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魔王墜つ

「そうか、死んだのか」というのが第一に感じた事だった。誰の訃報かというと、中村製作所、すなわち旧ナムコ(現バンダイナムコホールディングス)の創業者であった中村雅哉の事である。享年91であったというから、いい齢ではあったろう。筆者も半生をビデオゲームに懸けて来た人間の一人として、色々な意味で感慨深い。

中村雅哉はナムコという、この世界では外す事の出来ないヒットメーカー・大手メーカーを起こした事から、間違いなく斯界のタイクーン(tycoon)すなわち大立者の一人であった事は間違いない。アタリのポンから始まって、ジュークボックスやデパートの10円木馬、1977年のスペースインベーダーブーム時代を生きて来た大立者の経営者も存命者はいつの間にか少なくなって来た。時代がもうここまで来たのかと思う事しきりである。

中村雅哉という人物についてはナムコの会長、さらに日活の買収など派手な光の部分が広く知られると同時に、その影の部分も決して見逃す事が出来ない。それはこの男の仇名である。中村雅哉は通称「魔王」と呼ばれた男であった。何の「魔王」かって? それは当然「エロ魔王」に決まっているではないか! とにかくこの社長、セクハラが酷かった。会社が小さかった頃はそれほどでもなかったらしく、倉庫や工場みたいな所で社員と一緒にゲームの事を色々と熱心に研究したりしていたそうだが、ゲームが売れて新しい大きな自社ビルが出来ると(ファミコン版ゼビウスの辺りか)そうした事をまるでやらなくなって社長室に籠り、口を開いてもゲームの話は出ずに株価の事ばかりだった。それと同時に女子社員へのセクハラも酷くなり、それで退職した者も数え切れないという。90年代後半にはナムコ米国社の既婚女性社員をレイプして裁判にまでなっている。これは当時「フォーカス」にも大きく記事が出たので、ゲーム業界の人間やゲームマニアであれば覚えている人も少なくないであろう。この時に中村が発したというセリフ「おまえを犯してる男を見ろ!」は今でも一部のゲームマニアの世界では爆笑・哄笑・酒の肴として嘲笑の対象になっている。そんな人間であったから、付いた仇名が「エロ魔王」だの「スケベの巨悪」だのさんざんだった。
おまけに自家ジェット機を持ってるくらいの金持ちのくせにえらいケチで、日活を買収した際も映画の制作費を削りまくっては、その一方で出演女優にセクハラするなど、ロクなものではなかったという。
ナムコの代表的ゲームの一つに「アイドルマスター(アイマス)」シリーズという、プレイヤーがプロデューサーになってアイドル(男女いずれもあり)を育成するというシミュレーションがある。このゲーム中では育成対象のアイドルキャラが所属する事務所というのが設定されており、当然そこの社長もいて、プレイヤーの操作する主人公プロデューサーはその部下という設定だ。この「アイマス」の事務所社長の名は当時のナムコ社長から引っ張ってくるのが定番となっており、例えば初代「アイマス」の社長は「高木社長」となっていて、これは当時のナムコ社長であった高木九四郎に由来する。その後ニンテンドーDSで出た「アイマスDS」ではアイドルの所属事務所社長が「石川社長」となっており、これも当時のナムコ社長である石川祝男に由来するものであった。「当時の会社トップの名を劇中事務所社長の名に転用する」というのが「アイマス」シリーズの当初はある種の伝統になっていた訳である。ところが我々はここで恐るべき事実に衝突しなければならない。歴代「アイマス」の劇中社長に「中村」という名の社長は登場しないのである! なぜ? これについて公式な発表はなく、それを突っ込んだ開発者インタビューなども存在しない。だがそのようなものがなくても、我々にはその理由が十分に理解出来るではないか! 一言でその回答を言おう。

シャレになんねえからだよ!

…ナムコ(に限った話ではないが)のゲーム業界における栄光の裏には悲惨な影の部分も少なくなかった事は事実である。中村雅哉の数え切れないセクハラ・レイプ事件しかり、2010年代になっても同社にはリストラによる左遷で自殺者が出ているし、一時期のナムコにおける社員待遇の悪さは語り草であった。労働組合を作るような社員は即刻辞めてもらうというのが中村の方針であったし、それがこうした諸問題を生み出す一因になったのではあるまいか。ビデオゲームを語るにあたってはその「栄光の産業史」やヒットゲームの礼賛だけでなく、その犠牲なってきた者や闇の部分にも光を当てねばならない。業界のタイクーンであってもそれから免責される事があってはならないのである。中村雅哉という大立者の死に際してもその事だけはきっちりさせておきたい。
ゆえに中村への最後の手向けとして、筆者から以下の言葉を送っておきたい。

エロ魔王墜つ!
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2016年第45代アメリカ大統領選挙 その1

この結果を見て真っ先に筆者の頭をよぎったのは
「間違いなく今回の選挙は漫画ゴラクの「白竜」のネタになる」
という事であった。おそらく原作者の天王寺大は今頃
「これで『白竜』のネタがまた一つ増えよったでえええええッ! このネタ、私が仕切らせていただきます」
と狂喜乱舞している事であろう! ヒラリーが当選していたらネタにならなかったが、トランプが当選したら(白竜的には)大いにネタのしがいがあるのである。

何しろ「白竜」という漫画、大事件でありさえすれば国内国外関係なく何でもネタにする(今現在の連載エピソードは豊洲市場移転問題)事を売りにしており、最近ではそれがどんどんエスカレート(いわゆる強い奴のインフレ?)して、バチカン銀行の事件やら世界を支配する予言書の争奪戦とかにまで一介の日本のヤクザが介入してシノギにし、もはやこの漫画の主人公はヤクザをはるかに超越した化け物みたいな存在になりつつある。バチカン銀行にまで介入したスーパーヤクザ(笑)がアメリカ大統領選挙に食い込んでも、作品的には全くおかしくあるまい。むしろそれでこそ最近の「白竜」だろう。「白竜」では以前にも、最初は当選見込みの全くなかった自分とこの組長をありとあらゆる手段を用いて国会議員に当選させるという凄絶なエピソードがあったが、その延長で「当初は全く当選見込みのなかったトランプ(をモデルにした候補)をありとあらゆる手を使って当選させる」という話が遅かれ早かれ登場するのは間違いないであろう。ドナルド・トランプを当選させたのは日本ヤクザの白竜であった! と(笑)。

今回のアメリカ大統領選挙、対決するは共和党のドナルド・トランプ(をモデルにした候補)と民主党のヒラリー・クリントン(をモデルにした候補)か…。

この一件、私が仕切らせていただきます!

