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ハンギョレのカラクリ その1

6月22日、韓国と日本で双方の首脳がそれぞれの大使館で国交正常化記念式典に「クロス出席」した事で、憂慮していた通りいよいよ日韓共犯・癒着関係の総決算である2013年体制の中で、日米新ガイドライン体制の下部構造に韓国が従属するという形での「新・韓米日軍事同盟体制」が始まろうとしている。
韓国のマスコミでこれの最も熱心な旗振り役を務めてきた代表例が他ならぬハンギョレ新聞であった。この間の同紙報道を見ていると、この新聞がいかに「韓日関係正常化」「韓日友好」「未来志向」「韓日首脳会談実現」「韓国と日本は民主化と産業発展を同時に成し遂げた東アジアでただ二つの国」という気持ち悪いおためごかしを連発してきたか知れたものではない。直近で最も分かり易い例が以下の社説だろう。

http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/21104.html
[社説]韓日の将来は「金大中・小渕」宣言が鍵だ
登録 : 2015.06.23 06:43 修正 : 2015.06.23 07:52

韓国語原文記事
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/696985.html?_fr=mt0

この社説には全く唖然とさせられる。それだけ凄絶な言葉がてんこ盛りだ。

「両国大使館主催の記念式典に朴槿恵(パククネ)大統領と安倍晋三首相が相互訪問して、ユン・ビョンセ外交長官が初めて日本を訪問して息が詰まった状態に風を吹き込んだことは幸いである。特に前日の外交長官会談で最近対立している要素の日本の近代化産業施設のユネスコ世界遺産登載問題について妥結したことは好ましい兆候と言えよう。今後このような高官次元の接触と動きが、詰まり切った両国関係を打開する転機になることを期待する。」

「しかし結果的に韓日修交は両国ともに大きな利益をもたらしてきた。韓国は日本が提供した経済協力資金をうまく活用して産業インフラを構築するなど産業化の基盤を整えた。その後の急速な経済発展においても日本の技術、資本、経営ノウハウ、貿易など様々な方面で大きな助けを受けた。日本もまた韓国との貿易で莫大な黒字をおさめた。このように両国は迂余曲折を経て民主化と産業発展を同時に成し遂げた東アジアの“双子国家”として成長した。」

「1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が採択した「韓日共同宣言―21世紀に向かった新しい韓日パートナーシップ」は示唆する点が大きい。」

「これを基に未来指向的な関係を構築」

「二カ国の首脳は小さいことに一喜一憂せずに「金大中・小渕共同宣言」を継承発展させることで今後50年の未来に対する答えを探すことを望む。」


結局はまたしても「未来志向」かよ! しかも「金大中・小渕宣言」とか馬鹿じゃねーのとしか言いようがない。ハンギョレが主張しているのは、率直に言って1965年以来の日韓協定体制の全面肯定そのものと言って良い。「韓日修交は両国ともに大きな利益をもたらしてきた」「(そのおかげで)両国は迂余曲折を経て民主化と産業発展を同時に成し遂げた」という言葉に全てが要約されている。

・ハンギョレ的歴史観による模範的一問一答集
問:日韓協定を結んだの誰? 
答:当然朴正熙政権だ。
問:日韓協定で日本と韓国はどうなった?
答:そのおかげで韓国も日本も大きな経済発展をした。同時に民主化も成し遂げた。
問:という事は、韓国の経済発展と民主化の最大の功労者は?
答:もちろん、日韓協定という「国家百年の大計」を結ばれた、天が韓半島に下された半神半人にして偉大なる民族英雄、朴正熙大統領閣下でありますッッッッ!

