韓国MBCのニュースから以下に翻訳抜粋する。
http://imnews.imbc.com/replay/2016/nwdesk/article/3981549_19842.html
オバマ広島行き、米日新蜜月時代誇示…周辺国「憂慮」
【レポート】
オバマ大統領は広島原爆投下現場を訪問する前に岩国米軍基地を訪問しました。
71年間歴代アメリカ大統領が一度も訪ねなかった広島行きが呼ぶ謝罪論争を念頭にしたものと見られます。
オバマ大統領は自国の兵士達に向かって今回の訪問の意味を過去の敵との和解と規定しました。
[アメリカ/オバマ大統領]
「過去の敵対国からパートナーになったのみならず友人、最高の同盟国になったのです」
核なき世界を前面に出してノーベル平和賞まで受賞したのに続き、和解を通じた過去史整理で退任前の政治的資産を積むという意味も込めました。
安倍総理としては戦犯国のイメージを脱いで、原爆被害国である事を浮上させる絶好の機会を作りました。
[日本/安倍総理]
「このような悲惨な経験を決して繰り返してはなりません」
対外的には国連安保理常任理事国進出に、国内的には7月の選挙で改憲議席確保に活用する公算が大きくなりました。
日本のマスコミ達は献花・追慕・被爆者名簿までよく組み立てられた和解外交と評価しました。
ですが、日本の過誤を希釈させて東北アジア三国の歴史対立がより複雑になり得るという憂慮も出ています。
今回の訪問と関連して中国政府は、日本が起こした戦争災難を忘れてはならないとし、加害者は永遠に自身の責任を回避出来ないと明らかにしました。
「和解」だそうな。今回のオバマの広島訪問の意味付けは。前にも書いた通り最初から分かり切った話なのだが、オバマはその事を隠しもせず堂々と開き直っている。ほんの数日前に沖縄で起こった米軍属によるレイプ殺人事件は一体どこへ行ってしまったのかという話だろう。まさにこれこそ「朴裕河的和解」そのもの! こんなのものをありがたがる連中は骨の髄まで臣民根性が染み付いている。この間の被団協関係者の態度を見てみるがいい。
広島県被団協・坪井直理事長
「よくぞ、ありがとうございました」
広島県被団協の箕牧智之(みまき・としゆき)事務局長
「私たち被爆者たちにとって夢のようです」
一方でこんな連中もオバマの訪問を大歓迎していた。
「目の前の頭のおかしい人たちにだまされないでください。オバマ大統領を歓迎しないなんて、日本人とは思えない」by 在特会
↑これは確か「はだしのゲン」のワンシーンだったと思うが、オバマ訪問反対デモを襲撃した在特会の姿と全く同じ。もちろんこの漫画の右翼どもこそ、8.15以前は一番熱心に「鬼畜米英」を叫んでいた奴らである事は言うまでもない。今の広島の惨状を中沢啓治が見たら、草葉の影で何を思うやら。
ここまで来ると被団協と在特会の区別がつかなくなってくる。この時の在特会側のデモには被爆者二世も参加していた(産経の記事によればだが)そうで、今後は被団協と在特会が「反核・平和・北朝鮮の核
だけは許さない」のシングルイシューで一緒にデモやっても全く不思議はない。というより、かなり現実味が高いのではないか。核は核でも、反核(発電)のほうでは5年も前(3.11以降)に起こっていた現象が、反核(兵器)の方にも遅ればせながら本格的に汚染が広がってきたという事だ。オバマ広島訪問は「日本反核運動の右翼汚染・総臣民化現象」の総仕上げという点でも実に「歴史的」であった!
昔から日本の内乱内戦では天皇すなわち「玉」を取り込んだ側が大義名分を得る。今回の場合、オバマがまさに「玉」としての機能を果たした訳だ。在特会の「オバマ大統領を歓迎しないなんて、日本人とは思えない」という抑圧的な「非国民」の論理、あるいは被団協の「ありがとうございました」「被爆者たちにとって夢のよう」というお慈悲を超卑屈に哀願する模範的臣民像にこれがよく表れていよう。近代天皇制を支える車の両輪が「暴力」と「陛下のお慈悲」である事がよく分かる。この国には一木一草どころか反核運動にまで天皇制がある。オバマ広島訪問で見えた光景、あまりにも天皇制ジャパンらしい。こんな低脳な国、アメリカにとってはどれだけ御しやすい事か!