果たして黒須組長とトランプの、どちらを当選させるのがより大変なのかというのが気掛かりかつ楽しみなエピソードになりそうだ。
天王寺大が今回の米大統領選挙を「白竜」(ミナミの帝王でも可)のネタにする確率は99.9%と筆者は見込む。少なくとも当初言われていたヒラリーの当選確率よりははるかに高いであろう(笑)。

此度の大統領選挙、真面目な話はまた次回にでも…。
(続く)

最近の韓国で映画に関する話少々

その1

ハンギョレ日本版より以下抜粋。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/25363.html
朴大統領「慰安婦合意以降、韓日関係は未来志向的に発展」
登録 : 2016.10.10 23:44 修正 : 2016.10.11 07:47

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は10日、日本経済団体連合会(経団連)代表団と会い「慰安婦問題の合意以降、両国間の関係が未来志向的な方向に発展しており、全世界的な挑戦の課題に対する対応においても協力が強化されていることを、意味あることと評価する」と明らかにした。


で、その結果がこれだよ。今度はハンギョレ韓国本家より翻訳抜粋。

http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/764911.html?_fr=mt3
「映振委、日帝美化作品を芸術映画に選定」(日本版未訳記事)
登録2016.10.10 14:08 修正2016.10.10 14:44

文化体育観光部傘下である映画振興委員会が、太平洋戦争当時の日本の戦犯達を被害者として美化する映画に芸術映画認定審査で最高点を与えた事が明らかになった。

国会教育文化体育観光委員会所属の盧雄來議員(共に民主党)は10日に報道資料を出し「『日本敗亡一日前 <일본패망 하루 전>』(原題「日本のいちばん長い日」2015年版:訳注)という映画が、去る8月5日の映振委の第14次芸術映画認定審査で最も高い点数で芸術映画に採択された」とし「該当映画は太平洋戦争を背景に日帝降伏当時の内閣と軍部の姿を扱った映画で、当時戦犯だった日本を被害者として描写する典型的な日本式戦争美化映画」だと明らかにした。毎月7人の審査委員が点数を付ける芸術映画認定審査で「日本敗亡一日前」は総合点28点満点で26点を受けた。8月芸術映画流通配給支援事業作品として採択された国内映画「最悪の一日」(25点)や封切当時11の映画祭にノミネートされた「500日のサマー」(25点)よりも高い点数だ。芸術映画に選定されたら映振委の支援を受ける芸術映画専用館で優先上映する事が出来る。


韓国では「日本のいちばん長い日」が最高点の「芸術映画」として大絶賛されてしまったそうな! 朴槿恵の言う「未来志向」って早い話がこういう事だ。実に分かり易い。「慰安婦問題の合意」のおかげで韓国は日帝の戦争美化映画を最高の「芸術映画」としてお国のお墨付きを与えたばかりか、支援まですると! まさに日韓仲良くしようぜ!
業田良家はこういう話をちゃんと描け! 朴槿恵を「反日」とか、国際情勢に疎過ぎるにも程がある。無知の塊で自分の歪んだ主観と情念だけに基づいたヨタ話ばかりを描きたがる「風刺作家」ほどクソな代物はない。業田良家ははっきり言ってシャルリーエブドよりもはるかに下等な「それ以前」の存在である。それを起用する編集や、喝采を送る読者がさらに酷いのは言うまでもない。
業田のようなクソ漫画家が現実の国際情勢を何ら反映していないただの差別漫画を垂れ流し、それを上回るレイシストのクソが都知事になって真っ先に韓国学校の土地貸与を取り消した。韓国という国はそんな日本に媚びへつらって自国の従軍慰安婦被害者をセカンドレイプするような真似をし、日帝美化映画に最大級の評価と支援を惜しまず、放射能まみれの危険な食品と産廃を大量に買って応援してやっている。もはや韓国は国家の体を成しておらず、日本の48番目の県に過ぎない。これは「アメリカの51番目の州」と呼ばれるよりもさらに下だという事だ。アメリカの51番目の州である日本の、さらに48番目の県…。
米日韓「同盟」とは名ばかりの縦社会軍事体制の赤裸々な姿とは「アメリカの下に日本がいて、日本の下に韓国(と沖縄)がいる」というものである。米日韓(琉)軍事同盟体制。今回の件はそれをよく象徴していよう。

どうでもいいけど、相変わらずハンギョレ日本版はやっつけ仕事で、こういう記事を訳さないのは本当にどうにかならないのか、というよりどうにもならないんだろうな…。


その2

悪い予感はしていたのだが、「君の名は。」が韓国の釜山映画祭に出されて(韓国劇場公開は2017年1月予定)早くも絶賛の声が聞かれている。恐ろしい…。そうした中で興味深い記事とその内容を翻訳抜粋して紹介しておきたい。まずはハンギョレに続いてオーマイニュースから。こういうのを見てると、本当に韓国の進歩派マスコミ絶滅状態なのだなと改めて強く実感する。

http://star.ohmynews.com/NWS_Web/OhmyStar/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002250200
「そのままでいろ」という大人に立ち向かう二人の高校生、結果は?
[ここはBIFF]アニメ「君の名は。」に込められた災難対処と愛の話

全般的に映画ははかない恋の情緒がいっぱいな青少年物の雰囲気をぷんと漂わせて流れるが、主要な事件が並外れている。彗星の登場と村の危機、これを克服する為の二人と知人達の孤軍奮闘場面では童話的という表現が恥ずかしい程に妙な現実感が感じられる。特に彗星の欠片が大挙村を襲う直前に人々を退避させるべく東奔西走する少数の高校生達の姿は、2年前4月に我々が体験した世越号災難の痛みを思い浮かばせてむっとさせる。

危険を知らせる学生達に「村にそのままいろ」と言う自治体長の姿があまりに似ている。災難に対処する我々の大人達、政府機関の態度がだ。差異があるとしたら我が学生達はあまりに大人しく順応し、「君の名は。」劇中の子供達は抵抗したという事実だ。

新海誠監督「東日本大震災の影響を受けてこの作品を作ったのに間違いない」とし「忘却に抵抗する人物を描こうとした」と9日の記者会見当時に言った事がある。2年しか経たないにも関わらず「やめろ」と忘却を強要する我が社会の一部群像達の姿を大変みすぼらしくさせる。


