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「日本の安保法案には肯定的な部分もあるんですッッッッ!」by 韓国の大部分のマスコミ

・日本国内閣総理大臣・安倍晋三曰く
「安保法案は北朝鮮の脅威を抑止する為に必要なんですッッッッ!」(2015年8月25日参議院特別委員会)

・保守派・進歩派問わぬ韓国のほとんど大部分のマスコミによる、日本安保法案成立に対する共通した反応。
「日本の安保法案は問題だが、北に対する抑止力として我々には歓迎すべき部分もある」

もう面倒なのでいちいち引用やリンクはしないが、韓国のほとんどのマスコミは社説やコラムで上記のような事を言っている。倭王がパラオを訪問した時と同様に筆者は今回またしてもとてつもなく嫌な予感(笑)がしたので、ざっと韓国マスコミウォッチングをしてみたら案の定だった。「안보법안 대북 억지력」(安保法案 対北抑止力)で検索すればその手の記事が腐るほど出て来るので、朝鮮語が読めて暇な人は自分で探してみていただきたい。いちいち引用するのも面倒になった理由が一目で分かるほど大量に出て来る。
あ~めんどくせえ! 引用するのもリンクを張るのも面倒でいやだ!

「北に対する抑止力になるから、安保法案にはいい所もある」とか、韓国のマスコミは右から左までほとんどが安倍とおんなじ事言っちゃってるよ。それこそ朝鮮日報からハンギョレまでことごとく。上記のように、安倍が安保法案を押し付ける最も大きな口実が「北朝鮮の脅威」だったではないか。それにまるまる乗っかってしまうとか、韓国のマスコミは問題の所在を根本的に分かっていないし、「安保法案=日本の軍拡化」に本心から反対するつもりがなかったと見られても仕方がないだろう。いや、むしろ本音では歓迎しているのではないか。これには日本で安保法案に反対していた者達も呆れるだろう。安保法(戦争法)などアジア民衆の立場から見て100%有害無益で、有益な所など何一つとしてないが、韓国のマスコミではそう思われていないのだから。日本の軍拡化を手助けするのはアメリカだけでなく、韓国も同様だと筆者は思う。安保法案を「100%有害無益 安倍の言ってる事は全部嘘」と主張出来ない時点で本当に終わってる。

さらに付け加えると、一連の安保法案反対運動については韓国でもしょっちゅう報道されてきたが、SEALDsと代表の奥田をやたら持ち上げる論調もかなり目立った。「日本ではこんなに多くの若者が社会正義に目覚めている」とばかりに(ハンギョレ日本版の過去記事を漁れば分かり易いだろう)。しかしながら奥田が「自衛隊は合憲」と主張している人間であり、SEALDsのシンパ達が他ならぬ韓国人研究者に対して民族差別丸出しの人権侵害行為を繰り返している事や、奥田がそれを全く止めようとしていない事実を韓国のマスコミは全く報じてこなかった。さらに国会前で安保法案反対運動をして不当逮捕された者達に対して、SEALDsは「中核派だ、極左だ、迷惑だ」と言って切り捨ての座視不管(좌시불관 見殺しの意)を決め込んでいる事など、韓国のマスコミ関係者達は何も知らないのではないか。いや、知ってても黙っているだろう。船橋洋一や和田春樹の場合でもそうだが、「日本の良心勢力(笑)」とやらを聖人のごとく崇め奉る韓国報道界のどうしようもない事大主義が例によって炸裂している。これでは日本の軍拡化や暴走に反対する力になりはしない。

もう一つ腹立たしかったのは、韓国は今後日本が引き起こす(であろう)戦争や軍事行動の「被害者」になるのではなく「共犯者」になるのだという視点が全く見られなかった事だ。朝鮮日報からハンギョレにいたるまで韓国のマスコミは左右保守進歩を問わず口を開けば「安保法案成立で日本が韓半島に再侵略する」と騒ぎ立てるが、そうではない。今後韓国と日本はアメリカと一緒になって、これまでよりももっと積極的に世界中で侵略戦争の片棒を担ぐのである。ちょっと前の南スーダンPKOの実弾提供の件を思い出してみるといい。こうした日韓軍事一体化は安保法案成立によって今後さらに加速するだろう。日本軍(自衛隊)と韓国軍が一緒になって中東やアフリカの国々に乗り込み、資源略奪や自国企業の権益確保に戦争するのだ。「人道的介入・保護する責任」の錦の御旗を掲げて。もちろん朝鮮民主主義人民共和国に対しても同様だ。早くも韓国の軍部は日本との共同作戦に大乗り気である。

http://world.kbs.co.kr/japanese/event/nkorea_nuclear/news_01_detail.htm?No=47642

韓国海軍参謀総長 「海上自衛隊の協力必要」
2015-09-23 Updated.

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/09/23/2015092300989.html
韓国海軍参謀総長「韓米合同演習、日本から要請があれば…」

「もしまた朝鮮戦争が再発して自衛隊がそれに介入しようとしたら、韓国軍は北と手を組んで日本を阻止する」などというのは昔話(せいぜい90年代か金大中・盧武鉉政権辺りまでの話)に過ぎず、現状は全く違うという事を筆者は前にも話した事があるが、当の韓国軍高官がそれを裏付けてくれた形だ。
韓国の日本安保法に対する反応は、朝鮮共和国や中国・ロシアのそれとは全く異なる。
安保法案にまつわるトピックを見ていて、自分らが「戦争に巻き込まれる(被害者になる)」のではなく「戦争で人を殺しに行く(加害者になる)」という懸念を全く持たないという点では、ほとんどの日本人と韓国人の間に違いはないと筆者は思った。韓国のマスコミがSEALDsを持ち上げるのも無理はない。

