日本人の全共闘世代というのは、若い頃は世界でも珍しいほど過激な学生運動を展開しておきながら、卒業後はあっさりと考えを変えて日本資本主義カイシャ社会に取り込まれたり、それまでとは180度逆の右翼反動的な考えに転向する例が珍しくありませんでした。その為に「全共闘世代」といえば社会に害悪を垂れ流す駄目な世代の代名詞のように言われる事が多くあります。評論家の西部邁やそのお友達である週刊金曜日社長の佐高信、共産党転向者の宮崎学と有田芳生、あるいは「美味しんぼ」(画・花咲アキラ)で有名な漫画原作者・雁屋哲などはその典型的な一例でしょう。
雁屋哲に関して言うならば、過去の漫画原作作品に左翼革命的な内容のものが多く、日本の戦争犯罪をレポートした「日本人の誇り」(1995年 今では信じられませんが何と飛鳥新社からの出版です! 現在の同社はネット右翼を主な客層にしているとしか思えない右翼本ばかりを出しているのですが)などの著書もある事から「反日漫画原作者」としてネット右翼から叩かれる事が多いようです。が、雁屋哲という漫画原作者が右翼から「反日」と呼ばれるほどの、つまり左翼からしてみれば本当に賞賛に値する業績を残したのは80年代後半、贔屓目に見ても90年代中盤くらいまでが限度でしょう。漫画で言えば「美味しんぼ」の初期辺りまでという事になります。それ以降の氏の作品や思想はかなりお話になりません。
が、雁屋については、これはこれで批判をしようと思うと1章を要する長さになるので、後日項を改めて徹底批判したいと思います。今回批判しておきたいのは別の人物です。
さて、かようなまでに日本人の全共闘世代は駄目だと言われるのですが、在日朝鮮人社会にも似たような害悪を同胞社会へ垂れ流す者達が、似たような世代に一定数存在します。大体1940年代に生まれた在日2世で、若い頃に総連の組織に入って在日朝鮮人運動を熱心にやった人達は少なくありません。かつて総連が在日朝鮮人の権利獲得の為に輝かしい業績をいくつも打ち立てましたが、彼らはそれを下支えした人達です。しかしながら後に総連組織の腐敗や北朝鮮本国への従属化が激しくなって、自発的・多発的に組織を離れた人もまた多くいました。こうした人達の無念さというのは理解出来なくもないのですが、その中からは総連組織や北朝鮮本国への個人的な恨みさえ晴らせれば、他の在日同胞とその社会に迷惑をかけようが知った事じゃないという悪質な人間も出て来る事になります。
彼らは日本人の腐った全共闘世代転向者に相当する、在日2世の悪質な総連転向者というべきでしょう。この手の連中がしばしば在日・北朝鮮問題のコメンテーターとしてマスコミに出て来る事がよくありますが、彼らの言ってる事は何一つとしてまともなものがなく、的中した事もなければ、在日同胞に益をもたらす事などもありません。むしろ他の同胞達にとっては迷惑そのものです。はっきり言えば右翼的な日本人が喜びそうな事をくっちゃべって彼らはメシを食っている訳で、実に気楽なものです。何しろ金正日の悪口を言うだけで食っていけるのですから、何とボロいシノギなのでしょう。彼らは北朝鮮や総連の悪口を言う事で、倭奴(ウェノム)どもが放ってくれた投げ銭を拾ってメシを食う。その結果日本人とその社会の在日朝鮮人に対する差別や偏見がますます助長され、多くの同胞が困る事になります。そんないわば「ネオ親日派」とも言うべき最低の浅ましい連中に対して、在日朝鮮人の側から批判・筆誅を加えておかねばなりません。
以前ちょっと書きましたが、金賛汀と朴斗鎮という在日2世でその手の悪質な総連転向者がいます。金賛汀は最近になって日本人の右翼が喜びそうな内容の総連・北朝鮮批判本を連発し、朴斗鎮は朝鮮高校の無償化除外問題であたかも川人博のような屁理屈を並べて事実上無償化除外の肩を持つような発言をしました。いずれも自分の総連・北朝鮮に対する個人的な憂さ晴らしと金儲け、売名行為しか頭にない許し難い行動ですが、この金・朴にコリア・レポート代表の辺真一を加えた3人を筆者は「在日2世の総連転向者3馬鹿トリオ」と呼んでいます(世代は違いますが、これにRENKの李英和を加えると「自分の売名しか頭にないネオ親日派4馬鹿カルテット」になります。さらに鄭大均を加えれば「救いがないネオ親日派5馬鹿クインテット」に)。
