忍者ブログ

Home > 韓国進歩言論 한국진보언론

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

韓国のインチキ知識人達にはくれぐれも用心を

こんなツイッターを見かけた。

https://twitter.com/BARANEKO/status/868628211260809216
 BARA‏ @BARANEKO
『植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む』 金哲  平凡社
〈なにごとかを強制された場合の反応は一般に、拒否か受容の二つにわかれる〉
〈相手の言葉を利用しながら同時に拒否するという、もう一つの道‥〉・・が、日本帝国主義植民地下の朝鮮で有効であったのかどうかも、考えさせる本
17:41 - 2017年5月27日



このツイッターユーザーであるBARANEKOとかいう人は自分のブログで救う会などのニュースをさんざん好意的に取り上げたり、ツイッター上で根拠のない朝鮮共和国への誹謗中傷をさんざん煽ってきた(反北朝鮮左翼すなわちネオコン左翼とでも言うべき存在か)問題人物だが、それについてはとりあえずここでは問わない。ここで問題にしたいのは取り上げられている『植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む』という本の著者である金哲(キム・チョル 김철)という大学教授だ。この大学教授は何者であろうか。それが一発で分かる「証拠物件」を以下に翻訳抜粋して提示しておく。

https://www.facebook.com/radicalthird/photos/a.796396163776189.1073741828.796387263777079/812180415531097/
帝国の慰安婦、法廷から広場へ

5.嘆願書提出
延世大学の金哲教授と建国大学の朴三憲教授など「東アジアの未来を考える人達」を中心とする知識人達は、販売禁止仮処分棄却を要請する嘆願書を作成した。延世大学の文正仁教授、羅鍾一元駐日大使など学者達と作家、出版人たちを含めて220余人の知識人及び市民達がここに呼応した。

金哲教授はこの件を指し「単なる朴裕河救援の次元ではなく、韓国で知識人として生きていく最小限の社会的良識が存在するかどうかを確認する問題」と語った。海外ではテキサス州立大学オースティンキャンパスに在職する金ミヨン教授の提案で米豪韓を結ぶ連帯が形成された。


前にもちょっと取り上げた事があるが、この「帝国の慰安婦、法廷から広場へ」というのは朴裕河の熱狂的な信者達がやっているフェイスブックで、それこそ帝国の慰安婦やそれにまつわる訴訟で朴裕河を擁護・応援する広報部隊のごとき活動をしてきた。それを見ても分かるように、金哲は韓国でも朴裕河と帝国の慰安婦を最も熱烈に擁護してきた知識人の一人である。文在寅の大統領特別補佐官に任命された文正仁や盧武鉉時代の駐日大使だった羅鍾一と並んで、韓国における朴裕河擁護のA級戦犯と言って良い。最近駐韓日本大使だったという輩が在特会やアジアプレスや木村幹並みのヘイト本を出した事がいささか話題になっており、このような輩をわざわざ大使として送り込んだ日本政府の邪悪さと下劣さと宗主国気取りは吐き気をもよおさせる。が、対する韓国側もこれまで羅鍾一のごときバリバリの親日派どもを大使として送り込んで来たのだからナメられて当然であろう。朴裕河擁護の急先鋒が駐日大使では、そりゃ日本の右翼やレイシストどもが調子に乗って韓国を侮るのは当たり前である。そして文在寅新政権もその前轍を踏む危険性が非常に高い。
それはともかくこの金哲という教授の語る「植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む」とは一体どういう事なのか。朴裕河をこれまで必死こいて擁護してきた人間の語る「植民地期朝鮮の近代小説」論など虫唾が走るだけだ。実際に金哲がこの本で主張しているのは「植民地期、ことに戦争期に対する日本の支配のもとで言語を奪われ、名前を奪われ、強制連行や慰安婦といった命まで奪われた「暗黒期」「空白期」という認識に対して、金哲氏はここで異議申し立てを」する事であり、まさに「従軍慰安婦は売春婦で日本軍の同志」と主張する朴裕河とは「歴史修正主義の類友」そのものだ。
金哲や朴裕河がやっている事は日帝時代の極悪親日文学者だった金東仁や李光洙のそれと同じである。いや、もっと酷い。植民地から解放されたはずの今になっても日帝の犯罪を免責するような歴史修正作業を繰り返し、従軍慰安婦被害者をセカンドレイプしているのだから、その悪逆さは金東仁や李光洙をも上回るであろう。


金哲以外ではさらにこんなのもあった。

https://twitter.com/artfront_ky/status/868402501199970304
K太郎‏ @artfront_ky
本日5.27、福岡市内で開かれた「金民雄(キム・ミヌン)教授講演会 韓国キャンドル市民革命の行く先は?」に参加。
2:44 - 2017年5月27日



https://twitter.com/artfront_ky/status/868402736940728320
「これまで辺境に属していた声が中心に立つように。…運動の専門性を蓄積してきた指導部を中心とする組織化ではなく、多彩な自律性を動力としている。…全国単位の同時多発的組織化が行われることにより、各地域で底辺から、自ら構成される力を獲得。「東学農民戦争」以来の長年の歴史的経験の再現」。
2:45 - 2017年5月27日



この金民雄(キム・ミヌン 김민웅)というのは韓国の聖公会大学教授で、ハンギョレやプレシアンなどにも度々登場する一応「進歩派学者」という事になってはいる。だが、この男は2012年の総選挙後に起こった朴槿恵政権による統合進歩党への政治弾圧へ最も積極的に加担した学者だ。この男は当時マスコミで「統合進歩党は国民にとって有害な党になった」「解散すべきだ」とさんざん言いふらし、政治弾圧と社会的な恐ろしい「従北魔女狩り」を煽りまくったのだから。後に統合進歩党は朴槿恵政権の弾圧によって本当に強制解散させられた事を考えれば、この時金民雄がアジっていた事がどれだけ酷い暴言か分かろうというもの。朴槿恵政権の政治弾圧を幇助するような真似をしといて、今になって「キャンドル市民革命」がどうのこうのとか、この輩はどんだけ機会主義者の無節操漢なのか! こんな奴にどうして先のキャンドルデモを語る資格があるというのか! 
言っちゃ悪いが、金民雄の講演会に行った人達はまんまと騙されたのだ。キャンドルデモや韓国の情勢を語る資格も能力も全くない(が、「騙る」才だけは長けている)、どうしようもない三百代言のインチキ学者の話を拝聴するという、笑うに笑えない金と時間の無駄をしてしまったのである。

何か注目に値する内容の本かなと思って取り上げたら、朴裕河のお仲間の本だった。
キャンドルデモ後の韓国社会の情勢や展望を聞きに行ったら、その講師は朴槿恵政権の政治弾圧や従北狩りを助長・幇助するような真似をしていた詐欺学者だった。

