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日本人の拉致「だけ」最優先

報道を見る限り、平壌に乗り込んだ訪朝団はずいぶんと鼻息が荒い。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141028-00000031-jij-pol
「拉致最優先」を伝達=日朝協議、徐委員長が出席
時事通信 10月28日(火)9時52分配信
 【平壌時事】外務省の伊原純一アジア大洋州局長を団長とする日本政府訪朝団は28日午前、日本人拉致被害者らの再調査を担っている北朝鮮特別調査委員会の徐大河委員長ら責任者と、平壌の中心部にある特別調査委の庁舎で協議した。
 冒頭、伊原氏は、拉致問題の解決が最優先課題と表明した。
 情報機関である国家安全保衛部副部長の肩書を持つ徐氏が、日本との公開の協議に出席するのは初めて。日本側は再調査の現状を的確に把握するため、特別調査委トップの徐氏の出席は不可欠と位置付けていた。
 協議の冒頭、徐氏は、訪朝団の平壌派遣に日本国内で賛否両論があることを念頭に「日本で食い違った主張が提起されていることは承知している」と指摘。「そういった中で平壌を訪れたことは、平壌宣言に従って朝日政府間合意を履行しようとする日本政府の意思の表れとして、正しい選択だ」と安倍政権の対応を歓迎した。
 これに対し、伊原氏は「日本としては、とりわけ拉致問題が最重要課題だ。拉致問題はわが国の主権、国民の生命と安全に関わる重要な問題だ」と日本政府の立場を明確にした。協議では、ずれ込んでいる初回の再調査報告の速やかな実施を迫る考えだ。 

「拉致被害者(だけ)を返せ返せ」の一点張りで、残留日本人だの日本人配偶者の事については全く言及がない(記事を読む限りでは)。朝鮮側はこの間に残留日本人の遺骨もずいぶん発掘し、遺族の墓参りも受け入れて誠意を示してきた。残留日本人と言っても、早く言えば当時の植民地朝鮮に入植した日本人であり、今で言えばパレスチナ人の土地に乗り込んで横暴の限りを尽くしているイスラエルのユダヤ人入植者と本質的にはほとんど違わない。朝鮮民衆の立場からすれば、何でそんな侵略者の骨をわざわざ掘り出して墓まで作ってやんなきゃいけないんだというのが正直な感情だ。でも朝鮮民主主義人民共和国はそれを敢えてするという、極めて太っ腹な措置をしてやったのである。植民地支配に何の賠償も謝罪もしようとしない「旧宗主国」に対して!
実際に遺骨の発掘に動員された現地人達もそうした感情が多分にあったようで、掘り出した骨をぞんざいに扱う事が最初は結構あったという。むしろ、それを監督する党の指導員達が「自分の先祖の骨のように、もっと丁寧に扱え」と叱責するほどだった。

それに対して日本はどう応えたか? 今回の「拉致被害者だけ返せ、他はどうでもいい訪朝団」は以下の事例とセットで考えねばならない案件である。

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2014102600888
太平洋戦争で戦死の朝鮮人遺骨発掘 日本が事実上拒否
2014/10/26 14:35
【ソウル聯合ニュース】日本政府が、太平洋戦争戦没者の遺骨発掘事業への朝鮮人遺族の参加を求める要請を拒否したことが26日までに確認された。

 これまで太平洋戦争当時に徴兵または徴用され命を落とした朝鮮人の遺骨に関する問題への立場を示さなかった日本政府が事実上、朝鮮人犠牲者の遺骨発掘の意向がないことを初めて明らかにしたとみられる。

 韓国の太平洋戦争被害者補償推進協議会、日本の「NPO法人戦没者追悼と平和の会」と「在韓軍人軍属裁判の要求実現を支援する会」は6月、日本の民主党「未来に向けて戦後補償を考える議員連盟」を通じ遺骨発掘事業に朝鮮人遺族を参加させ、全ての遺骨のDNA検査を実施することを骨子とする要望書を厚生労働省に提出していた。