明仁のパラオ訪問を大絶賛したりするなど近年あまりに劣化の著しいオーマイニュースだが、この手のエンタメ関係評論記事などもかなり酷い。要するにこの記事のライターは「君の名は。」と世越(セウォル)号事故を重ね合わせて「自分達(韓国)はみすぼらしくて大人し過ぎる。なのに日本のこのアニメに出て来る主人公の高校生達は素晴らしい」と感動しちゃってる訳だ。馬鹿なの? 死ぬの? そもそも現実の事故とフィクションであるアニメの劇中災害を同一視して比較する事自体がおかし過ぎる。忘却に抵抗する人物うんぬんと言うなら、確かに韓国内における世越号事故被害者への圧力も酷いが、日本での東日本大震災や福島原発事故に対する「忘却圧力」の方はそれ以上であろう。加えてそうした当局の圧力に民衆が自ら進んで順応する「臣民化」度も日本の方がはるかに酷い。韓国の市民社会もかなり俗物化してはいるが、まだ日本よりはナンボか抵抗の度合いが強いのは確かである(が、現状のままではそれが壊れるのも時間の問題であろうが)。そして何よりも、3.11後日本における市民社会の極度な臣民化があったればこそ、「君の名は。」という神道系オカルトアニメ映画は大ブレイクしたのだ。その辺をこの論者は何も分かっていない。前の記事鄭玹汀氏によるこのアニメの評を御紹介したが、神道と「君の名は。」は切っても切り離せない関係にある。日本でその事に触れるのがタブーなのはまだ分からなくもないが、韓国でなぜそうした話題に触れられないのか。宮崎駿の「風立ちぬ」の時はそれでも内容に対してそれなりの論争が起こったが、「君の名は。」は気持ち悪いくらい絶賛一色である。繰り返すが、この作品と神道の関係に触れた論者は、これまで鄭玹汀氏以外に見た事がない。向こうの人間達は日本の神道に対してあまりに無知なのか。それとも「日本の大ヒットアニメ」という金のなるコンテンツにケチを付けたくないという、金に目がくらんだ「自主規制」なのか。
実際には後者の率が高いのではあるまいか。こんな記事を見つけた。

http://www.tvj.co.kr/news/articleView.html?idxno=35886
新海誠監督の新作「君の名は。」1月封切決定!
1千万突破興行シンドローム 話題のオリジナルサウンドトラック電撃発売!

映画の異例な興行と共に実力派ロックバンド「ラッドウィンプス」が作業した映画のOSTもやはりオリコンチャートで大きな人気を集める中、(韓国)国内でも来る7日にデジタルアルバム発売を電撃確定した。「君の名は。」の為に特別制作された前前前世 [movie ver.]、Sparkle(movie ver.)をはじめとする主題歌4曲と劇中背景音楽22曲が収録された今回のアルバムは、制作段階から1年以上の作業の果てに完成した音楽達で構成されている。
(中略)
1千万突破という驚異的な興行のニュースと共にOSTデジタルアルバム発売を確定した映画「君の名は。」は第21回釜山映画祭「カラープレゼンテーション」セッションを通じて国内観客に初公開される予定で、全3回の上映全て前売り開始と同時に全席売り切れを記録して熱い関心を証明した。また、21日に開幕する18回釜山国際アニメーションフェスティバルでも「君の名は。」と一足先に出会う事が出来る。


映画が正式に封切られる前からサウンドトラック先行発売かよ! いくら何でも金に目がくらみ過ぎ! それに加えて映画祭の前売りが即完売とか、恐すぎるんですけど…。繰り返すがこのアニメは神道のプロパガンダ映画だぜ? それが韓国でこんなに大人気だって? いくら何でも向こうのアニメオタクはチョロ過ぎる。こういう状況であるからして、「君の名は。」という日本アニメは韓国の映画業界にとってもまさにファスブン(화수분 朝鮮語で「金のなる木」の意)であり、それにケチ付けるなど問題外なのだ。それが例え「「神道的」世界観こそが「日本」の独特な世界観を醸し出しており、また日本人の精神的支柱であると同時に死生観の土台でもあると物語っている映画」であろうと、「ストーリー性が弱く中途半端なファンタジー」であろうと、「「日本=神道の世界」として描かれた作品」であろうと、「口噛み酒」とか新海カントクの超キモいフェチ趣味が随所に見られる内容(笑)であろうとも、だ。

新海誠はこのアニメを「忘却に抵抗する人物を描こうとした」などと言うが、そうではない。「抵抗を摘む」のがこの映画の果たす作用である。…だってオカルト神道だぜ? さらに金のなる木だからといって、厳しい評価が行われるのを阻害する空気まで醸成しているではないか。

韓国においても神道の元締めたる明仁倭王は礼賛一色で批判の許されない存在になりつつあり、同時に神道オカルト映画でしかない「君の名は。」も本質を突いた批判や論評が登場出来ない環境にある。文化体育観光部というれっきとした韓国の省庁が日帝戦争賛美映画に最高の「芸術点」をくれてやって支援までするという。現実を見れば韓米軍事訓練だけでなく、韓日合同軍事訓練も最近は毎年のように実施中だ。今はまだ風当たりが強いので、朝鮮半島から離れた地域でやっているが…。
どこの国、いつの時代でも映画はその世相をよく反映するという事を、韓国における「日本のいちばん長い日」と「君の名は。」の扱いもまた雄弁に物語ってくれているのではないか。

夏休みの日本映画「プロパガンダ競作」不毛の極致

鄭玹汀氏のフェイスブックの記事を見ていて気になる指摘があった。夏休み公開の劇場アニメ「君の名は。」についてである。筆者はこのアニメを見ていないのだが、宮崎駿の「風立ちぬ」の時と同じでどうにもこのアニメに対してある種の違和感というか胡散臭さが感じられて仕方なかった。直感的に嫌な予感がしたというパターンだが、その矢先に鄭玹汀氏がこういう指摘をしてくれた訳である。(強調部分は引用者による)


https://www.facebook.com/photo.php?fbid=671663116324376&set=a.101540370003323.2759.100004420802283&type=3
鄭玹汀
9月16日 2:10 ·

映画「君の名は」を観て

劇場用アニメーション「君の名は」が、若い世代の観客を中心に大ヒットしている。娘と一緒に観にいった。

飛騨の山奥にある糸守町の宮水神社の巫女を務める宮水三葉(女子高生)と東京の四ツ谷に暮らす男子高校生の立花瀧の魂が偶然入れ替わる話だ。
 最近これほど神道色の強い映画を観たことがなかったので驚いた。
「神道的」世界観こそが「日本」の独特な世界観を醸し出しており、また日本人の精神的支柱であると同時に死生観の土台でもあると、この映画は物語っている。

