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頼むから韓国の人達はこんな本を高評価しないでくれ

最近韓国である日本の書籍が翻訳出版(2013.04.20発行)された。そのタイトルは「アメリカは東アジアをどのように支配したのか 미국은 동아시아를 어떻게 지배했나」という。よくある話ではあるものの、翻訳に際して原書とは全く違うタイトルが付けられており、これを見て日本語原書が何か当てられる方はいるだろうか。おそらくこれだけではほとんどの方が分からないだろう。筆者もこれだけでは原書が何か分からなかった。題名だけ見ると、アメリカがアジアで行なってきた様々な戦争や内政干渉といった歴史を述べた、しごく真っ当そうな本のように見える。が、しかし…。

正解を述べよう。この本の著者は孫崎享、日本語原書のタイトルは「戦後史の正体」といった…。
そう、あの孫崎享のトンデモ本が韓国でもついに翻訳出版されてしまったのだ。しかも「発行即時20万部販売 2012年日本アマゾンベストセラー」という仰々しい売り文句まで付けて。出版元もかなり力を入れて売り出しているらしく、宣伝用動画までYouTubeで公開している。下記リンク先参照。一応、動画の字幕も訳して載せておきたい。ただしこの動画はのっけから日の丸がデカデカと登場するなどかなり凄絶な内容となっており、くどいようだが閲覧は飽くまでも自己責任でお願いします! 

韓国語版「戦後史の正体」である「アメリカは東アジアをどのように支配したのか 미국은 동아시아를 어떻게 지배했나」の公式宣伝動画
http://www.youtube.com/watch?v=dx7OVMa7KlI

日本の外務省国際情報局長が打ち明けた屈辱的な日本の歴史
アメリカの覇権主義に奉仕してきた日本
韓国も違わない
敗戦後アメリカは
どのように日本を統治したのか?
連合軍最高司令官マッカーサーが日本政府に命令を下し、
日本政府は最高司令官の指示に従って政策を実行する。
日本の自主的な統治が存在すると思うならこれは錯覚だ。
東アジアを支配して
世界覇権を狙うアメリカの戦略を
日本の現代史を通じて確かめる
「アメリカは東アジアをどのように支配したのか」
日本の事例、1945-2012年
孫崎享 著/文正仁(ムン・ジョンイン) 解題/梁起豪(ヤン・ギホ) 訳



何と言うか頭の痛くなってくる煽り文句だが、呆れたのは同書の解題つまり解説文を文正仁(延世大学教授)が寄せている事であろう。あの「日本の最高戦略家に話を聞く」と称して国分良成だの竹中平蔵だの添谷芳秀だの船橋洋一だの白石隆だの、その他諸々くだらない連中のインタビューを集めたトンデモ本「日本は今何を考えているのか? 일본은 지금 무엇을 생각하는가?」を出したあの文正仁教授である(この本の書評も以前書いたが、旧ブログの凍結で今は見られない。これもまた後日復活させるのでしばらくお待ちを)。正直言って「また文正仁かよ」と呆れ果てた。自分がトンデモ本を出すだけでは飽き足らず、今度は日本の御同類を解説ですか? 文教授は本当にトンデモ本を自ら書くのも、他人のそれを解説するのもお好きなんですね。大学教授辞めてトンデモ本ライターに転進した方が大成するのではないかと冗談抜きで思う。

それはともかく、それ以上に頭痛がしてくるのはこの本が韓国では結構高い評価を受けてしまっているという現実だろう。韓国にはアマゾンが進出していない代わりに、国内書店による有力な書籍ネット通販会社がいくつもある。それらをざっと見てみると、どれもこの「戦後史の正体」韓国語版である「アメリカは東アジアをどのように支配したのか」に高評価が付けられていた。レビューを見てみるとどれもこれも最低星3つ、ほとんどが4か5という高評価だ。空恐ろしくなってくる。

韓国のインターネット書籍通販「インターパーク」の該当ページ
http://book.interpark.com/product/BookDisplay.do?_method=Detail&sc.shopNo=0000400000&dispNo=&sc.prdNo=212197833

同じく教保文庫のページ
http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?mallGb=KOR&ejkGb=KOR&clickOrder=LEB&barcode=9788994612584

同じくyes24のページ
http://www.yes24.com/24/goods/8727001

さらに絶望的になるのは統一ニュースまでもがこの本に対して肯定的な書評記事を載せている事だろう。

http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=102715
日本がこのザマなのに、韓国はどうか?(韓国語記事)

