのか?
慰安婦合意を覆せるの?
済州島の海軍基地建設をストップ出来るの?
横暴を極める駐韓米軍をどうするの?
原発をいつまで動かし続ける訳?

これらが何一つ今回の選挙で争点にならなかったという事を思い出す必要がある。
何より油断ならないのは、少数与党になったセヌリは今や手負いの野獣という事だ。離党組の復党などまだ可愛いもので、今後は野党への弾圧を強めてくるだろう。選挙が終わって早速検察による選挙違反の摘発が始まっているらしいが、特に野党当選者への捜査だけが特別に厳しくなりそうな気配だ。特に今回の選挙では旧統合進歩党出身の無所属労働者候補が蔚山市で2人当選して、今回の選挙では数少ない朗報だったが、早速検察が選挙法違反容疑でその候補へのガサ入れに入った。これは明らかに嫌がらせ公安捜査と思われる。こういう事をこれから山ほどやってくるだろう。朴槿恵とセヌリ党は選挙に負けて縮み上がるどころか、ますます凶暴の度を増す可能性が高いという事は忠告しておきたい。



最後に別の話題ですが、転送歓迎なので宣伝をしておきます。ギリギリで恐縮ですが、お時間のある方はぜひ御来場を。

【出版記念セミナー】 鄭栄桓著『忘却のための「和解」 ――『帝国の慰安婦』と日本の責任』世織書房

 2014年から2015年、日韓を駆け抜けた『帝国の慰安婦』事態とは何か?
 この問いに正面から挑んだ著作・鄭栄桓『忘却のための「和解」『帝国の慰安婦』と日本の責任』(世織書房、2016年)が、この度世織書房より出版されました。在日朝鮮人史研究者の鄭氏は、『帝国の慰安婦』の問題点とその背景を検証し、日本軍「慰安婦」制度についての日本軍の責任の矮小化、被害者たちの「声」の恣意的な利用、日本の「戦後補償」への誤った根拠に基づく高い評価などの致命的な問題があるにもかかわらず、なぜ『帝国の慰安婦』はこれほどまでに絶賛されたのかについて考察し、日本の言論界の知的頽落について警鐘を鳴らしています。
 今回、同書の出版を記念して、著者とともに『帝国の慰安婦』事態の歴史的・思想的背景を探り、日本軍「慰安婦」問題の真の解決とは何かを考えるセミナーを開催いたします。評者には、日本の歴史修正主義言説への批判的検討を続けてきた能川元一さん、近代日本の公娼制の研究者であり、近年は日本人「慰安婦」についての先駆的な研究を発表されている小野沢あかねさん、朝鮮近代社会史研究の立場から植民地支配責任の問題について積極的に発言している板垣竜太さんをお招きしました。
 『帝国の慰安婦』のみならず、広く日本の歴史修正主義や戦争責任・植民地支配責任の問題を考える有益な議論が展開されるものと思われます。ぜひご参加ください

●登壇者:鄭栄桓、能川元一、小野沢あかね、板垣竜太

日 時:2016年4月17日(日)13:30開場~、14:00開始~
場 所:立教大学池袋キャンパス(東京都豊島区池袋)   タッカーホール講堂8号館
8201教室
資料代:1000円(一般)、700円(学生・非正規)
主催者:忘却のための「和解」書評会実行委員会
連絡先:mail:sd132005@g.hit-u.ac.jp

世織書房のページ
http://bit.ly/1SHNzDA

著者;鄭 栄桓 明治学院大学准教授 歴史学、朝鮮近現代史、在日朝鮮人史
一橋大学社会学研究科博士課程修了(社会学博士、2010年3月)。青山学院大学非常勤講師、立命館大学コリア研究センター専任研究員を経て現職。著書に『朝鮮独立への隘路 在日朝鮮人の解放五年史』(法政大学出版局、2013年)、共訳書に金東椿『朝鮮戦争の社会史 避難・占領・虐殺』 (平凡社、2008年)など。

●書評者

*能川元一:大学非常勤講師(哲学)
<主要研究業績> 共著『憎悪の広告―右派オピニオン誌「愛国」「嫌中・嫌韓」 の系譜』合同出版、2015年、「千田夏光『従軍慰安婦』は『帝国の慰安婦』においてどのように援用されたか」、『季刊 戦争責任研究』 第85号(2015年冬季号)「右派のイデオロギーにおけるネット右翼の位置づけ-道徳概念システム論による分析の試み」、『レイシズ ムと外国人嫌悪』(駒井洋監修・ 小林真生編著、明石書店、 2013年)所収など

