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ハンギョレのこの日本特派員はどうにかならないのか

前にも批判した事があるのだが、ハンギョレの日本特派員である鄭南求(정남구 チョン・ナムグ)という記者がまたしても馬鹿な事を言っている。

http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/15302.html
[特派員コラム]‘悪い日本’だと心を閉ざす前に/チョン・ナムグ
「3年余り前、東京に特派員として赴任して、私も驚いた。 慰安婦被害者ハルモニを助ける集いが日本全国各地にあって、強制徴用被害者訴訟と韓日条約文書公開訴訟を支援する集い、原爆被害者を支援する集い、韓国人で日本軍に徴集され戦犯になってしまった人々を支援する集い、歴史わい曲教科書採択を阻むための集い、在日同胞良心犯の名誉回復を助ける集いなど、実に多くの団体が活動している。
今年に入って東京、新宿で右翼の集会が行われる日になれば、右翼に対抗して抗議デモを行う人々の数が右翼デモ隊の数を凌駕していることも新鮮な経験だ。」

「このような話を新たに持ち出すのは最近‘右傾化日本’に対して高まる憂慮がややもすれば全ての日本人を‘日本’という名の下にざっくりまとめて批判・非難することにつながることを恐れるためだ。
日本の政治指導者が保守右翼の人々で埋め尽くされてしまったことは事実だ。 橋下徹 大阪市長のように、人権に対する基本素養さえ不足した分別ない右翼もいる。 ‘在日特権を許さない市民の会’のように外国人に嫌悪感を表出する形で自身の挫折に対する慰安を求めている人もいる。
しかしそれが日本の全てではない。
日本の政界を見れば、小選挙区制の‘魔法’で、保守右翼が支持率に比べて途方もない議席を確保した。 だが、日本人の多数は依然として日本が平和主義路線を捨てることを強く警戒している。 橋下の妄言に怒り、人種差別的で暴力的な言語に抵抗できる。 日本が進まなければならない道を真剣に省察する人々の長期にわたる活動はまだ力を失なってはいない。 私たちはよく彼らを‘私たちを助ける優しい日本人’と見る。 そうではない。 彼らは言う。 平和と人権のために、人類愛で連帯する世の中のために活動しているのだと。」

「日本がアジアの平和を破壊する道へ前進することは、私たちとしては鳥肌が立つことだ。
それを阻もうと努力する日本人たちと手を握らなければならない。 少なくとも彼らが萎縮しないようにしなければならない。 そうするならば、日本という名の下に日本人をひっくるめて敵対視したりする私たちの中にある傾向を私たちも抑制しなければならない。

こういう日本側に都合の良い記事だけはハンギョレ日本語版は抜け目なく翻訳配信する訳だ。「風立ちぬ」の批判記事は完全に無視したくせに。実に分かり易い姿勢だ(笑)。
まず呆れるのは「右翼に対抗して抗議デモを行う人々の数が右翼デモ隊の数を凌駕していることも新鮮な経験だ」という部分だろう。これは言うまでもなくに新大久保などで行なわれた在特会デモとそのカウンターの事を指しているのだろうが、その在特会に対抗している「抗議デモ」とやらの正体は何なのか。「レイシストしばき隊」と称しているこの集団は、社会運動を装った詐欺師や、在特会とは別系統の右翼、親日派在日朝鮮・韓国人、さらにはヤクザそのものにしか見えないような連中が取り仕切っている。中でもここの代表者である野間易通という男は自身のツイッター上で頻繁に民族差別発言や日帝の朝鮮植民地支配正当化発言を繰り返しており、他ならぬ在特会に所属していても何ら違和感がないほどだ。

http://kotokotonittei.hatenadiary.jp/entry/2013/08/01/181751
http://kotokotonittei.hatenadiary.jp/entry/2013/08/01/180804

実際にこの「しばき隊」は差別用語を連発しながらデモをやっており、在特会とどちらが差別主義者なのか区別がつかない。この集団が在特会カウンター行動をしている最大の理由は、自分達を正義漢のように装って格好付ける為だ。連中は自分達も右翼やヤクザやエセ社会運動詐欺師などの反社会的集団であり、後ろ暗い所があるのでそれをごまかす必要がある。それで最近評判が悪くなっている在特会を叩いて正義の味方のような振りをしているに過ぎない。いわば「新宿での右翼のデモとそれに対抗する抗議デモ」というのは双方とも日本右翼の一派閥同士であり、醜悪な仲間同士の縄張り争いをしているだけなのだ。
それをまるで「平和と人権のために、人類愛で連帯する世の中のために活動」している日本人として韓国に紹介するなど、冗談にしても限度を超しているのではないか。鄭南求は特派員として3年も日本にいるのだから、こうした日本社会の醜悪な暗部を知らないはずがない(もし本当に知らなければただのボンクラだ)。それを全く歪曲して韓国に嘘の話を伝えるのだから、これほど悪質な話はないだろう。