本作は残念ながら、ストーリー性が弱く中途半端なファンタジーだと思った。それに登場人物の個性もあまり感じられない。そもそも女主人公は巫女服で舞いを踊り、口噛み酒という儀式をする巫女だから。

なんと「神酒の力」で、死ぬ前の世界にタイムスリップもできるようになる。神酒の力はすごい!そのうえ「結び=ムスヒ(産霊)」という神道の用語もしょっちゅう出てくる。

 リアルすぎる風景描写とどこか懐かしさを感じさせる映像にはただただ圧倒されたけれども、「日本=神道の世界」として描かれた作品を観ながら、危惧の念を抱かざるをえなかった。



まあ、そういう事でござんしょう。筆者は見てないから分からないのだが、これはかなり重要かつ鋭い指摘なのではなかろうか。鄭氏以外でこのアニメと神道系オカルトの関連性・親和性を指摘してるのを見た事がない。SEALDsとの件でもそうだったが、鄭玹汀氏の鋭さは常々大したものと思う。「君の名は。」とは神道系オカルト(少なくともその要素を非常に多く含んだ)アニメであった! そりゃ今の日本、すなわち「安倍晋三が高支持率で長期政権を続け、『軍神』のセガレに過ぎない明仁テンノーヘーカがなんと『平和の神』として歴史上かつてない程に崇め奉られ、靖国神社が戦後かつてない程までに大繁盛し、戦争法や日米新ガイドラインなど軍拡化が戦後かつてない程急ピッチで進んでいる日本」でこのアニメがヒットしない訳がねえわなあ! それとこのアニメを宣伝したり取り上げているマスコミの記事などで、この作品と神道の関係がほとんど述べられないというのも非常に気掛かりだ。もちろんそれはマーケティング的に意図したものであろうが…。
神道というのは昔だけでなく、今の日本の国家体制にとっても実に重宝するアイテムという事であろう。日本鬼的軍国主義者にとって、神道は三日(政治)利用したらやめられない。
さらに付け加えるなら、このアニメはいわゆる「巫女萌え」のオタク層にも好評だったんじゃなかろうか。日本のアニメやゲーム関係のオタク層というのは、コミケの惨状や艦これ・刀剣乱舞の大流行を見ても分かるように救いようがないほど右傾化・臣民化している世界なので、そういう点でも「君の名は。」は「外す要素のない」映画であったと言える。もちろんこの映画がこれだけヒットしたのはオタク層ウケだけが原因ではない。一般人にもウケた、つまり日本全体がこういう作品をありがたがる風潮であるという事だろう。客が何望んでるか、制作側は十分知り尽くした上でってこった! 

で、このアニメの監督インタビューも見たのだが、ここでも興味深い事が書かれている。


http://diamond.jp/articles/-/102665?page=4
三葉がお米をかんで自身の唾液とまぜて、升に入れて自然発酵させる「口噛み酒」はその一つ(監督の好みやフェチの意:引用者注)です。他にも、例えば、瀧が年上の女性である奥寺先輩と一緒に三葉を探しに行くところですね。これらは、単に私の好みなわけですよ(笑)。

 ただ、無造作にやると不快なものになりかねない。瀧は、三葉という別の女の子のことを見ているのに、なぜか奥寺先輩という他の女性が付いてくる。下手をすると無神経な展開になりかねませんので、そう思わせないための「回路」をきちんと作る。その点、脚本会議で「これは無神経ですよ」とか「気持ち悪いです」とかダイレクトに伝えてもらったことで、だいぶ助かりましたね。


え、筆者は見た事ないから分からないのだが、新海誠の作った他のアニメというか本来の作風ってそんなに気持ち悪いのばっかりなの(笑)? それを制作会議で「毒抜き」したおかげで今作はウケる作品になったと読めるのだが…。それでも「口噛み酒」とか、「結び=ムスヒ(産霊)」とか、「お神酒の力でタイムスリップ」とか、「神道的世界観が日本人の精神的支柱にして死生観」とか聞いただけで十分キモ過ぎるのだが、その辺は制作会議で「無神経」「キモい」とか問題にならなかったのか。いや、これらは筆者のような者にはキモく感じられても、今の一般日本人大衆にはむしろ喜んで受け入れられるものと判断されたのであろう。それは確かにある意味間違っちゃあいない訳だが…。プラス、監督である新海の「フェチ趣味」にも合致するものであったと。ああ、やっぱ2016年の日本に何とふさわしいアニメであった事か! 

で、今年の夏休み映画でこれと興行収入トップを争ったライバルが「シン・ゴジラ」であったというオチが付く。筆者は見てないから分からないのだが、「シン・ゴジラ」もアニメっぽい作りの特撮(何より監督が…)自衛隊プロパガンダ映画であるという。実際に安倍が大喜びしてたし。日本の2016年夏休み映画というのは、オカルト神道と自衛隊という二つのプロパガンダ作品が激突して競い合うように多額の興行収入を上げた。これはすなわち次の一言できれいに結論付けられるのである。

「不毛の極致」


さらに「君の名は。」というアニメは我々にもう一つの教訓を与えてくれる。新海カントク特有の超キモいフェチ趣味を「毒抜き」してくれた東宝のスタッフ陣がある意味極めて優秀なプロデューサーにしてチェック屋集団だった事は、この映画の大ヒットで証明された。ただの神道オカルトアニメをここまで大ヒットした「国民的アニメ」に仕立て上げてしまったのだから。ところがこれと同じような主張していた首相時代の森喜朗はどうであったか? 

日本は神道を中心とする神の国(要旨) by 新海誠
日本は天皇を中心とする神の国 by 森喜朗

両者はほとんど違いのない事を言っているのに、片方は空前の大ヒット興行成績を上げ、片方はバッシングされて後に首相の座を追われる一因となった。これはひとえに取り巻きスタッフの差であったと言える。もし首相時代の森に「君の名は。」のプロデューサーかそれと同等のブレーンがいて「毒抜き作業(笑)」さえうまくやってくれていれば、バッシングされるどころかむしろ支持率を倍増させる事だって不可能ではなかったであろう。新海も森も「人間としての程度」においてはほとんど差がない存在に過ぎない。だが両者の明暗を分けたのは「毒抜きの上手なブレーン」の存在であった! それは今をときめくオリンピック組織委員長としての森喜朗にも同じ事が言えるであろう。どんなにロクでもない所業をするトップがいても、それを上手に転禍以福させられる優秀なスタッフの存在、これこそが「君の名は。」という神道オカルトアニメが我々に与えてくれる教訓…。 
と言いたいところだが、この理屈だと「優秀なスタッフ」さえいればトップはいらないって話になるよね。そう、あのアニメが真に我々に与えてくれる教訓とは「別に新海や森みたいなトップなんかいらなくね?」という話なのである!

