前にもちょっと書きましたが、今は左翼っぽい事を言ってる人間の中にも潜在的な差別主義者・レイシストというのは結構いるもので、そういう人達は一見良識的な事を言っていてもふとしたはずみで本音がポロっと出て馬脚を現す訳です。朝鮮学校の無償化除外問題で「子供達に罪はない」などとしたり顔で言う手合いがその典型な訳ですが、やはりというかそのブログは何日もしないうちに本性をむき出しにしてきました。朝鮮半島の「南北統一がなされるなら大韓民国側による統一が、あらゆる意味で日本の国益」とかよその民族の最も重大な問題まで日本側の勝手な都合だけで行われるのが望ましいとか醜悪極まりない事を言ってる訳です。これを次のように言い換えればいかにひどい身勝手な発言か分かるでしょう。
「今は内戦状態のアフガニスタン統一がなされるなら(アメリカの傀儡である)カルザイ政権による統一があらゆる意味で米国の国益」
10年前の南北首脳会談で締結された6.15共同宣言では南北共に互いの政治体制を尊重して双方が共存しつつ、飽くまでも統一は外勢に頼らず自民族によって自主的に解決すると謳いました。そして南の主張する連合案と北の主張する連邦案が共通する事からこの方向で統一を志向する、つまりどちらかが一方的に相手を併呑して統一するのではなく、互いを尊重し認め合いながら両立してゆるやかに交流と民族の和解を進めて統一するのだという意思がここには込められている訳です。日帝植民地解放直後の混乱期のようにどちらかが軍事的に武力統一を目指すのでもなければ、旧西ドイツのような一方的な経済併合のどちらも採用しません。それが6.15共同宣言の精神です。
今は南の李明博政権の対北強攻政策のせいでこれが空転してしまい、金大中・盧武鉉2代に渡って継続してきた民族の和解が一時的に停滞した状態にありますが、6.15共同宣言とその意思を引き継いだ2007年の10.4共同宣言は死んだ訳ではありません。その精神はまだ朝鮮人・韓国人の精神の中に生き続けています。
例のブログ管理人はそれをことごとくシカトして、飽くまでも日本の「国益」の為に南による一方的併合統一が望ましいというのです。よその国の重要問題になぜそのような身勝手な理屈を平然と言えるのでしょう。それもかつての植民地支配の責任を負った日本人が。一つだけ言わせてもらうなら「余計なお世話だボケ!」という事です。
このブログは産経新聞をバカにする事でそれなりの人気を博しているそうですが、このような人間が左派ヅラして産経をこき下ろしている理由が分かりません。どこをどう見ても産経と寸分変わらない理屈なのですから。
※ ちなみにネットで調べ物をする時に注意していただきたいのですが、日本語版ウィキペディアの「盧武鉉」の現在の項目では2007年10月の第2次南北首脳会談について全く書かれていません(もちろん韓国語版ではちゃんと書いてある)。これは何らかの恣意的な書き漏らしとしか思えない記述であり、明らかに荒らしと言って良いくらい不自然な書き方でしょう。もちろん今後誰かが修正する可能性もありますが…。
しかも件のブログ管理人は「日韓両国が協調して金王朝崩壊の混乱をチャンスに変える方策を練るべきだ、という西岡氏の認識は正しいでしょうが」などと拉致問題関係者の中でも最悪のタカ派狂信極右主義者と意見を同じくするという有り様です。率直に言って今の北朝鮮金正日政権がかつての89年の東欧革命のように内部の社会的混乱によって崩壊する可能性はゼロといって良いでしょう。確かに北朝鮮は厳しい鉄拳統治下にありますが、逆にそのせいで厳格な社会的秩序が保たれているのも事実です。日本の右翼が期待して止まない「民衆の反乱で北朝鮮崩壊」などというのは一番有り得ない絵空事と言って良いでしょう。国民の生活に関しても今は中国を手本にした開放政策をおっかなびっくり少しずつ導入している段階であり、しばしば政策の朝令暮改が繰り返されてはいますがそのような事は市場化を進める前から北朝鮮の社会では日常茶飯事でした。北朝鮮に行って少しでも現地民衆と会話を交わした事のある人であれば誰でも聞く事ですが、決まった事が何日もしないうちに上からの通達で引っくり返される事など珍しくもありません。そのような中で生き抜いてきた北朝鮮人民は日本にいる人間が思っている以上にタフでしたたかです。そしてその市場化で商売に成功した者とそうでない者の格差が大きくなっているのも事実ですが、年毎に経済が活性化して少しずつ上向いているのも事実なのです。つまり「北朝鮮の内部崩壊」は有り得ません。仮にそうなるような事があったとしても、今の日本の民主党政権よりは長命だと思います(笑)。
では仮に北朝鮮の金正日政権が崩壊するような事が起こるとすればどのようなものでしょう。それは外部からの攻撃、つまり韓・米・日との軍事的衝突しかない訳です。そしてそれは最悪の未来図でもあり、そうなれば朝鮮半島はおろか日本も巻き込んだ大戦争になるでしょう。北朝鮮が崩壊した所で漁夫の利を得ようというのが件のブログ管理人氏の「国益的思考」なのでしょうが、戦争になれば日本も否応なく巻き込まれて戦災に合う訳ですから漁夫の利どころではありません。多分真っ先に死にかねないのは件のブログ管理人氏のような一般市民(?)や筆者のような在日朝鮮人です。漁夫の利を得るのは韓米日の軍事指導者や軍需産業だけというお決まりのパターン。こんな事は大分昔から「はだしのゲン」などで語りつくされてきた事のはずですが、「国益論」にかぶれた最近の左派にはそんな当たり前の事も分からなくなっているのでしょう。「国益」などクソ食らえ、というのが本来の左派左翼の真骨頂だったはずですが、それはもう死文・死語と化したようですね。「金王朝崩壊の混乱をチャンスに変える」など軍需産業の商機に過ぎません。件のブログ管理人氏に戦争で被災するか死ぬ以外のチャンスが訪れない事だけは間違いなく保証出来ます。
真に日本と日本人がアジアの平和や友好といった事を求めているなら目指すべきは「北朝鮮の崩壊」を待望したりそれに備えることなどではなく、日本とアメリカの軍事政策にストップをかける事でなければなりません。そして南北朝鮮半島の和解の邪魔をしない事です。
このブログの管理人氏というのは、多分自分が潜在的なレイシストだという事に自覚がない一番タチの悪いタイプだと思います。多分今後とも上記のような妄言を折にふれては繰り返していく事でしょう。今は産経をこき下ろしていますが、いずれ今以上に本性を露わにする事は間違いないと思います。
在特会のみなさんが同士として迎え入れる日をてぐすね引いて待ってますよ。
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