今回の件がもう一つ意味するのは、韓国という「民主主義国家」で反戦平和の運動や思想がいかに脆弱・貧弱・希薄かという事でもあろう。日本と韓国はベトナム戦争に加担して大きな利益を得たという共通の過去を持っているが、韓国でベトナム反戦運動がほとんど起こらなかったという点は大きな違いだ。その後90年代や21世紀になってからもとにかく韓国では反戦運動というのが貧弱だった。1992年に自衛隊のカンボジアPKO派兵があった時には「日本軍国主義の復活だ」と騒がれて一見大きな反対世論があったかのように見えたが、翌年に韓国もPKO派兵を始めるとその騒ぎは嘘のように消えてしまう。その後も韓国ではPKO派兵はほとんど社会的な問題にならず、自国軍のPKO派兵に対する反対世論のなさについて言えば、韓国は日本以上かもしれない。21世紀になってからのアメリカによるアフガン侵略やイラク侵略に対しても反戦運動は決して大きいとは言えなかったし、リビアの時にいたっては参与連帯(現ソウル市長である朴元淳の出身母体。ちなみに朴元淳は日本でも「かつて民主化運動を戦った市民派市長」のように好印象の幻想が付きまとっているが、その実態は辻元清美や湯浅誠と同じで、過去の活動歴を勲章代わりに自分の立身出世に悪用しているだけの俗物)や全教祖のような進歩派民主勢力までもが「独裁者カダフィが悪い」と言って、NATOを後押しするようなデモまでやっていたほどだ。これほどまでに「韓国民主主義」には反戦平和の意識が極めて希薄で国際情勢に疎く、とりわけ第三世界からの視点がないという重大な欠点というか欠陥を抱えている。軍事独裁時代の民衆弾圧の酷さや、今も続く分断体制下での特殊な社会構造を差し引いて考えても、韓国社会の反戦平和運動やそれに対する意識の低さは異常なほどであろう。これでは日本の安保法案に対して「北に対する抑止力になるので歓迎出来る所もある」などと言ってしまうのも無理はない。
早い話、韓国の「民主主義」はカダフィと朴正熙の区別もつかないようなレベルだという事だ。当然ながら韓国人の多くは金日成と朴正熙の区別もつかない者が非常に多い。「どっちも独裁者」程度の認識しかないのである。これが韓国の「民主主義」の程度であり、レベルの低さでは日本と本当にいい勝負だ。「韓国の民衆は長年の闘争で民主化を成し遂げ、今や日本よりも民主主義の度合いは高い」などとしたり顔で言う日本人は今でも多いが、それはとんでもない過大評価である。隣の芝生は青く見えると言うが、その手の人達は青いカラーコンタクトでも付けているのではないか。日本と韓国の「民主主義」はどっちも酷く、自分ちも隣んちも芝生は枯れてボロボロなのだという事に気付くべきだろう。

今や日本警察は「転び公妨」すらせず問答無用の強行逮捕で罪状は後からデッチ上げというのが、安保法案や辺野古基地の反対者に対する弾圧で当たり前になっている。

あ~めんどくせえ! 転んだふりをするのも面倒でいやだ!(だから問答無用でまずは逮捕し、理由は後からテキトーにデッチ上げ) だけど逮捕したデモ参加者をいたぶったり拷問するのは全然面倒じゃない! むしろ大好き!

このように日本警察はもはやすっかり戦前の特高に先祖がえりしているが、韓国の警察も負けてはいない。労働運動や市民運動に対する弾圧はますます酷くなっている。今韓国で民主労総が受けている警察の暴力鎮圧は、さながら日本の国会前の安保法制反対デモと同じような光景だ。
辺野古では先日反対運動のキャンプに右翼が押しかけてメチャクチャに暴れながら、警察は何もせず黙認したという事件があったが、韓国でも同様に警察に黙認されて暴力を振るう右翼や政治ヤクザがますます凶暴の度を増している。

「戦後70年間の日本の平和」と「民衆が勝ち取った韓国民主主義」のいずれの神話も嘘にまみれていたり不完全なものであり、実態が全く伴っていない。この二つの日韓大嘘神話は決して真の平和や民主主義に結び付く事はなく、むしろそれぞれの国の民衆を夜郎自大・自画自賛・傲岸不遜にさせ、国家主義と好戦気運を大きく育てる方向に作用してしまっている。さらにこの二つの神話はいずれも「(平和や民主主義を達成すると同時に)経済発展も成し遂げた」という補足説明が付きまとう事と、実際には平和や民主主義の破壊者でしかない者達が好んで言いふらすフレーズであるというのも特徴だ。安倍や菅義偉も「日本は戦後70年間平和だった」というフレーズが大好きであるし、朴槿恵も「韓国は素晴らしい民主主義国家」という事を頻繁に言う。これらはいずれも「おまえが言うな」の極みだ。「他のアジア民衆の血をすすって成し遂げた経済発展」という点では日本も韓国も全く違わない。
多分何年もしないうちに韓国でもSEALDsのような若者の報国運動団体が出現するのではないか。SEALDsが「戦後70年間の日本の平和を守る」を表看板にしつつ自衛隊合憲論や日本覇権主義丸出しの集団であるように、韓国でも「民衆が勝ち取った韓国民主主義」を表看板にしつつ反北や「韓国の国益」を丸出しにして大衆の支持を集めようとするかもしれない。そうなったらハンギョレや京郷新聞のような進歩派マスコミが強烈にプッシュしそうだ。日本で週刊金曜日やレイバーネットがそうであったように。

今回の安保法案成立を見て筆者は日本という国の現状に激しい怒りを感じたが、韓国に対しては怒りを通り越して呆れた感情しか抱かなかった。安保法が「歓迎出来る部分もある」などと言うのはもはや正気の沙汰ではないし、日帝の植民地被害国の言う事ではない。
日本の安保法はこの好戦的でインチキな「平和国家・民主主義国家」同士の軍事的結び付きをさらに強めるだろう。
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南北朝鮮の近現代史について参考になる記事を その1

言うまでもなく、19世紀末から今に至る朝鮮半島の歴史はまさに激動の時代であった。日本による侵略と植民地化、8.15解放と南北分断、朝鮮戦争、冷戦時代の激しい対立、21世紀に入って束の間の南北協力時代、その後南が李明博・朴槿恵政権になって再び激しい対立時代へと逆戻りという、朝鮮半島5000年の歴史の中でもこのわずか約1世紀のように激しい動乱の時代はなかっただろう。朝鮮半島の歴史上、間違いなく最大の激動期である(現在進行形)この経過は、朝鮮人・韓国人であれば必ず知っておかねばならない基本事項である。
これらを知る為に役立つ記事と著作を今後数回に分けていくつか紹介・推薦しておきたい。いずれも朝鮮語の記事・本なので心得がないと正確に読めないという問題はあるが、それでも読める人ならば読んでおいて絶対に損はないと思う。

一つはプレシアンで現在連載中の「徐仲錫(ソ・ジュンソッ 서중석)の現代史の話」だ。8.15解放から現在に至るまでの歴史をインタビュー形式で述べたもので、こちらは主に南の歴史を扱っている。南北分断に始まった解放後、南朝鮮における親日派の跋扈、朝鮮戦争前後の虐殺事件、李承晩の独裁、4.19革命、張勉政権、5.16クーデター、第3共和国(朴正熙政権)、日韓協定、維新政権と経済開発…などなど、韓国の解放後史とその内実がいかなるものであったのかを俯瞰出来る優れた内容だと思う。「帝国の慰安婦」のようなクソ煩わしい偽書を粉砕する為の知識としても、この連載記事で述べられている日韓協定の話は素人にも分かり易い。

http://www.pressian.com/news/article.html?no=124485
서중석의 현대사 이야기<91> 경제 개발, 열일곱 번째 마당
徐仲錫の現代史の話【91】経済開発、シーン17
(現時点での最新第91回。ここに過去記事へのリンクあり)