このようなインチキ学者を取り上げたりリツイートしたりわざわざ講演に行ってしまったりという喜劇が後を絶たない。だが、仕方がない部分もあろう。日本に住む者の多くは(右翼レイシストに限らず、ある程度良心的な善意の人間でさえ)韓国の詳しい情勢や個々の知識人達がどういう連中なのかを知らないのだから。筆者もそうしたヘマをしでかした事があるので、他人のそうした事を責めるつもりはない。ただ、出来る限り気を付けねばならないであろう。民主化運動の関係者を岩波の「世界」辺りが適当(といっては語弊があるかもしれないが)にピックアップしてりゃ良かった軍事独裁時代とは違い、2010年代の今は韓国の知識人を取り上げるというのが本当に難しい時代になった。つまりそれだけ注目に値する者やまともな知識人・ジャーナリストがいない、あるいはかつての民主化運動に関わったいわゆる「元老」達も変節・堕落し切ってしまった(金芝河、白楽晴、韓勝憲、黄晳暎、姜萬吉などなど)訳である。上記で例に挙げた金哲だの金民雄だのといった連中は、日本で言えばさしずめ五野井郁夫だの山口二郎だの大沼保昭だの立憲デモクラシーの会だのといった連中に該当しよう。それだけでこの連中がどんだけしょーもない存在か分かろうというもの。日本の知識人やジャーナリストの世界は酷いものだが、韓国のそれも決して負けないくらい悲惨な状態にある。だがそうした実情はよほど向こうの情勢や報道界に通じている人間でないと分からない。単に「進歩派」だとか「ハンギョレによく出てる」程度の事を根拠に向こうの知識人やジャーナリストを取り上げたり講演に行ったりすると、その者が実はとんでもない奴だと後で気付いて大惨事になるのである。もちろんその学者やジャーナリストが「そういう問題人物」だと十分理解した上で、なおかつそれを読者に断った上で慎重に「参考意見」のような形で取り上げたり話を聞きに行くという事はありであろう。それでもそのぐらいの注意をしなければならない。
筆者も以前に金民雄がどういう人間か知らずに好意的に取り上げるという大チョンボをやらかした事があった。リビアの事で一見まともな事を書いていたので取り上げたのだが、後に金民雄が極度のアメリカかぶれで、機会主義的に時流に媚びた話をしているだけの中身のないエセ進歩派だという事を知って、今は己の不明を恥じるばかりである。日本の例でもついこの間は斉藤美奈子をまともそうなライターと勘違いしてしまった事があった。こうした自戒を込めて、韓国の知識人・記者・ライター達を取り上げる事の難しさを申しあげておきたい次第である。

特に韓国では文在寅政権の誕生により、食えないエセ進歩派学者が「我こそキャンドル市民革命派」のような顔をして大勢に便乗して商売したり、果てはキャンドルデモや文在寅政権を実態以上に超絶美化礼賛して政権に取り入ろうとする輩が増える(今回の金民雄はその好例だし、徐京植も最近その傾向が非常に強い。堕落したものだな徐京植も)であろうからくれぐれも注意しなければならない。日本でもかつて民主党政権が誕生した時の事を思い出してみると良い。「韓国版立憲デモクラシーの会」みたいなインチキ学者どもと連帯するような愚は避けるべきであろう。
PR

ハンギョレ日本版はこういう事していいの?

ハンギョレに載った件の徐京植・和田春樹公開書簡だが、その後徐京植が再び和田を問い詰める記事を寄せて「第2ラウンド」が始まる形となった。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/24137.html
[寄稿]再び和田春樹先生に問う 既成事実による被害者の分断
登録 : 2016.05.13 22:03 修正 : 2016.05.15 06:56

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/743805.html
기정사실화해 피해자를 분단하는 레토릭일 뿐
등록 :2016-05-13 21:33수정 :2016-05-15 14:48

一連の公開書簡で和田が言ってる事はほとんど猟奇的ストーカーの論理一歩手前であり、自分が勝手に横恋慕した少女をさらって自宅に監禁するような変質者とほとんど違いがない。


http://bylines.news.yahoo.co.jp/usuimafumi/20160327-00055903/
朝霞市の女子中学生無事保護のニュースの見方:監禁事件被害者の二次被害を防ぐために

長期監禁は、営利誘拐や人質などの短期の監禁事件とは質が異なります。外国の例では、被害者にかなりひどいことをする犯人もいます。しかし、日本の長期監禁事件の事例を見ると、犯人は少なくとも主観的には被害者を大切に扱うケースが多く見られます。

もちろん凶悪な犯罪であり、誘拐時の行為や監禁中に指示に従わなかった時の罰はひどいのですが、それでも犯人の気持ちとしては、被害者と仲良くなりたいと考える場合も多くあります。

長期監禁事件の典型的な犯人は、歪んだ幻想を持っています。女性(少女)と素晴らしい人間関係を持って、本人が思い描く理想の生活をしたいと感じます。通常、そのような思いは、空想や小説ビデオで満足するのですが、稀に実行してしまう人がいるわけです。


この手の誘拐・監禁事件を専門家に言わせるとこういう事だそうだが、和田の従軍慰安婦問題に対するスタンスもまさにこれと一緒だ。和田は下記の公開書簡で実際にはっきりと

アジア女性基金に関わった者の気持ちからすれば、被害者のために何事かをしたい、不十分であれ、日本国家国民の責任を果たしたいと思ったのであって、自分の良心を満足させることだけを考えていたということはありえない。人間の小さな努力に対して超越的な高みから判定を下すようなことはやめてもらいたい。

と言っちゃってる訳だから。

「犯人は少なくとも主観的には被害者を大切に扱うケースが多く見られます」
「指示(女性基金や日韓合意)に従わなかった時の罰はひどいのですが、それでも犯人の気持ちとしては、被害者と仲良くなりたいと考える」
「典型的な犯人は、歪んだ幻想を持っています。女性(慰安婦被害者)と素晴らしい人間関係を持って、本人が思い描く理想の生活(東アジア共同体)をしたいと感じます。通常、そのような思いは、空想や小説ビデオで満足するのですが、稀に実行してしまう人(和田とか大沼とか)がいるわけです」

…キモいんですけど。鳥肌が立つんですけど。筆舌に尽くし難い植民地支配の暴力にさらされて人生を破壊された被害者に対して、ストーカー的視点から判定を下すようなことはやめてもらいたい。
にも関わらず和田は、己を省みる事もなく意気軒昂である

http://japan.hani.co.kr/arti/international/23709.html
和田春樹教授、徐京植教授の公開書簡に答える(下)
登録 : 2016.03.26 22:08 修正 : 2016.03.27 07:46