「思慮ある者」が「思慮なき者」をカモにしたゲーム~艦隊これくしょんと刀剣乱舞 その2

・有明か? 九段か?

以下の写真を御覧下さい。醜悪な旧日本軍のコスプレイヤーが大勢写っていますが、ではここで問題です。この写真が撮られた場所と日時は次のうちどれでしょう?





1)東京国際展示場 in 2015.08.14
2)靖国神社 in 2015.08.15

正解は…もちろん2番です。詳しくは元ネタであるハンギョレ韓国本家の記事参照(日本語版ではなぜか未訳記事)。が、しかし…
1と答える人がいても不思議はないし、当たらずとも遠からずというのが正直な所だ。と言うのも、それだけ今のコミケにはこの手の旧日本軍コスプレイヤーがあふれている。これらが最近特に激増した理由は言うまでもなく艦隊これくしょん(艦これ)の影響だ。艦これが配置されるブースにはこの手の連中が腐るほどいる。腐って腐臭を放つ、ゾンビ映画のゾンビ大群のごとく大量にいる。石を投げれば旧日本軍コスプレイヤーに当たると言っても過言ではないほどいる。筆者は今年の艦これ配置日つまり14日には行っていないのだが、去年の時にはちょうどその日にぶち当たってしまい、そうしたおぞましい光景を見せ付けられる事になった。おそらく今年も寸分違わぬ、いや、もっと酷い有様になっていた事だろう。艦これというゲームの中では自分の本拠地を「大本営」だか「鎮守府」だとか言い、プレイヤーが旧日本軍の軍艦を擬人化した美少女キャラを侍らせたハーレム状態の中で「提督」と呼ばれる、戦争シミュレーションなのかギャルゲーなのかよく分からないゲーム(実際に戦闘シミュレーション部分は同ジャンルゲームの中でも最低に近い出来と言われ、文字通りゲームになっていない超クソゲーという)なのだが、それにイカれたプレイヤーが旧日本軍のコスプレをし、コミケ会場で艦これの美少女キャラに扮したコスプレイヤーから「提督」などと言われて悦に入る…。そういう限度を超した薄気味の悪い場と化しているのが今のコミケ(並びに艦これオンリーイベント)だ。
ただし、今のコミケしか知らない者には信じられないかもしれないが、昔のコミケは旧日本軍のコスプレが禁止されて、そうした扮装をした者は追い出された。少なくとも90年代初頭の晴海で行われていた時にはそういう時代がほんの一時期(だけ)あった。相当な古株なら知っている者もいようが、そのような記憶を保持する者は少なくなり、その事を証言する者はさらに少なくなった。とは言え、かつて一時期のコミケで旧日本軍コスプレが禁止された理由というのは、コミケの存在が海外にも知られて外国からの来場者が増え始めた時期で、それに配慮したからに過ぎないという。つまりよその目を気にしての事だった訳で、コミケが今のように巨大化せず少数の日本国内マニア向けイベントとして細々と続いていたなら、「よその目」を気にする必要もないので当然旧日本軍コスプレも禁止される事はなかっただろう。現実にはコミケはその後も膨張を続け、外国からの参加者もそれに比例してさらに増えたにも関わらず、日本社会の右傾化とそれに付和雷同するオタク業界の流れに完全にシンクロして現在に至っている。かつてのように外国の目を少しとはいえ気にする気配りすらも全くなくなり、旧日本軍や艦これのコスプレはお咎めなしのヤり放題だ(その前にはヘタリヤの大流行というのもあったが、これも元作品の人種・国籍差別的内容が全く問題にされなかった)。巨大化しようとまいと、どちらにせよ結局コミケが人種差別や日本軍国主義の象徴を無批判に受け入れる場になっていたのは避けられなかったという事だろう。「表現の自由」の意味を完全に取り違えたオタクの最も悪しきパターンではないか。それだけコミケの艦これ配置日と8月15日の靖国神社は見分けがつかなくなっている。


・日本の同人業界やオタク業界がそんなにエライのか?

今のコミケとはそういうどーしょーもないイベントだが、今回のコミケのサークル参加案内書(コミケットアピール)に

「以前も申しあげましたが、今の同人誌の世界の規模と賑やかさで、世の中から放っておかれることを期待するのは、なかなか難しいものがあります。逆に無視されるくらいの存在でしかなかったら、TPPにおける著作権の非親告罪化において、政府が同人誌をひとつの文化と捉え、これに配慮して交渉に当たっているような現状などあり得なかったでしょう」