*小野沢あかね:立教大学文学部教授 日本近現代史
<主要研究業績> 『近代日本社会と公娼制度―民衆史と国際関係史の視点から
―』 吉川弘文館、2010年。共編著「戦争と女性への暴力」リサーチ・アク ションセンター編『「慰安婦」 バッシングを越えて―「河野談 話」と日本の責任―』大月書店、 2013年。第5回女性学研究国際奨励賞受賞(2000年)第6回女性史学賞受賞 (女性史学賞選考委員会)(2012年)

*板垣竜太:同志社大学社会学部教授 朝鮮近現代社会史文化人類学
<主要研究業績> 『朝鮮近代の歴史民族誌』 (明石書店)、共著『東アジアの記憶の場』(河出書房新社)『日韓新たな始まりのための20章』(岩波書店)、 『Q&A朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任: あなたの疑問に答えます (FFJブックレット)

●関連記事
・日朝国交「正常化」と植民地支配責任 : 【宣伝】『忘却のための「和解」 『帝国の慰安婦』と日本の責任』(世織書房、2016年)
http://kscykscy.exblog.jp/25512248/
・『朝鮮新報』:【講演】「『帝国の慰安婦』事態と日本の知識人」/鄭栄桓
http://chosonsinbo.com/jp/2016/03/03suk-3/
・『ハンギョレ』:日本のリベラル陣営でも「帝国の慰安婦」めぐり激論
http://japan.hani.co.kr/arti/international/23733.html
・アマゾン購入ページ
http://amzn.to/1SHDd6P
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韓国の議事妨害演説はそんなに素晴らしいものなのか?

http://japanese.joins.com/article/466/212466.html?servcode=200&sectcode=200
フィリバスターに阻まれたテロ防止法=韓国
2016年02月24日16時25分

今韓国の国会ではテロ防止法の採択をめぐって与野党間で激しい攻防が繰り広げられているという。日本でも報道されているが、野党(民主党、正義党)が議事妨害の長時間演説(フィリバスター)で抵抗している。この野党の抵抗を何やら韓国の民主主義を象徴する快挙だとか素晴らしい抵抗精神のごとく受けとめている者達が日本にはいるようだが、今回の件ははっきり言って茶番劇以外の何者でもない。

と言うのも、韓国のテロ防止法というのは元々盧武鉉が政権晩期の2006年(ちなみに盧武鉉政権が朴裕河の「和解のために」を文化観光部優秀図書に選定したのもこの年である! この年の盧武鉉政権は本当にロクでもない事ばかりしている)に作ろうとしたものであり、民主党は昨年の暮れにセヌリ党とこれの成立について合意し、当時は「拙速な処理だ」という社会的批判がずいぶんと起こった。


↑盧武鉉元大統領「国情院中心テロ防止法主張」2006年8月17日


↑文在寅「国情院対共捜査分野が廃棄されたから、(テロ防止法を通じて)職員達の経験を活かしてやるべき」2003年11月21日オーマイニュース

http://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/720161.html
テロ防止法など定期国会拙速処理憂慮(ハンギョレ日本版では未訳記事)
2015.12.02 21:25

それを今になってフィリバスターまでやって反対とか、おかしくねえのかという話だろう。民主党の議員達が口を開けば「尊敬している」「偉大な大統領だった」と誉めそやす盧武鉉が元々作ろうとした法律だよ? しかもほんの少し前まで一度はセヌリと合意までしてたのに? 今さら「表現・通信の自由の弾圧」「民主主義の破壊」もへったくれもないではないか。この長時間演説をやった議員の一人に「昔労働運動をやって逮捕され、酷い拷問を受けた事がある」履歴がある事を以って大絶賛していた者がいたが、そんなのはだったらなおさら許せないという話にしかならないだろう。「労働運動をやって拷問被害を受けた」議員とその政党こそが元々はテロ防止法の言いだしっぺであり、一時はセヌリ党との拙速処理に合意までしていたのだから、これほど酷い偽善者はいないではないか。