 これに対し厚生労働省は8月、日本政府による発掘の過程で朝鮮半島出身者の遺骨だと確認された場合は外務省を通じ韓国政府と協議するようになっているとした上で、外国人はその国の政府が実施する遺骨発掘・帰還事業に参加しなければならないと返答した。

 DNA鑑定についても「資料を通じ遺族と推定でき、その遺族がDNA鑑定を望むなら韓国政府と協議する」と答えた。

 これに対し同協議会は、DNA鑑定は身元確認のためのものだが、その条件として遺族を確認できる資料を求めたことは実質的に鑑定の可能性を閉ざしたとみている。

 こうした日本政府の態度について、徴兵・徴用問題解決の責任があるにもかかわらず事実上、背を向けたのではないかとの指摘が出ている。

 日本政府はこれまで朝鮮人と推定される遺骨を発掘しても身元確認を行わないまま火葬後、日本軍戦死者と共に戦没者墓地に安置したためだ。

 日本の市民団体は戦没者墓地に日本人のほかに朝鮮人や台湾人も安置されているという案内板の設置を要求したが聞き入れられなかったという。

 ソウルで25日に開催された「2014韓日過去清算市民運動報告大会」に出席するため来韓した在韓軍人軍属裁判の要求実現を支援する会の古川雅基さんは、植民地時代に「日本人」として強制的に動員しておきながら今では韓国政府に解決させようとしていると批判した。

 古川さんによると、太平洋戦争当時、日本軍戦死者240万人のうち2万2000人余りが朝鮮人と推定されるが、いまだ発掘されていない遺骨について把握さえできていない。

 古川さんはこれからでも遺族からDNAを採取し鑑定を行うべきだと主張する。「日本政府は遺品などの資料を通じて朝鮮人だと確認された場合にDNA鑑定を行うことができると言うが、身元を明らかにする遺品が出る可能性はほとんどない。韓国政府も関心を持って日本に強く要求すべきだ」と述べた。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


被害者である朝鮮側は、かつて勝手に侵略・入植して住みついた日本人の遺骨を掘り出して墓まで作ってやり、可能な限りその遺族が墓参りまで出来るようにしてやった。
加害者である日本側は、かつて勝手に拉致や強要で使い捨ての兵隊にしたり奴隷労働で虐待死させた朝鮮人の遺骨を知らんぷりし、遺骨発掘事業への遺族の参加も拒否した。「事実上、朝鮮人犠牲者の遺骨発掘の意向がない」のだそうだ。そもそも発掘すら全くやらないという訳で、当然墓参りがどうこう以前の問題。(もちろんこの問題は本来ならば南北が共同で日本に詰め寄らなければならない問題なのだが)

人道にもとるのは果たしてどちらなのか。これで日本は平壌に乗り込み「拉致被害者(だけ)を返せ返せ」と一方的にがなり立てている。それが通用すると思っているのが日本の「外交」なのだろう。日本というのはどれだけ身勝手な国なのか、日本というのは人間の言葉であるとか常識がそもそも通用しない国なのだなという事がよく分かるエピソードであった。

 

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【速報】北の最高位要人、仁川大会閉幕式へ訪南

今向こうではトップニュースで大騒ぎになっているが、なぜか日本のメディアで完全無視されているニュースを一つ。統一ニュースの記事から急遽翻訳する。

http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=109232
北、黄炳瑞・崔龍海・金養建ら仁川AG閉幕式参席 歴代最高位級訪南、10.4記念日重なりメッセージ注目

北の最高位級である黄炳瑞軍総政治局長と崔龍海党秘書、金養建党秘書らが仁川アジア大会閉幕式参加の為に4日電撃訪問する。北側の最高位級人士達がこのように電撃的に南側を訪ねるのは初めてだ。

