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北朝鮮の国民が困窮してるのを一番喜んでるのは石丸次郎自身ではないのか その02

大体、2002年の「北朝鮮報道のあり方」を考える記者会見(以下「あり方会見」と略。リンク先は呼びかけ人の一人である坂本衛のサイトで、そこに詳しい当日の概要あり)にしても、そこで言われた事を良く読んでみるとひどいものです。この時の内容を詳しく検証した文章などを筆者は今まで読んだ事がありません(発表から8年にもなるのに何で誰も言及しない?)が、今改めて読んでみると見過ごせない重要なポイント、つまり石丸次郎の本音というか本性である、当人はとりたてて在日朝鮮人の人権や朝鮮半島の平和・統一の事など大して気にもしていない、という事が良く分かります。そして何よりも石丸次郎にとって、朝鮮半島情勢の緊張に伴って日本が米軍の手先としての軍拡化を一層強める事(普天間をはじめとする沖縄の米軍基地問題、自衛隊海外派兵、国連安保理常任理事国入りなど)への危険性など「アウトオブ眼中」でしかないでしょう。石丸自身が「北朝鮮危機」を必死に煽り立てて日本を危険な方向へ誘導する役割を果たしている一員なのですから、むしろ日本の軍拡化は望む所のはずです。
 
この時の会見は「北朝鮮政権による拉致犯罪を糾弾し、真相究明を求め、在日への嫌がらせ・暴力・脅迫行為に抗議する」と称した在日朝鮮人著名人による会見とセットで行われました。こちらの会見内容もかなりひどく、具体的批判をすると長くなるので後日別項にて述べたいと思いますが、簡単に言えば「悪いのは北朝鮮だから「在日」には嫌がらせをしないで下さい、と平身低頭、日本社会に媚びへつらってお慈悲を願う」というチキンそのものでした。かつての日帝植民地支配に対する責任や、その後の日本社会もまた在日朝鮮人を差別してきた重い歴史にはほとんど触れずじまいです(これらこそが拉致事件が起こる事になる最も重大な歴史的背景であるにも関わらず)。在日への差別や暴力を止める為の具体的な行動を何もしようとしない(それどころかそれを助長させていた)日本政府に対する批判は全くなく、ただひたすら「悪いのは北朝鮮」という事を訴えていました。これなら確かに右から左まで日本人は「安心」してこの会見を受容出来た事でしょう。日本人にとって最も耳に痛い事を全然言わなかったのですから。

さて、そんな在日側の会見とセットで行われた「北朝鮮報道のあり方」を考える記者会見ですが、出席者は以下のような顔触れでした。
 
石高健次(朝日放送報道情報局プロデューサー 参加者)
石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス 呼びかけ人)
魚住昭(ジャーナリスト 呼びかけ人)
太田昌国(ラテンアメリカ研究家 参加者)
小田桐誠(ジャーナリスト 呼びかけ人)
蟹瀬誠一(ジャーナリスト 呼びかけ人)
坂本衛(ジャーナリスト/「GALAC」編集長 呼びかけ人)
下村健一(市民メディア・トレーナー 呼びかけ人)
神保哲生(ジャーナリスト/ビデオニュース 呼びかけ人)
野村進(ノンフィクションライター 呼びかけ人)
森達也(ドキュメンタリー映画監督 呼びかけ人)
 
この顔ぶれを見た時点で気付く人は気付くでしょう。「駄目だ、こりゃ」と。特に真っ先に問題になるのが一番上に名前のある石高健次という男ですが、これはある意味で石丸次郎以上に凶悪な履歴の持ち主です。現在は朝日放送東京支局報道部のプロデューサーだそうですが、その筋、つまり「拉致問題業界」ではその名を広く轟かせている「大物」です。今でもこの男が度々自慢しているように横田めぐみの拉致疑惑報道をかなり初期(一番最初であったかどうかまでは知りませんが)に手掛けたテレビマンでした。それがきっかけで拉致被害者家族会の設立メンバーにもなったという、その方面ではまさに金筋(キンスジ)入りの男です。ただしこの男も昔、80年代辺りまではこんなスタンスではありませんでした。81年には在日朝鮮人に対する差別を告発したという「ある手紙の問いかけ」でJCJ奨励賞も取ったほどです。しかしながら石高は後に現代コリア研究所の佐藤勝巳と関係が深くなって拉致問題に関わるようになり、スタンスが急激に反北朝鮮・在日朝鮮人排斥へと右旋回していきました。現在では日本における極右の巣窟とも言うべき家族会・救う会や日本再生フォーラムなどの集会に頻繁に出入りして講演をしている状態です。この「あり方会見」に出ている石高・石丸の「ダブル石」は事実上一体であったと見るべきでしょう。「北朝鮮報道のあり方を考える」などと言っておきながら、驚いた事に一番報道スタンスに問題のある人間が臆面もなく堂々と二人も出ていた訳です。
他の出席者について言えば、魚住昭のように後に佐藤優現象にイカれる人間や、大田昌国のように最近では日本財団との関係を深めているタチの悪い転向者が散見されますが、それでも石高&石丸のような分からず屋の「最過激派」に比べれば、やや「在日問題に理解のある穏健派」(?)の左派・リベラル系ジャーナリストで構成されていたと言えるでしょう。が、しかし…。
(この項続く)
 
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