と書かれていて、筆者は唖然とした。要するに自分らのような活動をする者が増えた影響を政府が無視出来なくなった、同人オタクが世の中や国を動かしたんだと言わんばかりの、とんでもない自画自賛・夜郎自大のアピールである。しかしながら今の日本の国策の一つこそ「クールジャパン」ではないか。周知の通りこれは「日本が世界に誇るコンテンツ(漫画、ゲーム、アニメ、二次元萌え美少女キャラのようなオタクコンテンツや、AKBに代表される合法三次元JKビジネスなど現代日本式女衒ビジネスの類)」とやらを大々的にアピールして売り出し、また日本という国家そのもののプロパガンダにも利用するというものだが、そう考えればなぜ日本政府がわざわざTPPであのような交渉をする腹の内が容易に理解出来るではないか。日本政府が著作権の非親告罪化に抵抗する(振りをしている)のはこれまた自国の国策・国益に過ぎず、自国の大事な輸出商品にしてプロパガンダネタである「クールジャパン」コンテンツを悪用する事の旨みに気付いたからでしかない。オタク達の「言論・表現の自由」を守る為ではなく、オタク層を国策・国益に奉仕させる方向へ誘導する為にやっているだけだ。著作権の非親告罪化はとんでもない話であり、筆者も絶対に反対である。だが、今の日本で進行しているのはそれを口実にしてオタクコンテンツの類を国策・国益に取り込もうとしている動きと、一部のオタク(コミケ準備会や漫画家の赤松健が代表例)がそれに便乗して権力に取り入ったり利権確保に走っているに過ぎないのではないか。赤松が一時期推進した「同人マーク」の事を思い出すが良い! 前述のコミケアピールでも「〈場の継続に向けた意思〉を明記し、様々な形で味方や仲間をより増やしていくことで、コミケットの継続を実現していこうとしているのが現在の準備会です」とは言っているものの、その「味方や仲間」とやらは何者なのか。経産省や千葉県など官公庁の後援をもらった事を誇るなど、結局「お上」こそ一番の「味方や仲間」と言っているようにしか思えない。今の日本国家がどのような方向に向かっているかを一顧だにせず、ただ官公庁や地方自治体から後援してもらった、こちらも防災イベントなどでお上に協力した、では行き着く先は明白だろう。コミケ、ひいては同人誌界の報国運動化である。すでにそうなりつつあるが。「場の継続」とやらを何よりも最優先したあまり、他の大事な事をことごとく投げ捨てて体制に取り込まれる道を歩んでいる。それに「オタクエキスポ」のようなイベントを開催して悦に入ったり、「俺達のおかげで政府はTPPの交渉に配慮している」といった選民思想じみた歪んだ優越感はそれを大いにごまかす作用を果たす。これは「万世一系の天皇陛下を中心とする我が大和民族は世界で一番優秀」などと自画自賛していた戦前の(現在も)日本を彷彿とさせる。つまりこのままでは「日本政府は著作権の親告罪化に反対して俺達の表現の自由を守ってくれた。お上こそ俺達の創作活動を守ってくれるし、俺達オタク業界はそれを動かせるほど大きくなったんだ。日本バンザイ! 日本のオタク文化バンザイ! それに同調しない奴は非国民だ!」という方向に流れるのは必至だろう。コミケ準備会や赤松らの言動を見ていると、そうとしか思えない。「クールジャパン」という国策を冷笑しながら、実際には誰よりもそれに(意識的か無意識的かを問わず)取り込まれて結果的に同調しているオタクは思いの他に多いのである。TPP交渉の結果がどう転ぼうと、コミケや表現規制反対運動を含む「オタク業界」の大勢はますます御用運動・報国運動化していくのは間違いない。日本の同人誌の世界でこうした風潮に抗して己の流儀を貫く事は本当に難しくなるだろう。これからこの世界に入ろうとする者は、その事を十分肝に銘じておくべきだ。
「例えコミケが潰れても関係なく俺は行く道を行く! 自己流を通し、己のやりたい創作活動を続ける! お上の国策・国益糞食らえ。馬鹿の多数決に従う義務はない!」
このような気合を貫ける人間が、今の世に果たしてどれだけいるだろうか? 


・角川ゲームス、竹取物語に学ぶ?

前回述べた艦これの韓国輸出問題について、思う所をもう少し追加して述べておきたい。
前回の記事をお読みになれば分かる通り、2014年に韓国のゲーム会社数社が艦これを輸入しようと考えて交渉を始めた所、同ゲームの運営元であるDMMは乗り気だったのだが、ゲーム中の画像などを一切修正したり改変出来ないというライセンス問題(これは明らかに開発元である角川ゲームスの意向であるのは間違いない)が引っ掛かって話が流れたというものだ。実際に艦これのキャラには旭日旗など日帝の意匠が描かれたものが多く、それを修正せずそのまま韓国のゲーム市場に持って行く事は出来ないだろう。かくして「怪我の功名」とも言うべきか、艦これの韓国正式輸出は幸いにも頓挫したのである…。
ここで一つの疑問が浮かぶ。幸い? 果たして艦これの韓国輸出頓挫は(このゲームに批判的な立場から見て)良い事だったのだろうか? よく考えてみると、このゲームの韓国輸出が決まって正式にサービスが開始された方が、最終的には好ましい結果を生んだのではないかと思えるからである。なぜか?

もし艦これが韓国で正式にサービス開始された場合、どのような事が起こるだろう。仮に旭日旗などの図柄修正が受け入れられ、そうした部分が変更されて「ローカライズ」された「韓国版艦これ」が向こうでサービス開始されたとする。だがいかにそのような小手先の修正をした所で「旧日本軍の軍艦の美少女化」「それによる日帝の侵略戦争の持つ歴史的意味のごまかし・曖昧化」といったこのゲーム自体が持つ本当の意味を糊塗し切れるはずもない。いかに親日国家・韓国と言えども、その事が簡単にばれて社会問題化するのは必至だ。ましてや「日帝植民地解放70年」という節目を1年後に控えた社会状況である。結果、「韓国版艦これ」は猛烈な批難の嵐に晒されて、1年も持たずにサービスそのものを続けられない状況に追い込まれ、これを韓国に輸入して運営していたゲーム会社も大打撃をこうむる(下手したら倒産)だろう。これは99%そうなったに違いないだろうと筆者は断言する。
もちろん話はこれで終わらない。韓国ではほぼ間違いなくそういう事が起こるだろうが、それが日本との外交問題に発展する可能性もかなり高かったと思う。そうなれば必然的に日本国内の艦これ運営サービスも影響を受け、ゲーム内容やキャラデザインの大幅な変更・修正などせざるを得なくなる。運営もサービス停止までは行かずとも、様々な打撃で制約を受ける事になりかねない。角川ゲームスの稼ぎ頭だったゲームが、韓国輸出という目先の欲に目が眩んだばっかりにパーになるという、この上なく爽快かつ天網恢恢疎にして漏らさずという近年稀に見る好展開が待っていたかもしれないのである。ハッピーエンドッッッッ!

…が、実際にはそうならなかった。他ならぬ「ライセンス問題」で輸出に難色を示した角川ゲームスのせいである。せっかくマヌケなDMM側は乗り気だったというのに! 角川さえ首を縦に振っていれば、今頃韓国でも日本でも艦これとそのビジネスは大炎上に…そう思うと筆者は残念で仕方がないのだが、ここでまたしてももう一つ別の考えが成り立つ。つまり、あの時角川が「ライセンス問題」を持ち出したのは果たして単なる偶然だったのだろうか、と。角川が時には「知財ゴロ」とまで言われるほど、その手のライセンス問題に悪どくてセコイのは広く知られた話である。その方面について言えば、角川ほど恥知らずな企業もない。だからといって自社製品の海外輸出というビジネスチャンスをふいにしては何にもなるまい。どこよりも「クールジャパン」そのものである角川が? 今やニコニコ動画のドワンゴ(麻生財閥と密接な関係)と経営統合して、文字通り日本の「国策会社」そのものと化した角川がなぜ? 