統一部が4日午前9時に報道資料を通じて公開したのによれば、北側高位級人士達はこの日午前9時平壌を出発、西海直行路を利用して午前10時10分頃仁川国際空港に到着する予定だ。

これらは北側の選手達を激励し、南側関係者達と午餐会の後、午後7時閉会式行事に参加して午後10時頃再び航空便で北に帰る予定だ。

黄炳瑞総政治局長は公式儀典序列で金永南最高人民会議常任委員長の次だが、実際には金正恩国防委員会第一委員長を除けば一番先に名が挙げられており、崔龍海党秘書やはり総政治局長出身で核心的実力者だ。金養建対南秘書は党統一戦線部長とアジア太平洋委員長を兼ねている対南政策責任者である。

5年前、金大中元大統領逝去の際に金基南党秘書と金養建統一戦線部長らが訪問した時よりも今回訪問する最高位級人士達の構成ははるかに比重が高く、歴史上初めてと評価される。

一方、電撃的なこれらの訪問は3日午前に北側が訪問計画を通知するや南側が午後に同意して成就した。

南北関係が大きく萎縮する中、10.4共同宣言7周年記念日にしてアジア大会閉幕式に北側最高位級人士達がやって来るのは、南北関係改善の意思を見せながら、南側の政策転換を促す意味が込められたものと解釈される。


これは全く予想外だった。北側の応援団が来れなくなったと思いきや、土壇場でそれ以上の人士達をとんでもない「応援団」に送り込むとは。朴槿恵政権にとってはこれが南北関係改善のラストチャンスになるだろう。真面目に関係改善する意思が本当にあればの話だが。

韓国で西北青年団現象の次に来るもの

今韓国でちょっと騒がれているニュースで、西北青年団再建委員会なる集団が出現してセウォル号事故遺族達に狼藉を働いたという話がある。この西北青年団(西北青年会とも。略称:西青)というのは日帝植民地解放後、北朝鮮地域で共産党政権(当時は人民委員会)から土地や財産を没収されたり処罰を逃れる為に越南した資本家・地主・親日派の集団で、北の共産党に対する逆恨みと自分達の利権確保の為に李承晩に過度な忠誠を誓って白色テロを繰り返した極右暴力団だ。「西北」とは朝鮮半島の西北地方、すなわち平安道地方の事を指す。平壌や平安道出身の越南者達が中心になったグループという事だ。済州島4.3事件の虐殺にもこの集団は大きく関わって多くの人間を殺した(米軍もそれを容認して利用した)し、企業や商家に押し入って金を強請り「自分らに金を出さない奴はアカだ」と言いがかりを付けて暴行するなど、幕末の山犬浪人のごとき荒っぽいシノギもしょっちゅうだった。李承晩もそういう連中を便利な反共突撃隊としてさんざん利用して庇護したのである。そういう組織をこの2014年の今に再建するなどという。

とうとう朴槿恵政権も行き着く所まで行ってしまった。朴槿恵の親父どころか李承晩の時代にまで韓国社会は逆行しつつある。かつて激しい民主化闘争で民主主義を勝ち取った韓国社会は、今重大な分かれ道に立っている…。

こんな論調の記事が昨日(9月29日)の韓国マスコミ紙面で一斉に掲載された。それはその通りなのだが、しかし…。
今後韓国で起こるであろう事は容易に想像がつく。すなわち、

西北青年団再建委は民主主義に対する脅威である。

このような集団が復活するのは、民主主義韓国の「国格」に似合わず、韓国の誇りを傷つけるものだ。このような事は朴槿恵本人にとっても、それに仕える公職者達の為にも、彼らを支持した51.6%(ちなみに朴槿恵の親父が起こしたクーデターは5.16。親子揃って「516」という数字の語呂合わせがお好きなんですね)の国民の為にもならない。

今こそ韓国の民主勢力は団結して西青の脅威に対抗しなければならない。右派の永久執権を望む朝鮮日報文化人である金大中(元大統領にあらず! 朝鮮日報には元大統領と同姓同名の金大中という名の代表的論説幹部がいる。紛らわしくて目ざわりこの上ないので、筆者はこの男を「ニセ金大中」と呼んでいるが)や趙甲済達でさえこのような事態は望まないだろう

西青再建委の脅威に対抗するのに保守も進歩も(右も左も)ない。韓国の誇りを傷付ける西青に国民一丸となってカウンター・しばき活動を!