「このたびの合意を受け入れる被害者ハルモニが出てきたとき、その行動を認めず、その人を非難することになる」
「被害当事者全体の声を確認しないで、「白紙に戻してもう一度やり直さなければならない」と断定する権利が吉見義明氏にあるのだろうか」

要するに和田は「一人でも今回の合意を受け入れる被害者さえ獲得出来れば(日韓合意賛同派の)勝ち!」と言ってるようにしか聞こえない。「国民基金」の時の「経験」を和田は和田なりに「活用」してこういう詭弁を弄しているわけだ。ふざけるのもいい加減にしろ。こういう詐術はまさに朴裕河が「帝国の慰安婦」でさんざん使い古した屁理屈ではないか。「慰安婦ハルモニの中には日本軍兵士を心から慰めた人もいた。これも自分の運命と諦観したハルモニもいた」という例を、資料を恣意的に曲解してでも特筆大書するという例のアレ、和田もそっくり同じ事をやっている。曰く「(女性基金を受け止めて)心の安らぎをえた被害者がいる」。そのくせ徐京植が「女性基金」の受け取りを拒絶したオランダ人被害者の例を挙げてもそれの意味を認めないどころか、「その人の事を強調したのは俺だ」という全く答にならない言い草で逃げているのだから。和田の言わんとする所は「女性基金や今回の日韓合意で安らぎを得た被害者が一人でもいた(いる)。だから反対派は文句を言うな。女性基金や日韓合意を認めないなど許さん!」というだけの話でしかない。これこそ植民地主義そのものであるという自家撞着に和田は気付いていないというか、もはや本人の脳内では何の矛盾もなくなってしまっているのであろう。本当に和田春樹は終わってる。手遅れ。

ところがその徐京植・和田春樹公開書簡に対して実に珍妙な「乱入者」が現れた。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/24138.html
[寄稿]徐京植氏と和田春樹氏の文章を読んで

この記事を寄せた李順愛とかいうのは堂々と「朴裕河擁護」を表看板に掲げているような輩であり、上記記事も何度読んでもさっぱり意味が理解出来ない。徐京植をボロクソに誹謗中傷しつつ和田を必死になって擁護しているらしいという事は何となく分かるのだが、文章が根本的にヘタクソな上に支離滅裂(それこそ朴裕河並みに!)で正視に耐えない。全くもって李順愛と金時鐘(統一日報でなく詩人の方ね)某「北朝鮮は3年で崩壊する」詐欺師(笑)は、在日の朴裕河支持者三大馬鹿であろう。こんな「それ以前のレベル」でしかない駄文をよくハンギョレは載せたなと寒心する事しきりだったが、ここで筆者は一つおかしな事に気が付いた。この記事には韓国語原文記事のURLが載っていないのである。ハンギョレ日本版はどの記事にも原文記事のアドレスが書かれているものなのだが、この記事にはそれがない。一応比較の為に韓国版原文記事の内容を確かめてみたかったのだが…。おかしいと思って筆者はハンギョレ韓国本家のサイトを検索してみたのだが、この李順愛の記事はそもそも存在しなかった。つまりこの記事は日本版にのみ掲載された記事という事になる。おそらく徐京植・和田春樹公開書簡に対して「義憤(笑)」に駆られた李順愛が送った文章を、ハンギョレ日本版が独自に載せたというのが真相ではあるまいか。だが、こういう事ってやっていいの? 別に韓国本家にない独自の記事を日本版が載せるのが悪いというのではない。そんな事はどの新聞の他国版でもやっている事だ。問題はこの記事の内容があからさまに徐京植を攻撃して和田を絶賛する偏った内容であり、それを日本版でのみわざわざ載せたという事だ。つまりこれはハンギョレ日本版編集陣のスタンスもまた李順愛と同じで和田の肩を持って(つまり国民基金や先の日韓合意を支持・擁護している)、徐京植が気に入らないという事ではないのか。
ハンギョレ日本は以前にも同じように徐京植・和田春樹公開書簡に対して、韓国本家にない独自の記事をわざわざ載せた事がある。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/23827.html
[寄稿]徐京植論その(1)ーダブルスタンダードについて

原発メーカー訴訟をやっている崔勝久の寄稿なのだが、ここで書かれているのはやはり徐京植を「民族原理主義者」「ダブルスタンダード」「分裂を生む」としてこき下ろし、そんな徐が上野千鶴子や和田を「相手の立場性を問うような一方的な決めつけ方、問い方」をするのはけしからんという論法だった。それでいて「徐・和田論争には今回は触れません」といって肝心の論争内容には踏み込まないのだから、何が言いたいのか、と言うより徐京植を「民族原理主義者」として貶めたいだけとしか思えない。だからこそわざわざハンギョレ日本版にだけ取り上げられたのではないか。

韓国本家と歩調を外してでも和田春樹を持ち上げて徐京植を攻撃する(結果的に国民基金や日韓合意を肯定する方向につながる)。しかもその採用された記事が二つとも在日の手によるものというのはあまりに出来過ぎで恣意的ではないか。在日を利用して在日を攻撃するという使い古された以夷制夷的手法や、朴裕河&和田春樹の著述はもちろん国民基金や今回の日韓合意で作られる予定の財団においても見られる「いくつかの人が賛成して、いくつかの人が反対する」手法で分裂と分断を誘い込む手に引っ掛かっているのは誰なのかをよく考える必要がある。崔勝久はどの口で徐京植に対して「分裂を生む」などと偉そうに言えるのか、実に寒心する現象だ。

もちろん一番悪いのはこういう悪どい紙面作りをしているハンギョレ日本版だ。ハンギョレ日本版の偏向報道ぶりは今に始まった話ではないが、今や韓国本家の手をも離れて勝手に暴走している感があり、もはや限度を超している。

朴裕河と「同志的関係」なのはハンギョレのような韓国進歩勢力(2)

