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朴槿恵の弾劾可決自体はもはや大した意味がない

韓国憲法裁判所で朴槿恵の弾劾審判が下るのは3月10日と決まった。しかしながら朴槿恵の弾劾が認定されようがまいが、アメリカ(日本もだが)の立場からすればほとんど関係がない。韓国の次期大統領候補とされる有力政治家の多くは民主党の文在寅をはじめとしてTHAADの配備に賛成しており、今まで通りの「韓米日軍事同盟体制」にいささかの揺らぎもないからだ。アメリカからすれば朴槿恵の去就などすでに問題ではなく、例え旧セヌリ党系列の極右候補から民主党・国民の党のいずれの候補が次期大統領になろうとも、THAADの配備は規定路線である。トランプ政権が発足後に日本と韓国へ押し付けているのは従来言われてきた「駐留米軍費用増額」などという甘っちょろいものではなく、それをさらにレベルアップした「日韓の軍事費増額」であり、軍事費増額してアメリカの武器(ただしアメリカ本土ではすでに使い道のなくなったポンコツ。すでに時代遅れのTHAADももちろんこの中に入る)をもっと買え、というさらなる搾取なのだ。
朴槿恵が弾劾されようがまいが、韓国の前途は地獄でしかないというのが現実である。100万キャンドルとは一体何であったのか、という視点から見直さねばなるまい。「キャンドルデモに100万人集まった! やっぱり韓国の民主主義は素晴らしい! 在日も韓国の次期大統領選挙に積極的に関わるべきだ」という軽はずみな言動にはもう少し考える必要がある。軽挙妄動していては「韓国リベラルの大勢(ハンギョレや京郷新聞的な)」に乗っかって文在寅か安哲秀(いずれもTHAAD支持にして強烈な反北主義者、日韓慰安婦合意にも賛成か消極的反対)を盲目的に応援するという最悪の結果しか生み出せないであろう。それならば「沈黙の棄権」を行使して本国の旧セヌリ党系から民主党・国民の党にいたる崇米親日勢力への抗議を貫いた方がはるかにましというものではないか。

韓国の現状は酷いよ。およそ民主主義などどこにも見当たらないほど酷いよ。日本の辺野古や高江や入管の収容所やホームレスを締め出した渋谷の公園や塚本幼稚園(笑)と寸分違わない事が全国規模現在進行形で繰り広げられているから。まさに東アジアにそそり立つ「男らしい」極右国家日本と韓国がますます理性を失って地獄へ直進行するのが2017年という年であろう。


※ 色々書きたい事や翻訳して御紹介したい記事などはたくさんあるのですが、個人的に最近忙しくて更新出来ませんでした。ペースは遅くなりますが、可能な限りまた文章を書いていきたいと思います。


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高橋・法王・トランプ

高橋源一郎の妊娠中絶に対するスタンスが凄絶過ぎると一部で評判になっているようだ。毎日新聞の人生相談コーナーがそうである。


http://mainichi.jp/articles/20170123/ddm/013/070/004000c
中絶した経験と向き合えず=回答者・高橋源一郎
毎日新聞2017年1月23日 東京朝刊

 1年ほど前、思いがけない妊娠で中絶しました。他に選択肢はなく、失われた命のためにも、前向きに生きなくてはと言い聞かせています。でも、何かを始めようとポジティブになるたび、「恐ろしいことをした。取り返しがつかない」という気持ちが押し寄せてきます。今の日本では中絶は基本的に罰せられないけれど、倫理的に許されるのかは難しい問題です。自分の経験とどう向き合えばいいですか。(24歳・女性)


 あなたは、一つの生命の可能性を奪う、という選択をしました。そのときから、あなたには責任が生まれました。「善(よ)く生きる」という責任です。

 指揮者のベンジャミン・ザンダーはアウシュビッツ強制収容所の生き残りのある女性のことばを伝えています。15歳のとき、列車でアウシュビッツに連れて来られた彼女は、一緒に来た8歳の弟が靴をなくしたのを見て「なんてバカなの! 自分のこともできないなんて!」と言いました。悲しいことに、これが彼女が弟に言った最後のことばになりました。弟は生きて戻れなかったのです。彼女は誓いを立てました。「生きて戻れるなら、それが最後のことばになるとしたら、耐えられないようなことばを二度と言わない」と。彼女は、つい漏れた一言故に「善く生き」ようと誓ったのです。

 もうあなたは、そんなふうに生きていますね。あなたは他の人が苦しまないようなことを前にしても苦しみます。でも、それは、あなたが他の人たちよりもずっと敏感に、繊細に、世界に対している、ということです。あなたは、他の人たちより、多く苦しむでしょう。けれども、それ故に、世界の素晴らしさと複雑さを、より多く感じることができるはずです。

 苦しみを忘れない限り、あなたの生涯は他の誰よりも豊かになるでしょう。そして、いつかきっと気づくはずです。それが、生まれなかった子供から、あなたへの贈り物であったと。(作家)


さすが朴裕河を熱烈に支持・擁護している大作家センセイは言う事が違いますなあ。そもそも中絶とこのアウシュビッツのエピソードに何の関係があるんだよという話であるし、ここで高橋が言ってる事は完全に霊感商法の論理であろう。昔から水子供養をネタにした霊感商法がよくインチキ宗教のシノギになってきたが、高橋の言ってる事はそのまんまだ。
「あなたは、一つの生命の可能性を奪う、という選択をしました。そのときから、あなたには責任が生まれました」
このセリフの後に「そこで、死んだ赤ちゃんの霊を慰める為にこのウン百万円の壷を買えば…」と続いても何の不思議もあるまい。高橋源一郎センセイには押し売りトークの才能がありそうなので、さっさと作家辞めて霊感商法の販売員に転職する事をお勧めします。その方があなたの生涯は他の誰よりも豊かになるでしょう。いや、もうあなたは、そんなふうに生きていますね(笑)。


ではここでもう一人、高橋とほとんどおんなじ事を言っている人間がいるので、そちらの発言も御覧下さい。誰? アメリカのドナルド・トランプ大統領? いえいえ、そんな「低俗」な人間ではなくもっと「高貴」なお方ですよ(笑)。


http://www.afpbb.com/articles/-/3108774
ローマ法王、中絶への司祭による「許し」 無期限で継続
2016年11月21日 22:33 発信地:バチカン市国

【11月21日 AFP】(更新)ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(79)は21日、特別聖年に当たって中絶をした人に許しを与えることを全司祭に認めていた措置を無期限で継続すると宣言した。この措置は当初、20日まで続いた「特別聖年」期間中だけの一時的なものとして導入されていた。

 法王は20日、「慈しみの特別聖年」閉幕に当たっての書簡で、「私はここに全司祭に対し、その職において、人工妊娠中絶のを犯した者に許しを与える権限を与える」と記した。さらに「このことに関する規定は慈しみの特別聖年に限定したものだったが、これと矛盾する別段の定めがあろうとも、ここにこの規定を延長する」と述べた。