この連載記事に書かれている事、例えば朴正熙とその軍事独裁政権に関する事実は、かつて民主化闘争や80年代までに日本で総連の在日朝鮮人運動に身を投じた者であれば既知の事柄も多いであろう。もちろんその後の研究で明るみになった新しい事実もある。だが、当時の朴正熙独裁政権がいかに酷く恐ろしいものであったかを改めて今の我々に教えてくれる貴重な話だ。在日の中にも朴正熙を「韓国を強国にした男」などといって持ち上げようとする詐欺師のような輩がいるし、韓国本国では極右勢力による朴正熙の神格化運動が行われ、その娘が大統領になってその動きはますます加速化している。そうした誤った風潮に抵抗して正していく為にも朴正熙という人物の人となり、その不当・不法な権力奪取の経緯、独裁権力維持の為に行われた暴力的弾圧、虚構に満ちた「経済開発成功神話」の実態は徹底して学んでおかねばならない。
また、この連載記事は心ある日本人やアメリカ人にも可能な限り読まれるべき内容だと筆者は思う。植民地時代から解放後の分断体制に至るまで、日本とアメリカが何をしてきたのかもこの連載記事で知る事が出来るからだ。日本が植民地統治時代に手先として育てて利用した親日派が、解放後も南朝鮮ではアメリカの庇護によって生き残った。天皇をはじめとする日本のA級戦犯が何人かを除いて、アメリカに買い取られるような形で助命・釈放されたのと同じである。そうした親日派の中には日本軍の中国侵略戦争で三光作戦に関わった極悪分子も少なくなく、それらが李承晩政権下で行われた4.3事件などの虐殺行為に加担したという恐るべき事実には言葉を失う。解放後間もなく南朝鮮で行われた民間人虐殺事件の多くは確かに日本軍の残虐行為に酷似した凄惨なものが多く、親日派は「殺しつくし、焼きつくし、奪いつくす」という虐殺の手口まで日本から学んで解放後の自国で「応用」したのである。解放後の虐殺事件の種まで撒いたという、日本の植民地統治の罪深さがよく分かるエピソードではないか。当然日韓協定以降の「日韓癒着」の実態も赤裸々にこの記事では語られる。
アメリカもまた李承晩や朴正熙のような独裁者を(時には対立する事はあったものの、全体として)庇護して利用してきた。反共の防波堤というアメリカの国益に適いさえすれば、例え朴正熙のように旧日帝の皇国臣民気風に色濃く染まった問題児であろうともさして問題ではなかったのである。加えて5.16クーデターを前後した時期のアメリカは、当時の張勉政権を「民主政権」「反共」という理念面では支持していたものの、ひ弱そうに見えるこの政権をどことなく頼りないとみなしていたフシがあった。5.16クーデターという民主政治破壊行為が起こっても、これをアメリカが積極的に牽制しようとしなかったのには、こうした背景も作用したと言える。アメリカは強権的な朴正熙の方をより「頼もしくて信頼出来そう」とみなした訳だ。「民主主義」を表看板に掲げながら、実際には自国権益に適いさえすれば支持するという、ダブルスタンダード(二重基準)の権化たるアメリカの本質は今も昔も変わらない。
被害者たる朝鮮人・韓国人が、また加害者たる日本人・アメリカ人のいずれもが自分達の歴史を正しく知る上で、この「徐仲錫の現代史の話」は優れた歴史記事であると思う(まだ完結してないが)。ぜひ通して御覧いただきたい。


これまでプレシアンというメディアを厳しく批判してきた筆者が、その連載記事を推薦する事を意外に思われる方がいるかもしれない。確かにプレシアンやハンギョレをはじめとする韓国進歩派メディアの、とりわけ2012年(総選挙とその後の統合進歩党バッシングに始まる「従北狩り」旋風や、海外ではシリア内戦やリビア侵略などのNATOによる侵略戦争が露骨化した年)以降の堕落振りは酷いものがある。が、これらの誌面から読める記事が全くなくなった訳ではなく、まともだった頃の名残と言うか良い意味での「残滓」はまだいくらか残っているのだ。そうした数少ない良質な記事や連載までも全否定する必要はなく、それらはそれらで積極的に読み、学べば良い。今回の記事の徐仲錫氏も筆者とは歴史観を異にする部分はいくつかあり、民主化運動出身と言えども韓国という反共主義・国家主義の国で生きてきた影響、つまり結局は「南の知識人」ゆえの限界と思う部分も結構ある。それでも韓国の解放後史として読むに足る内容であり、韓国と日本の歴史修正主義に対抗する為の知識を得る足がかりとしては十分だ。徐仲錫氏も事実に立脚して語る事に努めており、歴史学者としては誠実な人物であろう。
日本の赤旗や東京新聞や沖縄の新聞にも問題は非常に多いが、それでも優れた記事やレポートは存在するし、そこから原発問題や辺野古反基地闘争などの貴重な情報を多くの者が得て活動している。その上で韓国や日本の進歩言論の許し難い点や批判すべき点は別個に批判すれば良い。当たり前と言えば当たり前の話なのだが、この事は敢えて強調しておく。そうした常識すらわきまえないばかりか、当該記事をちゃんと読みもせず(か、あるいは読んでもその内容を理解出来ず)に「プレシアンは燃やしてやりたい!」と逆ギレヒステリーを起こす、理性も知性も持ち合わせない輩がたまにいるからだ。

数少ない優れた(それも親日派の悪行や、李承晩が無辜の民衆を「アカ」呼ばわりして虐殺した史実、朴正熙独裁などの歴史を鋭く暴いている)記事にまで罵声を浴びせるなど、それでは何にもならない(どころか明らかに有害無益)ではないか。こうした人間がいかに一見まともそうな事を言い、反原連や旧しばき隊といった現在の日本で最悪の社会運動詐欺集団やそれを追従する在日の不良分子と喧嘩した所で何の打撃も与えはしないし、むしろ敵に付け入る隙を与えて有害ですらある。そうした人間は吠えるだけで、その口には牙がないからだ。

牙のない犬に吠えられて恐がる者がいるだろうか?
いない!

吠えるからにはその口には鋭い牙がなくてはならない。それが在日同胞の人権や生活に関わる事であればなおさらである。その牙こそ、やるべき事とそうでない事を分別して自重と安静を知る理性であり、歴史や学問といった知識から謙虚に学んで積み上げる知性というものだ。それを絶対に忘れてはならない。もちろん上記の者が言葉や話の通じない「手遅れ」だというならどうしようもないが…。

今のプレシアンは確かに全体的に酷い傾向のメディアである。だが過去の優れた記事は今でも読むことが出来るし、良かった頃の「残滓」が今も完全になくなった訳ではない。そうした「残滓」は遠慮なく吸収すれば良いまでの事。韓国でも日本でも進歩言論の「旨み」は「本体」にあらず、「残りカス」にあり!