前回述べた朴裕河を支持・擁護する韓国の知識人声明、その賛同者のメンツを見ていると世の中の何もかもが信じられなくなってくると述べた。つまりこれまで朴裕河的な歴史観や思考や行動とはほど遠い、社会的弱者の味方であるとか民主主義・社会正義を追求するような活動をしてきたはずの人間達が何人もこの賛同者に加わっているからだ。これが例えば文昌克(문창극 ムン・チャングッ 2014年に朴槿恵によって総理候補に取り立てられた中央日報元主筆。「植民地支配は神の意思」という妄言で候補を辞退)のような軍事独裁政権の流れを汲むバリバリの植民地近代化論者で極右ニューライトが朴裕河支持声明に入ったというなら、その事自体の良し悪しはともかく一応筋は通っている。ところがその手の明確にニューライトや旧軍事独裁政権支持派の看板を掲げた極右系の者はこの賛同者名簿ではまず見当たらない(飽くまで筆者がざっと見た範囲では)。むしろいわゆる「民主化勢力」の流れを汲む連中がこの声明賛同者の中には非常に目立つのだ。例えば金大中・盧武鉉政権時代に要職を務めた大学教授の文正仁(문정인 ムン・ジョンイン)。性暴力被害者や妊娠中絶の問題を取り上げたドキュメント映画で2014年に韓国の「女性映画人賞」の部門賞を受賞した事もあるチョ・セヨン(조세영)。全泰一の母親や双龍自動車解雇労働者の籠城闘争を取り上げた社会派ドキュメント映画で名を上げた太竣軾(태준식 テ・ジュンシッ)などがこぞって朴裕河を支持しているとはどういう事か。韓国の民主主義とやらはこの程度のものに過ぎなかったという事を、この者達が実にはっきりと逆説的に説明してくれている。とりわけチョ・セヨンはこれまで女性のジェンダー問題を扱った映画を撮ってきたくせに、最たる性暴力被害者である日本軍「従軍慰安婦」をセカンドレイプするような真似をしているのだから、そのおかしなポスターデザインと重ね合わせて考えるに、この女はまさに「韓国のろくでなし子」に過ぎなかったという事だろう。民主主義や社会正義や表現の自由の仮面を被って、実際には自分の商売と売名しか頭にない人間というのはどこの国にもいるものだ。

そしてこの韓国側声明賛同者に何人かハンギョレ関係者がいるのだ。かつてハンギョレに在籍歴があった(今も?)者はもちろん、紙面に記事や連載を持った「岩波書店の著者」ならぬ「ハンギョレの著者」どもである。代表例が洪世和(ホン・セファ 홍세화)・蔣正一(チャン・ジョンイル 장정일)・琴泰燮(クム・テソプ 금태섭)の3人だろう。もちろん韓国での知名度とは違って日本ではそれほど知られていないであろうから、この3人がどんな輩なのかを以下に述べておきたい。

一人目の洪世和は韓国の民主化運動ではそれなりに伝説的な人物で、朴正熙の維新政権末期にはフランスへの亡命を余儀なくされ、そこでタクシー運転手をしながら執筆活動をした事は有名な話だ。2002年、つまり金大中政権になってからようやく韓国に戻れるようになり、同年にハンギョレの企画委員になった。今はどうか分からないが、洪世和が少なくとも2009年頃までハンギョレの企画委員として同社に在籍していたのは確実であり、その頃にはすでに同紙はじめとする韓国進歩言論社達は「和解のために」など朴裕河の著書をヨイショしていたのである。洪世和は一時期進歩新党(現・労働党。旧民主労働党から出て行った通称「PD派」と呼ばれる分派セクトで、ヨーロッパ式社会主義や福祉国家ばかりを無条件に盲信崇拝する傾向が強い。左派ながら反民族主義・反北主義・反朝鮮労働党を標榜し、今やすっかり極右用語となった「従北」という民族主義者や平和統一運動への罵倒語はこのセクトが最初に使い始めた。日本の反北朝鮮勢力との関係ではアジアプレスの石丸次郎と近しい。現在の正義党もこのPD運動の分派であり、いずれも思想的にはドイツ緑の党のような「第三世界諸国への人道的介入」「戦争賛成左翼」的色彩が濃い。進歩新党は実際にNATOによるリビア侵略の際には「独裁者カダフィ打倒」を叫んで、NATOの肩を持つようなデモまでやっていた。ちなみに朴露子や「重重」の安世鴻もPD運動の系統である。安世鴻がアジアプレスとベッタリな理由は…もう分かるよね?)の代表を務めた事から分かるように(昔はともかく今は)民族主義に否定的で、そこが朴裕河の「韓国の民族主義が悪いおかげで日本の右派が強くなった」という戯言と意気投合したのだろう。結果、日帝の植民地支配を免責する結果になるとも考えずに…。ハンギョレの記者が朴裕河問題を云々するなら、まずは真っ先に大先輩である洪世和をどうにかしろよという話になるだろう。禹範善がどうのこうのではなく、自分の身内である洪世和をである!
ちなみに洪世和の公式サイトの名は「美しい国 아름다운 나라」という…。日本にいる我々には超聞き覚えのある名だ。それもものすごく嫌な! 某犯罪組織幹部と激似の某国総理(笑)の「美しい国」と、朴裕河を支持する韓国人作家の「美しい国」…。
結論:どっちの「美しい国」も目指す所はおんなじ(日帝免罪・日韓和解)だ! 日韓仲良くし過ぎだぜ!

二人目の蔣正一は小説家というふれこみで今までハンギョレの常連執筆者であったばかりか、「帝国の慰安婦」が出版されて物議をかもした時には真っ先に朴裕河擁護の論陣を張った男でもある。蔣正一の朴裕河擁護記事は当時ハンギョレの紙面にデカデカと掲載され、蔣正一個人のみならず同紙もどれだけ朴裕河を持ち上げていたかが分かろうというもの。朴裕河・蔣正一・ハンギョレの三者は同志的関係どころかあからさまな共犯関係だったのだ。はっきり言って蔣正一の朴裕河擁護(崇拝)は韓国でもかなり狂信的な部類に入り、ほとんどカルト宗教がかっている。蔣正一の目には朴裕河が教祖様か、下手したら「神様」に見えるのではなかろうか。蔣正一は講演や記事で「朴裕河教授の言ってる事は何もかも正しい。(問題になった)本のこの部分について、朴教授はこれこれこういう意図で書いたのですッッッッ!」という、まさに教祖様の教義を目一杯拡大解釈・好意的解釈して忖度するのに躍起になっているのだから、まさにミスター忖度マンそのもの。それこそ傍から見ていて哀れに思えるほど必死にだ。韓国にはこうした「朴裕河教」「Cult of 朴裕河」としか言いようのない狂信者グループがフェイスブックを媒介して一部に存在する。蔣正一はさしずめ「Cult of 朴裕河」の門徒筆頭か布教長といった所か。こうした「朴裕河を神と崇める邪教集団 박유하를 하느님으로 모시는 사교집단」がそのうち信仰に狂った余り、KKKやイスラム国やオウムや至尊派(90年代前半に殺人・強盗・強姦などを繰り返した韓国の狂信的犯罪集団)などのような殺人テロ集団になるのではないかと、他人事ながら心配になってくる。ハンギョレはこういう狂信者をさんざん重用しといて、今さら何を言っているのかという話なのだ。