…どこかのお国に似ています。いや、これは筆者が完全な妄想で書いた内容ではなく、そういう事を主張している奴が韓国ではすでに登場しているのだ。しかも韓国では一端の「左派・進歩派メディア」と言われている媒体で! 上記の一文はその記事の内容を参考に、要約&やや誇張して書いてみたに過ぎない。元ネタ記事は以下を参照。

http://www.poweroftruth.net/column/mainView.php?kcat=2028&uid=197&table=c_flower911&PHPSESSID=264400d4720205dbf94d3b482185a015
朴正熙よりも李承晩が感じられる朴槿恵(韓国語記事)

日本で起こっている在特会をダシにしたその他右派勢力の美化作業、つまり在特会を批判する振りさえすれば小林よしのり・山野車輪・一水会・統一戦線義勇軍・野間易通・五野井郁夫のような連中でさえまるで正義の味方のような顔が出来る。そういう中で、こうした美化された「旧来右翼」とリベラル・左派の「国益」を軸にした国民戦線的癒着関係が成立する。それでいて日本の民族差別政策の本丸は何一つ改善されない、という訳だ。
韓国でも西青再建委とやらだけを分かり易い悪玉に仕立て上げ、それこそ朝鮮日報からハンギョレまでが一緒に手を組んでそれだけを非難するという構図が再現されるのではないか。実際に韓国には、日本における五野井や野間と何から何までそっくりな「若手進歩派学者」というのが何人もいて、それがハンギョレだの京郷新聞だのプレシアンだのにしょっちゅう登場して重用されている。この手の「韓国版五野井・野間」どもが呆れるほどの反北主義者である事は言うまでもない。上記記事もそういう手合いによるものだ。さらに例を挙げると、9月29日にハンギョレに載った西北青年団関連の記事(以下リンク先参照)にそのツイッター内容が引用されている曺国(チョ・グッ 조국)というソウル大教授はまさに「韓国の野間」とも言うべき下劣な暴言王である。この男は日本ではほとんど知られていない人間だが、野間の「糞チョソン人」発言に匹敵する、北へのありとあらゆる下品な罵詈雑言を事ある毎に乱発している男だ。また、2012年の総選挙以降に吹き荒れた韓国の「従北魔女狩り」においては、平和統一運動や北を擁護してきた人間を最も下劣な言葉で誹謗中傷するのに率先してきた、(自称)進歩派学者として悪名高い。今のハンギョレでは西北青年団を批判するのに、わざわざこういう人物を引っ張り出したり重用するのである。

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/657318.html?_fr=sr3
「西北青年団、韓国で再現されたナチスドイツ親衛隊…恥ずかしくも禍々しい」(韓国語記事 日本語版では未訳)