 一方で法王は、「中絶は罪のない命を絶つものである以上、重大な罪だということを、できる限り強い言葉で再度訴えたい」と強調した。

 20日、サン・ピエトロ広場(Saint Peter's Square)にある青銅製のパネルが張られた「聖年の扉」を閉じ、特別聖年に終止符を打った法王は同日、インタビューで中絶は「非常に恐ろしい罪」だと語っていた。

 しかし翌21日、法王は特別聖年が終わったからといって、慈悲そのものがなくなるわけではないとして、罪人とされる人々にも悔い改める機会が与えられてしかるべきだと述べた。

 法王の書簡には、「悔悟する心が神の許しを求める時、神の慈しみが届かず拭い去れない罪はないと言える。またそう言わなければならない」「したがって、悔悟する者が特別の許しを求めていく上で、すべての司祭は、その者にとっての導き、支え、そして慰めになるように」とつづられている。


フランシスコ法王曰く、妊娠中絶は「非常に恐ろしい罪」「重大な罪」で、だから自分らバチカンが特別に許してやるんだとふんぞり返っている。何と態度のデカい水子供養霊感商法である事か! おまえらに「許し」を得なければならない筋合いなどどこにもねえよ、勝手な事言ってんじゃねえよ、人を勝手に罪人扱いすんなという話であろう。高橋源一郎が言ってる事と何が違うんだ? 少なくとも妊娠中絶の問題に関して言うならば、カトリックこそ世界最大の霊感商法カルトではないのか。アメリカのキリスト教右派もバチカンも、この点では大差がない。

ところがどうした事か、ローマ法王のこうした霊感商法まがいの発言を批判する人間は誰もいない。水子供養をネタにしているインチキ宗教と言ってる事自体は同じではないか。それなのに妊娠中絶反対論者を批判する際に「高橋源一郎みたいな奴」「トランプみたいな奴」という罵声を言う者はいても、「ローマ法王みたいな奴」という言い方はされない。これ自体が非常におかしな事ではないか。トランプもローマ法王も「中絶した奴ぁ罪人だ」という主張は同じなのに、なぜ前者だけボロクソに言われるのか。
毎日新聞に載った高橋の発言にしても、これはローマ法王の中絶に対する諸発言を参考にしている可能性が非常に高い。ああいう一見ソフトな言い回しで「許し」を与える振りして脅迫するというやり方、少なくとも高橋がローマ法王の論理に影響を受けているのは間違いないであろう。それなのに高橋やトランプは駄目で、ローマ法王はむしろありがたがる人間が山のようにいる。何かおかしくねえか、という話なのだ。

高橋源一郎は朴裕河だけでなく、倭王・明仁ならびに天皇制の熱烈な崇拝者としても知られている。「天皇の人権」がどうのこうの言ってる時点で本当に終わっており、この手の連中は倭王と天皇家の持つ「特権」については何も問題にしない。そんな天皇崇拝者の高橋が同じように「下々から何かよく分からないけどありがたがれているローマ法王」の言説に影響されても何の不思議もあるまい。高橋源一郎のようなタイプの人間にとって、明仁やローマ法王のような存在は大変ありがたい(文字通りの)「アイドル」なのだ。こうした「ありがたく見える上品な権威者」を支持してみせる事で、この手のリベラルぶったエセ紳士は自分も権威者のごとく振舞う。その「ありがたく見える上品な権威者」として代表的なのがローマ法王であり、明仁であり、オバマやヒラリーなのだ。

ローマ法王、明仁、バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン。この4者に共通しているのは紳士淑女の振りをしながらその本性は極めて嫌らしいという事、民主的で洗練された振りをしながら実際には抑圧的な政治体制や宗教の指導者である事、人の目につきにくい所で強い悪人の側に奉仕する存在だという事であろう。オバマはアメリカ初の黒人大統領だと言うが、黒人が白人警官によって理由もなく最も多く殺されたのもオバマ時代ではなかったか。オバマは黒人の振りをしているが、中身は白人そのものだ。アフガニスタンやイラクやシリアなど、第三世界でオバマとヒラリーが行った虐殺行為はブッシュ並みかそれ以上ではないのか。ローマ法王のフランシスコは世界中で聖人もしくは「カトリックの保守的性向や既得権に抵抗する優れた法王」のように見られているが、バチカンはその歴史を通じ一貫して強者や帝国主義の側に立ってきた宗教本山である。例えば歴代ローマ法王が韓国を訪問したのは全斗煥、盧泰愚そして朴槿恵といういずれも民主主義とは遠くかけ離れた独裁政権の時代ばかりであり、その訪韓は民衆の抵抗心を削いで独裁者に奉仕する結果しか生まなかった。フランシスコが2014年に韓国を訪問してセウォル号被害者遺族に寄り添っただって? 明仁が被災地を訪問して「おことば」を言うのと何が違うというのか? あの時韓国のマスコミでは「法王様は偉いのに、それに引き換え朴槿恵は…」という話がよく言われたものだ。このセリフは日本にいる我々にも聞き覚えがある。「明仁陛下は平和主義者なのに、安倍は…」
バチカンはかつて日帝植民地時代の朝鮮人信徒に対して「総督府に従え。独立運動などするな」と言っていた事、それに対する謝罪は依然として行われていない事を忘れてはならない。その為に安重根(天主教徒)は長らくカトリックの世界では「反逆者」扱いされていたのだから。
「自国民には人権や民主主義や民族自決を一定程度(全面的ではない!)容認するが、他国のそれに対しては攻撃して破壊しようとする」
これは帝国主義の大きな特徴の一つであり、アメリカと日本とバチカンはその典型と言って良い。

日本の左派的な人々の間ではアメリカ新大統領ドナルド・トランプの「悪役人気」が大変なようである。口を開けば「妊娠中絶を禁止しようとしている」「人種差別だ」「移民の入国を禁止しようとしている」といった悪口を目にしない日はない。だがよく見れば分かるようにトランプとフランシスコ法王の間にどれほどの差異があるというのか。どっちも妊娠中絶は罪だというカルト思考の持ち主なのに、トランプや高橋源一郎だけが非難され、ローマ法王は攻撃されない。同性婚に対するスタンスも両者は基本的に同じである。「同性愛については一応認めるが、同性婚は認めない」というのがトランプフランシスコの共通項だ。もっとも両者は同性愛問題関連の発言をこれまで事ある毎に二転三転させてきたので、それをどこまで信用して良いかは分からないが。
明仁や天皇制に手厳しい人間でも、なぜかローマ法王には甘い場合が多い。しかしながらバチカンにはこれまで高位聖職者による児童性虐待事件やバチカン銀行のマネーロンダリング(これは漫画ゴラクの「白竜」でネタにされた)問題などが何度もあり、バチカンやローマ法王といえども妊娠中絶だけでなくセクシズム問題・金融経済腐敗問題・歴史認識問題から自由足り得ないのである。