これから述べる事は飽くまでも筆者の推測だが、だからこそ角川は艦これの韓国輸出にむしろ歯止めを掛けたのではないだろうか。つまり、もし艦これを韓国に輸出しようものなら、このゲームの「旧日本軍戦艦の美少女化」という極めて不道徳なテーマが即座に露見して大問題になるという事を、角川は気付いていたのだと思う。韓国輸出という目先の欲にとらわれてそれをやってしまったら、後で大変な騒ぎになって元も子もなくしてしまう。元より艦これのようなビジネスは日本国内でのみ通用し、完結すべき性質のものではないか。日本でオタク向け萌えキャラ商売と、軍事大国化日本の国策に沿ったエンターテイメントとして展開されればそれで良い。むしろこれが大々的に外国に広まってしまっては、かえって批判や外交問題を生み、それこそ「国策会社・角川ドワンゴグループ」としての本分に背く事になる。角川というのはゲームビジネスと関わって長く、主にゲーム雑誌から始まって自らもゲーム開発を手がけるようになり、その間この業界で起こって来た様々なトラブルや事件も多く見聞したり体験してきた。つまりノウハウだけは海千山千であり、輸出ゲームをその国向けの内容に対応してアレンジする「ローカライズ」の問題についても敏感だ。艦これが小手先のローカライズで輸出用にどうこう出来る性質のものでない事は最初から自分らも分かっていたのだろう。だが、それをDMMや韓国側のゲーム会社にストレートに言っては、色々と角が立って後で薮蛇になりかねない。そこで「ライセンス問題の関係で、ゲーム中の画像を一切変更・修正出来ない」という無理難題を吹っかけて断る口実にしたのではあるまいか。それこそあたかも昔話のかぐや姫が求婚を断る口実として無理難題を吹っかけたように。

…繰り返すがこれは飽くまでも筆者の推測であり、角川があの時どのような判断で断ったのか本当の所は分からない。だがこれだけははっきりしている。少なくとも角川ドワンゴグループ(角川ゲームス)というのは、同じようなゲームを作っていてもニトロプラス&芝村裕吏(笑)のような単純マヌケ右翼集団と違って、ゲーム事業の積み上げてきたノウハウも、会社の規模も、そして日本のエンターテイメント業界での位相(格)も違い過ぎるという事だ。今の角川ドワンゴというのは、言うなれば満州国における満州映画協会(満映)のようなポジションであり、事実上の国策エンターテイメント会社である(今や読売より影響力がある?)。だからこそ艦これの韓国輸出という軽挙妄動はしなかったのだろう。今現在もし艦これを輸出して、日本側と韓国側とでどちらに利得(損失)が大きいか? 少なくとも角川がこういう「国策会社」としての計算をキッチリしていたとしても全くおかしくない。芝村裕吏ごときとは違って(笑)。それどころか、ニコニコ動画では朴槿恵の妹である朴槿令の親日妄言を引き出して世界中に晒し者にしてみせたではないか。非常に腹立たしい事に、安倍談話の発表を前にしてこれがどれだけ韓国側に冷や水を浴びせて、日本側を有利に傾けたか計り知れない。これこそまさに「日本の国策会社」の面目躍如である。角川ドワンゴグループがこの間にどれだけ日本のエンタメ業界で国策・国益に忠実なプロパガンダ事業を巧妙に展開してきたか、それを警戒しなければならない。「ニコニコ超会議」にいたってはすでにコミケのお株を奪いつつあるではないか。だからこそニトロ&芝村組の「刀剣乱舞」よりも、角川ドワンゴグループの「艦隊これくしょん」の方がはるかに手強く厄介な強敵なのである。

もし今後コミケが何らかの理由で継続が困難になった場合、角川ドワンゴ(あるいはそれに類する他の大手エンタメ企業。もちろん一社ではなく複数の企業体の可能性も)が「救済」に乗り出すのではないかとも筆者は考えている。このように影響力のある貴重な扇動やプロパガンダの場を、「国策」の観点からむざむざ潰すはずがない。そして今のコミケ準備会首脳部はそれに抵抗するどころか、諸手を挙げて歓迎するだろう。「場が継続出来た! お国や角川ドワンゴのような大企業が俺達オタクの影響力をこんなに高く買ってくれた!」と。

【近未来物語 in 20xx年】
…20xx年の記者会見、角川歴彦相談役(佐藤辰男か川上量生でも可)曰く
「新会社の社名は『角川ドワンゴコミケット』ですッッッッ!」

…冗談はともかく、艦これの韓国輸出は契約成立していた方が最終的には良かった。そうなれば間違いなく韓国で大きな社会問題になり、韓国の運営会社も倒産しかねないほどの大打撃を受けて、向こうの歴史を冒涜する軽はずみなユーザーや無節操なゲーム業界への良い「教訓」にもなった。そうなれば外交問題から飛び火して、日本の艦これビジネスも大きなダメージを受けたに違いない。この手のゲームに対する批判や問題提起としてはむしろその方が良かったのだ。もし艦これの開発会社がニトロプラスだったら間違いなくそうなっていただろう(笑)から、返す返すも残念である。

いずれにせよ、こうした「美少女やイケメンのキャラという糖衣で包んだ日本鬼的軍国主義の発現」についてはユーザーの方も警戒を怠ってはならない。日本側だけでなく、韓国や中国の側は特にだ。韓国で艦これや刀剣乱舞の問題を論じているサイトなど見ていると「これらは無思慮な(생각없는)ゲームに過ぎない」などとしたり顔で語っている例が散見された。これは誤りである。「無思慮」なのはこうしたゲームを世に送っている日本側(DMM、角川、ニトロプラス)などではなく、それに込められた意味を読み取れずにひたすら美少女キャラやイケメンキャラにイカれている頭も尻も軽い韓国・中国側のユーザーの方だ。VPNを介してまでこうした日本の右翼ゲームをやりたがる「思慮なきアホ」を、それよりも狡知に長けた日本側の「思慮ある悪党」がカモにしたゲーム。韓国人や中国人が「艦隊これくしょん」や「刀剣乱舞」に熱中するとはそういう事であり、その事に早く気付かねばならない。美形ぞろいのナチス親衛隊や望月三起也の「ジャパッシュ」ではないが、こういう美少女やジャニーズ系の戦争ごっこというのは、実は結構恐ろしい影響力を持つものである。それが例え二次元であっても。


・刀剣乱舞の制作関係者は芝村だけが極右なのか?