片やハンギョレにもそうした良質な「残りカス」はまだ残っていた。南の解放後史を述べた今回の記事に対して、こちらは北の解放後史をある側面から追跡する。それについては次回改めて御紹介しよう…。

駐韓米大使襲撃事件について――なぜこの容疑者は犯行におよばざるを得なかったのか?

すでに報道されて御存知の方も多かろうが、駐韓米大使のマーク・リッパート(Mark Lippert)が刃物で切り付けられる事件が発生した。容疑者のキム・ギジョン(김기종)という人物は平和統一運動や独島守護運動をしてきた市民運動団体代表である。
この事件についてすでにネット上のコメントや感想など見ていると「右にも左にも狂った奴はいる」「いかなる理由があろうともテロは正当化出来ない」「(リッパートが韓国文化好きな「親韓派」である事から)狙う相手を間違えたな」などといった批難調のものが多い。だが、この事件はそのように簡単に容疑者を狂人扱いしたり、単純にテロ行為自体の否定だけで終わる問題なのか? 今の韓米日関係という国際環境の中で、被害者のマーク・リッパートという人物がいかなる性質の駐韓米大使なのか、加害者であるキム・ギジョンという人物がいかなる性質の人物かを検証し、なぜ今回のような事件に至ったのかを深く考える必要がある。

まず、リッパート大使という人物については「知日派」であると同時に大変な「親韓派」であるともされている。例えば息子のミドルネームに韓国風の名を付け、あまり上手ではないが朝鮮語が少し出来るのでそれによるインタビューをブログに公開し、尊敬する人物は朝鮮王朝の世宗大王、焼肉やピビムパブ・キムチなども好物だという。

http://news.donga.com/3/02/20150305/69956127/1
「42歳最年少」駐韓米大使マーク・リッパートとは何者か(韓国語記事)

これだけ聞くと、「なぜこんなに韓国の文化を愛好する「知韓派」の大使を襲ったのか。平和統一運動家がそんな事するとか、この容疑者はおかしいんじゃないのか」と思えるかもしれない。では「息子に韓国風のミドルネームを付け、世宗大王を尊敬し、韓国料理が好物」な我らがリッパート大使の外交官としての仕事や政治的方向性はどうだったのだろう。以下にそれらを列挙するので、詳しくは元のリンク先記事も併せて御覧いただきたい。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/17617.html
マーク・リッパート駐韓米国大使指名者「北制裁・孤立化持続

駐韓米大使指名者‘対北朝鮮観’強硬

 マーク・リッパート(写真)駐韓米国大使指名者が17日、北朝鮮の核問題と関連して北朝鮮政権に対する孤立化と制裁を持続して、米国および同盟国のミサイル防御(MD)を拡充しなければならないと明らかにした。

 リッパート指名者はこの日、米上院外交委員会承認聴聞会に出席した席で‘北朝鮮リスクにどのように対処するか’という質問にこのように答えた。 これはリッパート指名者が非常に強硬な対北朝鮮観を持っていてミサイル防御(MD)の拡充と関連しても韓国に対する圧迫を強化するだろうことを示している。

 彼は北核脅威に対する三つの対応基調を提示した。 彼は「第一に、北朝鮮と北朝鮮政権を孤立させるための国際的コンセンサスを作ること」とし「最も良い例が人権問題で彼らを孤立させること」と話した。 彼はまた「多者的・独自制裁と圧迫を持続して、軍事訓練も継続し、米国が北朝鮮の行動に注目しているという強力な信号を送らなければならない」と話した。 彼は「最後に、強力な国防と抑止が必要だ」として「ミサイル防御を強化するためにアラスカの迎撃ミサイル数を増やす一方、日本に2基目のTP2レーダーを設置し、弾道ミサイル巡洋艦2隻を2017年までに配置し、グアムに高々度ミサイル防御体系(THAAD)を移動し北朝鮮の威嚇より一歩先んじなければならない」と話した。

http://www.shibano-jijiken.com/sekai_o_miru_sekai_no_shinbun_437.html
<韓・米・日(軍事)三角同盟>の設計者が、駐韓米国大使となった
-オバマが、マーク・リッパートを駐韓米国大使に指名した理由-
チョン・ウンシク 平和ネットワーク代表(「チョン・ウンシク」ではなく正しくは「チョン・ウッシク又はウッシッ 정욱식 鄭旭湜」である:引用者注)

リッパートは、オバマ行政府が強力に推進している韓米日・三角同盟の設計者の中の一人だ。今年、満41歳であるリッパートは、米上院軍事委員会専門委員とポラク・オバマ大統領が上院議員が在職時期、外交補佐官を経て、オバマ行政府出帆以後には、ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)秘書室長、国防部・東アジア太平洋担当次官補、チャック・ヘイグル国防長官秘書室長を務めた人物だ。この様な履歴からも知る事が出来るように、彼はオバマ行政府の核心的な‘軍事戦略通’、として通っている。

リッパートは、4月中旬、ワシントンで開かれた《韓・米・日三者安保討議(DTT)》の米国側首席代表を担当した。次官補級会議であるこの会議の、米国側首席代表は、国防部・東アジア太平洋担当次官補がずっと担当した。ところでリッパートは、国防長官秘書室長の資格で、この会議を直接取りまとめた。そうしては、「この会議が、極めて生産的で実質的だった」と自己評価しながら、韓米日軍事協力を強化すると言う意思を強力に表明している。

この会議(4月中旬の上記DTT)の首席代表を務めたマーク・リッパートは、4月30日、或る討論会でこの様に語った。“3国は、今年始め、韓・日関係の緊張にも拘らず、高位級会談と首脳会談を開催した事を土台に、協力関係をさらに強化して行かなければならない。(5月30~6月1日シンガポールで開かれた)シャングリラ対話を契機に、3国の国防長官が再び一緒に集まり、協力関係を正常化しなければならない。”

マーク・リッパートは、また、“米国国防部は、安倍晋三総理の安保政策に大変満足している”とし、“(安倍が)もう少し、しなければならない事があるとすれば、韓・米・日3者協力を強化する事”だと強調した。それとともに、“DTT(3者国防討議)のような3者協力を、強化する事が出来る事をするのを願う”と言った。

この様な内容を総合してみる時、マーク・リッパート・駐韓米国大使内定者の核心任務は、韓?米―日三角同盟の構築にあると言う事が出来る。

北韓との実質的な対話と協議は忌避しながら、“北韓の脅威”を根拠に、韓・米・日三角同盟強化を推進すると言うオバマの立場が、マーク・リッパート駐韓米国大使内定者を通して重ねて確認されるようで、まことに憂慮し、苦々しいかぎりだ。


http://toyokeizai.net/articles/-/37149?page=2
日韓関係改善に向けて米国が強力な布陣 駐韓米大使に大統領側近のリッパート氏を指名

しかし、それは誤解だ。リッパート氏は大統領と個人的な関係が深く、国家安全保障会議(NSC)や国防総省の内情に精通している。今後の東アジアをめぐる米国の外交政策に影響力を与える存在であり続ける人物だ。