ここは南北統一関連ニュースでそれなりに貴重なニュースや論評が少なくないものの、それにしたって孫崎本の礼賛はねえだろうという話だ。上記書評記事ではこの本に対して
「統一の主軸は民族自主でなければならず、東北アジア協力は非同盟中立化を基盤にすべきであり、地球村の繁栄は覇権構造を打破してこそ可能だという事をこの本は確認させてくれるようだ」
「最後に、アメリカに対する自発的隷属主義者達で一杯に見える南の外交・国防高位官僚の中にも、こうした類の本を出せる強くて正義感にあふれて自主志向的な「第2のウケル」を期待してみる」
(引用者注:この書評記事ではなぜか著者名を「マゴザキ・ウケル」ではなく単に「ウケル」とだけ表記している)
と最大級の賛辞を送っているのだから。馬鹿馬鹿しいアメリカ陰謀論とその著者が、韓国の統一運動家の目にはこのように映ってしまうのかと思うと、本当に暗澹たる気分だ。頼むからもう少し日本の正しい現状を、それも日本社会の特に邪悪で汚れた部分をこそ知る努力をして警戒して欲しい。それこそがこれからの韓国人の身を守り、真の平和統一に近付く道であろう。そう、大事なのは日本の最も汚れた部分の本質をこそ把握する事なのだ。 「サザンオールスターズ(李明博・安田浩一でも可)的日韓未来志向」なぞ有害極まりなく、まさにクソ食らえである。
それにしても、孫崎の本を読んで「目から鱗が落ち」てしまうような馬鹿は日本だけでなく韓国にも一杯いたという事実は悲し過ぎる。これまたサザンオールスターズ曰く「歴史を照らし合わせて 助け合えたらいいじゃない」という事なのだろうか。腹立ちしか感じない。

孫崎のこの本の内容を一言で言ってしまえば「アメリカ陰謀論」に尽きる。日本の首相で政権が短命な例が多いのは、「自主独立派」がアメリカによって失脚させられたからだ。日本に原発がこんなにたくさん出来たのもアメリカの陰謀だ。だから日本は悪くないんだ。という根拠不明なトンデモ話を延々書き連ねたのがこの本に過ぎない。
そもそも「戦後史の正体」では日本に原発が大量に出来た理由を「第5福竜丸の件をなだめたいアメリカと、それに便乗して一口乗ろうとした日本人が合作して『原子力の平和利用』をぶちあげたから」と説明している。さらに「今でも日本では反原発は左翼、推進は右翼という等式が存在する」ような事まで言う。確かにそうした面もない訳ではないが、かつては共産党も「原子力の平和利用」を肯定していた(共産党はいつから急に原発反対に回ったのか? 少なくともチェルノブイリの頃までは明確に原子力の平和利用を肯定していたはずなのだが。そうした党中央と原発立地の地方組織の食い違いもあっただろうが)し、今では多くの右翼団体が自分達のイメージ向上の為に「脱原発」を口先だけ言うようになった事はどうなのかという話だ。しかも最も重要な事実、日本が原発を始めた最大の理由は、自前で核武装をする為だったという事を孫崎は完全になかった事にしている。こんな重大な歴史的事実を黙殺して「アメリカとその追従者の陰謀」にするのだから、これはもはや犯罪的ですらあろう。

日本がアメリカの属国である事自体は確かだが、それを逆用して日本が自らの意思で行なった悪事も山ほどある。日本の国連外交などはそうした事例の宝庫だろう。アメリカに言われなくても日本は自ら進んでODAなどを盾に第3世界諸国を恫喝し、アメリカの対テロ戦争に協力するよう仕向けた。それこそが自衛隊海外派兵などの日本軍拡化に利する行為だからであり、その姿は「自主的軍事・安全保障外交」そのものだ。それを問題視されても「アメリカのせい」と言い訳すれば通ってしまう。孫崎の言う「アメリカに逆らうと消される」というアメリカ陰謀論は日本が自主的に行なって来た悪事をカムフラージュする方便でしかない。
日本が国連外交などでアメリカに関係なく自主的にさんざん悪事を働いてきた歴史を、外交官だった孫崎が知らないはずがないのだ。「戦後史の正体」がインチキな偽書だという事を一番良く知っているのは、当の孫崎自身だろう。孫崎享などという人間はただの陰謀論商売人に過ぎない。早い話「ノストラダムスの大予言」の五島勉といい勝負なのである。