これも「和解」思想の賜物です! 朴裕河教授と和田春樹先生、ありがとう! オバマ大統領閣下(と安倍総理)もさぞかし御満悦であられる事でしょう! 「臣民裕河と臣民春樹よ、ほめてつかわす」
…冗談はともかく、それでも
オバマの広島訪問に反対する骨のある人々が少しでもいた事は救いであろう。筆者はこのオバマ訪問反対デモを報じた記事を
新華社通信(その他中国メディア)の朝鮮語版と産経新聞(笑)でしか見る事が出来ず、他の日韓メディアはことごとく全滅だったのも実に印象的であった。
一方で(一部在日も含む)韓国の被爆者達はあまりに卑屈過ぎるのではないか。
http://japan.hani.co.kr/arti/international/24259.html
オバマ大統領を待ち続けた韓国人被爆者…「非常に残念」
登録 : 2016.05.28 00:50 修正 : 2016.05.28 07:16
「すぐ隣なのになぜ立ち寄らないのか
韓国人被爆者に言及したのは不幸中の幸い」
「皆さんは、韓国人被爆者の存在が言及されて不幸中の幸いとしながらも、すぐ横に韓国人慰霊碑があったのに、なぜ足を運ばなないのか残念がっていた」
「今日のオバマ大統領の訪問式典に韓国被爆者は一人も入れなかった。今朝、あまりにも悔しいので広島市長に電話して、韓国の被爆者が来ているのに、なぜ入れてくれないのかと抗議した」
オバマにここまで媚びへつらった惨めな姿は、今回被団協が見せた反動的な振る舞いよりももっと無様で哀れである。
「韓国人被爆者に言及したのは不幸中の幸い」というのは今回のオバマ広島訪問に対する韓国政府(外交部)の公式表明と同じ立場である。従軍慰安婦被害者をあのように切り捨てて謝罪も賠償もせずうやむやに日本と「和解」を強行した韓国政府は、原爆被害者に対して一切責任を取らない不誠実極まりないオバマの言行に対しても「不幸中の幸い」などと超過大評価のごまかしをした訳だが、当の被爆者達がそれと同じ認識とはどういう事なのか。オバマは韓国人被爆者がいたという事をちょっと言及しただけであり、謝罪も補償もしない事は最初から明言していたではないか。それの何が幸いなものか! 日米軍事同盟のさらなる強化を世界に見せ付ける為のセレモニーが今回の目的である。アメリカにとっては属国である日本のさらに下の属国に過ぎない韓国とその原爆被害者など虫ケラ以下の存在でしかなく、そんな慰霊碑にどうして「世界一の超大国アメリカの国家元首」がわざわざ行かねばならない? そんな事はあり得ないし、何かを期待する事自体が大いなる過ちにして、卑屈な事大主義に過ぎないという事だ。弱小国・弱小民族が国連や大国の権威にすがって何か成果を得ようという発想がそもそもの間違いという事にいい加減気付かねばならない。日帝時代の独立運動の中でも「外交論」(世界の世論と同情に訴える事で独立を得ようという妥協的な運動。李承晩はその代表的な一人)がさしたる成果を上げなかったばかりか、むしろ害の方が多かったという歴史を思い出す必要がある。今回わざわざ広島へ行って卑屈にも「オバマはなぜ韓国人慰霊碑に来てくれないんだ」「自分らを何で式典会場に入れてくれないんだ」と嘆いている連中は、まさにかつての「外交独立論」とそっくりな過ちを犯しているではないか。
韓国人にとって今回のオバマ広島訪問とは、先の日韓慰安婦「合意」と全く同じ性質のものであった。被害者への謝罪も賠償もせず、法的責任もとらず切捨て、「和解」の名の下に「不可逆的」な「解決」とし、今後一切の文句や抗議は受け付けない。そればかりかこれで過去は全て水に流したのだから、今後は今以上に遠慮なく軍事同盟と核の支配をますます強化させてもらう、と。日米両政府は朝鮮人被爆者全てに対して「オバマが広島に行ったんだからそれでおしまいだ」の一点張りで、ますます強硬な態度をとるようになるだろう。被爆者の救済や補償といった観点からもむしろマイナスしかない。従軍慰安婦の時と同じで、日本とアメリカが共謀して被爆者を「和解」の名の下に切り捨てて踏みにじったのである。
守株待兎の言葉よろしく、韓国人被爆者達は慰霊碑の前でぼーっと突っ立ってオバマが来てくれるのを待ったり、くだらない式典に自分らも入れてくれと哀願するのではなく、はっきりと「オバマは帰れ」「俺達は『和解』しない。日本とアメリカの『和解』も許さない」「この式典は茶番劇だ」と叫んで広島の町をデモすべきであった。今も抵抗を続ける従軍慰安婦被害者達や、朴槿恵の全泰壱銅像への献花を阻止した労働者達のような事を、どうして韓国(日本もだが)の被爆者達は出来ないのか。
被爆者達よ同胞達よ
民族的覚醒と国際的感覚を備えてくれ。
피폭자들아 동포들아
민족적 각성과 국제적 감각을 갖추어 달라.
備えねばならないのは「朴裕河精神」なのか、それとも「全泰壱精神」なのか。答は歴然としているのではないか。
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