この辺真一という男は朝鮮新報の記者出身で、組織を離れてフリーになった後に「コリア・レポート」を始める訳です。が、この男のソンジル(性質 朝鮮語では人間の性格や本性という意味でもよく使われる。忍者ブログはハングル非対応なので、以下朝鮮語はやむを得ずカタカナで表記します)を簡潔に言うとハッタリ野郎の一言が最も相応しいでしょう。ハッタリ野郎とかホラ吹きの事を朝鮮語では「ホプンジェンイ」と言いますが、辺真一はまさに「ホプンジェンイ」そのものの人間です。しかも媒体によって言う事がコロコロ変わる。
分かり易い最近の例を挙げると、大韓航空機爆破事件の実行犯とされる金賢姫が日本に招かれた時に氏が書いた記事があります。これによると日本政府がああまで金賢姫を厚遇して招請するのはおかしいと言い、挙句の果てには「今回の日本の対応を、テロと戦っている国々、国際社会はどう受け止めるのだろうか」と、まるでアメリカの愛国者のような殊勝な言葉で締めくくっていました。
この記事を読む限りでは、辺真一は金賢姫の日本訪問を良く思っていない、評価していないと読めるでしょう。ところが…。別の所のコメントで氏はこんな事を言っていました。
「コリア・レポート編集長の辺真一氏は「安否不明者に関する新情報が期待できる。ただ、今後の日朝協議で北朝鮮側が猛反発し、拉致問題の交渉が遠のく可能性もある。まさに『諸刃の剣』だ」と話している」
あのー、言ってる事が矛盾してませんか? 金賢姫訪日を「法治国家としては解せない話だ」とまで言っておきながら、片方では「新情報が期待できる」って…。どっちなんだよ?
記事の日付を見てみると、「意義あり」としている前者の記事は7月22日付けで、「新情報が期待できる」という後者の記事は7月21日となっているので、多分翌日になって肝心の「新情報が期待でき」ない事が明白になり、あわてて「厚遇に意義あり」とスタンスを変えたのが真相ではないでしょうか。だったら、「新情報が期待できる」とした前言をちゃんと訂正・謝罪した上でそういう事を言うべきでしょう。それがジャーナリストの責任ってもんじゃありませんかね? ところが辺真一はその後「成果があったのかどうか、その成果がどういう形で現れるのか、ここしばらくは注視したい」
とまるで他人事のようです。「新情報が期待できる」つまり何らかの「成果」があるって予想を公にしゃべってたのはあんたでしょ? 「ここしばらくは注視したい」なんて他人事みたいな顔せずに当事者意識持って積極的にそれを検証しなきゃいけない立場じゃないんですか、あなたは? はっきりと「新情報が期待できる」って公言した以上、責任を取らなきゃ駄目でしょ? しかしその後、辺真一は相変わらず他人事みたいな顔して「機会があれば、韓国に行って、インタビューを申請し、直接聞いてみようと思う。インタビュー料をどれぐらい要求されるのかも、興味がある」などと言ってすっとぼけてるのですから呑気なもんです。
インタビュー料が心配? そんなゼニカネに心配しなきゃいけないような御身分じゃないでしょうに。日頃から海上保安庁のアドバイザーになったり参議院の朝鮮問題委員会に参考人として出入しているほどの御身分なんだから、海保や参議院から出してもらえばいいじゃないですか(笑)。海保や日本の政治家相手に食い込んで北朝鮮や総連の悪口を言いまくってきた日頃の「成果」を今こそ発揮して、金賢姫インタビューの経費を出してもらうべきでしょう。その場合、どっちにしても金賢姫へのギャラは日本の税金で支払われる事になる訳ですが。
辺真一という男の「ホプンジェンイ」ぶりは金賢姫訪日の一件で嫌になるくらいお分かりいただけたと思いますが、この男にはもっと重要な問題点、言うならば犯罪的ともいうべきとんでもない事を言っている事を指摘しておかねばなりません。それは他ならぬ沖縄の普天間基地問題です。
辺真一という男は米軍、それも韓国や沖縄に駐留しているそれを決して否定的には見ていません。それどころか
「琉球新報とのインタビューでは、日米安保と沖縄駐留米軍を韓国がどう見ているのかを中心に聞かれた。
韓国では、政府も国民も、沖縄駐留米軍だけでなく、在日米軍を朝鮮半島有事の際の「助っ人」とみなしており、従って、撤収とか、国外移転には反対していると。今、焦点となっている普天間飛行場がグアムなど国外に移設されれば、「韓国の安全に深刻な影響が出る」と不安に思っていると、韓国の見解を代弁した」