最後の琴泰燮は弁護士で、元検事のいわゆるヤメ検弁護士である。が、この男が韓国で有名になったのは検事時代の2006年にハンギョレで持った連載がきっかけだった。そのタイトルは「捜査を思い通りに受ける方法」と言い「取調べを受ける事になっても黙秘して、いい弁護士を見つけるのに専念しろ」などの「テクニック」を現役検事が指南するというもので、それが良くも悪くも大きな反響を呼んだ。ただ連載の余波があまりに大きかった為、2007年に琴泰燮は検事を辞めて弁護士に転身する事になる。好意的に解釈するなら、当時の琴泰燮の連載はハンギョレのような進歩派メディアに載った事で、取調べにおける人権問題などに一石を投じる意義はあっただろう。日本でもどこでも検察というのは悪い奴らの巣窟だが、韓国の検察はとりわけ長い独裁政権時代に民主化運動や労働運動を弾圧する尖兵としての「公安検察」の色彩が今でも濃厚(韓国検察は警察と同じで、人脈的にはもちろん独立運動を弾圧した日帝時代の親日派検事の流れをそのまま受け継いでいる)で、その金銭問題や収賄問題、取調べの際の人権問題の深刻さは度を越している。韓国の検察OBが日本の検察や検事を見ると「日本の検察は何て素晴らしいクリーンな法の番人なんだ!」と大感動してしまうほどだ。日本に住む我々にはとても信じられないが、これは冗談ではなく本当の話である。韓国人が日本という国に対して「美しい誤解」を非常に抱き易い社会環境にあり、これは非常に問題であろう。逆に日本の立場から考えれば、経済・文化侵略をしたり歴史問題をチャラにするのに、北の朝鮮民主主義人民共和国と違って南の韓国ほどチョロい相手はいないという事でもある。最近韓国で出た日韓請求権協定の裁判結果や、それを「韓国側からの関係改善シグナル」とみなしての外相会談決定を見ても分かる通りで、早く言えば韓国という国は完全に日本からナメられているのだ。
いずれにせよ琴泰燮がこの連載で名を上げ、ハンギョレにも貢献した、立派な「ハンギョレの著者」であった事は間違いない。ちなみに琴泰燮はその後2012年大統領選挙で安哲秀に取り入って側近となった。韓国政界で琴泰燮は「安哲秀派」筆頭格のようにも言われている。
こうした、進歩派新聞紙上で一見反権力っぽい検察取調べ対抗策指南をやっていたヤメ検弁護士が、今や朴裕河を支持しているのだという。「日韓和解」とやらは朴槿恵政権(になって急に決まったのではなく、実際には民主化以前の昔から)の規定路線であったのだから、琴泰燮は「反権力」どころかまさに韓国の国策国益に忠実な「愛国弁護士」だったという事である。この弁護士がやってきた反権力や民主主義とやらがただのポーズに過ぎなかった事を、当人自身が取調べを受けるまでもなく「自白」してしまったというオチであった。当然琴泰燮が書き広めた取調べ対抗マニュアルは、朴裕河自身も取調べの際に大いに活用したであろう。いや、琴泰燮自身が朴裕河の擁護に名乗りを上げているのだからそれ以上だ。日本でも橋下徹や臓器売買もオッケーな某表現規制反対派弁護士(この弁護士については筆者も個人的に会った事があり、別の機会に論じたい)、さらには一部で爆笑・哄笑・酒の肴にされている「強姦に強い弁護士」に至るまで人権感覚の欠片もないどーしよーもない不良弁護士が山のようにいるが、韓国も決して負けてはいない。

「従軍慰安婦」被害者に侮辱の限りを尽くしている「セカンドレイプ犯」朴裕河。
その「セカンドレイプ犯」を必死になって擁護している弁護士・琴泰燮。

この件が我々に与えてくれる教訓とは、ハンギョレと縁の深い弁護士・琴泰燮こそまさに「韓国版・強姦に強い弁護士」に他ならなかったという事だ! ちなみに琴泰燮のいる法律事務所の名前は「法務法人 共存 법무법인 '공존' 」と言うのだそうな…。おまえは何と「共存」するというんだ、何と!

さらに琴泰燮は朴裕河の件で非常に無茶苦茶な擁護記事をオーマイニュースに載せていた。はっきり言って凄絶としか言いようのない内容で、まさに「帝国の慰安婦」の内容並みに非論理と恣意的曲解のオンパレードだろう。朴裕河のごとき者を妄信してそれを支持・擁護するような人間はこういう堕落の仕方をするのが必然だという、典型的サンプルではないか。あまりに噴飯物の内容なので、くれぐれも閲覧は「自己責任」でお願いします!

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002170669
「帝国の慰安婦」読めずに日本と討論したら(朝鮮語記事)
「主張」朴裕河教授事件で見逃すべきでない一つの側面
2015.12.24 15:29 最終アップデート2015.12.24 15:29
文:琴泰燮

上記記事を読んで筆者は、そもそもこの弁護士大丈夫なのか、何かあった時にこいつに弁護を頼んで大丈夫なのかと思った。そんだけ酷過ぎる記事である。「言論の自由」を大義名分に朴裕河と「帝国の慰安婦」を擁護しているのも、日本の表現規制反対派と酷似しているだろう。おまけに琴泰燮はこの記事で「『帝国の慰安婦』が禁書になったら、同書を読んだ日本人と論争出来なくなる」みたいな事を言って擁護しておきながら、「自分は歴史学者じゃないから一次資料を探して事実を確認したり、朴教授の解釈に対して評価を下す能力がない」などと言って本の内容が正しいかどうかについては逃げ回っているのだから話にならない。同書の誤った部分については鄭栄桓氏らが今まで何度も詳しく述べて来たし、それらは朝鮮語にも訳されている。歴史学者でなくても「帝国の慰安婦」の問題点は十分に知る事が出来るではないか。そんな事すら怠ってる奴が「『帝国の慰安婦』が禁書になったら、同書を読んだ日本人と論争出来なくなる」とか馬鹿じゃねーの、の一言である。

韓国では今、こうした人間達が大挙194人も集まって「言論の自由を守れ」「日韓和解」を口走っているのだ。外相会談を前にして、日本の安倍にしてみれば実に大喜びではないのか。「韓国にはまだ『一進会』が存在してたのかよ」と。しかも19世紀末から20世紀初頭にかけての朝鮮侵略の時には、日本は砲艦外交で王朝政府を脅迫したり抵抗する民衆を大虐殺するなどそれなりに「手間」をかけて植民地化したものだが、21世紀の韓国では政権レベルで和解推進なのはもちろん、進歩派知識人達までもが自発的に今回のような「親日団体」を結成して「朴裕河教授の言論の自由を守れ! 日韓和解バンザイ!」の大合唱なのだから、今の日本は何と仕事がやり易い事か!
(続く)