トランプと大統領の座を争ったヒラリー・クリントンはどうか? アメリカでも日本でも韓国でもリベラルぶったエセ紳士・淑女がヒラリーを支持したが、明仁やローマ法王を崇拝するのと同じ嫌らしさに満ちていた。「自分は知識と良識のあるリベラルのセレブだからヒラリーを支持するんだ」と言わんばかりに。実際に韓国のハンギョレは論説委員がヒラリー支持者ばかりだったが、同紙は同時に韓国で最も明仁を美化・礼賛している新聞でもある。しかしながらヒラリーという女の実態はどうか。

トランプ「全てのイスラム教徒の入国を禁止したれやあああああッ!」
ヒラリー「ついにカダフィの野郎をぶち殺したったでえええええッ!」

…トランプが駄目でヒラリーならオッケーなどと言える連中の人格を疑う。クソの姿をしたクソ(トランプ)と、味噌のような姿をしたクソ(ヒラリー)。まだ前者の方が間違って口にする事がないだけナンボかマシだ。後者を間違って口にしたら目も当てられまい。もっともヒラリーや明仁を支持する人間は味噌のような姿をしたクソでも喜んで食うのかもしれないが。

今現在SNSなどでトランプ批判に血道を上げている者は、このまま行ったら重大な過ちを犯す事になるのではないかという嫌な予感がしてならない。日頃から民族差別やセクシズムの問題や日本の軍拡化に対してまっとうな事を言って来た人々ほど、激しいトランプ批判を頻発しているように感じられる。それは別に良いのだが、批判はもう少し慎重かつ論理的に行われるべきであろう。トランプが悪人である事は確か(何しろアメリカでも有数の強欲経営者だったのだから!)だが、それをあたかも世界における悪の全ての根源のごとく感情的に罵るのは間違っている。これまで見てきたように妊娠中絶や同性愛に対するスタンスにおいて、トランプもローマ法王も違いはほとんどない。それなのに妊娠中絶反対派を「トランプみたいな奴」とは言っても、「ローマ法王みたいな奴」と罵る事がないのはなぜなのか(もちろんそんな事を言うと褒め言葉に受け取られてしまう可能性もあるが)。トランプは下品だが、フランシスコ法王やヒラリーは「上品」だからか。トランプ批判をする際にはそうした点を一度よく考えてみる必要がある。

これはロシアのプーチンやフィリピンのドゥテルテを論じる際にも同じ事であろう。プーチンやドゥテルテをあたかも安倍晋三と同列に並べて誹謗中傷する者が多いが、果たしてそれは正しいのか。「米軍は出て行ってくれ」というドゥテルテと、辺野古の米軍基地を何が何でも作ろうとしている安倍がどうして同じなのか。アメリカの中国包囲網という軍事戦略(もちろん日本はその中核である!)に穴を開けようとしているのがドゥテルテである。日米の軍事行動に反対する立場なら、それをどう考えるべきか。ドゥテルテは自国の麻薬犯罪者を大量に殺害したというが、その一方で国内の共産党ゲリラとは停戦して和平を進めている点はどうなのか。オバマとヒラリーは無人機まで飛ばして他国の民衆を大量虐殺したが、ドゥテルテが少なくとも他国を侵略してそこの民衆を大量虐殺したという話は聞いた事がない。プーチンが80%から90%の高い支持率を保ち続けている最大の源泉は「財閥解体」ではなかったか。ソ連崩壊後に国家財産横領で一財産築いて民衆から怨嗟の的になっていた「オリガーク」という新興財閥達を、プーチンは少々荒っぽい手を使ってでも一網打尽にした。日本でも韓国でも大企業や財閥の横暴が酷く、多くの労働者が低賃金・長時間労働で酷使されている状況からすれば、プーチンを単純に「人殺し」扱いして終わらせる事は出来まい。大企業にこの上なく優しい安倍をどうしてプーチンと同一視出来るのか。間違いなく安倍は全否定されるべき輩だが、ドゥテルテやプーチンは少なくとも正邪相半ばするという評価は出来るだろう。プーチンやドゥテルテを批判するにももう少し論理的で、ロシアやフィリピンの国内外情勢や歴史的経過を踏まえて行わねばならない。

現在日本の左派的な人々の間で、特にツイッターなどのSNS上で行われているトランプ批判の数々はあまりにも非論理的で感情的に過ぎるものが多いと思う。「トランプ憎し」の感情だけで突っ走ってエスカレートしたら道を誤る結果になるのではないか。かつてドイツ緑の党がユーゴ空爆に賛成し、一部の沖縄米軍基地反対運動が「本土引き取り」に走ったように。こうした市民運動や左派が道を誤るきっかけはほんのささやかな逸脱からである場合が多い。それが取り返しのつかない結果を生む危険性がある事、それは常に自戒し、自制・自省・自重が求められる。そもそもトランプ、プーチン、ドゥテルテのような国家指導者が登場する事自体、今の世の中が危世・乱世である事の何よりの証左ではないか。このような世情ゆえに大胆な行動と同時に自制と自重が求められる事は自明の理であろう。

最低限「トランプもヒラリーもローマ法王も明仁も同じ穴のムジナ」という事を前提にすべきであろう。
同時に「ドゥテルテ&プーチンは安倍と同じ穴のムジナとは言えない」という事も考慮すべきであろう。

次期韓国大統領選の馬鹿馬鹿しさ

知っての通り朴槿恵は国会で弾劾されて今は職務停止状態に追い込まれたが、これが完全に失職するには憲法裁判所の裁定を待たねばならない。で、今の韓国憲法裁の判事どもというのは全員が全員、民衆運動を弾圧してきた公安検事出身者か極右思想の持ち主ばっかりという凄まじい構成で、これらが朴槿恵を本当に失職させられるのかは何とも言えない。報道など見ていると憲法裁が朴槿恵を弾劾するのは確実みたいな事を言っているが、それはあまりに早計過ぎると思う。裁判長が1月一杯で退任して今の判事は8人、その中の3人が反対するだけで弾劾否決なのだから。今朴槿恵の弾劾を審理している判事達は2014年末に統合進歩党を強制解散させた、あの連中だという事をもう忘れたのか? 憲法裁判事のくせに自ら率先して憲法を踏みにじって破壊した張本人どもだぜ? 
おまけにその職務停止中の朴槿恵に代わって権限代行になっているのが総理の黄教安ときている。前にも少し話したが、この黄教安という男もまた民主化運動を弾圧したバリバリの極右公安検事出身政治家であり、付いた仇名が「ミスター国家保安法」だよ。はっきり言わしてもらうなら、黄教安は朴槿恵よりももっと資質が極悪な政治家である。これは断言してもいい。と言うか、セヌリ党とそこから最近分派した「正しい政党 바른정당」(日本で言うなら維新の党みたいな連中)にはこんなのばっかりである。朴槿恵と大差のない連中の巣窟だ。