…冗談などではなく、ハンギョレの記事を読んでるとこういう結論にしかならない。日韓協定のおかげで韓国も日本も「経済発展と民主化」が成し遂げられた、しかも東アジアで「経済発展と民主化」を同時に成し遂げられたのは「韓国と日本ただ二つだけ」などと、夜郎自大・自画自賛・我田引水・自己陶酔の極みとしか言いようのない事を平然と言っている訳だから。韓国の進歩派勢力というのは少し前まで1987年民主化宣言以降の民主化を極度に美化する「韓国民主主義神話」という頭の痛い幻想にとらわれていたのだが、それが「韓日修交50年」の今、さらに悪化して時代を遡る「日韓協定神話」にまで行き着いてしまった。韓国の進歩勢力が日韓協定を「民主化と経済発展をもたらした」とまで言うようになるとは…。ちなみに「韓国に経済発展と民主化をもたらした最大の功労者は朴正熙」という歴史歪曲は韓国のニューライト勢力(日本の植民地支配は正しかったと主張する韓国の極右勢力)が奉じる歴史観そのものであり、今やハンギョレはニューライトと全く同じ歴史観を共有するまでになったという事だ。かつて「軍事独裁政権に抵抗してきた気骨のあるジャーナリスト達(当然この人達は朴正熙や全斗煥の時代にさんざんブタ箱に入れられて酷い拷問もされた)が結集して作った新聞」だったはずのハンギョレがとうとうここまで堕ちた。21世紀に光復70年を迎えて、韓国の民主主義を牽引してきたはずの進歩派メディアの雄はニューライトと同等のレベルにまで退化したのだ。「停滞」ではない。それよりもっと酷い「退化」である。
そのうちハンギョレはじめとする韓国の進歩派は「日本の植民地支配こそ韓国の民主化と経済発展の根源」とか言い出すに違いない。と言うか、これもまたニューライトの主張そのものだ! 
歴史観でニューライトと進歩派の垣根が全くなくなる。それも過去の独裁政権と日帝を美化する歴史修正主義という最悪の方向で! これが韓国を待ち受ける無残な未来像だろう。このまま行けば間違いなくそうなる。つまり「韓国版・光る風(by山上たつひこ)」が待ち受けているという事だ。いや、「日韓合同版・光る風」の方が正しいかもしれない。
最近日本のリベラル・左派界隈でやたらと「戦後70年間守られてきた日本の平和・自由・民主主義」とかいう「戦後日本・平和国家神話」がやたらと喧伝されて、戦後日本を超美化するのが流行っているのと全く同じ、と言うか、これらは明らかに日韓で軌を一にした現象だろう。日韓何もかもそっくりだ。

日韓協定が韓国に経済発展と民主化をもたらしただって? ではここで、これを結ぶ過程で出て来た日本側代表者達の諸発言をもう一度御覧いただきましょう。

・久保田貫一郎(1953年第3次日韓会談日本側首席代表)
1953年10月15日の「久保田妄言」
日本は戦争中、東南アジア諸国で掠奪や破壊をしその賠償をしようとしているが、韓国で掠奪や破壊をした事実がないので賠償することはない、万一あるなら賠償する」
「私有財産の尊重という原則に基いた対韓請求権は放棄していない
「もし韓国併合36年間の賠償要求を出していれば、日本としては、総督政治のよかった面、例えば禿山が緑の山に変つた、鉄道の敷設、港湾の建設、米田が非常に殖えたことなどをあげて韓国側の要求と相殺したであろう」
「カイロ宣言は、戦争中の興奮状態において連合国が書いたものであるから、現在は、今連合国が書いたとしたならば、あんな文句は使わなかつたであろう」
韓国の独立はサンフランシスコ条約の効力発生時点だから、それ以前の独立は、たとえ連合国が認めていても、日本から見れば異例措置である」
日本が進出しなければ(韓国は)ロシアか中国に占領されていただろう」

・澤田廉三(1958年第4次日韓会談日本側首席代表 エリザベスサンダースホームの設立者・澤田美喜のダンナ)
1958年6月11日の「澤田妄言
38度線を鴨緑江まで推し進めるのが日韓会談交渉の目的だ。38度線が釜山まで下がって来たら、日本はすぐさま危険になるからだ。地下に眠る朝鮮関係先烈達の霊魂を考えても、この事を忘れてはならない」
現在の日本が日清戦争と日露戦争の後を継いで三度目の正直、再び立ち上がって38度線を鴨緑江の向こう側へ押し出せねば、あの世に行ってもどんな顔で先祖達にお会い出来ようか」

・高杉晋一(1965年第7次日韓会談日本側首席代表 三菱電機会長)
1965年1月7日の「高杉妄言
日本が朝鮮を支配したのは良い事をしようと、朝鮮をより良くしようとした事だった。もっと20年くらい日本と一体だったなら、ああは(韓国の山に木が少ない事を指して)ならなかったかもしれない」
「日本の努力は結局戦争で挫折したが、もう20年くらい朝鮮を持っていたら良かっただろう。日本が謝罪すべきというのは妥当な話ではない。創氏改名からしてあれは朝鮮人を同化させて日本人と同じく対しようと執った措置で、悪い事ばかりだったとは言えない
日本はこれを機に、兄になった気分で韓国に臨まねばならない
「過去の事を暴いて韓国側が主張したい事が多いだろうが、日本側にも(言いたい事は)ある

最初の久保田妄言は日本でもよく知られているが、続く二つの澤田妄言と高杉妄言は日本ではあまり広く知られていない。実際に発言内容を見ても分かるように、澤田・高杉妄言は久保田のそれに決して劣らないどころか、もっと酷い内容であるにも関わらずだ。