朴裕河と「同志的関係」なのはハンギョレのような韓国進歩勢力

「最近問題になっている朴裕河(パク・ユハ)世宗(大教授が『帝国の慰安婦』で言及した「同志的関係」という表現は、日本軍と朝鮮人慰安婦ではなく、乙未事変を黙認した日本と禹範善の関係を指す時に使われるべきだ。」
「歴史の評価は冷静だ。一人の人間が生まれ、話し、文を書き、行動するためには多くのことを考えなければならない。佐野で暮らしていた禹範善にも、帝国の慰安婦を書いた朴裕河教授にも、この記事を書く私にも当てはまる言葉だ。」

何を他人事みたいな顔して勝手な事言っとんじゃ、ボケッッッッ! 
上記に引用した記事を読んで、筆者は真っ先にそう思った。何の事かと言うと、数日前ハンギョレに載ったコラムの事である。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/22759.html
[コラム] 親日派・禹範善の墓で思う“同志的関係”
登録 : 2015.12.11 08:05 修正 : 2015.12.12 07:19

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/721285.html
同原文記事

この吉倫亨(キル・ユンヒョン)というハンギョレ日本特派員は本当にどーしょーもない記者だとは前々から思っていたが、今回のコラムはまた輪をかけて酷いだろう。上の引用文で挙げられている禹範善(ウ・ボムソン)というのは日帝の朝鮮侵略に加担した凶悪な親日派であり、とりわけ乙未事変(明成皇后:閔妃の暗殺事件)で日本側に内通した実行犯の一人として悪名高い。確かに禹範善が日本と「同志的関係」であったのは間違いのない歴史的事実である。だがそれを言うなら、あんたの勤め先はどうなのよという話だろう。ハンギョレ(に限らず韓国の代表的進歩派メディアである京郷、オーマイニュース、プレシアンも同様だが)ほどこれまで朴裕河を持ち上げる記事を何度も載せてきた新聞はないし、その関係者にはどれだけ朴裕河シンパが多い事か! ハンギョレはじめとする韓国進歩派メディアが朴裕河をヨイショしてきたのは「帝国の慰安婦」に始まった話ではなく、それ以前の「和解のために」や「反日ナショナリズムを超えて」の頃からだったのだから、まさに筋金入りなのである。

日本で大江健三郎や若宮啓文、小森陽一、上野千鶴子、木宮正史、「お飾り体制は3年で崩壊詐欺師」(笑)といった連中が、朴裕河を擁護してその在宅起訴を抗議する声明を出したのに呼応(?)し、韓国でも朴裕河擁護派の知識人達が同様の声明を出した事は周知の通り。この韓国側知識人190人の名簿はプレシアンの記事に載っているので興味のある方は読んでみるといい。もちろん朝鮮語記事なので読める人限定になるが。

http://www.pressian.com/news/article.html?no=131532
"박유하 <제국의 위안부> 검찰 기소, 과하다"
지식인 190명 성명 발표…박유하 "위안부 폄훼 의도 없었다"
2015.12.02 14:35:54

朴裕河「帝国の慰安婦」検察起訴はやり過ぎだ
知識人190人生命発表…朴裕河「慰安婦を卑下する意図はなかった」
2015.12.02 14:35:54

その後、賛同者の総数が194人に訂正されたので更新された名簿は以下参照。

http://m.khan.co.kr/view.html?artid=201512031631051&code=940100&med_id=khan

この知識人連中の言ってる事は日本側とほとんど同じで、「公権力の弾圧」「学問・言論の自由を脅かす」という馬鹿の一つ覚えだ。そもそもはナヌムの家の「慰安婦」被害者が「帝国の慰安婦」の酷過ぎる記述によって侮辱の限りを尽くされたのが事の発端だという事を、この者どもは徹底して黙殺している。まさに被害者と加害者を完全に逆転させる酷い詭弁だが、これと似たような事は2012年韓国総選挙直後の「統合進歩党事態」でも見られた。本当は加害者である柳時敏(今回の韓国側声明に入ってる!)や沈相奵(こいつも村山をわざわざ韓国に呼んだりした「日韓和解派」だった)といった当時進歩党の非主流派が、知らない間に被害者にして党内改革派であるかのように180度逆の事が報じられたとんでもない事件だったが、日韓で出された朴裕河と「帝国の慰安婦」の擁護声明も同じ様相と言うか、それを狙っているのは明白であろう。

で、この韓国側声明の賛同者メンツについて、筆者もまだこれら全員の素性を調べた訳ではないものの、パッと見ただけでさもありなんという者から「え? 何でこいつが?」という者もいて、腹立たしいやら呆れるやらといった所である。

例えば延世大学の文正仁などは結構前から朴裕河を応援してきた人間であり、何の不思議もなかった。知らない人の為に付け加えると、文正仁は金大中・盧武鉉政権時代に政府審議会委員や準閣僚級の高位職に取り立てられた学者であり、朝鮮共和国に対する太陽政策の立案や南北首脳会談の実現にも大きな影響を及ぼした。そういう人間が現代の親日派そのものである朴裕河を応援してきたのである。この背景には盧武鉉政権の「二枚舌外交」に起因する部分が大きく、詳しく論じると長くなるので別の機会に述べたい。知らない人は意外に思うだろうが旧金大中・盧武鉉政権の要人達には何人も朴裕河シンパやそれと同じような歴史観の持ち主がおり、旧金大中・盧武鉉派と朴裕河は「同志的関係」そのもので、そうした関係と構造を生み出した金・盧政権の外交政策の本質と問題点はもっと研究されてしかるべきと筆者は考える。早い話、日本では反日のイメージが強い盧武鉉も、本心では日本との「和解」を志向していた可能性が高かった。盧武鉉を単純に「歴史や独島の問題で奮闘した民族派」とみなすのは日本人だけでなく、朝鮮人・韓国人にとっても弊害が大きいと思う。この文正仁と羅鍾一(盧武鉉時代の駐日大使。ただし不思議な事に、羅は今回の声明には加わっていない。和田春樹と似たような魂胆か?)の二人が金・盧派の代表的朴裕河支援者と言って良いだろう。文正仁と羅鍾一は「日韓和解」という政治目的の為に、朴裕河の言ってる事がおかしいと百も承知で利用している、代表的確信犯でもある。そう、日本野鳥の会や反原連や米軍基地本土引取り運動を見ても分かるように、邪悪な社会運動とは基本的に「99%の狂信者&アホ組と、1%のずる賢い確信犯」で構成されるものだから…。

