韓国日報に載ったインタビューなのだが…。ここで姜尚中がまたしてもロクでもない事を言っている。以下に翻訳抜粋する。
http://media.daum.net/foreign/others/newsview?newsid=20150610202125232
http://www.hankookilbo.com/v/99a87f744d7243029dcdef22b545584d
韓国日報「南北が緊張緩和すれば米中日関係で韓国が主導権を握るだろう」韓国語記事
2015年6月10日付記事
姜教授は韓日関係最大の懸案である慰安婦問題と関連し「最近韓国の挺身隊問題対策協議会が日本政府の法的責任を問わない代わりに日本政府がこれを認定し、日本政府機関が救済の役割をする方向で妥協点を探している」と伝えた。彼は「韓国が東北アジアで対朝関係で突破口を探さねばならない」とし「セヌリ党と新政治民主連合(旧民主党:訳者注)が大連立を組んで、国家的対朝外交戦略が言ったり来たりするのを防がねばならない」という破格な主張も繰り広げた。
「挺対協が方針転換して、日本政府の法的責任追求を求めなくなった」という挺対協自ら否定した例の「誤報」をあたかも事実のように言って、それを積極的に広めようとしている。
姜尚中という男、もはや学者ではない。ただのデマゴーグである。
(このインタビューにはもっと酷い発言もたくさんあるのだが、とりあえず今回は上記の発言についてのみ論じたい)
が、しかし…。
筆者は少し前にさる人物から指摘されて確かにそうだと気付かされたのだが、この「誤報」の件は色々と釈然としない部分が多く、挺対協自身はもちろん日本政府の法的責任を追求していくつもりに変わりはないのだろうが、何分にも他の連中(和田春樹や梁澄子や金富子など)があまりに妥協的で、そういう連中が内部から切り崩しを図るのではないかという危惧を筆者は大いに感じる。姜尚中の言いふらした今回のデマ発言も、そうした和田春樹一派の腹の内と軸を一にしているのではなかろうか。つまり日本との「朴裕河的和解」を推し進める事が日韓の進歩派・保守派問わず共通目標になっており、それに向かって邁進する事が暗黙のうちに形成されて共通行動が進行しているのではないかという事だ。和田春樹は結構前からそうだったが、梁澄子や金富子の最近やたら日和った妥協的な姿勢、さらに昨今の松竹伸幸(笑)や姜尚中の言動も決して個々の独立した動きではあるまい。
日韓関係は実に危機的な状況にある。それは巷間言われている根拠不明な安っぽい「嫌韓による日韓関係悪化」などの次元ではなく、日本と韓国がこうした歴史問題を踏みにじった形で「和解」する事によって、韓米日軍事同盟体制がよりいっそう強化されるという意味での話だ。この間にアメリカが韓国に一貫して要求してきた事は「歴史問題を棚上げして、日本との軍事・安保協力を優先しろ」つまり「おまえら仲良くして、俺様(アメリカ)への御奉公・御忠勤に励め」という事だった。そしてその最大の障害物となってきたのが、日帝植民地支配とその犯罪行為を糾弾する韓国民衆の抵抗、すなわち日本やアメリカの帝国主義者が言う所の「韓国の民族主義」「韓国の反日」に他ならない。朴裕河や和田春樹の言う「日韓和解」とはそれを瓦解させる為の宣撫工作に過ぎず、それに日韓の左派右派・進歩派保守派を問わず多くの知識人・言論人・報道人が迎合してしまっている。姜尚中はまさにその急先鋒だ。
政治の世界では我々の想像以上に裏では事態が進んでいるではないか。以下の朴槿恵の談話が象徴的だが、「戦後70年」「日韓修交50年」に合わせて日本と韓国はしっかり口裏を合わせていたのだ。
親父と爺さんの頃の縁から考えればこんなの当たり前でしょ。仲良しッッッッ!