在外米大使が政府の外交政策に影響力を行使するのは異例だが、リッパート氏にはその異例な役割が期待されている。オバマ大統領は韓国の朴槿恵大統領と良好な関係にある。彼の親友を駐韓米大使に任命することによって両首脳関係をさらに強化し、同時に日本に対しては、慰安婦問題などの解決に努力するよう圧力をかけるシグナルにもなる。(ここでアメリカの言う「慰安婦問題などの解決」とは「韓日は適当に手打ちして、歴史問題よりも安保協力を優先させろ」の意:引用者注)

米政府はこれまで日韓関係の緊張に神経をとがらせてきた。その緊張は北東アジア地域の安全保障に有害であり、北朝鮮に対抗するための米日韓3カ国の協力関係を損なうからだ。いずれにしろ、リッパート氏が北朝鮮問題への対応や日韓関係改善に向けたキーパーソンになることは間違いない。


私マーク・リッパートは韓国大好きです! 息子の名前にも韓国風のミドルネームを付けました! 韓国語も勉強してちょっとは話せるようになりました! 世宗大王を尊敬しています! 韓国料理も大好きです! でも北朝鮮は制裁と孤立化によって滅ぼさねばなりません! 韓米日仲良くしようぜ! 韓米日足並みそろえて、人権問題で北朝鮮を圧迫しようぜ! 韓米日軍事同盟で北朝鮮に人道的軍事介入しようぜ!

…何というか、絵に描いたような対朝強硬派・韓米日軍事同盟論者そのもの。日本にもこういう奴いっぱいいるよね。韓流ドラマ・K-POP大好きです! でも反日韓国大嫌い! 「在日特権」撤廃! などという「政芸分離」韓流ミーハーは在特会の会員の中にすらいるし、それに対抗している(実態は八百長プロレスまがい)らしいしばき隊・反原連系集団については言うまでもない。この駐韓大使もおんなじという事だ。この男は確かに個人的に韓国文化を愛好しているのかもしれないが、その朝鮮半島で分断体制や米軍の蛮行によって苦しむ民衆の姿なぞアウトオブ眼中、植民地総督気取りの鼻持ちならない存在でしかない。

では一方の加害者側である容疑者のキム・ギジョン氏とはいかなる人物であったのか? 「我々の広場 우리 마당」という平和統一運動や独島守護運動をやってきた団体の代表であり、進歩的民族主義傾向の活動家であった。事件を受けて韓国のマスコミにはキム氏に対する来歴などが大量に報じられているが、その大半は「奇行が多い変人」呼ばわりするものが非常に多い。だがこの人を単なる「狂人」扱いする事は許されないだろう。同情すべき点が非常に多いからだ。1988年にキム・ギジョン氏の「我々の広場」事務所が4人の暴漢に襲撃され、そこにいた女性一人はレイプまでされた。当時野党だった金大中の平和民主党はこの事件を情報機関による政治テロだと暴露した事があるが、今でも真相は明らかになっていない。そればかりか、この事件は盧武鉉政権の「真実と和解の為の過去事整理委員会」ですら取り上げてもらえず、キム・ギジョン氏はこれに抗議して2007年に大統領官邸前で焼身自殺(未遂)までしている。軍事政権の頃に、弁護士だった盧武鉉はキム・ギジョン氏の集会に呼ばれて法律の講演をした事もある関係だったのに、だ。氏が奇行の多い人間であったとしても、こうした苦衷をなめ続けた結果であったとしたらそれは同情されるべきではないか。氏の主張も、現在行われている韓米軍時訓練の反対や日本軍拡化批判、韓国の戦時作戦権返還、独島が韓国領であるなどそれ自体は全て正論であり、主張の正しさ自体は耳を傾けるに値する。
こうした人物を「狂人」「テロリスト」と切り捨て、ゴリゴリのタカ派にして韓米日軍事同盟論者であるリッパートを「焼肉好きの親韓派」だからともてはやす姿。これは歴史を何も知らない馬鹿な韓国のミーハーな若者が「日韓仲良くしようぜ」の桜井信栄をもてはやす姿に何とそっくりなのかと思う。実際にリッパートはその手の頭の足りない韓国の若者には大変人気があったようで、まさにこの男は「アメリカの桜井信栄」であった。いや、リッパートという男は桜井ごときよりはるかに上手だ。切れ者外交官として30代40代で高位職に出世し、オバマの信任も特別に厚いこの男は、「韓米日仲良く軍事同盟で北朝鮮滅ぼそうぜ」という恐ろしい本性を持ちながら、「息子に韓国風のミドルネームを付け、世宗大王を尊敬し、韓国料理が大好きでーす。まだ下手だけど、韓国語のインタビュー記事を自分のブログで公開してまーす! 二人目の子供も韓国で生めたらいいなー」といういかにもソフトな語り口で韓国の頭の足りないいわゆる「B層」をオルグして取り込む。目的のためにはそんな芸当をも平然と駆使する手段の選ばなさに恐ろしさがある。すでにリッパートは病院での治療後に自身のツイッターで健在ぶりを告知し、「韓米同盟の進展の為に最も早い期日内に戻ってくるだろう。一緒に行きましょう!(같이 갑시다)」などとほざいている。この「韓米同盟の進展、一緒に行きましょう」というのは、植民地時代に嫌になるほど聞かされたスローガンと同じだ。すなわち日本帝国主義が植民地朝鮮に押し付けた「内鮮一体」である! 
駐韓米国大使マーク・リッパート曰く
「韓米日仲良く軍事同盟で北朝鮮滅ぼそうぜッッッッ! 米韓一体ッッッッ!」

早速韓国ではリッパートの「親韓」ぶりにイカれたその手の馬鹿どもがキム・ギジョン氏の事を「こんなに韓国を愛して下さったリッパート大使閣下様を襲うなんて! 国益を損ねた!」とばかりにバッシングし始めている。韓国という国の国民達は自国民や同胞が悲惨な境遇に陥ったりテロに遭っても無関心なくせに、アメリカ大使や日本人が被害に遭うと激怒するらしい。これを我々は古くからこう言い表してきたではないか。「奴隷根性 노예근성 どれいこんじょう servile spirit」と。
韓国のマスコミでは今後、朝中東のような保守マスコミはもちろん、ハンギョレやプレシアンのような進歩派マスコミまで一体となって、キム・ギジョン氏を「狂人」「頭のおかしな民族主義者」「国益を損ねた」の大合唱でバッシングし、反面リッパート大使を「テロに屈しない勇敢な英雄にして、北から韓国を守ってくれる韓米同盟の騎手」呼ばわりする報道を垂れ流すだろう。いや、もう始まっている。リッパートがゴリゴリの韓米日軍事同盟論者のタカ派であり、南北関係悪化で戦争の危機を高めてアメリカの国益を追求する危険人物だという本性を完全に黙殺・封印して…。