鄭南求は在特会や極右政治家だけが「日本の全てではない」と言い、「それを阻もうと努力する日本人たちと手を握らなければならない」とも言う。だがそのような現実からかけ離れた過大評価こそ韓国にとっては最も危険なのである。確かに日本にもレイシストしばき隊などとは違い、過去史清算を追及する本当に良心的な人間達がいない訳ではない。だが、それはもはや絶滅寸前の超少数派でしかなく、日本の主流を形成しているのは橋下徹や安倍晋三に代表される極右政治家や在特会のような系統ばかりだ。日本の良心派と手を結ぶ事は必要ではあるが、過度の期待は全く出来ないのが現実である。韓国の立場としてより重要なのは、日本の良識派を過大評価する事ではなく、現実に強大な日本の右翼勢力に対する警戒なのだ。
日本という国は(民衆の大部分も含めて)朝鮮植民地支配を全く反省していないし、それを誇りにすら思っている。さらにはその醜悪な帝国主義的野欲を再び甦らそうと必死だ。このような状態で韓国のジャーナリズムが言わなければならないのは「同胞よ、民族よ、日本への警戒を怠るな」でなければならない。ましてや8.15が近いこの時期ともなれば「乙巳勒約と庚戌国恥を忘れるな!」と強く訴えるべきなのである。
それを鄭南求の言うように「日本にはまだこんなに良心的な人間がいて活動している」などというのは明らかに間違っており、将来的に韓国の民衆に大きな災厄をもたらすだろう。ましてや在特会への対抗デモなどという日帝支持者集団を「良識的日本人」などと歪曲するのは最悪だ。韓国人のくせに、自分の国に警戒を緩めさせるような事を言ってどうするのか。これがハンギョレの論説委員とは…。ハンギョレも質が落ちる所まで落ちたようだ。鄭南求はそんな事で、同じ会社の大先輩である李泳禧に顔向けが出来るのか。

筆者は鄭南求という男を見ていて、豊臣秀吉の朝鮮侵略(壬辰倭乱・丁酉再乱 文禄・慶長の役)の時代に実在したある人物を思い出した。それは金誠一(김성일 キム・ソンイル 1538-1593)という朝鮮の文臣である。金誠一は戦争が起こる前の1590年に日本の動向を探る外交団の一員として日本に行って秀吉とも面会したのだが、帰国後に「日本が攻めて来る兆候は見られない。秀吉も恐れるほどの人物ではない」と朝廷に報告した。さらに「それでも万が一日本が攻めて来たらどうするのか」と同じ東人派の上司である右議政の柳成竜(류성룡 リュ・ソンリョン)に聞かれた所、「自分も日本が全く攻めて来ないとは思わない。ただそうした事を公言したら民心が動揺する」と答えたという。どこぞの国で原発事故が起こった直後の政府発表を連想させるが、いつの時代どこの国にもこうした政治家や官僚はいるという事だろう。で、金誠一の見立ては結局大ハズレとなり、それから2年後の1592年に日本は朝鮮に攻め込んで来て、多数の民衆を虐殺した。
「日本は攻めて来ない。恐れる必要はない。仮に攻めて来るとしても、民心を動揺させるような事は言わない方が良い」という金誠一の報告は、まさに現在のハンギョレ記者である鄭南求が「日本にはレイシストしばき隊をはじめとして(笑)良心的な人達がいっぱいいる。そうした日本人達と手を組まねばならない。そうした日本人を萎縮させるような事は言わない方が良い」と言っているのとそっくり同じである。それを信じて悲惨な目に遭うのは朝鮮・韓国の民衆だ。「民心が動揺するから」とは言うが、当時の金誠一の頭には本当に民衆の事があったかどうかは疑わしいだろう。鄭南求にしても「良心的な日本人を萎縮させるような事は言うな」などと言うが、「日本という名の下に日本人をひっくるめて敵対視」した程度で萎縮したりするような日本人などとは最初から手を組むべきではないのだ。そんな連中はそうでなくともすぐに裏切って転向する。そんな事よりも同胞同士の警戒をうながして結束する事の方がはるかに重要ではないのか。鄭南求という男は同胞よりも、日本人の方に顔が向いており、媚びているのである。

ちなみに、結果的に秀吉の朝鮮侵略に対する防備を怠らせた朝鮮側のA級戦犯とも言うべき金誠一のその後だが、戦争が起こってからは己の判断ミスを大いに恥じて「万死に値する」と反省し、誰よりも熱心に対日抵抗戦争に加わったという。各地の軍や義兵を取りまとめるのに奔走し、1593年に陣中で過労死したと伝えられている。金誠一は日本に対する重大な判断ミスはしたものの、それは飽くまでミスであって意図的な売国行為ではなかった。最終的には本当に自分の命でそれを償った訳であり、そうした点で情状酌量の余地は十分にあるだろう。金誠一は今でも朝鮮半島で「金誠一将軍」と呼ばれ、重大なミスはしたが日本の侵略に立ち向かった偉人の一人に数えられている。
だが鄭南求の場合はどうか。この男にはどう見ても金誠一のような覚悟すらあるようには思えない。日本がさらなる軍事大国化を推し進め、ついには自衛隊が韓国に上陸するような事態になってもおめおめと生き延び、相も変わらず「日本人の良心的な層と手を結んで立ち向かおう」などという寝言を繰り返して自分の保身に汲々とするのではないか。
 

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