要するに今回の件は日本の消費税増税と全く一緒だ。民主党が政権末期の野田の時に消費税率上げを決め、それに取って代わった自民党安倍政権が実行する。そういうレベルの話でしかない。韓国でも日本でも「民主党」というのはそういう政党であり、本質的には極右与党(セヌリ党、自民党)の別働隊としての役割しか果たしていないという事を忘れてはならないだろう。

韓国には今でも国家保安法(日帝時代の治安維持法が名前だけ変えたもの)が存続して民衆弾圧の道具にフル稼働しており、これまでも警察や国情院によるスマートフォンなどの盗聴やハッキングなど当たり前のように行われて来た(発覚しても責任者のお咎めなし)。確かにテロ防止法は酷い内容だが、韓国の現状を考えれば「屋上屋を重ねる」ようなもので、身も蓋もない言い方をすれば韓国の民衆はこれ以上何も失うものなどない状態と言って良い。日常生活的にはテロ防止法が成立しても今までとあまり変わりないのが実情だろう。

ちなみに民主党のフィリバスターを非難してるセヌリ党の側も、数年前に野党を妨害する目的で「フィリバスター正当化法」のごときものを作ろうとした事があり、セヌリも民主も自家撞着・自己矛盾・御都合主義の極みという点では違いがない。

国家保安法は撤廃されなければならないし、当然テロ防止法も成立させてはならない。だが今の韓国の国会で起こっている事はまぎれもない茶番劇でしかないという事だ。御都合主義な韓国野党の行動を過大評価する必要はどこにもなく、テロ防止法に反対する為にやるべき事は他にあるという事を見失ってはならない。

やっぱ韓国緑の党は駄目だ

朴槿恵政権の強権によって解散させられた統合進歩党のような「従北勢力」や朝鮮民主主義人民共和国の金正恩と朝鮮労働党は大嫌いなくせに、日本の小泉や細川は「脱原発」だから超大好きというのが韓国緑の党だ。「日本超大好き」という時点で韓国緑の党がヨーロッパや日本の緑の党と同じかそれ以上に駄目な集団で、完全に終わってるのはもはや明らかだろう。小泉が首相在任時代にどれだけ原発推進し、その安全対策もコスト削減で切り捨てた事か。さらに小泉が靖国神社に参拝し続けた事は、先の日韓慰安婦合意問題とも合わせて考えてどうなんだという話だろう。

で、その韓国緑の党の酷さをさらに自ら露骨に天下に晒してくれたのが以下の例だ。

http://www.pressian.com/news/article.html?no=132384
セヌリ党・朝鮮労働党、『与党連帯』中断せよ」
緑の党「セヌリ党の核武装論、北の真似で重大事態」
2016.01.08 11:29:04

緑の党の「セヌリ党―朝鮮労働党比喩」が話題だ。緑の党は7日、セヌリ党の「核武装論」に対して「与党重鎮達の『北の真似』は重大な事態」だと批判した。核武装を試みる北と、核武装を主張する与党指導部を共に批判したのだ。

緑の党は論評を通じ「セヌリ党の元裕哲(원유철 ウォン・ユチョル)院内代表の核武装論がまた炸裂してしまった」とし「こうした人達を院内代表に選出した事からしてセヌリ党の水準が露になったが、今度は問題がもっと深刻だ。金乙東(김을동 キム・ウルトン)最高委員、金正薰(김정훈 キム・ジョンフン)政策委員長などが加勢した。例え金武星代表や朴槿恵大統領がこれに同意しなかったとしても、与党重鎮達の「北の真似」は重大な事態」だと指摘した。

緑の党は「おそらく核武装の道に入る直前に北の政権の高位級会議が、今日(7日)のセヌリ党最高委員会に似ていただろう」とし「『自衛権』うんぬんは北が核開発に動員する代表的な論理だ。核で堂々たる主権を担保するという発想も全くそっくりだ」と皮肉った。

緑の党は「実現いかんはともかく、一旦核武装を騒ぎ立てるだけでも事態は2倍近くに膨れ上がる。セヌリ党は北の核問題を国内政治に利用するという性根を克明に露にした」と指摘し「そしてこれは北の政権が政権安保に常用する餌になって、核開発を持続する元になるだろう」と批判した。

緑の党は「核武装論が本心であれはったりであれ、セヌリ党は北の政権と敵対的共生関係を結ぶ核武装論をきれいに廃棄せよ」とし「総選挙を前にしてまた始めるのか? セヌリ党と朝鮮労働党は与党連帯を中断せよ」と要求した
(訳:ZED)

