まあ「アジアプレス」の名の通り一応アジアを専門領域としている建前上、アフリカの事は専門外という事で言い訳は立ちます。が、普段ミャンマーの民主化運動を取り上げて「独裁政治に立ち向かう民衆の抵抗」を持ち上げ、それを引き合いに出して北朝鮮攻撃に精を出しているアジアプレスや石丸にしてみれば、今回のチュニジア・エジプトの民衆蜂起はミャンマーの時と同様に、北朝鮮攻撃をするには絶好の材料ではありませんか。アジア以外は「縄張り外」なので正式な記事に出来ないならば、石丸のツイッター辺りでいつものように「チュニジアやエジプトで独裁政治に反対する民衆蜂起が起こった。北朝鮮でも同じように民衆蜂起が起こって金正日政権を打倒して欲しい」などとつぶやくぐらいの事はしてもおかしくないはず。なぜそうしないのか?
理由は簡単。亡命したチュニジアの前政権者及びエジプトの現政権は、日本並み(笑)の従米国家だったからです。詳しくは以下参照。
ベン・アリのチュニジアは模範的なアメリカ属国だった
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-8200.html
眠れる巨人、目覚める
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-2dde.html
いわば今回の民衆蜂起は「親米独裁政権に対する民衆の抵抗」という側面も持っている訳で、南米各地で反米左派政権が次々に樹立したのとほとんど同じ性格のものです。いわば民主化闘争と同時に反米闘争でもあったこの件をネタにして、米国と対立している「反米国家」北朝鮮を攻撃する材料にはさすがに出来ませんよねえ。いかにブラックジャーナリズム一歩手前のアジアプレスといえども。
チュニジア・エジプト両人民のレジスタンスを下手に褒めてしまったら、アメリカ様の機嫌を損ねて北朝鮮を攻撃する為のお力を貸していただけなくなっちゃうじゃありませんか! 石丸次郎など、せっかくアメリカを訪問して向こうにいるその手のタカ派アメリカ人達にゴマをすりまくってきたばかりだというのに、チュニジア・エジプト両人民を持ち上げて彼らの御機嫌を損ねるような真似がどうして出来ましょう!(笑)
ちなみにエジプトの現ムバラク大統領の最も有力な後継者と目されてきたのは他ならぬ同大統領の息子であり、これは現地はもちろん世界中のアラブ通の人達の間では知らぬ者のいないほどの常識です(今回の政変でどうなるか分からなくなってはきましたが)。北朝鮮の金正恩世襲に対してあれだけ狂気じみた批判をしてきた石丸次郎は、当然これも批判しなければいけないはずですね。日本並みの従米国家・エジプトの権力世襲。石丸次郎氏の勇気ある「世襲批判」を期待しています。絶対書けよ(笑)。
アジアプレス所属記者の思考や行動ってとても分かり易いですね。
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