「尹教授が言うように韓国も沖縄基地問題では当事者ならば、沖縄県民だけにリスクとコストを負わさず、韓国もそれなりの負担を負うべきなのでは。グアムは遠すぎるので反対と言うなら、例えばの話だが、済州島に引き取ってもらうのも一つの手だ。何も沖縄が、韓国のためにいつまでも犠牲を払う必要はないのではないか」
「調べてみたら、グッドタイミングにも済州島では現在、海軍が基地を建設中だ。基地完成後は、独島(竹島)級揚陸艦と建設中の最新鋭潜水艦を集中配備するそうだ。どうやら機動艦隊用前進基地にする計画のようだ。ならば、もってこいではないか」
とまで言っており、回りくどい言い方をしてはいるものの、要するにゴリゴリの韓米日軍事同盟論者であるという事です。韓国の政府や国民の「見解を代弁した」そうですが、いつからこの男は韓国の「国民」を代表して代弁出来るほど偉くなったのでしょうか。米軍基地に反対したり北との和解を求める人達は、どうやら辺真一博士の高度な理論によると韓国の国民ではないようです。後に彼はこの事について「私個人の意見ではない」と逃げを打っていますが、だったらそれが本当に韓国での国民大多数の意見なのかどうか証拠を示すべきです。世論調査でもしたのですか? 証拠が示せなければ自分の意見の勝手な押し付けと判断せざるを得ません。
いずれにせよ、この男の見解は「米軍基地を撤去させて沖縄や韓国の現地に安全な暮らしを取り戻し、朝鮮半島に平和・統一・民族和解をもたらす」という平和主義・民族自決の理想とは180度違います。しかも普天間基地の移転先を済州島にしろとまで言っているのですから。確かに済州島では新しく海軍基地建設の動きがありますが(下記リンク先参照)、それは辺野古同様どれだけ深刻な自然破壊をもたらす事でしょうか。そればかりではありません。韓国軍は今だ米軍の指揮下にあり、韓国軍基地イコール米軍基地であるという事は常識でしょう。韓国で光州事件があった時、韓国軍は米軍の指揮の下で一緒になって市民を虐殺したという事実は、朝鮮・韓国人であれば決して忘れてはならない重要な歴史です。もっとも辺真一のようにアメリカと日本に魂を売り飛ばしたケェセッキ(朝鮮語で犬野郎の意)は、そんな事とうの昔に忘れているでしょうが。つまり済州島に基地が出来ればそれはすなわち、事実上米軍の基地が新たにまた一つ増えたという事に他なりません。普天間基地を移転させるまでもないという事です。
そして済州島現地では基地建設に反対して地元の村長がハンガーストライキをするなど反対運動が起こっている事を、辺真一は全く知らないのでしょう。あるいは知ってても無視するか。それとも済州島で基地建設に反対している人達に対して「沖縄が、韓国のためにいつまでも犠牲を払う必要はない」から無駄な抵抗は止めろ、米国と日本との同盟の為におまえら喜んで人柱になれ、とでも教え諭すつもりなのでしょうか。
これほどまでに米軍基地の犠牲になってきた人々を愚弄するものはありません。沖縄と韓国の人々の事を考えれば普天間基地など撤去・閉鎖以外にありませんし、済州島の基地も建設させない事が最善です。ところが辺真一はそうした事は一切眼中になく、「リスクを負え」。沖縄や済州島の人達はアメリカの戦争や軍事行動の為に生きているのではありません。ましてや辺真一の下らない「リスクを負え」などという説教に従って生きる義務はなおの事ありません。
そして新しい記事によると、辺真一は自分の「普天間基地済州島移転案」が李明博大統領の腹案と一致してたらしいという事でみっともないくらい浮かれて大はしゃぎです。
辺真一という男はどこまで米軍基地に苦しめられてきた人々を愚弄すれば気が済むのか。どこまで底なしの恥知らずなのか。普天間基地問題でひどい事を言う人間は数多くいますが、辺真一ほど犯罪的な人間は珍しいでしょう。「沖縄県民にコストを負わせない」という一見沖縄の事を考えているかのような事を言った矢先に、「済州島へ移転させろ。韓国もリスクを負え」と言って在韓米軍を増強させて朝鮮半島の軍事的緊張を高める危険な方向へと誘導しようとする。そもそも沖縄の海兵隊が「抑止力」になると考えている時点でアホとしか言いようがありませんし、根本的に間違った状況認識で間違った案を提示しているのですからどうしようもありません。しかしその結果は明らかでしょう。辺真一が普天間基地問題をダシにして済州島の海軍基地建設を事実上推し進めれば、「祖国」であるはずの朝鮮半島の軍事的緊張は高まる一方です。それによって得する者は誰なのか? 少なくとも本国や日本に住む朝鮮・韓国人の一般大衆でない事だけは確かでしょう。それを考えれば辺真一が自分の個人的な売名や金儲け以外に、何(誰)の為にあのような事をしゃべりまくっているか想像がつくのではないでしょうか。