韓国緑の党の声明原文は以下参照。

http://www.kgreens.org/commentary/6921/
[논평] 새누리당, 조선노동당은 여권연대 중단하라! -원유철 등은 ‘남한 핵무장론’ 깨끗이 폐기해야
[論評] セヌリ党、朝鮮労働党は与党連帯を中断せよ! 元裕哲らは「南の核武装論」をきれいに廃棄せねば

御覧の通り全く下らない上に何の皮肉にも風刺にも揶揄にもギャグにもなってない、ただひたすら韓国緑の党の無知とお下劣さを露にしただけの論評だが、この党(に加えてその御用メディアと化しているプレシアン)の駄目さ加減を知る為の資料として記事を全文翻訳した。今後韓国緑の党を考えるには、まず今回のような「従北狩り体質」「反北主義」「民族分断勢力」「現代版親日派」「エセ進歩派」であるという事を念頭においていただきたいと思う。こいつらが最大の売りにしている「環境主義」や「公平社会の実現」もどこまで本気か疑わしいもんだ。ドイツ緑の党が大手自動車財閥から平気で献金もらうようになったという前例を考えると…。

日本にも「自民党改憲案は日本を北朝鮮や中国みたいにする事だ」「(安倍晋三を揶揄して)安倍ジョンイル」「(元NHK会長の海老沢勝二を揶揄して)エビジョンイル」などというノータリンな事を言う輩が右翼左翼問わず大量にいるが、韓国も同様だ。前に歴史教科書国定化問題の時にも同様の下らない揶揄をして、それがあたかも快挙であるかのように韓国のマスコミ各社が持ち上げていたのは記憶に新しい。韓国でこのように北を悪魔化して侮蔑する政治プロパガンダ・反共教育が維新独裁時代に一番盛んだったのはもちろん、李承晩の時代から南では頻繁に行われてきたもので、今回緑の党が言ってる内容も本質的にはそれと全く同じだ。いかにも西欧式環境保護政党っぽい装いで世の中の最先端を行ってるようなふりをしながら、実際の韓国緑の党のオツムの中身は李承晩・朴正熙の時代から何一つ進化しておらず、それが最近の歪んだ韓国式国家主義と対北侮蔑意識と結びついて、救いようのない様相を呈しているという事が良く分かる。
日本で近代天皇制が日本人の精神をがんじがらめに束縛する社会の癌になっているように、韓国でも反北・反共・親米・親日主義がいかに韓国人の精神を根深く束縛して社会の癌になっているかもこの件は良く伝えてくれているだろう。

韓国緑の党のこうした維新時代を思わせる古臭い反北・反共主義丸出しのメンタリティも問題だが、それに加えて連中の歴史的無知も甚だしい。「核武装の主張」を揶揄するのに、なぜ北の事を持ち出す必要がある? セヌリ党の核武装論をどうこう言うなら、まずは朴槿恵の親父である朴正熙だろう。朴正熙が晩年になって核兵器開発をやろうとしてアメリカに咎められた話は、今では誰もが知る歴史の一頁だ。なぜ「あのセヌリの議員達は朴正熙の真似をして、問題は深刻だ」と言わない(言えない)のか? それとも韓国はまだ朴正熙の批判や揶揄も出来ない維新時代なのか? あるいは日本の極右勢力になぞらえるのもいい。「あのセヌリの議員達は安倍(原爆は合憲ッッッッ!)の真似をして、問題は深刻だ」あるいは「田母神の真似をして、問題は深刻だ」の方がはるかに現状を鋭く突いた揶揄になるだろう。いやしくも韓国の「平和勢力」を名乗るならば、言うべきは「セヌリ党と日本の自民党(とアメリカの民主党)は与党連帯を中断せよ」が正解なのである。「セヌリ党と朝鮮労働党の与党連帯」など有りもしない嘘であり、存在しない。おまけに何の皮肉にすらなってない。それどころか韓米日政権与党の連帯という、公然たる本当の悪をカムフラージュする役割を果たして有害ですらあろう。国を問わず一部のエセ進歩派やエセ左翼が「敵対的共生関係」などという詐欺用語を切り出したら注意、要注意である。打倒すべきはセヌリ党と自民党と米民主党のような公然たる邪悪な同盟関係そのものだという事を決して見失ってはいけない。