キム・ギジョン氏の行動、韓米合同軍事演習に反対する立場の者としてリッパート大使という最も強硬な韓米日軍事同盟論者を狙ったのは、標的として全く間違っていない。我々が知っておかなければならないのは、リッパートという駐韓大使の恐ろしい本性と、それを「息子に韓国風のミドルネームを付け、世宗大王を尊敬し、韓国料理が大好きでーす。まだ下手だけど、韓国語のインタビュー記事を自分のブログで公開してまーす! 二人目の子供も韓国で生めたらいいなー」といういかにも親しみやすそうな擬態で欺く役者ぶり、それにあっさり騙される多くの韓国人の愚劣さである。その事は何度警告しても足りないであろう。

いかなる理由があろうともテロは許されないだって? あんなに韓国に理解のある大使を攻撃して国益を損ねただって? 暴力に屈するなだって? 
そのような事を言う者は一生奴隷で生きるしかない。このような愚劣な言い草こそ安重根や尹奉吉をはじめとする独立運動・武装闘争を否定するものであり、世界中で無数に起こってきた反帝国主義・植民地解放運動を否定するものだ。今の世の中で「テロは許されない」などとしたり顔で言う者が激増した理由を知っているか? それは明治以降の日本国家が近代天皇制を維持してきた手段とおんなじだ。暴力! これにつきる。天皇と天皇制に文句を言う者は問答無用の暴力的弾圧に晒される。アメリカの「対テロ戦争」に異を唱える者も同じ事。「アメリカの軍事力」という世界最強の暴力によって叩き潰されてきた。しかしながらこれは、日本国家が天皇制維持の為に振るう暴力など比較にならぬほど強大な暴力だ。イラクでもリビアでもそうした存在は国家丸ごとアメリカの暴力で現実に滅ぼされ、そうでない国々もそれに平伏する中で一般の人々も染まっていったに過ぎない。軽々しく「テロは許されない。暴力に屈するな」と言う者ほど、実はアメリカの桁違いな「対テロ戦争」の暴力的示威に屈しているのである。

文益煥牧師の悲劇とは

文益煥(ムン・イックァン 문익환 1918-1994)牧師。言うまでもなく韓国の平和統一運動と民主化運動の代父的存在である。この人は若い頃は結構反共主義の強い人だったのだが、朝鮮戦争中に米軍の通訳をしながら目撃した南北軍人のアメリカ人に対する態度(停戦交渉の場で北の将校が米軍将校に対して堂々とした態度だったのに比べて、南の将校はどいつもこいつも米軍人の前では奴隷のように卑屈だった)や、その後の朴正熙独裁体制下の体験などを経て、そうした考えが変わっていったという。右翼反共主義だった牧師がそのように変わった訳で、人間が悪い方向から良い方向へ変わるという極めて稀有な例としても文益煥牧師は特筆すべき存在であった。国家保安法を制定した議員の孫にして、保守的なキリスト教の家に生まれながら、後に朝鮮民主主義人民共和国への旅行を通じて分断体制の問題や民族精神に目覚めた「在米同胞おばさん」シン・ウンミ氏とも通低する所があろう。
最近の悲惨過ぎる南の社会情勢や、吸収統一論に染まりつつある統一運動の腐敗堕落した惨状を見ていると、どうしても文益煥牧師とその時代を思い出さざるを得ないのだが、同時に文益煥牧師にまつわる「最大の悲劇」も連想してしまう。文益煥牧師「最大の悲劇」とは何か? それは後継者に恵まれなかった事だ。文益煥牧師の「血のつながらない子」である弟子も、「血のつながった子」である実子もロクな奴らがいない。師父があれだけ立派だったのに後裔達がどいつもこいつも目を覆いたくなるほど駄目というのは、悲劇を通り越して喜劇であろう。それだけ「文益煥の後裔」達はロクなもんじゃない。

それについて外せないのは何と言っても河泰慶(ハ・テギョン 하태경)であろう。こいつについては今まで何度か批判した事があるので御存知の方もいようが、元は師匠である文益煥牧師のマネージャーみたいな事をして食わせてもらっていた学生運動家だった。それが師匠の死後に転向してニューライトになり、文牧師の生前の行状についてある事ない事さんざん言いふらして、まさに師の顔に泥を塗るような真似ばかりしている。もちろん河泰慶は師父がやっていた平和統一運動を裏切り、今では北朝鮮政権打倒運動をやっているのは有名な話だろう。河泰慶の運動は土井香苗が仕切っているヒューマンライツウォッチ(HRW)日本支部から支援を受けており、まさに「日韓仲良く北朝鮮に軍事介入しようぜ」を地で行くものだ。かつて文益煥の弟子が、今では最も汚い韓国的反共軍事独裁勢力と日本鬼的軍国主義者のイヌに成り下がったという訳だ。他にもこの男のロクでもない行状をあげつらうとキリがない。独島問題を国際司法裁判所に付せ(つまり独島が歴史的にも完全に朝鮮・韓国領だと思ってないからこういう事を言う)だの、済州島4.3事件被害者遺族への支援を減らせ・打ち切れだの、挙げ句にはシン・ウンミ氏を襲った爆弾テロ犯高校生に「よくやった!」と激励の手紙(一応「暴力は駄目だよ」的な免責事項だけは付け加えたらしいが)まで送った。この男ほど韓国の極右・保守派の鬼畜外道ぶりを一身に寄せ集めて体現した奴はいない。こういう外道をセヌリ党はわざわざ拾い上げて比例名簿の上位にし、国会議員にしてやった訳である。セヌリ党、こいつらは一体どこの自民党かと言いたくなる話ではないか。韓国セヌリと日本自民はまさに兄弟(もちろん日本自民党が兄である!)そのものであり、「日韓対立」なるものも全くの幻想に過ぎないものだという事がよく分かるだろう。
あの文益煥牧師の元弟子がこれかよ! 若い頃は師父のお情けで食わせてもらってたくせに、何て恩知らず&恥知らずな!
河泰慶という男を見ていると、そういう嘆きと怒りを禁じ得ない。

では、文益煥牧師の実子はどうだったのか? 存命している文益煥牧師の実子達の中で最も著名なのは文盛瑾(ムン・ソングン 문성근)という人物で、この人は若い頃から父の社会運動を手伝ってきた事で知られている。文益煥牧師が国家保安法違反容疑で何度も逮捕されて裁判を受ける際、写真撮影も録音も出来なかった法廷を傍聴し、そのやり取りを正確に記憶して書き起こして世間に知らせた逸話が有名だ。また文盛瑾の本業は俳優であり、数多くの映画や舞台・テレビドラマに出ている。もちろん様々な進歩的社会運動にも参加しており、2001年に死んだ舞台演出家である兄の文昊根(ムン・ホグン 문호근)と並んで「行動する良心的演劇人」として知られてきた。
文盛瑾という人物はこれだけ聞いているとなかなか立派な人物であり、河泰慶ごときとは違って親父の遺志をそれなりにしっかり受け継いだ後継者のように思えるだろう。確かに河泰慶よりマシに見える。が、しかし…。

