このクソ野郎またやりやがった、というのが筆者の率直な感想である。他ならぬ原子力資料情報室共同代表・伴英幸の事だ。
http://mainichi.jp/select/news/20130620ddm008010084000c.html
◇対策猶予期間は問題??原子力資料情報室・伴英幸共同代表
いいかげんな状態で再稼働すれば、福島事故と同じことが起こるのではないかと心配だ。新規制基準をクリアし、地元の了解も得られる原発については、再稼働はやむを得ない。ただ、事故時の対応に必要な第2制御室の設置などに猶予期間があるのは問題だ。設置が完了するまで再稼働を認めるべきではない。活断層や原発の耐震安全性の問題もある。規制委の指摘に反論するため、電力会社は「活断層ではない」と証明しようとしているが、現在の知見では証明できないはずだ。「疑わしいものは活断層とみて対応すべきだ」というのは、規制委が言い出したことではなく、原子力安全委員会からの大原則。電力会社はこの原則をまだ理解していないのではないか。
「いいかげんな状態で再稼働すれば」
じゃあ、「いいかげんな状態」でさえなければ原発を再稼動してもいいんだ?
「新規制基準をクリアし、地元の了解も得られる原発については、再稼働はやむを得ない」
じゃあ、「新規制基準をクリアし、地元の了解も得」られさえすれば再稼動してもいいんだ?
「(第2制御室の)設置が完了するまで再稼働を認めるべきではない」
じゃあ、その「制御室」とやらが出来たら再稼動してもいいんだ?
これが「日本を代表する反核・反原子力運動団体」である原子力資料情報室の共同代表が言ったセリフなのである。仮にも代表者の一人の口から出た言葉である以上、これが情報室の公式見解に等しいと見て何の差支えもないだろう。情報室は原発の再稼動を「条件付」とはいえ容認しているのだと。そうでないと言うならば、上記の伴が言った発言を公式に取り消して謝罪せねばならない。その上で伴を代表からクビにして組織からも絶縁追放するくらいのオトシマエをつけなければ、反原発運動団体としてのケジメにはとてもならないだろう。
筆者が共同代表の一人であれば、その上で世界中の反原発団体や環境保護団体に以下のような文面の回状(絶縁状)を発送してやりたい気分である。
「右の者、反原発の運動に反する許しがたき行為の段多々あり、某月某日をもちまして絶縁処分とする事といたしました。つきましては今後、2代目原子力資料情報室とは一切関係ございませんので御通知申し上げます。尚、御賢台様には、客分・縁組・交友・商談・拾上げ・講演依頼・政府審議会委員採用・社会活動関連褒章等は、理由の如何を問わず一切固くお断り致します」
…冗談はともかく、これほどまでに重大な問題発言をしたとなると、本来ならば伴英幸一人の処分では済まされまい。筋道から言えば組織解散にも匹敵する許し難い発言だが、最低でも他の共同代表も連帯責任で一緒に辞任するくらいのケジメをとらねば、原子力資料情報室はおしまいだ(本来であれば、ね)。筆者であれば伴をクビにすると同時に、自分も代表を辞任して組織からも離脱する。そうでなければ死んだ高木仁三郎に申し訳が立たないし、何よりも原発事故の被害に遭って苦しんでいる人達や純粋に原発を停めたいと思って立ち上がった人々に対する重大な裏切りではないか。日本の反原発運動そのものに重大なダメージを与える事でもある。実際に他の共同代表である山口幸夫と西尾漠の両人はこのオトシマエを一体どうするつもりなのか? 福島原発事故を体験して以降の日本という緊迫した時代に、全く示しがつかないではないか。
伴の発言を見る限り、情報室は原発とその再稼動に「何が何でも反対。再稼動も絶対許さない」というスタンスでない事だけは明白だろう。おまえ達は本当にこの世から原発をなくすつもりがあるのかと聞いているのだ。
今回の伴の再稼動容認発言について、筆者は前回の安田浩一インタビューにも匹敵するほど激怒しているし、醜悪な代物だと思う。3.11以降、日本の反核・反原発運動はむしろ底なしな腐敗堕落の一途をたどり、右翼団体と一緒に集会を開いたり、左翼や労働組合の旗を排除するくせに日の丸だけは逆に推奨するなど、以前であれば信じられない現象が続出している。これらはどれも3.11以降さらに加速化した日本の右傾化に伴う現象でもあり、これによって今の日本の反核・反原発運動はすっかり「脱原発報国会」と化した感があろう。これは完全に国粋主義運動そのものであり、右翼と隠れ原発推進派の巣窟にしか見えなくなってしまった。原子力資料情報室による再稼動容認もまた、こうした流れの代表的な現象の一つと言える。