「セヌリ党の重鎮は北の真似をしている」
「セヌリ党最高委員会は北にそっくり」
「セヌリ党と朝鮮労働党の与党連帯」
「敵対的共生関係」
こんな嘘をしたり顔で垂れ流して悦に入る韓国緑の党はどこまで腐っているのか。間違ってもこんな連中に議席を与えてはいけない。

韓国緑の党の政策を見ているとどれも抽象的な事しか言っておらず、こんな政党に投票して良いのか不安になる。現時点での韓国緑の党の政策草案については以下リンク先参照。

http://www.kgreens.org/wp-content/uploads/2015/12/20151123_2016_listOfPublicCommitment.pdf

それでも環境問題や労働問題やジェンダー問題についてはそれなりに聞こえの良い政策(と言うかキレイ言)を並べているのだが、現在の朝鮮半島特有の特殊な情勢に起因する問題についてはほとんど具体的な政策を打ち出していない。つまり南北分断体制に起因する統一問題や民族の和解・協力方案、韓米同盟、駐韓米軍問題、国家保安法などについては具体的な政策が何もないのだ。それどころか兵役問題については「良心的兵役拒否」を認める方向で軍改革をする、という程度の事しか言っておらず、徴兵制そのものを見直すとか撤廃するとかは一言も言っていない。自分らがさんざん馬鹿にしている北では一応すでに徴兵制を撤廃して志願制にしているというのに! 徴兵制については2014年から韓国籍の在日(1994年生まれ以降が対象)にも韓国での在留期間が一定越えると兵役が課せられるという兵役法の改悪があった事とも重ねて考えると、日本にいる我々在日にも決して他人事ではない。緑の党は在日はじめとする在外同胞の生活や人権にも恐ろしいほど無関心である。
対北政策にいたっては「持続可能な未来に向けた南北協力と生態的統一」という、何とも珍妙で不可思議な事しか言ってない始末だ。しかもその中には「北の山林復元及び親環境農業支援する」という項目まであり、いかにも「俺達優れた南が、遅れた北の貧乏人どもを助けてやるんだ」という臭みが鼻につく。現在の朝鮮半島では、総合的に見て南よりも北の方が(開発が少なかったせいで)ずっと自然環境が守られているというのは、朝鮮共和国を訪問した者が誰も異口同音に言う事実ではないか。もちろん北にだって問題はあるし、地域や部門によっては南よりも自然環境が損なわれている所もあるだろう。そういった部分に南が協力するのは良いが、同時に南側も北側の優れた他の部分を学ぶべきではないのか。韓国緑の党の政策や言動を見ていると、南の方が北よりも全てにおいて優れている、という極めて丁世鉉的(笑)な傲慢さしか感じない。それでどうやって南北関係の改善や民族の和解が出来るというのか? 
この政策草案で南北関係においては「朝鮮半島の非核化と持続可能な平和体制を求める」としているものの、北を挑発してるとしか思えない今回の論評を見れば、韓国緑の党がそうした事を何も真面目に考えていない事は明白だろう。何よりもこの政策草案では韓米(日)同盟・駐韓米軍基地・国家保安法をどうするかについて一言半句も言及がない、というか、これらの単語すら全く登場しない。それじゃ何にも意味ないでしょ? この韓米(日)同盟・駐韓米軍基地・国家保安法という「三点セット」こそ朝鮮半島の平和と南の社会の人権を脅かす最大の元凶であるのは明らかだ。それについては何も言わず、ただ「非核化と平和体制」という抽象的で曖昧模糊極まりない単語で何になるというのか? かつて韓国にもこの「三点セット」の撤廃を綱領に掲げた政党があった。統合進歩党(民主労働党)である。だが統合進歩党は朴槿恵政権の弾圧によって強権的に解散させられてしまった。現在韓国の国政政党でこれら「三点セット」撤廃を主張している所は一つもない。統合進歩党解散に対して韓国緑の党共同代表である河昇秀弁護士は何と言っていたか? 
解散決定の判決が出る前は「政党の解散決定は慎重であるべき」と言い、飽くまでも「反対」ではなく「慎重に」であった。統合進歩党に対する解散命令は明らかに韓国憲法に違反しており、それに弁護士が反対しないとはどういう事かと思う。
解散命令が出た後は「自分は統合進歩党の綱領と政策を支持しない。大多数の国民もそうだろう」とまではっきり言っている。つまり統合進歩党の「韓米同盟破棄・駐韓米軍基地撤退・国家保安法撤廃」という綱領を韓国緑の党は支持しない、つまり自分らはそういう綱領・政策は掲げないと党代表自ら宣言したに等しい訳だ。政策草案で「三点セット」に対しては言及すらせず、表向き「南北協力」と言いながら実際には北を挑発するような声明を出して対立を煽っては悦に入るばかりか、韓米日与党の連携という最大の悪から人々の目をそらすような悪質な真似までするのはむしろ当然であったのだろう。