「朴槿恵の弾劾が通るのは確実だから大統領選挙も近い」みたいな事がしきりに言われているが、それはあまりに気が早い判断というものであろう。否決される可能性も十分にある。仮にそうだとしても、じゃあまともな候補がいるの?という話なのだ。
当初有力候補と言われていた元国連事務総長の潘基文がスキャンダルまみれで自爆・候補辞退したものの、この男は色々な面で問題があり過ぎて、とても一回の記事では書ききれないほど酷いものだった。そもそも国連事務総長退任して間もない人間が母国(と言うか国籍保有国)の高官になっちゃいけないという国連憲章にも違反しているし、こいつ何考えてんだというレベルの話であろう。その潘基文に代わって保守・極右層の有力候補に浮上したのが「ミスター国家保安法」黄教安なのだから救いようがない。

じゃあ野党は? はっきり言わしてもらうが、野党も酷い。とても支持出来るような候補はいないというのが率直な感想である。文在寅、安哲秀、劉承旼、南景弼…やめてくれよと言いたくなるような顔ぶればかり。こいつらは一様に「親米親日・反共反北」という点が共通していて、本当にどうしようもない。日本や韓国の極右マスコミではよく「文在寅は北の手先」みたいな誹謗中傷が言われているが、これほど酷いデマはない。文在寅はTHAADの配備にも「中国とロシアを説得する」と言って賛成しているし、朝鮮共和国に対してもやけに勇ましいタカ派発言を何度もしている。と言うか、時と場合に応じて発言を使い分けているだけの極端な機会主義者というのが本性であろう。これほど信用出来ない政治家もいないと思う。他の候補、例えば安哲秀は前にも指摘したように日韓慰安婦合意に賛成していた人間であるし、劉承旼はアメリカ軍需産業の手先と言われている韓国きっての防衛族議員南景弼にいたっては「韓国核武装ッッッッ!」が持論の核武装バカ一代で、こいつら全員朴槿恵&安倍晋三ともども一刻も早くまとめて地獄へ落ちてくれという感想しかない。

今の韓国大統領選候補どもを見ていて筆者が頭が痛くなったのは、

「国家保安法撤廃」
「朴槿恵政権によって投獄・拘束された良心囚(統合進歩党の李石基議員や民主労総のハン・サンギュン委員長など)の即時釈放ならびに統合進歩党解散の取り消し」
「平昌冬季五輪中止」
「韓米共同軍事訓練廃止、ひいては韓米同盟解体と駐韓米軍撤収」

を訴える候補が誰もいないという点だ。先述の候補どもとは大分違って左派民族主義的な候補とされている李在明(城南市長)でさえここまでは言っていないのだから。

特に平昌冬季五輪は日本の東京五輪にも劣らない愚劣なイベントと言って良い。これの為に会場となる山で樹齢数百年という貴重な樹木が大量に切り倒されてとてつもない自然破壊を起こしており、さらにこの五輪で最大の利益を得るのが三星(サムスン)財閥と朴槿恵のファミリー企業と言われている。かつて日本の長野冬季五輪は「西武五輪または堤(義明)五輪」と言われたが、平昌五輪は「三星五輪」と言っても良いほどに徹底して三星財閥が経済的・政治的に食い物にしてきた。朴槿恵や崔順実や三星財閥の悪事を清算するというなら、当然平昌五輪にもメスが入り、五輪自体も中止にして然るべきではないのか。一部の平和統一運動家の間では「平昌五輪を南北関係改善の契機にしよう」と主張する者がいるが、とんでもない話であろう。南北問題と腐った中止すべきオリンピックを無理矢理結び付ける必要は全くない。南北関係改善の手段や機会は他にいくらでもある。「李明博と朴槿恵と崔順実と三星財閥らによる悪事と利権漁りの象徴たる平昌五輪は中止。その上で南北関係改善」が正解だ。先の日本の都知事選でも東京五輪中止を掲げた候補がほとんどいなかったが、今の韓国大統領選候補達も似たような状況にある。

朴槿恵、崔順実、金淇春(元大統領秘書室長)らの悪事を裁いて清算するにあたって、連中から酷い迫害を受けた人々を救済して現状復帰させたり補償せねばならないのは当然のことだ。それなのに李石基、ハン・サンギュン、統合進歩党、民主労総といった被害者達に対する救済の声が上がらないのはどうした事なのか。民主労総に対する弾圧や組合員への不当逮捕などは、朴槿恵が国会で弾劾されて職務停止中の今でさえ現在進行形で頻発しているのだから。デモの最中に警察に虐殺された農民ペッ・ナムギ氏に対して、韓国警察は依然として真相究明や遺族への補償はおろか一言の謝罪すらしていない。李石基議員は「内乱陰謀だ」といって長期刑にされたが、その決め手というのが「講演会で政府転覆の不穏な発言をした」からだという(その証拠とされた録音も大量の恣意的な改変やカットがあった)。日本に在住する者ならば気付くであろう。これはまさに「共謀罪」の論理であると。犯罪などしておらず、それについてしゃべっただけで罪になる。日本で安倍政権がしつこく成立させようとしている共謀罪、韓国では日帝時代の治安維持法から現在に至る国家保安法という名で100年近くも存在し続けているのだ。「民主化」されたという事になっている今でさえ! かつて金大中への内乱陰謀罪適用に抵抗した者達(韓勝憲や白楽晴など)までもが、李石基や統合進歩党への弾圧には反対するどころか朴槿恵政権に擦り寄るような態度をとり、この者達は今もこうした朴槿恵政権による良心囚の事を無視し続けて空しい「時局宣言」のごときものを機会主義的に発表して悦に入っている。「共謀罪」が大手を振ってまかり通る社会で、何が「民主社会の元老」かと思う。大統領選候補にしても同じ事であり、国家保安法を廃止せずに、朴槿恵政権の弾圧犠牲者を省みずに、どうしてキャンドルデモの民衆に応えるなどと言えるのか。繰り返すが、韓国には日帝植民地時代から「共謀罪」が存在し続けているのだ。そして、それを韓国に植えつけた日本でも今また本家「共謀罪」が甦ろうとしている。「共謀罪」を共有する(しようとしている)東アジアでただ二つの国、韓国と日本! 
「韓国と日本は経済発展と民主化を同時に達成したアジアでただ二つの国であり、この二カ国が今後のアジアを取り仕切るリーダーなのですッッッッ!」
…誰だよこんなアホな世迷い言を自慢げに吹聴してた馬鹿は。

韓米軍事訓練の廃止や中止を訴える候補がいない、というのはいずれの候補が当選しても南北関係の改善は望めないという事でもある。李明博・朴槿恵の「失われた10年」が「15年」に延長されるのだ。一見ソフトに見える文在寅から一番タカ派に見える南景弼まで、いずれも対北政策は前政権の敵対政策を継続する事になるであろう。強固な「南主導の吸収統一」論者。これが先述候補どものもう一つの共通点なのだから、誰がなっても李明博・朴槿恵よりも目立って対北政策が改善される事は望めない。

これほど馬鹿馬鹿しくて投票する(と言っても、筆者には投票権はないのだが)気のなくなる低劣な選挙もない。トランプとヒラリーが激突した先のアメリカ大統領選以下のシラケ度と思う。これが果たして本当に100万人、連日の延べ人数で言えばこれまで1000万人が参加した反政府デモ直後の大統領選候補なのかと我が目を疑う。「キャンドル民衆」の声はすでに踏みにじられ、歪められ、逆方向へと悪用されているのだ。