こうした腹黒い確信犯とは違うのが、これまで朴裕河的な言動とは程遠い活動をしてきたはずの人間が声明に加わっている事だ。この「何でこいつらが朴裕河を支持・擁護するのか信じらんない組」の中には、全泰一(韓国労働運動のシンボル的人物。朴正熙時代に抗議の焼身自殺をした)の母親の人生を追ったドキュメント映画だの、性暴力被害に遭った女性のドキュメントだの、一応は優れた社会派映画で評価された独立系監督達が何人もおり、こういうのを見ていると本当に世の中の全てが信じられなくなってくる。双龍自動車解雇労働者達の籠城闘争は韓国以外の労働運動の世界でもかなり有名な話だが、そのドキュメント映画の監督が朴裕河を支持・擁護とか、人間の想像力の限界をはるかに超越した物語としか言いようがない。性暴力被害者の社会派ドキュメント監督が朴裕河を支持・擁護だって? 「従軍慰安婦」は性暴力被害者ではないとでも言いたいのか? 朴裕河にせよこの監督にせよ、「だったらてめえが同じ目に遭ってみろ!」としか言いようがない。この手の人間達の本性とは結局の所、解雇労働者や性暴力被害者を己の売名や飯の種にしか思っていなかったという事だろう。だから従軍慰安婦などの日帝植民地支配の問題にもまともな考えや見識がない。そう考えれば連中がこの声明に加担したのも理解出来る。朴裕河と連中は「同志的関係」、いや、「同じ穴のムジナ関係」だったのだから。

韓国で朴裕河支持派知識人が194人、それも旧金大中・盧武鉉政権の要人、民主化運動出身者、労働運動関係者、性暴力被害者を取り上げた映画監督、ハンギョレなど進歩派マスコミ関係者、人権派(?)弁護士といった所から出て来たというのは、実に惨憺たる光景である。韓国の知識人の世界が日本以上に腐っている事と、仮に朴裕河という人間個人が「帝国の慰安婦」問題で失墜して社会的影響力を失うような事があっても、その後釜はいくらでもいるという事を示している。この194人の中には、朴裕河が失墜した後で入れ替わるように自分がそのポジションに座りたいと思っている者もかなりいるのではないか。日帝植民地支配責任を棚上げして「日韓和解」の口利き役になり、己の立身出世と金儲けをしたい連中の集団と見るべきだろう。つまり今回の朴裕河支持声明賛同者軍団というのは「21世紀の一進会」なのである。かつて日本の朝鮮侵略を助けた一進会と同じように、そのうちこいつらも「和解」すら飛び越えて「日韓合邦を要求する声明書」みたいなものを発表するのではないか。
和田春樹のように最近少し朴裕河と距離をおき始めた(?)者にしてみれば、もっと使えそうな手駒候補はいくらでもいるという事だ。朴裕河の命運はますます金玉均に似てきたような。クーデターが三日天下に終わって、福沢諭吉らからも見捨てられたという例のアレ…。

上記声明にはハンギョレ関係者も何人かいるが、それについてはまた項を改めて詳しく述べたいと思う。そうした犯罪的な身内の事を棚上げして偉そうな事を言っているあの日本特派員こそ偽善の帝王ではないか。
また、この声明騒動には日本でほとんど報じられていないその後の経過もあり、それも改めて報告したいと思う。ハンギョレまでもが最近朴裕河にやや距離をおくような言動をしているのは、そうした状況を見ての日和見である可能性が高い。

安倍は寿司、朴は広告:【翻訳記事】国定化教科書政府広告を堂々と載せたハンギョレ

ハンギョレという新聞は一体どこまで転落すれば気が済むのか。この新聞をウォッチングし続けて、その駄目な部分を批判してきた筆者にももはや理解不能というのが正直な所だ。
例の韓国歴史教科書国定化問題で、それでも「国定化反対」を主張して来たはずのハンギョレが19日、1面に政府(教育部)の国定化教科書推進広告を載せた(web版ではなく紙媒体)のである。凄すぎ。この件はまだ日本ではほとんど知られていないが、初めて聞いた者はさすがに衝撃を受けるのではないか。前回取り上げた大学生の低劣な大字報をあたかも快挙のごとく持ち上げて、国定化問題すら北を攻撃するネタにしたのも酷過ぎる話だが、普段の主張と180度逆の政府広告を金はちゃっかりもらってトップに掲載するのはそれをはるかに凌駕する凄絶さだろう。おまえは佐高信が昔編集長やってた雑誌(笑)か、と言いたくなるような「総会屋新聞」ぶりである。

以下にその件を取り上げた記事の一つを翻訳して紹介しておく。

http://www.mediaus.co.kr/news/articleView.html?idxno=50780
京郷新聞「国定教科書推進教育部広告は紙面に載せない」
教育部5億5千万ウォン投入…京郷除く22媒体、「国定化批判」のハンギョレも広告掲載
朴チャンジュン記者
入力 2015.10.19 13:47:45

歴史学会と市民社会の反対にあっても韓国史教科書国定化を強行中である教育部(長官:黄祐呂)が、主要マスコミに意見広告を掲載している。教育部は韓国言論振興財団(理事長:金秉浩)に23の媒体へ韓国史教科書国定化意見広告を提議し、この結果京郷新聞を除く22の媒体が紙面に広告を掲載した。

言論振興財団によれば、教育部は全国単位の総合日刊紙と経済新聞23社に「正しい歴史観確立の為の教科書を作ります」という題名の意見広告を載せることにし、5億5千万ウォンを投入した。この広告は教科書国定化の為の世論戦の一環として「正しい」「歴史観確立」「教科書」のような文句を強調している。「我々の子供達が歴史と社会に対する洞察力とバランスを育てられる歴史教科書、客観的事実を根拠に大韓民国の憲法価値に忠実に作ります」という文句も共に載っている。

▲ハンギョレ2015年10月19日付1面

言論財団によれば、上記23媒体のうち15-19日付紙面基準で京郷新聞を除く全ての媒体が教育部広告を載せた。中央日報、韓国日報などは15日1面に教育部広告を掲載し、東亜日報とハンギョレなどは19日紙面に広告を載せた。特にハンギョレ19日付新聞には1面で教科書国定化批判記事と教育部広告、そして国定化に批判的な社説が同時に載るという珍風景が繰り広げられた。言論財団の手数料と付加税を除けば、マスコミが教育部の広告を載せて得る売り上げは2千万ウォン程と推定される。

唯一教育部広告を紙面に載せなかった京郷新聞の場合、李東炫社長が広告掲載を拒否したものと伝えられた。広告局関係者はメディオスとの通話で「教育部広告を紙面に掲載しないのが社の方針」とし「今後も載せない事にした」と伝えた。編集局もまた「国定化に批判的な立場である京郷新聞が賛成意見広告を掲載するのは適切でない」という趣旨の意見を広告局に伝達したものと伝えられた。