そればかりではない。この政策草案はよく読むと他にも酷い部分がいくつもある。
「本業」である脱原発の目標でも「2030年」などという、ドイツの予定(2022年末 これとて十分遅すぎると思うが)よりももっと悠長な事を言っている。
さらに信じられないのは、韓国緑の党はこの政策草案で「尊厳死を認定する」とはっきり謳っている事だ。それまで医療や福祉の充実だの人権制度の改善だのを並べ立てといて、その中に不意打ちのように尊厳死(要するに安楽死)認定とか、どう見てもあり得ないし矛盾の極みではないのか。尊厳死が特に問題になるのは障害者や社会的弱者を合法的に殺す手段にされかねないからであり、だからこそ日本でも各障害者団体がこれに反対してきた。韓国緑の党のこの政策草案では「障害者の生存権と活動権を保障する為の法制度を改革する」と書かれているのに、「尊厳死認定」とは本当に信じられない重大な矛盾であろう。韓国緑の党には本当に障害者や社会的弱者の生存や人権を保障するつもりがあるのか?
当初は「平和・環境保護」を訴えながら、後に第三世界諸国への軍事介入を支持し、公害企業そのものから政治献金までもらうようになったドイツ緑の党の姿が早くもダブってくるというのは…。

今回の話は我々に二つの教訓を与えてくれる。
まず韓国緑の党は旧軍事独裁政権や日帝よりも、北の方がはるかに嫌い(朴正熙や安倍よりも金正恩の方が大嫌い。それどころか「小泉&細川に代表される、美しい(国)戦後日本の市民社会」超大好き)であるという事。
続いて、韓国緑の党とは欧米流「戦争賛成左翼」と韓国流「反共反北主義」の結合体である事が今回の件で明らかになった。したがってこの集団が仮に議席を得てそれなりの勢力を築いてしまったら、間違いなく朝鮮共和国に対するタカ派・軍事優先主義政策に走り、それはドイツ緑の党の第三世界軍事介入政策よりも酷くなる可能性があるという事だ!
国を問わず、緑の党の第三世界や小国を見下したエラソーな態度と傲慢な選民意識ほど鼻持ちならないものはない。

韓国「国民の会」が不安なもう一つの理由

前に述べた韓国の新党「国民の会 국민모임」について、先行きが暗いと筆者が考えるもう一つの理由は、変な奴らを味方に引き入れる危険性が非常に高いという点にある。2009年政権交代以前の日本の民主党がそうだったように、政権交代の為にはとにかく頭数を増やさなければならない。それでいわゆる「奇妙な同伴者」が増えていく。ある程度は仕方のない事なのかもしれないが、中には党そのものを破壊して引っかき回してでも私欲だけを追求するような輩も入って来る訳だ。日本の民主党の場合は小沢一郎がまさにそうだったろう。もちろん民主党政権が潰れたのは他にも山ほど原因があった訳だが。韓国の国民の会もそういう変な詐欺師みたいな連中を引き入れて、挙げ句はその「獅子身中の虫」に引っ掻き回されてボロボロにされる危険性が大きいと思う。その役割を果たしそうなのが正義党ではなかろうか。

この正義党について改めて説明すると、2012年の総選挙後に統合進歩党内で主導権を握れなかった党内非主流派達が「先の選挙は主流派が不正なやり方で候補を選んだ。あいつらは従北だ」と嘘をでっち上げてクーデターを起こし、それでも党権を掌握出来なかった為に脱党して出来た所だ。この騒ぎを奇貨とばかりに利用してセヌリ党政権は統合進歩党に対する公安弾圧を開始し、昨年末の憲法裁判所による解散命令へと至った訳だから、統合進歩党強制解散ばかりか韓国社会の民主主義破壊とファシズム台頭に最大の「貢献」を果たしたのがこの集団だと言って良いだろう。正義党というのは「進歩政党」を自称しちゃいるが、日本風に言えば明らかに「公安のエス」的存在そのものだ。筆者は以前に正義党の事を「韓国版転び社会党」と呼んだが、実際にはもっとひどい。

