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「金正恩と対話したるぞ」というドナルド・トランプの発言

ある意味でなかなか「ええアイデア」だと思う。それはどういう事かって? 日本と韓国からもっと米軍駐留費(思いやり予算、またはみかじめ料とも言う)を搾り取るのに有効な手だからに決まっているではないか! 

まず最初に弁えておかねばならないのは、ドナルド・トランプという人間の本質である。米大統領選挙戦に入って多くの人々が忘れかけているようだが、そもそもトランプという人間はアメリカでも名うての強欲経営者として知られた人物であった。その強欲商法で一財産作って政界にも進出し、今また大統領選挙にも挑むようになって、その様々な暴言から「狂人」などと呼ばれる事も少なくない。だがトランプという人間は果たして何かに「狂って」はいるが「愚鈍」ではなかった。この者を愚かだと考える人間がいるなら、その人間は間違いなく重大な過ちを犯す事になるであろう。アメリカ有数の強欲経営者としてのトランプの前歴と本性を考えれば、この者が何に「狂って」いるかは言うまでもあるまい。日本や韓国に対して「守って欲しかったら米軍の駐留費を全部負担せい。さもないと撤退したるぞ」というのは、まさに自分の会社でやってきた強欲商法をそのまま大統領になった際の政策へ当てはめたに過ぎない。自分のビジネスの成功体験を政治にも当てはめるというのは企業家出身の政治家がよくやる事で、世界中どこでも見られる。韓国でも李明博がそうであったし、もちろんこれらは大抵の場合において無残な失敗や大惨事をもたらす。トランプの諸発言を見ているとこの男が大統領になってやりたい事というのは、要するにアメリカを自分の強欲商法会社になぞらえて「業績」を上げる事。すなわちどれだけ稼ぐか儲けるかという部分に主眼が置かれている。アメリカ資本主義&新自由主義の最も特徴とする点は「収奪」であり、世界中のあらゆる国、特に奪い易い所から徹底的に絞り取る訳で、中でも日本と韓国のようにアメリカの要求をほぼ100%(か、時にはそれ以上に)何でも聞いてくれる属国に対してトランプが「みかじめ料値上げ」を言ってくるのは当たり前の話だ。そして日韓共にこれを拒否出来ない、それどころかトランプのズボンの裾にしがみついてでも「喜んで駐留費を値上げさせていただきますから、我々をお守り下さい」と哀願してくるのは目に見えている。が、万(億?)が一にも日本と韓国がそれを渋った場合のカードとして「金正恩との対話」が出て来るのである。日本と韓国が米軍駐留費値上げを渋った場合、多分トランプは朝鮮共和国に何らかの特使を派遣して対話の振りをするであろう。理由は何でも良い。朝鮮国内で反政府活動をして逮捕されたアメリカ人の釈放問題でも何でもいいだろう。そこで朝鮮との「平和協定」「制裁緩和」云々という話をほんのちょっとリークするだけだ。その途端日本と韓国は一大事、自分らを見捨てて北と手を結ぶのか、ニクソン訪中の悪夢再来か、となる。そうなれば日韓は「お金は望み通りいくらでも差し上げますから、米軍様は永遠に韓国と日本(特に沖縄)に御駐留下さい」と言って額を地面に打ち付けて土下座してくるに決まっている。日韓が米軍駐留費の値上げを飲めば、トランプは朝鮮との対話(の振り)を即座に中止する。元からトランプに朝鮮共和国と対話したり関係改善、果ては平和協定を結ぶつもりなどカケラもありはしないのだから。トランプの言う「金正恩との対話」というのは万が一にも日韓が自分の言う事を聞かなかった場合の保険的外交カードとしてちらつかせているだけであり、それが実現する可能性はゼロであろう。

次期政権においてもアメリカの対朝政策は「力による圧迫」か「戦略的忍耐という名の黙殺」以外にあり得ないのではないか。南や日本と同じでアメリカの首脳達も朝鮮共和国の事を「旧東欧やソ連と同じで、ほっとけばいずれ崩壊する」程度の認識しか持っていないからだ。それが転換するとしたら、朝鮮共和国の軍事力や経済力が無視出来ぬほど飛躍した時であり、それは十分に実現可能な事だがそれなりの時間を要する。

「トランプ旋風」の反応を見ていて最も滑稽なのは「トランプが当選したら日本(韓国)はアメリカから『独立』出来る。自主防衛や核武装も出来る」とはしゃいでいる人間達だろう。結論から言うならば、例えトランプとヒラリーのどちらが大統領になろうとも、アメリカは決して日本と韓国を手放す事はないし、これらの国の「自主防衛」や「核武装」も絶対に認めない。

人類の歴史上、自ら好き好んで植民地や保護国・属国を手放した帝国主義国家があるだろうか?
ない! 断じてない!

