とにかく、時と場所によって言う事が猫の目のごとくコロコロ変わるコリア・レポートの辺真一ですが、またしてもその二枚舌ぶりを発揮してくれました。
講演:コリア・レポートの辺編集長「北朝鮮は必ず核放棄」--長崎 /長崎
http://mainichi.jp/area/nagasaki/news/20110131ddlk42040319000c.html
朝鮮半島情勢を分析している「コリア・レポート」編集長、辺真一(ピョンジンイル)さん(63)の講演会(長崎平和推進協会主催)が30日、長崎市であった。辺さんは「北朝鮮は核兵器を必ず放棄すると確信している。そのためには相互理解が必要だ」と述べ、6カ国協議などの場で対話を深める必要性を強調した。
辺さんは「北朝鮮を攻撃する意思も能力もあるのは世界で米国だけ。その米国は過去、核保有国を一度も攻撃していない。それが北朝鮮が核を持とうとする最大の動機。米国が『攻撃しない』と約束すれば北朝鮮は放棄する」と指摘した。
また、拉致問題については「国家による犯罪を認めることができるのはトップの金正日氏(総書記)だけ。彼は自分の目の黒いうちに核も拉致問題も解決しようと思っている。彼を日本に招くなど大胆な外交を打ってもらいたい」と提案した。
確かにここで言ってる事は至極真っ当なのですが…。でも辺真一は以前にこんな事を言っています。
「金正日は(日本人拉致事件について)一部の人間の仕業として、国家犯罪であることを認めようとはしない」
「金正日はこう言って開き直った。 「この(拉致したこと)背景には数十年の敵対関係があった」 日本と北朝鮮が国交がなく、長きにわたって敵対関係にあったからといって、何の罪もない日本人を拉致したことが免罪されてはならない。同様に「どこの国の軍隊も占領下では強姦や強制売春はあった」からと言って軍隊による強制売春が容認されてはならない」
http://www.krp1982.com/abduction.html
「韓国では、政府も国民も、沖縄駐留米軍だけでなく、在日米軍を朝鮮半島有事の際の「助っ人」とみなしており、従って、撤収とか、国外移転には反対していると。今、焦点となっている普天間飛行場がグアムなど国外に移設されれば、「韓国の安全に深刻な影響が出る」と不安に思っていると、韓国の見解を代弁した」
http://blogs.yahoo.co.jp/krp19820301/archive/2010/07/15
これまでさんざん「開き直った」「国家犯罪であることを認めようとはしない」だのと言って金正日の事を批判していたのが、知らない間に「彼は自分の目の黒いうちに核も拉致問題も解決しようと思っている」ですか? 「韓国では政府も国民も」在日米軍について「朝鮮半島有事の際の「助っ人」とみなしており、従って、撤収とか、国外移転には反対している」などと勝手に「韓国の見解を代弁」して在日米軍を肯定・正当化していた人間が、一体いつから林東源氏のような対話論者になったのでしょうか? 何でこう短い間に言ってる事がコロコロ変わるの?