ところがこの下らない大統領選へ「在日は積極的に関わるべき」と必死に扇動している者がいるのだから呆れかえる。

http://oklos-che.blogspot.jp/2017/01/fb.html
2017年1月13日金曜日
FBメッセージの公開ー韓国大統領選挙に、在日は主体的に参加するように呼び掛ける運動提起と、日本の植民地主義に関する所感です

この崔勝久という人は日立闘争の支援や反原発運動をしてきた人で、それには敬意をはらうが、半面で言っている事にどうもピンボケで勘違いしている部分も少なくないと前々から思っていた。そうしたら案の定馬脚を現したというか、韓国の揺れ動く政局を見てそれに便乗した政治的野欲が湧き上がってきたという所かもしれない。崔勝久のブログを読んでみると100万人キャンドルデモを無闇やたらと美化・礼賛するばかりで、それが孕む諸問題点(これとかこれとかこれとかこれなど)や、デモ民衆の行動を上記大統領候補どもが簒奪するような形で悪用している(日本で3.11後に反原連がやった事とよく似ている!)実情などに全く触れないまま「韓国大統領選挙に、在日は主体的に参加するように」などと言っているのだから呆れかえる。いや、別に向こうの大統領選挙に在日が参加しようとするのは一向に構うまい。だがその場合、向こうの社会の現状や候補達の政策といった予備知識を十分に弁えておく必要がある。韓国社会と大統領選挙の現状をロクに知らせもせず(と言うか、崔勝久自身が向こうの政治や社会や大統領選候補達の実情をロクに知らない可能性も高い)に「民衆が決起した100万人デモ」で「韓国社会は根本的に変わろうとしている」「ムード」だけで在日の参加を煽ろうとするのは詐欺ではないのか。このような事をしていては向こうの実情をよく知らない同胞がおかしな政治勢力に利用されるだけで終わるという、最悪の結果になりかねない。おまけに組む相手が金明秀だのぱぎやん(趙博)だのといったしばき隊リンチ事件関係者とか、アホとしか言いようがないではないか。崔勝久がやろうとしている事は、このまま行けば間違いなく「第2のしばき隊」になる。こうした深い知識も考えも情勢認識もなしに、近々行われる(予定の)「史上最低の韓国大統領選挙」へ在日が深く関わっていく事はかえって危険であるという事は警告しておきたい。在日の人権や民族的権利や生活、さらには祖国の平和統一という観点からである!
この崔勝久という人物の言っている他のおかしな点についても後日まとめて指摘したいと思う。


崔順実事件が起こって朴槿恵が弾劾される前にはこんな嘆きの声がよく聞かれたものである。
「李明博が素晴らしい大統領に思えてくる」
朴槿恵の弾劾が通って失職するかどうかに関わらず、また次の大統領が誰になるかに関わらず、次期政権ではまたしても次のような嘆きの声が聞かれる事になるであろう。
「朴槿恵が素晴らしい大統領に思えてくる」

魔王墜つ

「そうか、死んだのか」というのが第一に感じた事だった。誰の訃報かというと、中村製作所、すなわち旧ナムコ(現バンダイナムコホールディングス)の創業者であった中村雅哉の事である。享年91であったというから、いい齢ではあったろう。筆者も半生をビデオゲームに懸けて来た人間の一人として、色々な意味で感慨深い。

中村雅哉はナムコという、この世界では外す事の出来ないヒットメーカー・大手メーカーを起こした事から、間違いなく斯界のタイクーン(tycoon)すなわち大立者の一人であった事は間違いない。アタリのポンから始まって、ジュークボックスやデパートの10円木馬、1977年のスペースインベーダーブーム時代を生きて来た大立者の経営者も存命者はいつの間にか少なくなって来た。時代がもうここまで来たのかと思う事しきりである。

中村雅哉という人物についてはナムコの会長、さらに日活の買収など派手な光の部分が広く知られると同時に、その影の部分も決して見逃す事が出来ない。それはこの男の仇名である。中村雅哉は通称「魔王」と呼ばれた男であった。何の「魔王」かって? それは当然「エロ魔王」に決まっているではないか! とにかくこの社長、セクハラが酷かった。会社が小さかった頃はそれほどでもなかったらしく、倉庫や工場みたいな所で社員と一緒にゲームの事を色々と熱心に研究したりしていたそうだが、ゲームが売れて新しい大きな自社ビルが出来ると(ファミコン版ゼビウスの辺りか)そうした事をまるでやらなくなって社長室に籠り、口を開いてもゲームの話は出ずに株価の事ばかりだった。それと同時に女子社員へのセクハラも酷くなり、それで退職した者も数え切れないという。90年代後半にはナムコ米国社の既婚女性社員をレイプして裁判にまでなっている。これは当時「フォーカス」にも大きく記事が出たので、ゲーム業界の人間やゲームマニアであれば覚えている人も少なくないであろう。この時に中村が発したというセリフ「おまえを犯してる男を見ろ!」は今でも一部のゲームマニアの世界では爆笑・哄笑・酒の肴として嘲笑の対象になっている。そんな人間であったから、付いた仇名が「エロ魔王」だの「スケベの巨悪」だのさんざんだった。
おまけに自家ジェット機を持ってるくらいの金持ちのくせにえらいケチで、日活を買収した際も映画の制作費を削りまくっては、その一方で出演女優にセクハラするなど、ロクなものではなかったという。
ナムコの代表的ゲームの一つに「アイドルマスター(アイマス)」シリーズという、プレイヤーがプロデューサーになってアイドル(男女いずれもあり)を育成するというシミュレーションがある。このゲーム中では育成対象のアイドルキャラが所属する事務所というのが設定されており、当然そこの社長もいて、プレイヤーの操作する主人公プロデューサーはその部下という設定だ。この「アイマス」の事務所社長の名は当時のナムコ社長から引っ張ってくるのが定番となっており、例えば初代「アイマス」の社長は「高木社長」となっていて、これは当時のナムコ社長であった高木九四郎に由来する。その後ニンテンドーDSで出た「アイマスDS」ではアイドルの所属事務所社長が「石川社長」となっており、これも当時のナムコ社長である石川祝男に由来するものであった。「当時の会社トップの名を劇中事務所社長の名に転用する」というのが「アイマス」シリーズの当初はある種の伝統になっていた訳である。ところが我々はここで恐るべき事実に衝突しなければならない。歴代「アイマス」の劇中社長に「中村」という名の社長は登場しないのである! なぜ? これについて公式な発表はなく、それを突っ込んだ開発者インタビューなども存在しない。だがそのようなものがなくても、我々にはその理由が十分に理解出来るではないか! 一言でその回答を言おう。

シャレになんねえからだよ!

