今週の週刊金曜日は佐藤優が責任編集で沖縄特集をするという信じ難いもので、表紙にデカデカと佐藤優の似顔絵が載っていたのはいくら何でも閉口しました。沖縄の特集だというなら、沖縄にちなんだ写真や絵を載せるべきでしょう。これじゃ沖縄特集なのか佐藤優個人の特集なのか分かりません。佐藤の絵があんなにでかく載っているのは、これが「佐藤の佐藤による佐藤の為の特集」であり、沖縄の事など同誌がまともに考えていないという事を象徴しているのではありませんか。
しかしながら週刊金曜日に語る資格がないのは沖縄問題だけではありません。朝鮮半島問題に関してはそれ以上に目も当てられないくらいひどい状態で、こんなひどい記事を垂れ流すくらいなら何も書かない方がまだ社会的害悪が少ないと思います。
まあ、例によって石丸次郎が北朝鮮情報を書いている訳です。国民が飢えてるとか携帯電話の規制が厳しくなったとか国民が金正日に対して不平不満を愚痴ってるとかの話を、またしても「北朝鮮国民の困窮している姿を写した写真」と並べて書き立てている訳です。石丸次郎がいかに怪しげな北朝鮮報道を繰り返してきたかはすでに何度も述べてきました。
石丸は1年以上前に、金正日の息子が後継者になる事はありえないって断言してたんですよ。日頃から北朝鮮報道の第一人者のように振る舞って威張り散らしていながら、このザマですから。しかも石丸次郎は朝鮮学校無償化を強固に反対する「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」と密接に連動して活動しており、、この「守る会」は日本のアジア侵略を正当化している「特定失踪者調査会」の荒木和博と一心同体のごとき親密な団体です。
石丸自身も北朝鮮に対する植民地支配の賠償を事実上否定しており、こんな人間が北朝鮮について報道すればどんな記事になるかは自明の理でしょう。週刊金曜日は北朝鮮と日本の過去清算や外交関係を破壊したがっているとしか思えません。
さらに佐高信の人を見る目の無さがまたしても炸裂しました。人物メモワールに取り上げられたのがぱぎやんこと趙博とは…。趙博は当人のブログを見れば分かる通り熱心な
石丸次郎シンパで、金正日政権打倒を公言している男です。「北朝鮮バッシングに乗ってマスコミに尾っぽ振ってる俗物どもとは訳が違うぞ」? 石丸次郎のやってる事こそが「北朝鮮バッシング」そのものだという事になぜ気付かない? ひょっとしてバカ?
さらに趙博は総連・民団の和解に際してもそれを嘲笑して、民族同胞の分裂・対立を煽り立てました。在日朝鮮人が「金正日政権打倒」を叫ぶなど、日本の軍拡主義者にとってどれだけ都合が良い事か! しかもその手のタカ派日本人というのは朝鮮・韓国人を差別・排斥し、大日本帝国によるアジア侵略を美化・正当化し、朝鮮植民地支配の賠償・清算を否定している人間達と基本的に一緒(というか、そうでないタカ派日本人というのを見た事がありません)なのですから、それに奉仕するような言動を繰り返す趙博という男がいかに同胞を食い物にする利敵行為者かお分かりいただけるでしょう。ぱぎやんは日帝植民地支配や在日への差別を批判するような歌を歌っているものの、実際の行動はその手の日本人に媚を売って同胞を裏切るような事しかしていません。
辛淑玉と同じで、植民地支配や差別問題などから目を逸らしたい左派日本人にはウケが良いのかもしれませんが、他の在日同胞にとっては迷惑千万です。そんな人間を佐高は誉めそやしているのですから、この男は人を見る目がない上に朝鮮半島問題を根本的に分かってません。分かってない事をしたり顔で語らないでほしいものです。
そういえばこの号では一水会の鈴木邦夫を持ち出して在特会を批判させてましたね。しかも鈴木邦夫に言わせれば自分達右翼は「朝鮮人は出て行け」なんて言った事はない、などと言っていかに自分と在特会は違うかという弁明を並べ立てていました。嘘を言ってはいけません。北朝鮮と日本の間で外交問題が発生する度に、黒塗りの街宣車が「朝鮮人は日本から出て行け」と爆音を鳴らして走り回るのを筆者は何回も見た事があります。それも90年代以前から、在特会がまだこの世に存在しなかった頃からですよ。仮に一水会自身はそうでなかったとしても、「朝鮮人は日本から出て行け」なんてどこの右翼もデモの度にがなり立てているのは常識でしょうに。旧来の右翼も新興勢力の在特会も、在日の立場からすれば違いなどありませんし、見分けもつきません。
北朝鮮がいかに信用ならない危険な国であるかという事を煽り立てて、一方では日本人に媚びる在日の裏切り者を模範的朝鮮人のごとく扱う。かつて日本の朝鮮侵略前夜に福沢諭吉らが「朝鮮は未開の野蛮国」だと言って侵略を正当化するアジテーションをしたのと何の違いもありません。やっぱり金曜日は朝鮮半島問題から撤退した方が良いというよりは、もう廃刊した方が良いですね。
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