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150612-00000192-jij-kr
慰安婦問題「交渉は最終段階」=韓国大統領、米紙とインタビュー
時事通信 6月12日(金)21時29分配信
【ソウル時事】韓国の朴槿恵大統領は11日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)掲載のインタビューで、いわゆる従軍慰安婦問題をめぐる日本との交渉について「相当の進展があり、われわれは最終段階にいる」と述べた。その上で、交渉進展によって「非常に意義深い(日韓)国交正常化50周年を期待できると思う」と語った。
ただ、具体的な交渉状況については「水面下の協議だ」として言及を避けた。あえて踏み込んだ発言をすることで、日本側の努力を促そうとしている可能性もある。
朴大統領は「世界の歴史学者と同様、日本の歴史学者も日本の指導者に対し、過去にしたことをはっきりと認めるよう求めている」と強調。「過去の出来事を否定したり、ごまかしたりすることで、(問題解決に向けた)進展が妨げられてきた」と述べた。
また、「元慰安婦がこれ以上亡くなる前に、彼女らの傷を癒やし、名誉を回復する義務が日本にはある」と訴えた。
筆者がこれまで指摘してきた「日韓対立など嘘」という事がこれで証明されただろう。同時に例の声明の持っている役割もまた…。
筆者は最近、かつて韓国の大統領候補として李承晩を震え上がらせた曺奉岩(チョ・ボンアム 조봉암 1898-1959)の事跡を改めて読み直している。と言うのも、先の統合進歩党弾圧事件と大昔の曺奉岩の進歩党弾圧事件があまりに似ているばかりだけでなく、前者を内部から崩壊させた裏切者らがまたしても次の総選挙に向けて怪しげな動きを見せているからだ。昔の進歩党を弾圧して曺奉岩を司法殺人に追い込んだ直接の相手はもちろん李承晩政権だったが、これには進歩党内部から出た裏切者の果たした役割も非常に大きい。徐相日や張建相といった同僚政治家達は「党の革新と大衆化」というスローガンを掲げて曺奉岩を攻撃し、一線から退けと要求して内紛を起こした。それをきっかけにマスコミも曺奉岩のバッシングに走り、「アカ」「容共主義」という攻撃が乱舞するようになる。その後曺奉岩は李承晩政権によってスパイ罪をでっち上げられて死刑になるが、同時に起訴された同僚政治家達、つまり曺奉岩に一線から退く事を要求して内紛を起こし、進歩党事件を起こすきっかけを作った党幹部の多くは無罪判決を受けている。
最近の統合進歩党(韓国で唯一、韓米同盟の解体と駐韓米軍撤収と国家保安法撤廃を綱領に掲げる院内政党)の場合も直接の弾圧者は李明博&朴槿恵政権だったが、これに至る経過にはやはり内部の裏切者が大きな役割を果たした。後に党を割って正義党を結成する沈相奵(この女は以前にも韓国に村山富一をわざわざ読んで「日韓和解」に躍起になった)や魯会燦、自分の借金を統合進歩党に押し付けてまんまと逃亡した柳時敏などが、李正姫や李石基ら党の指導部を「アカ」「北の手先」と攻撃しまくって当局の弾圧を呼び込み、自分達だけは脱党してちゃっかり生き残ったのである。そして統合進歩党を食い潰して脱党した正義党の面々は、またしても「次の選挙に備えて進歩勢力の結集を。ただし旧統合進歩党系の連中は徹底排除。従北打倒!」などという政治詐欺劇を主導し始めた。
これらと同じような事が従軍慰安婦問題の運動でも起こっているのではないかという危惧を、筆者は大いに抱く。つまり挺対協の周囲にいる和田や金富子のような連中がトロイの木馬か獅子身中の虫になって、無理矢理「日韓和解」「日本の法的責任を問わない」という方向へ持って行こうとしているのではないか。徐相日や張建相が内部から曺奉岩を死刑へと追いやり、沈相奵や魯会燦が内部から統合進歩党を破壊する役割を担ったのと同じだ。それを外部から松竹伸幸や姜尚中のような輩が「援護射撃」して「挺対協は日本政府の法的責任追求を諦めた」というデマ話を既成事実化させ、結局は運動そのものをも瓦解させようとしている、そんな構図だ。
とにかく「戦後70年」「日韓修交50年」という節目を前にして非常にヤバイ展開に持っていこうとする輩が日本でも韓国でも跋扈しているので要注意である。
さらに言えば、姜尚中が今回のインタビューで言っている「セヌリ党と新政治民主連合は大連立しろ」という提案もそう。これは日本で言えば、自民公明だけでなく民主・維新も一緒に大連立しろという話に相当するのだから。現代韓国版大政翼賛会を作れと言っている訳で、しかもその主目的が対北政策というのだから、この男がどれだけ邪悪な目的でこれを言っているかは歴然としていよう。現在韓国の統一政策というのは、与党セヌリ党の対北強攻策・対決主義・南主導の吸収統一推進は言うに及ばず、対する第一野党の新政治民主連合(とその統一政策ブレーンである金大中・盧武鉉時代の太陽政策派人脈)も今は対決主義や吸収統一論一色に染まっており、これらが大連立して大政翼賛会化すればどのようになるかは誰の目にも明らかだろう。南北関係のさらなる悪化と、それに伴う韓米日軍事同盟体制のさらなる強化だ。
姜尚中が今回言ってる事、「挺対協は法的責任追求を放棄(というデマ拡散)」「韓国与野党は対北政策の為に大連立(大政翼賛会化)せよ」はいずれも究極的には韓米日軍事同盟体制の強化を目指したものだという事が分かる。南北の緊張緩和や平和どころかさらなる軍事的緊張を高め、米中日関係で韓国が主導権を握るどころかさらなる米日への従属を深める事にしかならないだろう。
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