…ナムコ(に限った話ではないが)のゲーム業界における栄光の裏には悲惨な影の部分も少なくなかった事は事実である。中村雅哉の数え切れないセクハラ・レイプ事件しかり、2010年代になっても同社にはリストラによる左遷で自殺者が出ているし、一時期のナムコにおける社員待遇の悪さは語り草であった。労働組合を作るような社員は即刻辞めてもらうというのが中村の方針であったし、それがこうした諸問題を生み出す一因になったのではあるまいか。ビデオゲームを語るにあたってはその「栄光の産業史」やヒットゲームの礼賛だけでなく、その犠牲なってきた者や闇の部分にも光を当てねばならない。業界のタイクーンであってもそれから免責される事があってはならないのである。中村雅哉という大立者の死に際してもその事だけはきっちりさせておきたい。
ゆえに中村への最後の手向けとして、筆者から以下の言葉を送っておきたい。

エロ魔王墜つ!

「少女像問題」で弁えておかねばならない大前提

最近韓国の釜山で日本領事館前に少女像が建てられた事に対し、それを撤去しようとした釜山市当局(ただし、市民の反発があまりに強かった為、後に容認へと転じる。世論の強い反発がなければ、釜山市はまるで民団みたいな態度に終始したに違いない)ならびに日本政府の高圧的態度がいかに酷い蛮行であるかについては言うまでもない。
ただし、この件についてネット上で行われている議論など見ていると、しょーもないネット右翼どもはもちろんだが、少女像の建立を支持して日本政府を批判している方々の間にも重要な大前提が抜け落ちている気がした。それは2015年末の日韓慰安婦合意が国際法的にどのような位置付けにあるのか、という点である。それについて韓国漢陽大学法学専門大学院教授である朴燦運(박찬운 パッ・チャヌン)氏の記事を翻訳してお届けしたい。日韓合意が発表された直後で今から1年前の記事になるが、非常に重要な論点の記事である。強調部分は訳者による。


日本軍慰安婦合意は条約なのか? 政治的宣言なのか? 
掲示2015.12.30 10:39 アップデート2016.12.30.19:12

今回の韓日外交長官が合意したという日本軍慰安婦合意の法的性格を糾明する必要がある。この合意は条約なのか? それとも政治的宣言に過ぎないのか?

国家間合意が条約なのか、それとも政治的宣言(あるいは政治的合意)なのかを糾明するのは大変重要な意味がある。条約と見るならば国際法的に法的拘束力が生じて法的義務を負うようになり、万一その義務を履行しなければ相手国から国際法違反という非難と共に、場合によっては国際司法裁判所に提訴される場合もある。

反面、両国間の合意が政治的宣言(政治的合意)に過ぎないものであれば、それを履行しない場合、相手国から非難を受けるかもしれないが、それを国際法違反と見る事は出来ず、訴訟される遠慮はなおさらない。

結論から言うならば今回の合意は条約ではなく、政治的宣言(または政治的合意)に過ぎない。その為我が政府(韓国政府:訳注)は国内世論を理由にこの宣言を廃棄する事も出来、今の政府がそれを出来なければ、今後は政権交代後の新政府がそれを行う事も出来る。この点は野党が肝に銘じておくべき事だ。

ではこの合意がなぜ条約でないのかを簡単に見てみよう。

1)今回の合意は国家間文書による合意ではない為、国際法上の条約たり得ない。我が国と日本いずれも加入している「条約法に関するビエンナ協約」第2条によれば、国際法上の条約とは「文書の名称に関係なく、書面の形式で単一の文書、あるいは二つ、またはそれ以上の関連文書に具現され、国際法によって規律される国際的合意」を言う。したがって合意文書を作成しなければ、合意があったとしても条約と見る事は出来ない。

ここまでの報道を総合すれば、今回韓日外交長官が日本軍慰安婦問題に合意した後に公式合意文を作らず、それは韓国側の要求に従ったものだという。これは我が政府が韓日政府間合意をしながらも、その結果を国際法上の条約形態にする事は望まなかったという事を意味する。言い換えれば韓国政府は最初からこの合意結果を両国政府の政治的合意として見る事を望み、日本政府もそれを受け入れたという事だ。

2)今回の合意が国際法上の条約になる為には、合意文書以外にも韓日両国の国内法上批准手続き(場合によっては国会同意手続き含む)を経なければならない。そのような国内手続きを経ない外交長官間の合意による立場表明は、韓日両国いずれの国も法的羈束(きそく)力のある条約として認定しない。今回の合意がこのような国内手続きを前提としない外交長官間の政治的合意という事は、前後の事情上明らかである。

ならばなぜ我が政府は合意文書を作るまいとしたのか? 私が見るに二つの仮定が可能だ。

1. 第一の仮定は、合意文書を作って両国代表が署名する手続きを踏んでいたら若干条約として見なされ得るし、その場合は批准手続き(さらには立法事項に該当するなら国会同意手続きをせねばならない)を経なければならず、これに対して我が政府は相当な負担を感じた可能性だ。もし国会同意手続きが進行したなら、このような合意は出来なかっただろう。

2. 2番目の仮定は、この合意が条約になった瞬間、日本がこの条約を口実に10億円だけ放り投げて全ての問題が終わったと主張するかもしれないと考え、そのような状況は防がねばならないという愛国的発露の可能性だ。いつでも韓国政府もこの合意を廃棄出来るという法的可能性を作っておくのが必要だと考えたという事だ。

果たして我が代表団がいかなる考えで今回の合意を条約形式にする事を拒否したのか? 第一であろうか? 第二であろうか? これから時間が経てば知られるだろうが、結果的にそれだけはよくやったと思う。もし今回の合意が条約の形式をとっていたなら、それこそ第二の日韓協定と変わりないと見る為だ。


朴燦運
漢陽大学法学専門大学院教授

訳:ZED

原文記事URL
http://www.huffingtonpost.kr/chanun-park/story_b_8892254.html


お読みになった通りである。この記事を書いた朴燦運教授は韓国の人権弁護士としても知られる人物であり、2015年末の日韓合意についてはこの間一貫して厳しい批判を続けて来た。上記記事で日韓合意が条約形式にされなかった点について「結果的にそれだけはよくやったと思う」というのは大変にキツイ、そして上手いホメ殺しであろう。

早い話、あの日韓合意は裏付けとなる合意文書も国内法上批准手続きも何もないのだ。発表内容に関して交換した覚書や書簡の類も一切ない事は韓国政府も認めている。いわゆる「密約」の類にすらなってはおらず、「国家間の約束」とはとても言えない。「国際法上の確約」だとしても、国際人権法に反する内容なので成立し得ないのだ。双方の外相同士が勝手な口約束をしただけのものなのだから、何らの法的拘束力も羈束力も持つものではない。と言うよりも、上記記事で指摘されているように、これに表立った合意文書を作ったり国会で批准しようと思ったら大変な反発が起こる事が分かっていたので、韓国政府はそれをしなかった(出来なかった)というだけの話であろう。元より朴槿恵政権というのは親父の頃はもちろん李完用にも匹敵する極度の親日反民族政権なので、何もかも100%日本に譲歩した「和解」を狙っていたのは最初から分かりきっていた話である。だからこそこうした口約束で無理矢理強行処理という方法をやらざるを得なかった。日本側もその事は十分に見透かしており、口約束だろうが何だろうが「合意」を既成事実化してしまえばこっちのもの、アメリカも強力にバックアップしてるから問題ないという腹積もりであったという事である。だがしょせん勝手な口約束は口約束であり、道義的にも法的にも正当性のない、社会正義に反する合意など破棄されて当然だ。政府や政治家が民意を無視して勝手に結んだ不当な政治的宣言が、後に取り消された例など世界中にはいくらでもあるのだから。
日韓合意は乙巳勒約や庚戌失国(いわゆる「日韓併合」)と同じで、全くの不法にして無効、これが韓国民衆の意思によって廃棄されるのも全く勝手という事である。

