以前から予告していた古龍の日本未訳武侠小説をようやくお届け出来る事になりました。今回発行しますのは1974年に発表された七種武器シリーズの第1作「長生剣」です(左の画像が表紙になります)。
当初は「九月鷹飛」を出す予定でしたが、この作品は結構長編で手間取ってしまい、急遽比較的短めな「長生剣」を先に訳して今年の夏コミで出そうと思いました。が、こちらも予想外に手間取って結局コミケには間に合わなかったのです。夏コミに遅れる事3週間近くになってしまいましたが、この度ようやく「長生剣」の翻訳が完了しました。
オフセット版が出る前にコピー誌版を小部数2.3日中に先行販売しますので、頒布方法については続報をお待ち下さい。
七種武器シリーズというのは7種類の武器にまつわる独立した中編連作のシリーズとして書かれたものです。ただし実際に書かれたのは6作で、当初構想していた7作を全て書く事なく6本で完結させてしまいました。その辺のいい加減さが古龍らしいと言えばらしいのですが…。
このシリーズは連作と言っても各話は独立したお話なので、他の編を読んでいなくても一応支障はありません。いくつかの人物や組織名などが共通した「同じ作品世界で起こった別の事件」を描いたものなので、他の編を読んでいた方がより興味深く読めはしますが。
本シリーズ第1作となる「長生剣」のあらすじは…
ある日、江湖で強大な勢力を有する幇会「青龍会」はある貴重な品物を競売に掛けるべく、各地の勢力家達を拠点の一つに招いた。江湖でも名の知られた組織の長や富豪達が一同に会していざ競売が始まろうとした時、その品物は忽然と消え失せてしまっていた。その品物は厳重な警備と恐ろしい罠が張り巡らされた地下牢に保管されていたのになぜ? 青龍会とその競売参加者達はある人物が品物を盗んだ犯人ではないかと目星を付ける。品物の保管されていた地下牢に張り巡らされた13ヶ所の罠を突破出来る者はこの世に7人といない。だが、この男は間違いなくその7人の中に入るだろう。その男は江湖を流れ渡り歩く放浪児にして、酒と女と風流を愛し、江湖でも最も恐れられた人斬りの剣・長生剣の持ち主。人は彼を白玉京と呼んだ…。
こんな感じで始まる物語ですが、良くも悪くも典型的な古龍節の武侠小説です。盗まれたある貴重な品物をめぐって凄惨な暗闘が繰り広げられるのですが、果たしてその先に待つものは? そして事件の真相とは? この物語が最後に与える教訓とは? それはお読みになってのお楽しみ。御期待下さい。
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