一方の韓国保守派にしても、朝鮮日報文化人であるニセ金大中(笑)だの趙甲済だのと西北青年団の間に本質的な違いは何もない。日本で一水会&統一戦線義勇軍と在特会の間に何ら本質的な違いがないのと同じ事だ。朝鮮日報とは日本で言うと「南京大虐殺はなかった。従軍慰安婦は売春婦。安倍総理・靖国神社バンザイ!」の産経新聞に該当するメディアであり、そこと組んで在特会に対抗するという話に等しい。しかも韓国の民主勢力の場合、「西北青年団が復活したら朴槿恵本人の為にもならない」という言わば「君側の奸論法」なのだから、これは倒錯の極みだろう。朴槿恵だろうが西青だろうが民主主義の敵であり、どちらも打倒対象でしかないはずなのに。まあ、日本でも「安倍の存在が平和主義者である今上陛下の名誉を汚している」などという馬鹿右翼がしばき隊系には多いようだが…。朝鮮日報からハンギョレまで保守も進歩もなく国民戦線的に手を組んで西北青年団を批判する一方、韓国の狂的な反共反北ファシズム体制(国家保安法体制)の本丸は何一つ改善されない、という訳だ。むしろ西北青年団に対する風当たりが一見強そうに見える社会情勢の中で、セウォル号被害者遺族の求める真相究明や労働運動、米自由化反対などの農民運動、北との関係改善を求める(林東源や丁世鉉のような偽善者でない)真面目な平和統一運動といった当たり前の社会的要求をする人々だけがますます抑圧・排除されるという、日本の在特会現象とほとんどそっくりな状況が再現されるのではないか。それを筆者は憂慮する。

言うまでもなく西北青年団などを今の時代に復活させ、政権の手先になって様々な乱暴狼藉を働くなどクレイジーの一言だ。だが同時に、そのような団体が今の時代に復活したとて、連中が元祖西青のような大量殺人行為までそっくり同じに出来る訳ではない事に気付く必要がある。「昔の西青」と「今の西青」とでは持っている危険性と脅威が全く異質のものであるからだ。「今の西青」というのは一言で言って、他の保守・極右・ニューライトを美化する「引き立て役」以上のものにはなれない。日本における在特会と同じポジションである。西北青年団だけを分かり易い悪役にして、他のニューライト勢力が美化される事の方がかえって恐いだろう。しかもその時はハンギョレやプレシアン・真実の道といった進歩派が、朝鮮日報などの保守・極右派と「佐藤優現象的国民戦線」を組んで扇動する事になるはずだ。だからといって現代版西青が政治的な力を全く持たない訳ではなく、連中もセヌリ党とは太い人脈のパイプを持っている。日本の自民党議員が何人も在特会とベタベタな関係であるように。
「今の西青」が「昔の西青」とは違った役割を果たし、社会的に悪しき結果をもたらす事こそが問題なのである。そこを正しく見据える事が韓国の人々には求められているのだが。

作法自斃・自縄自縛・自家撞着・自業自得

古代中国は秦王国の大臣で商鞅(本名は公孫鞅)という人物がいた。当時まだ辺境の田舎だった秦に厳格な法制度を作り、それで富国強兵を成し遂げた大臣だ。だが商鞅はあまりにも苛烈な厳罰主義で挑んだ為に旧勢力である貴族達から恨みを買い、国王が代替わりしたのをきっかけに謀反の濡れ衣を着せられて、あわてて夜逃げせざるを得なくなった。その逃亡中に宿に泊まろうとしたのだが「商鞅様の定めた法により、旅券のない方は泊められません」と言われて追い出されてしまう。結局商鞅は己の作った法によって手痛いしっぺ返しを食らう事になったのだ。それも自分が一番ピンチの時に。己の作ったルールや法によって命をなくすというこの故事から、「作法自斃」という言葉が後に生まれた。朝鮮半島や中国ではよく用いられる成句だが、日本ではあまり使われないかもしれない。日本ではむしろ「自縄自縛・自家撞着・自業自得」などの方が多く使われるようだ。いずれも同じ意味である。

作法自斃 작법자폐・自縄自縛 자승자박・自家撞着 자가동착・自業自得 자업자득

今の日本でこれら四字熟語に一番ぴったりな状態に陥っているのは安倍晋三ではあるまいか。例の拉致被害者再調査の件だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140922-00000027-mai-int
<安倍首相>拉致調査 北朝鮮に早期の報告求める考え