そしてこれは辛淑玉や梁石日らの場合とも通底する事ですが、「在日朝鮮人がこういう事を言っている」という事自体がある種の日本人(右派やタカ派のみならず一部の左派的な日本人も含めて)達に悪用され易いという事です。辺真一の場合、「韓国では米軍を安全保障の為に重要視しており、済州島では新しく基地が出来るからそこに普天間の部隊を移転したら良い」というセリフが在日朝鮮人の口から、それも沖縄の新聞に載ること自体が極めて重大な問題を孕んでいる、平たく言えば犯罪的だという事です。沖縄でも韓国でも米軍基地を閉鎖撤去させるという事に対して、これほど冷水を浴びせるような真似はないでしょう。そこらの一見してすぐにそれと分かる従米タカ派日本人ではなく、在日朝鮮人の口からそれが出る事で、普天間基地が完全に撤去・廃止されない理由を正当化されたり、問題の重要性を軽視させられる危険がはるかに高くなる。特に辺真一は今回の普天間問題のような重要な件では朝鮮半島の軍事的緊張を高める極めて犯罪的な事を言う一方で、哨戒艦事件などの小さな小競り合いでは「困ったものだ」などと言う一見距離を置いた言い方をするので、騙され易い読者も多いのではないでしょうか。そういう点ではこの男の手口は佐藤優とも非常に近い。そっくりでしょう。あるいは辺真一の手口を後から佐藤が真似たという事もひょっとしたらあるかもしれません。
未だに一部では辺真一の事を「朝鮮半島問題について冷静な優れた分析が出来るエキスパート」と思い込んでいる日本人報道関係者も多いようですから(噂の真相でさえそのように評した事があった)。しかしながらこの男の正体は在日はもちろん本国の同胞の事さえ一顧だにしない、私利私欲ばかり考える亡者にして、単なる民族の裏切り者でしかありません。
独島の件でもこの男は「「竹島」をめぐる領土問題は、双方とも古文書や地図を引っ張りだして「我が国固有の領土」と主張しているので話し合いによる外交的解決はまず無理だ」と述べるに留まり、日本が朝鮮半島侵略の手始めに独島を無理矢理編入した事や、解放後に李承晩政権が独島を奪い返したのは植民地支配下で奪われた財産を奪回したに過ぎないと言う歴史的事実を故意に無視して語っています。李承晩はどうしようもない独裁者でしたが、独島を取り返したこと自体は正当な行動でした。エジプトのナセルがスエズ運河を国有化したのと同じです。そういう歴史の持つ深い意味を決して語らない、これもまた辺真一の詐術の一つと言って良いでしょう。下記のリンク先記事はこれ以外にも突っ込み所が満載なので、誰か手の空いてる方に批判ネタはお任せします(笑)。
とにかく辺真一という男の言説、前述した「3馬鹿トリオ」の中でも犯罪度では際立って群を抜いていると言えるでしょう。このような男が在日の北朝鮮専門家としてマスコミに登場しているばかりか、本人が天狗になって自慢しているように海上保安庁や参議院の調査会にまで食い込んでいる所から、現実の政治に対する悪影響でも3馬鹿の他の2人とは比較になりません。彼は北朝鮮問題が膠着している事についてあれこれ言う事がありますが、辺真一は実際に参議院の調査会や海上保安庁にまで影響を与えてきたのですから、現在の朝日外交のこじれは当然彼にも責任の一端があるはずです。なのに当事者意識がまるでありません。一方で媒体によって言う事をコロコロ変える無節操さと併せて、無責任極まりない。
在日同胞のみならず、日本人社会に対してもこの男の垂れ流す害悪は甚だしいものがあります。筆者としては「一刻も早く死んでくれ、クソ野郎」としか言いようがありません。
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