「トランプが大統領になったら日本は独立だッッッッ!」と喜んでいる人間(そのほとんどが頭の悪そうな右曲がり)達は自分の立場で考えてみたらいい。あんたらがもし旧日帝の指導者(でなくとも、それを支える皇国臣民)だったとして、台湾や朝鮮やパラオの独立を認めますか? 沖縄の独立を認めますか? 満州国を解体して中国に返しますか? 北海道をアイヌに返還しますか? これらは日帝の立場からすれば絶対にあり得ない事であり、それが帝国主義というものなのだ。旧日帝に例えるまでもない。今の日本(もアメリカの下位従属国とはいえ、当然帝国主義国家の範疇に入るが)がジプチの自衛隊基地を撤去するのか。そんな事は絶対しないし、「トランプ当選で日本独立」派の日本人で「だから日本も自衛隊をジプチから撤退させよう」などと主張する者は間違いなく0%であろう。ましてや日本と韓国はアメリカの要求を100%か時にはそれ以上に何でもハイハイと聞いてくれる(もちろんそれに伴う駆け引きがない訳ではないが)、ある意味植民地以上に便利で収奪し甲斐のある国である。それでなくとも「アメリカの国益」を表看板に掲げるトランプがこれらの国を今以上に絞ろうとする事はあっても、「独立」させる事などあり得ない。
日本で「トランプが大統領になったら日本は独立だッッッッ!」とはしゃいでいるメンツというのは古谷経衡だの高須院長だの島田洋一だの孫崎享だの、名前見ただけで頭痛がしてくるような奴らばかりだが、韓国でもやはり同じような事を言ってる奴らがいる。延世大学の文正仁がそうで、この男は韓国でも名うての出世亡者として知られるインチキ学者だ。以前は金大中や盧武鉉にくっついて進歩派のような振りをしておきながら、その後政権が変わるや朴槿恵政権の政府審議会(統一準備委員会)委員にちゃっかり潜り込むという無節操漢の権化みたいな学者だ。おまけに「帝国の慰安婦」の朴裕河の擁護者の中では一番の大物学者でもある。文正仁は「トランプ大統領、あるいは韓国にとって祝福かも」とまで言っている。いずれにせよ、日本でも韓国でも本当にロクでもない連中が口を揃えて「トランプが大統領になったら日本(韓国)は独立だッッッッ! 自主防衛だッッッッ!」とはしゃいでいる状況だ。何と愚かな連中である事か!
トランプが大統領になれば日本と韓国は独立出来るだって? おまえら帝国主義国家の臣民のくせに、帝国主義ってモンをまるで分かってねえぜ。そんな事を言っている者は、「沖縄の米軍を本土に引き取った後、その跡地へ自衛隊が入って来るなんてあり得ない」みたいな寝言を言っていた某活動家並みにお人好しの馬鹿であろう。

アメリカは日本と韓国を決して手放さない。これはトランプとヒラリーのどちらが大統領になろうとも同じ事である。そしてアメリカが米軍駐留費の更なる負担を求め、嫌なら出てくぞと脅してきた場合、日本と韓国はそれを究極的には拒否出来ないどころか、土下座してでもい続けて下さいと哀願するだろう。これは日本と韓国で政権が交代しても、すなわち日本で自民党から民進党中心とする野党に、韓国でセヌリ党から民主党か国民の党中心とする野党圏に政権交代したとしても違わない。日本の野党も韓国の野党もおしなべて親米派ばかりの巣窟であり、朝鮮共和国や中国と関係を良好にしてやっていこうとする気がカケラもなく、「北朝鮮と中国の脅威」からアメリカに守ってもらうしか頭が回らないからだ。

ついでに言うとトランプの「軍事不介入主義」とやらにも言っておかねばならない事がある。アフガン報復戦争やイラク戦争をおっぱじめたブッシュジュニアでさえ大統領就任前は「私はアメリカが世界の警察になる事を望まない」と言っていた。今のトランプが言っている「不介入主義」と全く同じである。そんなブッシュジュニアが当選して、とりわけ9.11後にどうなったかはすでに全人類が知る所ではないか。日本の自民党が選挙の時に「TPP反対、ブレない」などという最初から100%不渡り確定な公約を掲げるのと何も違わない。仮に今のトランプが本気で「無駄金ばかり掛かるから、軍事不介入主義がいい」と考えていたとしても、実際に一度執権して米軍の死者が多数発生したりテロでアメリカ人が死ぬ状況に接したら、途端にブッシュジュニアと同じで「これは戦争だーッ!」となるだろう。対するヒラリーはオバマ政権下でリビアのカダフィ政権打倒戦争に重要な役割を果たした事からも分かるように、元よりバリバリのタカ派だ。アフガニスタンやイラクで無人戦闘機による虐殺を続けるオバマ路線を継承するだろう。さらに言えばヒラリーの党内対抗馬だったサンダースも国内政策では「社会主義(的)」と言われているが、外交・軍事政策ではオバマの政策(対イスラム国の空爆や特殊部隊投入。実態はシリアの民生インフラ破壊とアサド政権転覆作戦)を支持していたタカ派(戦争賛成左翼?)である点は留意しておく必要がある。こうして見る限り、今回のアメリカ大統領選はどの候補を見ても「金持ち優先、タカ派、帝国主義と新自由主義の権化」同士が相争うという歴代選挙と何ら違う所がなく、いずれの候補が当選しようともそれに過度な意味付けや期待をする事自体が間違いであろう。どちらが当選しても大惨事というだけの話であり、「トランプ当選という最悪の事態を回避しよう」「トランプを応援して日本(韓国)をアメリカから独立させよう」といういずれも誤りなのである。

アメリカの財政がピンチである事を考えれば、仮にヒラリーが当選した場合に「駐日駐韓米軍の費用を日韓に全額負担さす。日韓が言う事聞かへんかったら、金正恩と対話する振りだけして揺さぶりかける。こらええアイデアやわ。うちもこれパクッたろ」となっても全く不思議ではない。

何かに「狂って」はいるが「愚鈍」ではない。

これはトランプだけではなく、ヒラリー・クリントンとて同じ事。
逆にトランプが当選したとして、ヒラリーの政策から都合のいいのをパクる事はあり得る事だ。トランプとヒラリーのいずれが当選しても大勢に変化はない。今回もまた「いつも通り」のアメリカ大統領選挙である。

今回の件は我々に一つの教訓を与えてくれる。それはアメリカの大統領が誰になるか、よりも自分の国の政治状況を少しでも何とかする努力の方が重要だという事だ!
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