当初は9月上旬とされていた調査報告は先送りになったようだ。これは要するに日本側の期待したような内容が(朝鮮からの事前説明に)なかったという事であろう。日本側の期待する内容、すなわち2002年の小泉訪朝時に死亡と発表された拉致被害者や入国記録なしの日本人関係情報や、その後根拠ゼロで日本右翼の妄想の赴くまま大量にでっち上げた「特定失踪者」について目新しいネタが何もなかったか、大した話が出て来なかったという事だ。制裁一部解除までしておいて、これではさすがに発表する事は出来ないだろう。これは筆者の予想だが、朝鮮側からの「事前説明」にはおそらく敗戦後残留日本人の遺骨や死亡記録、日本人配偶者のネタはかなり多く含まれていたのではなかろうか。もちろんこれらは朝鮮側としても早めに清算しておきたい問題であり、だからこそ拉致被害者の再調査とセットという形で仕切り直すという条件に応じたのだろう。坂中英徳がこのアイデアは俺が発案したんだ、と何やらエラソーに自慢話をあちこちで言いふらしているらしいが、まあ坂中(元入管幹部。日本の「国益」に何の足しにもならないクルド人難民を情け容赦なく国外退去させた「実績」あり。そのくせ、朝鮮に対する外交カードとして利用し甲斐がありそうな脱北者だけは保護)の言う事なぞ眉に唾つけて話半分に聞くのが無難である。
それはともかく、それ以前の重大な問題として、安倍政権・日本政府にとって残留日本人や日本人配偶者の存在ってどうなのよという話だろう。今の日本政権がこうした人達の去就や人道問題に興味持つと思って? どう見たってそんな訳ないよね。在特会やネオナチと仲良くしようぜで今をときめく安倍だの山谷えり子だのが、そんな大昔の「棄民」に情を掛けたりしたら、それこそ異常事態だろう。朝鮮民主主義人民共和国を圧迫し、日本国内の「不逞鮮人」を抑圧する口実として、また自分らの票稼ぎとして拉致被害者の新しい情報は何としても欲しいが、そうでない大昔の「棄民」の事など安倍達にとってはどーでもいいという事だ。誰だって簡単に分かる話だろう。坂中が、政治利用し甲斐のある脱北者は一応大事にするのに、そうでないクルド人難民とかは虫けらのように扱ったのと同じ事だよ(笑)。

残留日本人や日本人配偶者について朝鮮側がいかに質・量ともに充実した誠意ある調査結果を出した所で、安倍政権・日本政府はそんな「どーでもいいオマケ」にはほとんど興味がないし、それを労う事などあり得ない。もちろんさらなる制裁解除や国交正常化・経済協力などする気もないだろう。
日本でも韓国でも「安倍はアメリカの圧力に抗してどこまで北朝鮮と話を進められるか」という言い方をする人間が結構いる。だがアメリカはあまり関係ない。日本の対朝制裁は国連やアメリカの制裁をも超越して独自に行ったものであり、完全な「日本マター」という事だ。この「事実上の有事法制」を解除するもしないも全的に日本の胸一つに掛かっている。アメリカがどうのというのは逃げ口上でしかない。

元より安倍は外交上の約束を破ってまで自分を「拉致問題のヒーロー」に押し上げて首相になった人間ではないか。だから朝鮮がどれだけひどい国か、何百人も日本人を誘拐したぞという根拠不明な右翼のデマに乗っかり、あるいは自分も積極的にそれを扇動し続けて来た。ところがそれが後に安倍自身を縛る事になる。その後の拉致問題の交渉に全く進展がないという批判だ。本来安倍の立場からすれば、そんなものは適度に無視するか、嘘でも不渡り空証文でも切ってお茶を濁せば済むだけの話。朝鮮に対してはずっとそうしてたじゃないか(笑)。自分の任期の間はほっときゃいいものを、それを下手に事態を進展させようとして無理な手を打ったと思う。
「横田めぐみは生きている。死亡とされた他の人達も生きている」
「数百人の特定失踪者を北朝鮮から取り戻す」
こうした大見得を切って首相の座に上る事2度、だがそのスローガンが結局自分を縛る事になった。厳罰法治主義で秦の大臣に大出世しながら、それが結果的に己を縛る事になった商鞅と同じではないか。まさに作法自斃である。