「2015年日韓慰安婦合意」は全くの不法にして源泉無効

これがあの合意とそれにまつわる諸問題を考えるにあたって、まず弁えておかねばならない第一の前提条件だ。これを元にあらゆる思考と行動を始める必要がある。

先日釜山で起こった少女像撤去問題について、巷間さまざまな論争が見られた。

「日韓合意があるのに韓国は約束を破って少女像を勝手に領事館の前に建てている」
「いや、少女像撤去は日韓合意に書かれていない」

こんなやり取りが、とりわけツイッターなどのSNS上で多かったと思う。一見、少女像を撤去させようとする嫌韓ネット右翼と少女像建立を擁護する「良識派」の争いのように見えるが、双方の言い分はいずれも「日韓合意は不法にして源泉無効」という大前提が全く抜け落ちた危うい議論である。そもそも日韓合意は内容が問題外なのはもちろん、だからこそその協議内容とその過程を秘密にしたまま、合意文書すら作れずに外相同士の勝手な口約束という形式で強行された。日本外務省の公式サイトにあるのもただの記者会見文に過ぎない。そのような道義的・法的いずれにおいても問題外な空証文の内容(記者会見文)に基づいて少女像の撤去を云々するというのは、日韓合意を既成事実化させるだけの話である。日本でも韓国でもそうだが、日帝の朝鮮植民地支配責任を追及し、日韓合意が不当であるとみなす立場ならばこの事に十分気を付けていただきたいと思う。わざわざ「日韓合意に少女像撤去の事は書いてない云々」などというのは敵の土俵に乗ってしまう事であり、そのような愚は避けねばならない。
「あんな合意は慰安婦被害者を無視して日韓の政治家が勝手で不当な口約束をしただけのもの。不法にして源泉無効。怒った韓国民衆が少女像を建てるのは当然」
議論するにしても、これを前提に始めるべきである。

それが分からない馬鹿がいる。代表的な例が大阪大学物理学教授の菊池誠であろう。この菊池とかいう大学教授は原発や放射能について安全デマを垂れ流し続けている原発御用(誤用?)学者として悪名高いが、釜山の少女像撤去問題でこんな事を言っていた。

【変質者列伝・菊池誠篇】
https://twitter.com/kikumaco/status/814395834758402048
キク☆マコ☆(1/26ベアーズ)‏@kikumaco
国同士の合意をそう簡単に破棄してはいけないんだけどな
1:01 - 2016年12月29日


https://twitter.com/kikumaco/status/814398852346224640
政権が変わったからって国同士の約束を勝手に「破棄」するわけにはいかないんで、やるとしたら再交渉するかどうかですかね。日本は拒否でいいと思いますけど
1:13 - 2016年12月29日

 
すでに述べたように日韓合意は「国同士の合意・約束」などとはとても言えないデタラメで不法なものである。どんなに贔屓目に見ても「外相同士の個人的で勝手な口約束」がせいぜいであろう。合意文書や国内批准手続きはおろか、その間にどのような話し合いが行われたかすら公表されていないのだから。先日韓国の民主社会の為の弁護士会(民弁)がその間の協議文書を公開するよう訴え、裁判所がそれを一部認める判決を出したのもそういう背景がある(ただし裁判所の判決がどうであれ、協議文書がどれだけまともに公開されるかはまだ何とも言えない。日本の役所や東京電力のように墨塗り書類を出して来たり、文書そのものがないと返事されて終わりという可能性もある。また、この時同時に訴えられた朴槿恵と安倍晋三の電話会談内容の公開請求は棄却されている)。日韓合意は不道徳と不法と詐欺と瑕疵の集大成と言って良い。それを「国同士の合意・約束」と法律論すら無視して強弁するのが菊池誠という男である。この輩は原発や放射能だけでなく、歴史問題や外交・法律論にいたるまで知ったかぶりの大嘘を並べ立てる詐欺師以外の何者でもない。反オカルトだの偽科学批判だのを看板にしたインチキ学者というのはどいつもこいつも「原発翼賛・放射能安全論」「自分の知らない専門外にまで第一人者のようなツラしてデタラメを言う」「立派な皇国臣民」「極度に美化した自画像をアイコンにしたがる(笑)」という実に不思議な共通点が見受けられる。一言で言って救いようがねえ。菊池に対しては次の一言を言っておきたい。
「国同士の約束じゃないだす」

もっとも世の中にはこんな詐欺師の言う事を好意的に取り上げておきながら、従軍慰安婦問題では「良識派」のようなツラをしている、訳の分からない人も存在するが…。菊池のごとき輩の発言を好意的かつ特筆大書して取り上げるなど自分の信用を落とすだけという事にいい加減気付いた方が良いであろう。この人は菊池の他にもロクでもない人間の発言を何度も好意的に取り上げる悪い癖があり、人(と国際情勢)を見る目のなさにおいては、かの佐高信並みのお粗末さではあるまいか。そのような事をしていては反原連・しばき隊・のりこえネット批判にも説得力がなくなる。まあ、そのような訳の分からん人の事などどうでもいいんですけど、個人的には「気持ち悪い爺さんだな。近付かないでくれ」というのが正味な所でしょうか(笑)。

他にもロクでもない例としてはこんなのもあった。

http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-yamaguchi/comfort-women-statue_b_14175322.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
「少女像」を日本人の手で作ってみてはどうか

これを書いたのは駒澤大学の山口浩とかいう教授らしいが、この男にせよキクマコにせよ、日本の大学というのはこういうクソしか教授になれないという掟でもあるのかと疑いたくなる。この記事で見逃せない部分を挙げておきたい。


「この記事に出てくる韓国外交部の尹炳世長官の発言はどうにも苦しそうで、政府間合意と国内世論との板挟みになったご苦労が偲ばれる。先の日韓合意で少女像の撤去は韓国政府側の少なくとも「努力義務」にはなっていたわけで、日本政府の菅官房長官は「引き続き、少女像の問題を含め、日韓合意の着実な実施を韓国政府に求める」といわば突き放した格好だ。

確かに「この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認」したはずなのに、というのは自然な感想だろう。日本側は合意に基づく10億円を拠出した。合意を破棄して10億円を返せ、という主張も韓国内ではあるようだが、自分たちから言い出して「不可逆」という文言を入れさせた韓国政府としてその主張に乗ることは難しいだろう。「ゴールポストを動かすのか」という批判はかねてからいわれている。