ここで文盛瑾という人物について、非常にがっかりする残念な事実を述べておかねばならない。例の「日本憲法9条にノーベル平和賞を」運動だ。文盛瑾はこれに積極的に賛同して推薦しているのである。文盛瑾当人のツイッターを参照。

http://www.nobelpeace9.kr/wp-content/uploads/2015/02/actormoon_tweet.png

 
「日本平和憲法9条、ノーベル平和賞推薦声明」
極右安倍総理は集団的自衛権を確保して再武装の為に改憲を試みています。平和憲法にノーベル賞が授与されたらこれを防ぐ事が出来ます。

もう何をかいわんやでしょ、これ。こんなアホみたいな運動に積極協力とか、この人どこまで馬鹿なんだという話だろう。オバマがノーベル平和賞受賞して核放棄したのか? むしろもっと積極的にイラクやリビアで戦争したし、臨界前核実験までやった。それなのに、アメリカよりももっと低劣で軍事的野欲だけは人一倍強烈な日本という国が、ノーベル平和賞受賞して戦争も軍備も放棄すると思うのか? むしろそれを口実に逆用して、もっと積極的に軍拡化に乗り出すわ! 「我々は憲法9条の精神にのっとり、平和の為に自衛隊を海外派兵するのです」と。アメリカやNATOが「これは人道的な軍事介入だ」「独裁者フセインやカダフィからその国の国民を解放する為に戦争するのだ」という理屈と全く同じである。日本憲法9条にノーベル平和賞をやるなどというのは、日本の軍拡化を防ぐどころか、それをむしろ強力に側面支援する結果にしかならないだろう。それを日帝の被害国である韓国の、それも民主勢力だの市民社会だのが積極的に推進とか、これほどの倒錯はない。文盛瑾や「韓国社会元老」どもは、こんな誰でも分かるような理屈すら分からない(のではなく、知っていて日韓軍事協力の為に加担している確信犯も何人かいるだろうが)のだ。
文盛瑾って人、記憶力いいけど馬鹿だよな。

そもそも「日本の平和憲法は東アジアと韓半島の平和の支え」という思考が根本的に間違っているというか狂っているだろう。まるで「日本のおかげで自分達は平和に暮らせました」と言わんばかりの卑屈な精神、自主性というものが欠片もないこの奴隷根性、南朝鮮はまだ日本の植民地なのか? 「恐れ多くも日本様が平和憲法を維持あそばされたおかげで韓半島が平和だった」というなら、当然逆に「韓半島」の平和を脅かしてきた存在もいたという事だろう。連中が言外に言いたげな「韓半島の平和を脅かしてきた存在」が何なのか、賢明な読者に説明する必要はないだろう。大韓民国という国は同胞よりも植民地宗主国の方が大好きという事だ。
そもそも日本という国が戦後も一貫して憲法を骨抜きにし、再軍備の道を歩んできた事は歴然とした事実であり、かつての韓国民主化運動はそれに激しく抵抗してきた。「軍国主義日本を糾弾する。中曽根は即刻帰れ!」という中曽根訪韓反対スローガン、まだナンボかまともだった頃の金芝河の詩「どうってこたあねえよ 朝鮮野郎の血を吸って咲く菊の花よ 朝鮮からかっぱらった鉄で作った日本刀(刀剣乱舞?)よ」などが象徴的だ。「日本は戦後、平和主義の下で経済発展を成し遂げた神話」の嘘やカラクリを最もよく知っていたはずだった。「朝鮮特需」なしに経済復興などあり得なかった日本は、要するに敗戦後も朝鮮半島民衆の血をすすって太ったのである。「日本は東アジアと「韓半島」を平和にしてくれた」どころか、戦後も一貫してアジアの平和を脅かす脅威でしかなかった。韓国はその舎弟みたいなもんであり、両者の上にアメリカが盟主的存在として君臨してきた構図は今でも変わっていない。韓国民主化運動の重要な理念の一つとは、そうした解放後の復活しつつある日帝とそれに追従する自国政権への抵抗だったはずだ。それをきれいさっぱり忘れ去って「平和憲法にノーベル賞が授与されたらこれ(安倍の改憲)を防ぐ事が出来ます」などというのは、日米とくっついてきた韓国という国の悪事(国内の独裁政治や人権抑圧、ベトナム戦争参戦、PKO派兵やNATOとの軍事提携など)から目を背け、独立運動や民主化運動で犠牲になってきた人々を冒涜する行為でもある。

戦後も一貫して憲法を踏みにじった再軍備にひた走り、「朝鮮特需」「ベトナム特需」「石油確保の為のイラク派兵 by石破」といった他国の戦乱に便乗して経済的利益を得てきたくせに、「平和主義の下で経済発展を成し遂げた」と主張する日本。

解放後は人権と民主主義を踏みにじって独裁政治にひた走り、1987年の民主化宣言後も反共ファシズム体制を根本的に改める事もないまま、「ベトナム特需」「アフガニスタン駐留米軍警備の為の民間軍事会社派遣」「米軍の為にイラク派兵」「北に対抗する軍事訓練として便利なPKO派兵(韓国の国防関係者は自国のPKO活動について堂々とこう言っている!)」といった他国の戦乱に便乗して経済的・軍事的利益を得てきたくせに、「民主主義を勝ち取って経済的発展を成し遂げた」と称する韓国。

「平和国家日本」「民主主義国家韓国」という二つの神話はいずれ劣らぬ中身のないまやかしであり、それらが結び付いた最も醜悪な運動が日韓双方の「日本憲法9条にノーベル平和賞運動」だ。

日本(プラス韓米)の軍拡化に利する行為でしかないこんな運動に賛同する文盛瑾という男、死んだ先親(ソンチン 선친 朝鮮語で亡父の意)に顔向け出来るのか。日帝時代に文益煥牧師が日本軍に徴兵されそうになった時何と言ったか。「日本の為に死ぬ事は出来ない」そこで徴兵から逃れる為に満州へ行った。それなのにその倅ときたら、「日本の為に生きて協力する」最悪の愚行でしかない「現代版親日行為」を働いている。

 
父・文益煥牧師の「私は日本の為に死ぬ事は出来ない」というエピソードをテレビで披瀝する文盛瑾。こいつ、どのツラ下げてそんなセリフを…

文益煥牧師の「血のつながらない子」も「血のつながる子」もいずれも師父の精神をまともに受け継がず、片や日本を代表する反北朝鮮運動総元締めのイヌになり、片や日本の軍拡化を正当化するような運動を積極的に推進している。「日本の為に死ぬ事は出来ない」と言って日本軍の徴兵を拒否して逃亡したおやっさんとは全く逆に、その弟子も実子も日本が大好きで仕方がないようだ。オヤジさんと違って、こいつらは「(憎き北朝鮮を「征伐」してくれる、あるいは韓国の平和を守って下さってる)日本の為に死んでも惜しくない」と思ってんじゃね?
悲しい話だが文益煥牧師とその子供達のエピソードは、まさに今の韓国社会の惨状と、それを正すどころか迎合すらしている平和統一運動や民衆運動の無残な現状を象徴するものなのであろう。