澤田廉三の妄言は日本による朝鮮半島再侵略の野欲を露骨に表にしたもので、こんな奴が旧植民地国との国交正常化交渉の首席代表になる所が凄まじい。「38度線を鴨緑江まで推し進めるのが日韓会談交渉の目的」って、最初から南朝鮮は「日本領」も同然という考えであり、やがて「鴨緑江まで」つまり朝鮮半島全てをまた日本領にするという姿勢で会談に挑んだという事だ。「韓国の独立はサンフランシスコ条約の効力発生時点 by久保田」どころか、それ以後も本心では朝鮮の独立を決して認めようとしなかったのが澤田の立場であった。いや、これは日本政府の本音を象徴するものだったろう。

1910年の「日韓併合」ならびにそれ以前の様々な不平等条約も全て国際法的に違法なものであり、源泉無効である。そして日本による朝鮮植民地統治時期は完全に不法な支配状態の時期であり、それも日本敗戦によって解除、1945年8月15日から朝鮮は独立した。

これを決して認めず、「韓国の独立はサンフランシスコ条約(1951年)の効力発生時点」「(1958年現在)38度線を鴨緑江の向こう側へ押し出せねば」として、敗戦後も一貫して朝鮮・韓国の独立を決して認めようとしなかったのが「戦後の平和国家・日本」であった。戦後在日朝鮮人の地位・永住権問題や教育問題と、それに対する在日朝鮮人の抵抗・闘争史に良く表れている。すなわち「朝鮮独立への隘路」と言うべき苦難の歴史であった。いや、今でも日本政府は内心では独立を認めず「朝鮮半島は日本の版図」と思っているだろう。久保田・澤田・高杉らと全く代わらぬ妄言を安倍や麻生や倭王(痛惜の念発言)は今でも言い続けているのだから。
おまけに「38度線が釜山まで下がって来たら、日本はすぐさま危険になる」って、おまえはどんだけ脳ミソにカビの生えた古臭い反共主義者なのか。澤田の言う「地下に眠る朝鮮関係先烈達」というのは明らかに福沢諭吉や伊藤博文や寺内正毅や小松緑や秋山好古らに代表される、朝鮮を植民地化するのに貢献した侵略者先達連中を指している。挙げ句の果てには「鴨緑江まで」どころか
「現在の日本が日清戦争と日露戦争の後を継いで三度目の正直、再び立ち上がって38度線を鴨緑江の向こう側へ押し出せねば、あの世に行ってもどんな顔で先祖達にお会い出来ようか」
だぜ。「日清戦争と日露戦争の後を継いで三度目の正直」「鴨緑江の向こう側」って、アジア再侵略戦争やる気満々だな! 「日米安保(澤田妄言の頃は旧安保条約だが)体制の下、朝鮮半島と満州・中国を再び日本の版図にして大東亜共栄圏復活の日は近い!」というのが、「慈善家」澤田美喜のダンナにして、今でも欧米ナイズされた洒脱なクリスチャン外交官というイメージの付きまとう澤田廉三の正体であった。今の安倍晋三とも実にいい勝負な、どこに出しても恥ずかしくない立派な日本鬼的軍国主義者そのもの、それがおフランス帰りのエリート外交官・澤田廉三という男であった。
「ミーはおフランス帰りのエリート外交官ザンス。朝鮮半島も中国も全部日本の版図ザンス。だから従軍慰安婦にも強制連行にも賠償なんかする必要ないザンス」
というイヤミ澤田の耳障りな声が聞こえてきそうだ。