訳 ZED


問題のハンギョレ2015.10.19トップの拡大版。赤い枠は「日本の市民団体「安倍政権の教科書国定化を勢いづかせる」と韓国の国定化に反対声明」という国定化批判記事。下段の青枠が件の政府広告。


一つ付け加えるなら、今回の広告を拒否した京郷新聞とて実際にはそんなに褒められた立場ではない。京郷は4大河川工事(韓国の四つの大型河川を浚渫してダムを多数建設した李明博時代の巨大土木工事で、当時から大変な自然破壊と批判された。実際にこれが出来てから水質汚染による猛毒アオコの異常発生などが毎年続いている)を批判する論調だったのに、2010年にこれに賛成する政府広告を載せて大顰蹙を買った前科がある。まあ、そうした経験からさすがに今回は掲載を見送ったとも言えるが、だからと言って前回述べたように国定化問題で「従北狩り」のネタにして南北対立を煽りたがる京郷新聞も、事の本質に基づいて国定化反対の論陣を張ってない点でハンギョレと同じ穴の狢である。

そもそもハンギョレはこうした問題広告をこれまで平気で何度も載せてきた。2014年12月には右派キリスト教団体の出した「同性愛を助長する光州人権憲章に反対する」という広告を載せており、2007年には韓米FTA妥結広告を最初は拒否していたが後に載せるという事までしている。いずれも普段の主張と矛盾する内容の広告だ。三星(サムスン)財閥を批判する記事を載せた所、即座に広告引き上げの「兵糧攻め」にあってあっさり白旗を掲げた事もあった。広告費に弱いという点ではハンギョレも京郷も似た者同士の実にいい勝負である。

今回の広告掲載についてハンギョレ労組は声明でこれを「反民主的・反憲法的暴挙」として経営陣の説明を求めているが、21日現在それらしき経営陣の弁明は紙面に見当たらない(web版を見る限りでは)。会社側は「広告と記事は別」という詭弁で逃げる方針とも伝えられる。
そもそも歴史教科書が国定化したら日帝植民地支配と独裁政権を美化する教科書になると言われて危惧されているのだが、それの推進広告を載せる事のどこらへんが6月抗争の精神なのか。ハンギョレ日本版スタッフのネオコン転向左翼どもは性根を据えて返答してみろ! また、事ある毎にSEALDs(リーダー格の者達が「自衛隊合憲」「9条改憲」を主張している!)の提灯記事を載せて「大勢の民衆が立ち上がって安倍に反対しており、日本の市民運動はこんなに素晴らしい」みたいな大嘘を垂れ流してきた日本特派員・吉倫亨(キル・ユンヒョン)からもぜひこの広告掲載に関する「御高説」を賜りたいものだ。まあ、韓国本家がこの問題をスルーする方針である以上、日本語版でこの件が取り上げられる事はないだろう。万一本家で何か釈明記事を載せたとしても、日本語版は訳さないはずだ。そんな広告が載ったという事実自体を日本に知られたくないだろう。この者達は「韓国で信頼度ナンバー1な革新系新聞の雄」というブランドイメージの虚像だけが大事な連中でしかないのだから。

さらに前回の記事に追加情報を載せると、ハンギョレは教科書国定化問題でまたしても「従北狩り」を煽る記事を載せている。ネット上で「教科書が国定化されたら北みたいになる」と揶揄するポスターが拡散され、それを素晴らしいかのように大々的に取り上げているのだから。こういう下劣で風刺にも皮肉にも何にもなってないポンチ絵を大喜びで描いては広める韓国の状況はまさに地獄絵図だ。こうしたポスターや大字報を産み出す精神構造には「韓国は民主主義と経済発展を成し遂げた良い国エライ国。北みたいに惨めで貧乏な独裁国家とは違う。それと同じレベルになるのが我慢出来ない」という国家主義ナルシズムと北への徹底した蔑視感情が根底にある。今や韓国の歴史教科書国定化反対運動は単なる「反北運動」「韓国国粋主義運動」の域に達しつつあるのではないか。親日・独裁美化の教科書に反対するよりも、それにかこつけて北を馬鹿にして優越感に浸るのが大事なのだから、完全に本質を見失っている。
教科書国定化で大騒ぎしているが、今金剛山で離散家族の面会が行われている事も忘れたのか。戦争一歩手前の状態からようやくここまでこぎつけた状況にも関わらず、南北対立を自ら煽り立てる愚かな南の連中はどこまで腐り切っているのか。

朴槿恵政権の言い分
「韓国の教育を北のようにしない為に歴史教科書国定化だッッッッ!」
ハンギョレや京郷新聞的な国定化反対派の言い分
「韓国の教育を北のようにしない為に歴史教科書国定化反対だッッッッ!」

い、意味が分からない…。

この手のポスターを描き、見て喜ぶ連中の姿は日本にいる我々にも見覚えがある。「在特会に対抗する」と称してそれと同等の差別発言を撒き散らした野間一派しばき隊に何とそっくりなのかと思う。

ハンギョレの惨状は岩波書店の有様ともそっくりだが、同時に週刊金曜日とも同水準な腐敗振りだと思う。金曜日は先日、憂国我道会の山口祐二郎とかいうチンピラ右翼に賞をやり、自らが「左のアパホテル」であるという事を天下に知らしめた。アパホテルの懸賞論文が田母神への「事実上の利益供与」であったように、金曜日の懸賞ルポもまた山口とかいうチンピラ右翼への「事実上の利益供与」としか思えないお手盛り受賞である。もっとも田母神への賞金が300万円だったのに対して、山口への賞金は10万円としみったれている点は悲哀を誘うが。
いずれにせよ日本も韓国も進歩派(だけでなく保守派ももちろん)マスコミは総崩れで腐り切っている。安倍晋三が大手マスコミの幹部や記者達を高級寿司店や料亭で接待して懐柔してるのは有名な話だが、朴槿恵もまたこうした広告代(日韓共にもちろん税金から出ている!)でマスコミを手懐けるのが好きだ。親の代・祖父の代から家族ぐるみで親交の深い安倍(岸)家と朴家、政治的手法までそっくりである。♡仲良し♡

国定化に反対するという本来の目的を忘れて北への攻撃や侮蔑にばかりうつつを抜かして悦に入る姿。口先ではエラソーに反対論をぶっておきながら、裏では金と引き換えに国定化PRの政府広告を平気で載せる総会屋的振る舞い。こうした言動こそ朴槿恵政権の国定化を利する行為であり、この問題を「コップの中の嵐」たらしめているのだという事に韓国人達は一刻も早く気付かねばならない。本当に親日・独裁美化の歴史教科書国定化を止めたいというならば、である。

プロフィール

性別:
非公開

ブログ内検索

カレンダー

02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

フリーエリア