韓国の「民主主義」とやらが名実共に消滅する日

韓国で統合進歩党の政党解散審判が12月19日に下される事になった。予想よりもはるかに早い宣告になったが、これはそれだけ解散命令が下される可能性が高い、すなわちヤバイ状況という事を意味していると思う。今回の審判は「政党活動の自由」を根本的に揺るがしかねないものであり、まともに審理しようと思ったら少なくとも数年はかかって然るべき性質のものだからだ。日本でも裁判官がロクに審議も公判もせず数日で「本件を棄却する」で終わらせる酷い裁判(特に権力や大資本を訴える裁判に多い)がたくさんあるが、統合進歩党の解散審判もそれに非常に近い。この審判で提出された資料はとてつもない量(約167000頁)なのだが、憲法裁判官達がそれにちゃんと目を通したかどうかも疑わしく、問答無用の解散命令を下す腹づもりではないのか。
韓国法務部がこの政党解散審判を請求したのは2013年11月5日であり、その時多くの法曹人はこの審判が長引くだろうと予想し、朴槿恵政権の任期中には終わらないのではないかという予想もあったほどだ。だが、それは政権がある程度まともだったり常識的な場合の話であって、今の朴槿恵政権にそんな常識的な展開を期待する方が間違っていたのだろう。親父の維新独裁時代とほとんど変わらない。
憲法裁判官は全部で9人おり、そのうち6人賛成すれば解散決定となる。この9人のうち与党や大統領に指名された者が実に5人、つまりこれらは解散賛成票を投じる事が100%確実な連中であり、残り4人(野党や与野合意、最高裁判長からの指名者)から1人でも解散賛成すればおしまいだ。そしてそうなる可能性が極めて高い。

仮に統合進歩党に解散命令が下った場合はどうなるのか。まず、命令が下されたその時から解散命令の効力が発生する。その瞬間に進歩党という政党は即座に「違憲政党」として消滅する事になるのだ。そして党の財産は全て国庫に没収、今後同じ名称の党を作る事が出来ないのはもちろん、類似した党を作る事も出来ない。つまり党の綱領や政策そのものが違憲となる訳だ。これは実に重大な意味を持っている。統合進歩党は国家保安法撤廃と駐韓米軍撤退を綱領に掲げている党であり、それらも全て「違憲」という事になるのだから。今後韓国で国家保安法と駐韓米軍に反対する事自体が「憲法違反」という、恐ろしくも実に馬鹿げた事態になるのである。大韓民国という国の国家体制が根本的に転換するか憲法が改正されない限りは、それがずっとだ。これがどれだけとんでもない事か、韓国でも日本でも気付いてない連中があまりに多い。
とりわけ「韓国と日本はアジアでただ二つの人権・民主主義先進国」とばかりにキモ過ぎる自画自賛をしてた変態的ナルシー集団「日韓知識人共同声明」の連中は今回の件をどう思っているのか。そもそも「知識人共同声明」系の連中は今回の件でほとんど何もしてないではないか。もちろんこの声明署名者の中には朝中東の保守三大紙はもちろん、2012年以降統合進歩党に対する「従北狩りキャンペーン」に狂奔したハンギョレ・京郷新聞・オーマイニュース・プレシアン(いわゆる「ハン京オプ」)といった進歩四大紙の代表者達も雁首を揃えていたのだから、進歩党の解散に本気で反対するはずもない。今日の事態に反対しなかったどころか、むしろ煽り立ててきた日韓のナルシー知識人達の罪は重いだろう。

一方でかつて進歩党から出て行った連中の集まりである正義党が何やら怪しげな動きを見せているが、この正義党というのは前にもちょっと書いたように日本で言えば「転び社会党」そのものと言って良い集団で、進歩政党どころか実際には左翼崩れの政治的ゴロツキ集団でしかない連中だ。ここの連中はかつて2012年の選挙では統合進歩党の比例で当選した議員が大半だったが、党の主導権を握れなかった為に「党内予備選挙が不正だった。執行部は従北だ」と言いがかりを付けて騒ぎを起こした(予備選挙の不正疑惑もでっち上げであり、むしろ騒ぎを起こした正義党系や柳時敏の旧参与党系の連中こそ不正をしていた事が後の調査で判明している。しかしながらハンギョレはじめとする韓国の大手進歩派メディアはこの事を完全に黙殺して今でも「統合進歩党執行部は党内予備選で不正をした」と書き続けている。ハンギョレやプレシアンは歴史修正主義どころか現在修正主義であろう)。これが今回の政党解散審判と李石基議員事件の発端となった「2012年統合進歩党事態」であり、それを韓国のマスコミは右の朝鮮日報から左のハンギョレまで魔女狩りのごとく「統合進歩党は有害な政党だ。従北だ」と連日社会的集団リンチし続けて今に至っている。
今の正義党の連中は、進歩党を脱党した後も議員職を維持する為(比例当選の議員が自分から離党する場合は議員辞職しなければならない)に、自分で自分を除名する「セルフ除名」(党によって除名された場合は議員職が維持される為、こういう形式を執った)という限りなく違法としか思えない詐欺的手口に訴えた。これだけでこの連中がインチキなのは明白だろう。この「セルフ除名」は今でも裁判が続いており、正義党側が負けたら該当議員達は辞職しなければならない。逆に統合進歩党が解散となればその必要もなくなるので、正義党にしてみれば統合進歩党が潰れてくれた方が都合が良いのである。正義党というのがいかに信用ならない政治ゴロ集団かが良く分かるだろう。それを抜きにしても、正義党は次の選挙では自力で当選者を出せず壊滅するのが確実な「泥舟」そのものであり、これに乗っかるのは何重にも間違っている。正義党のゴロツキどもがどうなろうと知った事ではないが、この連中が私利私欲の為に起こした騒動によって韓国の進歩政党が完全消滅する危機を作った罪は本当に万死に値する。

もちろん明日の解散が宣告されなければ良いが、そうでない可能性の方がはるかに高い。統合進歩党が解散させられる事になった場合、12月19日は大韓民国という国のほとんど形骸化した民主主義や政治的自由すら再び完全抹殺された日として記録される事になるだろう。時の大統領・朴槿恵、与党・セヌリ党、憲法裁判所の裁判官、事の発端を起こした正義党や柳時敏ら、そして従北キャンペーンに狂奔した保守・進歩を問わぬ報道機関達もまた全員その共犯者として歴史に記しておかねばならない。それほど民主化後の韓国にとって重大な事件になるという事だ。

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