刀剣乱舞の設定担当者である芝村裕吏は例の大東亜共栄圏発言に留まらず、その後「自分は極右」とまで開き直っており、この男の面皮極厚ぶりはどこぞの犯罪組織幹部&その元ネタ総理(笑)並みと言っても過言ではない。

「芝村裕吏面皮極厚、対嘲諷置若罔聞」(芝村裕吏はツラの皮が分厚く、嘲笑われても聞き捨てている)

芝村という男はまさに日本のオタクのあらゆる醜悪な部分ばかりを一身に寄せ集めたような存在であり、その限りでは貴重なサンプルケースとして、データ採取用に「保護」の対象とすべきかもしれない。
だが、刀剣乱舞というゲームの右翼的要素はこれだけではない。おさらいして言うと、このゲームの敵は「歴史修正主義者」で、主人公(プレイヤー)側はそれを阻止する為に政府の命を受けてそれらを倒しに行くという設定となっており、つまり現実の日本社会で起こっている事とは「歴史修正主義」の意味を全く逆転させているのだ。おまけに敵の中には「合同左派部隊」「太平洋戦争阻止部隊」というものまで登場する。これは設定者である芝村の極右性向がモロに表れた例で、左派を敵に見立てているのはもちろん、「太平洋戦争阻止部隊」が敵というのは「太平洋戦争は正義の戦争であった(だからそれを阻止しようなどという奴は悪い奴だ)」という皇国史観そのものの戦争観・歴史観が明確に表れていよう。
そういうゲームを、イケメンキャラに惑わされた一部韓国人や中国人達までが熱中するというのは何たる喜劇かと思う。いや、そうしたキャラクターデザインの効果や影響こそ警戒すべきか。この件は我々に一つの教訓を与えてくれる。それは軍事や経済による力ずくの侵略行為よりも、精神・文化面での侵略(ソフトパワー?)の方がはるかに恐ろしい場合が往々にしてあるという事だ。

だが刀剣乱舞制作関係者でここまであからさまな極右というのは芝村一人だけなのだろうか? 意外と見過ごされている事実を参考までに一つ指摘しておきたい。
刀剣乱舞の売りである多くのイケメンキャラは何人ものイラストレーターによってデザインされている。その中の「山伏国広」というキャラを描いた公式イラストレーターはミドロという人物なのだが、この者はこれまでに旧日本軍や日帝を美化する絵を何枚も描いているいわくつきの絵描きなのだ。以下ミドロの公式サイトにはそうした絵がいくつもある。

http://nationaltragedy.oiran.org/
ミドロの公式サイト(アドレス名が「national tragedy 国家的悲劇」って…こいつの考える「国家的悲劇」って一体…)

中でも強烈なのが以下の二つだ。21世紀の現在、ここまでアナクロな絵を嬉々として描けるというのは、もはや小林よしのり並みだろう。はっきり言って恐ろしく胸糞悪い代物なので、くれぐれも閲覧は「自己責任」でお願いします。

http://nationaltragedy.oiran.org/ila43.html
学徒兵美化イラスト(閲覧注意!)

http://nationaltragedy.oiran.org/ila37.html
特攻隊美化イラスト(閲覧注意!)

いや、純粋に画力で言えばミドロの方が上なので、この者はある意味すでに小林よしのりを超えていると言っても良いだろう。この手の美形キャラを売りにしたゲームやアニメなどでは、男性向けの美少女キャラよりも女性向けのイケメンキャラをデザインするのがはるかに難しくて高いセンスを要求される。それは他ならぬ艦これと刀剣乱舞のキャラを比較すれば容易に理解出来るだろう。その手の美少女キャラというのは制服っぽかったり露出の高い衣装をテキトーに着せれば一丁上がりだが、イケメンキャラはそうはいかない。ウケる女キャラよりもウケる男キャラを描く方が圧倒的に難しいのである。純粋にキャラデザインのセンス云々という部分に関してだけ言えば、艦これよりも刀剣乱舞に軍配が上がるだろう。男性向け女性向けの違いはあるにせよ。もちろんパクリ疑惑に目をつぶれば、の話だが(笑)。

それはともかく、これはもう何をかいわんやだろう。公式の絵描きにもこういうのがいた、つまり刀剣乱舞というゲームの制作陣でしょーもない極右というのは芝村一人ではなかったという事だ。以前、艦これのあるキャラと昭和天皇のツーショットという凄絶な地獄絵図(だが、艦これというゲームの本質や目指す所とは最も合致している)がピクシブに投稿され、そのイラストに付けられた読者コメントもまた「8月15日の靖国状態」になっているというおぞましい話があった(ある)のだが、これはそれでもファンの描いたイラストである。刀剣乱舞の場合は公式の絵描きからしてそういう絵を好んで描いている確信犯なのだから、もっととんでもないだろう。
一連の刀剣乱舞騒動があり、その過程でニトロプラスや芝村裕吏の妄言や泥縄的醜態に様々な批判もされてきたが、なぜかこのミドロの絵は日本で言及されていないような気がする。かくいう筆者も、刀剣乱舞騒動に対する韓国側の反応などを調べているうちに偶然知った事だった。あるいはもっと調べればこうした絵描きはミドロ一人だけではなく、他にも同じような性向の描き手がまだいるかもしれない。昔の人間は良い格言を残したものだ。ゴキブリを1匹見かけたら、他に30匹は隠れている、と。パクリ疑惑云々の他にも、このゲームの公式イラストレーター陣にはとんでもない連中がもっと潜んでいると疑ってかかるべきだろう。

もっとも、世の中にはツイッターで反戦左翼っぽい一見まともそうな事を言いながら艦これジャンルで活動(シノギ)しているという、訳の分からない同人作家もいるが。そういうエラソーな事は、せめて艦これジャンルの活動やめてから言いなさいよと切に思う。こんなしょーもない作家の発言が好意的にリツイートされたり引用されているのを見ると、見ているこっちが情けなくなってくる。画力云々という話ではなく、低劣な作家という点において、この艦これ同人作家はミドロや先述のピクシブ投稿者といい勝負ではないか。

8月14日のコミケ、同人業界の大勢、艦これと刀剣乱舞に関わる一連の出来事、そして日本社会全体…。それらを見聞して「毎日が8月15日の靖国状態」という印象を受けた、そんな2015年の8月であった。

(終)
        
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