ここで一つのエピソードを紹介しておきたい。この時に統合進歩党から正義党に行った人間の中に柳時敏(ユ・シミン 元は盧武鉉政権時代の保健福祉部長官)という男がいるのだが、この男は自分がその前に作った国民参与党という政党で8億ウォンの政治資金ファンドを募集しておきながらそれを償還出来ずに借金として抱えていた。それで2012年選挙の時に旧民主労働党と合併してそれが統合進歩党となり、旧参与党のファンド負債8億も進歩党に引き継がれたのである。ところが選挙後に柳時敏は落選して自分とこの旧参与党系候補も1人しか当選出来ず、党内で主導権を握れなかった事から、やはり党内非主流派の沈相奵や魯会燦などとつるんで先述の「不正選挙弾劾クーデター」を起こした挙げ句に脱党した。こうして旧国民参与党のファンド負債8億ウォンは全部統合進歩党に押し付けられ、その借金を作った張本人である柳時敏は借金を一銭も払わずに逃げおおせましたとさ。めでたし、めでたし…って、全然めでたくねえよ! 青木雄二か天王寺大の漫画に出て来そうな金融詐欺師並みの真似を仕出かしたのが、この柳時敏という韓国稀代の政治詐欺師である。
柳時敏はこのように「韓国版小沢一郎」とでも言うべき、韓国でも最も悪質な政治屋の一人だ。この「前の党で抱えていた借金を、よそと合党する事でなすりつける」という詐欺的手法を、正義党はまたしても繰り返しそうな予感がする。国民の会発足のニュースが流れるや、またしても正義党はそそくさと政治資金ファンドの募集を始めたからだ。

http://jfund3.officepage.co.kr/?pn=5&board=notice&mode=view&p_start=0&no=2&pm=&pn=5&an=
正義党20億ウォンファンド募集

・今後予想される展開
「第20回総選挙で20人の国会議員当選を目指して」20億ウォンという多額のファンド募集。

けど、どう見ても正義党に単独でそんなにたくさんの当選者を出せるとは思えない。それどころか全員落選して党そのものが消滅する可能性の方がはるかに高し。

ファンドの借金を返せる見込みなし、と言うか最初からまともに償還するつもりもなし。

「なあに、構やしない。また国民の会に合党してもらえばいいんだよ」正義党は国民の会に合党されて、20億のファンド負債も国民の会へ引き継がれる。

合党してもらったおかげで旧正義党の面々もまた何とか当選して、議員職を保持する事が出来ました。でも相変わらず党の主導権は握れず。

「先の党内予備選は不正だ! 今の党執行部達は不正なやり方で候補に選ばれ、比例の上位に入った! あいつらは従北だ!」いつか来た道、ふたたび旧正義党の連中は党内で騒ぎを起こす。

旧正義党の沈相奵ら、またしても脱党して新党を結成。旧党のファンド負債20億をまんまと国民の会に押し付けるのに大成功! 沈相奵ら旧正義党の議員は借金をチャラにして、任期をまたしても1期延命させるのに成功しましたとさ。

国民の会、「従北」を理由に国家保安法容疑で捜査を受ける。セヌリ党政権、憲法裁判所へ国民の会の違憲審査請求へ。そして憲法裁判所の判決は…。

旧正義党の連中の「活躍」のおかげで、セヌリ党千年王国は2017年の大統領選挙でも安泰だ! いや、未来永劫安泰だ!

上記は飽くまでも筆者の予測である。だが国民の会もとにかく頭数を集めねばならないという焦りから、正義党に合流のラブコールを送っているのはかなりヤバイと思う。トロイの木馬を自ら引き入れるような話であり、正義党と合党するような事になれば、その瞬間に国民の会は秘孔を突かれて「貴様はすでに死んでいる」状態になったも同然だ。ケンシロウのカウントダウンが聞こえる。いや、別に筆者は国民の会なぞ全く評価も支持もしちゃいないからどうでも良いのだが、韓国ではまたしても詐欺に遭って前途有望(?)な政党が崩壊するのだなあと。国民の会が政策や「従北アレルギー」だけでなく、他の部分でも駄目そうな理由がここにある。
韓国という国の夜明けは遠い。

        

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