「いわゆる従軍慰安婦問題は、特に被害の大きかった韓国と中国が強く主張し、ことあるごとに持ち出して日本政府を責め立てる材料に使ってきた。一方これに対し日本政府は、「何度も謝罪した」「賠償問題は解決済み」「強制連行の事実はない」として反論している。たまに新しいネタも出てはくるが、ざっくりいえば互いの主張は既に尽くされていて、議論自体は膠着状態にあるといっていい。」


「こう考えると、日本が国際社会に向かって主張すべきことは、「韓国は国際合意を守っていない」でも「強制連行はなかった」でもない。日本はかつて行ったことの反省に立ち、戦後は一貫して女性の権利を守り、女性に対する人権侵害に立ち向かう活動に取り組んできたしこれからもそうしていく、という姿勢ではないかと思う。

そこでだが、件の「少女像」について、1つ提案したいことがある。しかるべき場所に、日本政府の手で、「少女像」に代わる、女性の人権保護を訴える像を設置してはどうだろうか。」


問題は強制連行があったかどうかではないし、韓国や中国に限った話でもない。相手が約束を守らないからとへそを曲げてそっぽを向いていればいい話でもない。より高い視点でとらえ、前向きに対処する態度を打ち出すことでしか、慰安婦問題を政治的外交的に利用しようとする動きには対処できないだろう。未来志向とはそういうことではないかと思う。」


一々突っ込みを入れるのも嫌になるくらい酷い妄言・暴言のオンパレードで、この輩の酷さは菊池誠や安倍晋三にも決して負けていない。

例えば尹炳世について、岸田文雄と一緒に日韓合意の密室協議を行って従軍慰安婦被害者を地獄に突き落としたこの「犯罪当事者」を「政府間合意と国内世論との板挟みになったご苦労が偲ばれる」などと擁護している時点で、山口のスタンスは明確であろう。まともに日帝植民地支配責任を清算する気のない、安倍政権・朴政権と同じ側に立っている事は明白だ。

「特に被害の大きかった韓国と中国が強く主張し、ことあるごとに持ち出して日本政府を責め立てる材料」「互いの主張は既に尽くされていて、議論自体は膠着状態」に至っては、ただのネット右翼じゃねえか。確かに互いの主張が出尽くしているのは間違いではない。ただそれは飽くまで日帝の犯罪行為が動かしようのない事実であり、日本が一方的に悪いという結論の為である。おまえは今すぐ大学教授辞めて、日本青年社でも在特会でも好きな所へ行け。

「日本はかつて行ったことの反省に立ち、戦後は一貫して女性の権利を守り、女性に対する人権侵害に立ち向かう活動に取り組んできたしこれからもそうしていく、という姿勢」を国際社会に向かってアピールするべきだそうだ。日本が戦後一貫して女性の権利を守って人権侵害に立ち向かって来ただって? 
そんなん初めて聞いたわ! 
山口センセイの言う「日本」って一体どこのパラレルワールド世界? 山口センセイは空想科学物語を妄想するのがお好きなんですね。今すぐ大学教授を辞めてSF作家にでも転職なさってはいかがでしょうか。日本でもアメリカでもSF小説家業界ってのは、山口センセイと同類の差別主義者や歴史修正主義者や男根主義保守オヤジばかりの巣窟ですから、その居心地の良さに御満足いただけるであろう事は100%保証付きです! お仲間いっぱい! 

そんな日本が作る「女性の人権保護を訴える像」って一体何? 八紘一宇の塔とか碑と何が違う訳? 早え話が「日本は悪くないの塔」「戦後一貫して女性の権利を守って来たしゅごい日本の記念碑」って事だろう。「日本は戦後一貫して女性の権利を守って来た」という大嘘を呼吸するように平然と言える山口センセイは、バリバリの右翼・歴史修正主義者であり、当然ながら近頃流行りの「日本しゅごい主義者」でもあったのです! 

「問題は強制連行があったかどうかではない」「慰安婦問題を政治的外交的に利用しようとする動き」とか、ここまで来るとおまえはどこの朴裕河(笑)なんだという話だろう。

それと「先の日韓合意で少女像の撤去は韓国政府側の少なくとも「努力義務」にはなっていた」という認識から見ても分かるように、山口もまた菊池誠と同じで日韓合意が「有効な国家間の約束」と誤認している(この男の水準から考えて、知ってて嘘をついているという可能性は低かろう)。この最初の時点から大間違いな訳で、全くお話にならない。

はっきりしているのは、この合意を強行した日韓両政府ならびにそれを強力に後押しした米政府、その閣僚達、これを支持する菊池誠や山口浩といった連中は全員一人残らず国際人権法に反する輩達であり、国連や米財務省(笑)から制裁対象になって然るべき存在であるという事だ! 

2015日韓合意は「帝国主義侵略国が強圧と甘言によって被侵略国の一部支配層(売国奴・民族反逆者)に国と民衆を売り渡すハンコを押させた」という典型的な構図であり、登場するキャストがものの見事に19世紀末から20世紀初頭庚戌国恥までの朝鮮侵略史と寸分違わないような顔ぶれと布陣である。

【日本側】
桂太郎=安倍晋三(どちらも長州閥である!)
寺内正毅=岸田文雄
小村寿太郎=菅義偉
福沢諭吉=和田春樹(大村保昭とか大江健三郎とか若宮啓文でも可)
明治倭王・睦仁=現倭王・明仁

【韓国側】
李完用=朴槿恵
朴齊純=尹炳世
閔丙奭=黄教安
フィリップ・ジェイソン(本名:徐載弼)=潘基文
金玉均=朴裕河(笑)
李人稙=文正仁
一進会=民団(本国のニューライト連合とか朴槿恵応援団体とかでも可)
宋秉畯(一進会会長)=呉公太(民団の団長ね)

【アメリカ側】
ウィリアム・タフト(桂・タフト密約)=バラク・オバマ(日韓慰安婦合意全面バックアップ)


…105年の時を経て、まさに当時の極悪人どもがほぼそのまま生まれ変わったかのごとき地獄絵図! 日本鬼的帝国主義就是不死! 南朝鮮の親日派もまた今に至るまで支配層として生き続けている。それらのバックについて支えているのがアメリカ帝国主義という構図もそのままだ。
105年前も今もこの連中は不法と無法の限りを尽くして日帝植民地支配の被害者を辱め、今また軍拡化と帝国主義戦争の道へと乗り出している。
日帝が朝鮮半島を植民地化した事が全くの違法にして源泉無効であるように、日韓慰安婦合意もまた全面的に不法で源泉無効である。破棄されて当然のものであり、それを「国と国の約束だから守れ」「ゴールポストを動かしているのは韓国」などと言って既成事実化しようとする事ほど悪逆かつ残虐な言辞はない。また、それに抗する側も敵の土俵へ知らないうちに乗ってしまうというミスはしないよう、くれぐれも気を付けるべきである。

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