続いて高杉晋一の妄言について言うと、これは「日本は植民地統治時代に朝鮮に良い事をしてやった」という久保田妄言のさらに強化版である。1965年、つまり朝鮮独立から20年過ぎたその時点でなお「もう20年くらい朝鮮を持っていたら良かった」つまり、まだ植民地として朝鮮を支配していたかった(要するに高杉の気持ちの上では今でも朝鮮は日本の版図のつもり)というのだから、尋常な神経ではない。「日本の努力は結局戦争で挫折した」というのは、本当なら今でも朝鮮半島は日本領なんだという図々しい事この上ない発言だ。まさに「植民地を失ったのが惜しくて仕方ない」という意味である倭王の「痛惜の念」発言と何も違わない。しかも「日本が謝罪すべきというのは妥当な話ではない」つまり謝罪の必要なしだという。創氏改名に関する話も牽強付会な言い訳そのものだ。後の麻生太郎の妄言もこれが原型となっている。要するに高杉という男は、日韓協定体制以後も相次ぐ数々の日本側妄言の「雛形」を作った人間と言って良いだろう。
「日本はこれを機に、兄になった気分で韓国に臨まねばならない」というのも日本側の傲慢さを象徴している。アメリカをバックにしてアジアでも自分だけ平和と経済発展の恩恵を受ける日本という国が、この時代からどれだけ他のアジア諸国、とりわけ韓国を見下していたかが良く分かるではないか。そして今でも日本は高杉妄言の頃と全く同様に韓国を「パシリの舎弟」扱いして舐めきっている。今回の国交正常化記念式典クロス出席だの、軍艦島の世界遺産登録問題であっさり妥協したのも、まさに韓国が日本に心底舐められている証拠だ。
嫌韓だって? 勘違いしてはいけない。日本の方が韓国を侮辱して舐めきっているのである。そして韓国政府もそれに本質的な面での抵抗をせず、屈従してきたのが「日韓協定体制50年」だった。それを今後も未来永劫続けようというのが、今回見せた朴槿恵と安倍晋三の野合である。その下地と言うべきものが高杉妄言であり、韓国はそれに卑屈にも目をつぶった。高杉妄言が久保田妄言ほど知られていないのは、当時韓国でも日本でも大きくクロブタ(黒蓋 「緘口令」のヤクザ用語)が敷かれたからである。高杉は日本の記者達にオフレコを要請した為、日本でこれを報じたのは赤旗くらいしかなく、ほとんど知られずに終わった。一方の韓国でも東亜日報がすっぱ抜いただけに留まっが、こちらは日本と違って大騒ぎになる。だが高杉は韓国の報道陣に「アカの謀略」とコメントし、韓国政府も「韓日会談を壊そうとする陰謀」として口裏を合わせた。高杉妄言は本来なら交渉が全部吹き飛んでパーになってしかるべきほどのものなのだが、交渉が最終段階にあった為に、日韓とも野合して無理な芝居による幕引きを図ったのである。果たして今回の「日韓修交50年」に合わせた「従軍慰安婦問題の解決」とやらも裏では…? 当時も今も、このように日本の妄言や傲岸不遜さに韓国が一方的に屈従してまで結ぶ「日韓友好」とは一体何なのかという事を考えねばならない。

高杉晋一という男は戦前戦後も一貫して三菱財閥の人間であった。一方で澤田廉三の妻・美喜が、三菱財閥創業者・岩崎弥太郎の孫娘である事は有名な話だろう。この日韓会談の首席代表にして重大な妄言者二人が、揃って戦犯企業・三菱財閥の縁者であった事は決して偶然ではない。それだけかつての戦犯関係者が戦後の日本でも生き残って(アメリカに買い取られるような形で助命されて)要職を占め続けたという事であり、あのような妄言を吐いたのは起こるべくして起こった出来事だったのである。強制連行した朝鮮人を重工の工場や軍艦島の炭鉱で奴隷労働させた三菱。その軍艦島問題で日本に一方的にあっさりと屈服した今の韓国…。三菱は今でもこうした強制連行被害者への補償を拒否し続けており、その意識は今でも高杉や澤田らと変わっていない。
「日本が謝罪すべきというのは妥当な話ではない by高杉」
と。

今年2015年に進行する「日韓和解」の背後にはアメリカからの圧力「韓国は歴史問題を棚上げして、日本との軍事・安保協力を優先せよ」というのがあったが、1965年の日韓協定にも冷戦時代の東アジアで日本と韓国を「反共の防波堤」として軍事的に活用したいアメリカの圧力が大きく作用した。