もっとも商鞅とは違い、これが安倍政権の致命傷になる事はないだろう。いざとなったら「北朝鮮側の不誠実な対応」といういつものパターンでウヤムヤにするはずだ。読売・産経からアジアプレスまで、そうした論調で安倍を庇ってくれるだろうから。残留日本人遺族の墓参や日本人配偶者の処遇にも何ら進展なく、対朝関係や在日朝鮮人の人権問題は好転どころかむしろ悪化するだけに終わるだろう。そうなった場合、それらは全的に日本政府に責任がある。死んだ人間を生かして帰せという無茶な、あるいは何百人も拉致被害者がいるという荒唐無稽かつ残酷な一方で大いに政治利用し甲斐のある「調査結果」に妄想で胸躍らせて期待していた日本側にだ。

在米韓国人のメディア「民族通信」

在米韓国人社会にも色々な人間がいるが、その中でもあるメディアを御紹介したい。「民族通信」というニュースサイトで、これは朝鮮民主主義人民共和国と大変友好的な在米同胞がやっている所だ。

http://www.minjok.com/

この中でも最近特に目に付いた記事は、向こうの最高裁判所を取材したものだ。法廷内部(張成沢が裁判を受けた場所)の写真に加え、最高裁の元老判事にインタビューして共和国の司法制度や人権問題について話を聞いている。

http://www.minjok.com/bbs/board.php?bo_table=tongil&wr_id=4978
【訪朝取材11】エセ人権合唱で真実を駆逐する事は出来ない 最高裁判所探訪

向こうの法曹人が外国のメディアに直接出て語るのは非常に珍しく、貴重なインタビューであろう。最近共和国では「朝鮮人権研究協会報告」を発表し、そうした国連などの圧力に対抗して様々な策をとっている。今回のインタビューはそうした流れの一環でもあるだろう。
この記事の翻訳は後日改めて行いたいと思う。もちろんこれは向こうの判事が対外向けにしゃべったものなので内容的な限界や誇張・美化はあるが、そんな事はどこの国の公式発表にもつきものである。南や日本の裁判官だって外国のメディアに公的な立場でインタビューされたら「我が国の司法に人権侵害などない」と断固として言うだろう。何しろ日本の場合、人権人道大使が国連の会議で逆ギレした挙げ句「シャラップ!」とまで言ったほどだから(笑)。それよりも重要なのは、今回のインタビューでは向こうの弁護士制度や刑務所の実態、再審制度、公開処刑の存在など今までほとんど公には語られなかった部分についてまで述べている所だろう。これを読む限り朝鮮の司法制度にはもちろん問題もあるし、反面西側よりも優れていると思える部分も少なくない。それらを総合して、向こうの人権や司法制度を評価すべきだろう。日本や韓国で共和国の人権問題を槍玉にしたがる者は、自国の弁護士費用を無償にしてからそういう事を言えと思う。また、この記事によると次回の取材の際には教化所(刑務所)の取材も行えるようにするとの事である。

詳しい内容は後日翻訳を御覧いただくとして、朝鮮語の読める方は先に原文でお読みいただきたいと思う。また、「民族日報」というメディア自体にも注目していただきたい。日本の場合、「民族日報」の記事も読んで初めて北朝鮮報道のバランスが取れるくらいではないか。とりわけ最近日本や南の社会情勢があまりに醜悪で無残すぎる。日本では在特会だの東京デモクラシーだの、韓国ではネット右翼(いわゆる「イルベ」層)だの極右保守団体だのが目に余るクレイジーな言動を繰り返しているのばかり見ていると本当に精神衛生上よろしくない。それらとはかけ離れた共和国の現地リポートを併せて見て、精神の平衡を保つ事も必要であると思う。

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