それでも孫崎が韓国でウケてしまっているというのはどういう意味を持っているのか。最大の悪影響は「対日批判の押さえ込み」だろう。「日本はアメリカに頭を押さえられている。韓国も同じじゃないか」という理屈で、日本に対する批判がし辛くなる訳だ。孫崎は韓国語版まえがきで「この本を読む過程であるいは『韓国も同様ではないのか』という声が出て来るかもしれない」と述べており、明確にそれを意識して韓国語版出版を進めた事は間違いない。実際にレビューなど見てみると韓国で孫崎の本を高評価している連中というのは、韓国がやはりアメリカの属国である現状に怒っている層であり、それで深く考えずに「戦後史の正体」に共感してしまう例が非常に多かった。実は在日の中にも孫崎に共感している層(飽くまで筆者が目撃した範囲であり、特に60代以降の2世が多い)が最近微妙に増えており、それらが孫崎を支持する理由も同じである。「戦後史の正体」韓国語版は「韓国も日本と違わない」というキャッチフレーズで売り出しており、出版社側もそれを十分に意識してマーケッティングしたのは明白であろう。だが、それは極めて危険な論法なのである。韓国も日本同様にアメリカの属国である事自体は間違いでないが、両国の歴史的過程や国際環境は大きく違い、同列にくくれない部分も非常に多い。日本が孫崎の言うような「対米自立」をするのと、韓国がアメリカの影響から脱して民族自決する事はかなり意味が違う。同じアメリカの属国であっても、日本と韓国では何が同じで何が違うのかを厳密に見極める事こそ大事なのだ。今のまま国家体制が変わらずに日本が「孫崎的対米自立」をしたら、今よりはるかに大きな災厄を周辺アジア諸国にもたらすだろう。橋下徹の従軍慰安婦発言があった際、安倍晋三らはアメリカの顔色をうかがって心にもなく嫌々橋下を叩いた。「孫崎的対米自立」というのはこれ以上アメリカの顔色を気にする必要がなくなるという事であり、アメリカを気にせず大日本帝国の正当化が出来るという事でもある。アメリカから「自立」する事で、日本は過去史に対してますます反省しなくなるだろう。そして日本が「孫崎的対米自立」しても、アメリカへの軍事的貢献・協力は全く変わらず「自主的」に継続される事だろう。イギリスやフランスなどのヨーロッパ先進国がアメリカの対テロ戦争に協力し続けているのと同じになるだけだ。それが日本の「国益」になると判断される限り、アメリカから自立しようとしまいと日本の対米軍事協力・貢献だけは続く。
今後歴史問題などについて、孫崎の悪影響で韓国からの対日批判が鎮静化するのではないかと思うとゾッとする。孫崎の陰謀論を拡大解釈していけば、日本が戦後国連外交でさんざん自主的に悪事を働いてきた事も、国内に大量の原発が出来たのも全て「アメリカだけが悪い」という一言で責任を回避出来てしまう。日本が戦後補償をまともにしないのも在日朝鮮人への差別政策がまかり通っているのも「全部アメリカだけが悪い」という事にされかねない。孫崎享というのは「(外部からの)日本における最大の野党」たる韓国に打ち込まれた楔のようなものと思う。「戦後史の正体」が韓国で出版されたというのは、そういう役割を果たすという事である。
そして日本に対して「外部からの野党」の役割を果たしているのは韓国や中国だけではない。従軍慰安婦の件を見ても分かる通り、皮肉な事にアメリカも時と場合によってはその役割をある意味・ある程度担っている。アメリカは日本に対して「与党」なだけではないのだ。孫崎の主張と違ってね。
はっきりしているのは、日本はアメリカから「自立」する資格も環境も現状では持ってないという事だろう。日本が「対米自立」しようとしたら、軍備の放棄、アジアに対する過去史の徹底した反省と謝罪・補償、それに基づくアジアとの平和的友好関係構築といった事が同時進行で行なわれなければ全く意味がないどころか有害ですらある。改憲論者である孫崎の「対米自立」には、もちろんそうした内容は含まれていない。韓国の読者がそうした点を見抜けずにただ「反米」だけで単純に孫崎を礼賛するのは危険な事だ。前述の統一ニュースの書評のように孫崎を読んで「統一の主軸は民族自主でなければならず、東北アジア協力は非同盟中立化を基盤にすべきであり、地球村の繁栄は覇権構造を打破してこそ可能だという事をこの本は確認させてくれるようだ」などというのはあまりに飛躍が過ぎる。日本でもそうだったが、孫崎は韓国でもある種の左派・進歩派に対して、より大きな害毒を与える存在だろう。

安田浩一、原子力資料情報室、孫崎享。これら3者が最近揃って韓国で売り出され、それなりに現地で好評を博した。だがこの連中は韓国に対して悪影響しかもたらさない。連中は示し合わせて陰謀(孫崎の本と違って)を行なっている訳ではないだろうが、その言動がいずれもある目標に共通して向かっている点が興味深いだろう。安田が「日本は右傾化していない。日本で極右を主張する政治家が勝った事は一度もない」という完全に誤った日本観を伝え、原子力資料情報室が日本の脱原発運動の腐敗堕落した体質を現地へ「輸出(というより「転移」と言った方が相応しいか)」しながら現地の運動体と連帯し、孫崎享が「日本も韓国もアメリカに押さえつけられている点は同じ」というアメリカ陰謀論で日本への批判をなだめる。その結果は韓国の対日批判抑制だ。韓国からのまともな対日批判がなくなった状態、すなわち「サザンオールスターズ的日韓未来志向」の完成である。

孫崎享のようなペテン師とその言動については日本における悪影響に加えて、今後は海外への悪影響も同時に考慮して批判していかねばならない。

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