日韓協定により「韓国は日本が提供した経済協力資金をうまく活用して産業インフラを構築するなど産業化の基盤を整えた」などと、ハンギョレの社説ではこの「経済協力資金」がいかに韓国にとってありがたかったかを強調しているが、その金額がどれだけ少なかった事か。日本に36年占領された韓国の受け取った資金(有償無償8億ドル。もちろんこれは「賠償・補償金」ではない!)が、4年ほどしか占領されなかったミャンマー(3億4000万ドル)やフィリピン(8億ドル)、インドネシア(6億2300万。いずれも賠償・借款の合計)に比べると明らかに少なかったのである。しかもこのただでさえ少ない金額のほとんどはプラント購入などの実物賠償やサービス提供といった形でやる事になっていた。現金でやるのではなく日本のプラントを購入するのに主に使われるようになっており、韓国側はこの金の使い道にもほとんど自由がない。「賠償」どころか、それがリターンしてむしろ日本を儲けさせる為のカラクリだったのが、ハンギョレが大絶賛する日韓協定の「経済協力資金」であった。
当然この中から、個々の日帝被害者達にはほとんど金が回らなかった事も思い出す必要がある。従軍慰安婦や被爆者などには一銭の補償もされなかった。それを事もあろうにハンギョレは韓国経済発展の基礎になったと喜んでいるのだ! 
以前に権赫泰氏が少し指摘した事があるくらいで、日本ではほとんど知られていないが、韓国には「太平洋戦争犠牲者遺族会 태평양전쟁희생자유족회 (略称:太平洋遺族会 태평양유족회)」という団体がある。かつて軍事独裁政権の頃、韓国では日帝の植民地支配責任や賠償を求めて民衆が声を挙げる事は許されず、そうした運動は基本的に全て韓国独裁政権が日本政府に代わって弾圧してやったのである。これぞまさに日韓仲良くしようぜの真骨頂! 挺隊協のように従軍慰安婦などの問題を追及する運動が可能になったのは民主化90年代以降の話だ。ただしそれにも若干の例外があり、軍事独裁政権が当時特別に認めた「準官製御用団体」は活動を許されたのである。日本との外交交渉で何らかのカードとして役立ちそうだという魂胆だった訳だが、その一つがこの「太平洋遺族会」だった。ここのスタンスというか歴史観がどういうものかをかいつまんで言うと…

朴正熙大統領は日本からもらった請求権資金を、貧しい時期に国家発展の為に使われたのです! 戦争被害者遺族に金を回せなかったのはやむを得ない措置だったのです! 朴正熙大統領はその事でいつも心を痛めておられたのです! 朴正熙大統領は決して我々をお忘れにはならなかったのです! 朴正熙大統領の事を思うと我々は感涙にむせび泣くのを禁じ得ませんッッッッ!

「アジア女性基金は正当であるッッッッ!」
「明仁天皇こそ日本最高の平和憲法守護者! 恐れ多くもその天皇陛下をヒットラーのような戦犯にしかねない『君側の奸』安倍政権は、河野談話20周年を機に退陣せよ! テンノーヘーカバンザーイ!」


…知らない人が見たら何の冗談かと思うだろうが、これらは全て本当の話である。この旧軍事独裁政権御用団体は、日帝に徴兵されて太平洋戦争で死んだ韓国人の補償を求めるというふれこみだが、同時に自国の日帝被害者をまともに救済しなかった朴正熙を擁護する役割も担っていた事がお分かりいただけるだろう。おまけに「明仁天皇こそ最高の平和主義者で、安倍は無礼な君側の奸」などという、誰かさん(こいつらとかこいつとかこいつとか。勘違いしてる人が多いが、日本恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)ってのはこういう実にくだらない人間だから、お忘れなく)みたいな事まで主張している。ここは韓国人の団体のくせに日帝臣民根性丸出しなそういうスタンスであるから、当然挺隊協とは不倶戴天の間柄であり、激しく対立してきた。大沼保明だの和田春樹だのといった連中はスジから言えば挺隊協ではなく、この太平洋遺族会と「仲良くしようぜ」するのが正しいのだ。日本の天皇こそ最高の平和主義者にして9条の守護者と認定し、アジア女性基金こそ真の歴史清算と主張する今の日本のリベラル・左派勢力にとって、最も親和性が高いパートナーシップの相手がこの太平洋遺族会である。

要するにハンギョレの言ってる事、「日本の経済協力資金で韓国は経済発展」とかいう発言は、もはやこの太平洋遺族会レベルのどうしょうもない妄言という事だ。
日韓協定の交渉過程で繰り返された日本側の妄言、雀の涙のようなはした金の請求権資金(繰り返すが、これとて決して賠償・補償にあらず)、救済されなかった被害者達…こうした歴史を踏まえていれば、ハンギョレの社説のような話は絶対に出て来ない。過去は忘れろ、未来志向だ、だから日韓協定は正しかったんだ、そういう歴史修正主義こそ今のハンギョレの旨とする所である。「信頼度韓国一の進歩派メディアだ」「かつて独裁政権に抵抗したジャーナリスト達の結集した新聞社なんだ」自らそう主張している報道機関があのような事を言うのは、はっきり言って保守・極右系の新聞が同じ事を報道するよりもはるかに悪質で重罪だ。世間一般ではこういうのを「詐欺」というのだが、今やハンギョレはまさに詐欺新聞としか言いようがない。
その「詐欺度韓国一の進歩派メディア」ハンギョレを支える構造というかカラクリはいかなるものであろうか?
(続く)

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