これから以下に伴英幸のさらなる暴言・妄言・戯言の数々を指摘していくが、これらを読んで気分が悪くなったり精神的苦痛を受ける方は決して少なくないはずだ。真面目に原発に反対している人ほどそうだろう。よってここから先の文章を読むのは、飽くまで自己責任でお願いしたい。
伴英幸がこうした妄言を垂れ流したのは今回が初めてではない。情報室が公開している「暮らしの中の放射能 第19回 子供相談室4」という動画ではこんな事まで言っている。この件については前にもネタにした事があるものの、その時の旧ブログが凍結されているので、改めて述べておきたい(該当記事は後日再掲載する予定)。
http://www.cnic.jp/movies/5034
(「僕は将来結婚して子供をつくっていいのでしょうか?」という質問に対して)
「(福島で)基本的には普通の暮らしをするということが大前提で必要なこと」
放射能で汚染された地に暮らさざるを得ず、その恐怖に怯えている人(それも幼い子供)に対してこれはないだろう。「ニコニコ笑ってれば放射能の害はない」と言って福島の人々を騙し続けている御用学者の山下俊一とどこが違うのか。被災地の人々の避難を認めずその為の補償もせず、そればかりか汚染地域に戻れと言っている政府や東京電力とどこが違うのか。
このように原子力資料情報室という著名な「反核・反原発市民団体」の共同代表という要職にある人物の、実にありがたい「御高説」はまだまだ続く。
例えば2012年8月24日の福井新聞参照。
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpowerplantfuture/36501.html
ゼロ方針、政府決定を 再稼働に明確条件必要
伴英幸 原子力資料情報室共同代表
原発ゼロまでの移行期間では「原発を動かすことが必要になることもあるだろうが、その場合でも(新たな安全基準などの)条件はきちっとクリアしないといけない」と指摘する。
「全基停止がベストだが、合意が得られるかは難しい。暫定的に何基か動かすことの一切を否定するつもりはない。一番大事な点は原発ゼロシナリオを政府の方針として位置付けること。暫定的に動かす場合でも、地元合意はもちろん、ストレステストは1次と2次をクリアし、過酷事故対策がきちっと取られていないといけない。大飯原発3、4号機を再稼働させたやり方はあまりにも拙速だった」
お分かりだろうか。少なくとも去年8月の時点で伴はすでに「再稼動容認」を謳っていたのである。「条件はきちっとクリア」してさえいれば「原発を動かすことが必要」になってもいいとはっきり言っているのだから。「暫定的に何基か動かすことの一切を否定するつもりはない」と言っているが、これは正しくは原発をゼロにするのを否定している訳である。ものは言いようとは良く言ったものだ。それでいて「原発ゼロシナリオを政府の方針として位置付ける」などとよく言えるな。まるで経産省の原発推進官僚並みの見事な詭弁ではないか。「暫定的に動かす場合でも」って、原発を動かすのをはっきり認めちゃってる訳ではないか。「過酷事故対策がきちっと取られて」いさえすれば良いというのか? そんなの東日本大震災クラスの地震がまた来たら同じ事だろう。だから原発をやめろと言っているのではなかったのか? 大飯の再稼動にしても伴の理屈に従えば、じゃあ「拙速」でさえなければいいという話にしかならない。
この時はまだ民主党・野田佳彦政権の頃であるというのがポイントなので、この点を覚えておかれたい。
このように事実上の「再稼動容認」を言いまくっていた伴英幸だが、別の場所ではさらに恐るべき事を言っていた。これは本当に唖然とするしかないもので、伴の他の諸発言と併せて読めば、原子力資料情報室の信用というかこれまで積み上げてきた「ブランドイメージ」を完全破壊するだけのインパクトがある。これは今年の3月に行なわれた集会の様子だ。まあ、見て欲しい。
(次回に続く)
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