佐藤優もそうですが、辺真一もそれに劣らず「媒体毎の主張の使い分け」が激しい人間です。警察や検察・海保・政治家など日本の行政機関や権力者相手の講演では北朝鮮と金正日の悪口を言いふらし、平和団体相手の講演では対話による問題解決を訴える。甚だしくは「(金正日は)自分の目の黒いうちに核も拉致問題も解決しようと思っている」というのは確かに正しい見解だと思いますが、だったら何でそれをそういう相手と場合にだけ主張する? 対話による解決が大事だというなら、それを一貫して日本社会全体に広く訴えなきゃ意味ないでしょ? 行政機関や政治家相手の講演ではこれと全く逆に北朝鮮や金正日の残虐非道振りを煽り立ててるくせに。
我々在日の社会では結構知られた話なのですが、辺真一が最もメディアに出まくって一番羽振りが良かった最盛期、彼の年収は1200万円くらいあったそうです。月収100万ですから、これは在日としてだけではなく、日本社会でも金銭的には充分「成功者」と言って良いでしょう。実際、辺真一が総連組織を離れて独立して間もない頃は言ってる内容が今ほどひどくはなかったし、朝鮮半島情勢の分析に関しても鋭い意見が結構ありました。そのおかげで各メディアへの出番も増えて収入も増えたものの、そうなると今度は1200万にも達した事のある己の収入を維持または増額させる方が大事になっていきます。その為にはまともな意見や分析結果を述べるよりもウケの良い発言、すなわち時流に媚びて北朝鮮バッシングに便乗した方がはるかに割が良いでしょう。こうしてこの男は変節した、という事です。
この男の基準はただひとつ「金儲け」これだけです。その為には「主張の使い分け」など当たり前、講演に呼んだ主催者の喜ぶ事をしゃべるのみ。日本の権力機構相手の講演と長崎の平和団体相手の講演であれほどまでに言ってる内容が違うのも、当人にしてみれば当たり前ではある訳です。
しかしながら辺真一は、あまりにもメディアへの出番獲得と金儲けにばかり狂奔した結果、最も大事な朝鮮半島問題の研究家という本業面での能力が著しく低下・劣化した事は誰の目にも明らかでしょう。最近の激動する朝鮮半島本国の情勢についてはまともな事を言ったためしがありませんし、今の日本における民族差別や排外主義に晒されている在日社会の現状についてはまともに把握すらしていないではありませんか。「お友達」の金賛汀同様にこの男も在特会の問題について批判はおろか言及した事すらありません。はっきり言えば、辺真一の言ってる事などことごとく中身がない。同じ在日二世の総連出身者でも、朝鮮半島情勢の分析能力では河信基氏と比較にならぬほど水を開けられた感がします。河信基氏と辺真一の言っている内容のレベルは、それこそ韓国と北朝鮮の経済力並みに差が付いたと言えるでしょう。
しかしながら辺真一が在特会の事に言及しないのは別の理由があるからではないかという気がします。それというのも…。
かなり前の話になりますが辺真一はこんなタイトルの本を書いた事があります。その名も「強者としての在日」(2000年 マサダ刊)。内容は在日朝鮮・韓国人の(成功したごく一部の)企業家の事を取材して「在日にはこれだけ成功した人間がいるんだ。どうだ凄いだろう。在日こそ日本社会の強者なんだ」という非常に歪んだ民族意識を前面に押し出した、在日が読んだら恥ずかしくなり、差別主義・排外主義の日本人が読んだら悪用されるだけのしょーもない本でした。現実の在日社会で経済的に成功しているのはそれこそ極めて稀、大部分は一般的日本人以上に貧しい世帯が多いというのに。今から11年も前の本、それも版元がかの落合信彦(笑)のやってるマサダという時点で相当アレなのですが、当時筆者はこの本を店頭で初めて見掛けた時「こんな現実にそぐわず、道理にも合わない内容の本をよく出せたものだ。このように在日について『強者』だの『恵まれている』だのといい加減な事を言いふらして、一部のおかしな日本人の妬みや逆恨みを買うだけではないのか」という一抹の不安がよぎったものです。その悪い予感は約10年後、在特会の跳梁跋扈によって現実のものとなってしまいました。不必要に在日を「強者」だの「成功者」だの「日本人より持ち家比率が高い」だのといい加減な事を言って、あたかも恵まれているかのように描写する。これって辺真一の本が、日本人のハネッ返りに在特会を結成させる口実や一因を与えてしまったという事じゃありませんか。まさに在日の側から「在日特権」じみた事を言いふらし、在特会誕生の口実を与えたという点でも辺真一の罪は重すぎます。辺真一が在特会問題について一切口をつぐみ続けているのはその為か(笑)。
こういう本を平気で出せる感覚というのは、「日本社会の差別感覚が希薄化した。これからは共生社会だ」と言って厳しい現実から目を逸らす金賛汀と相通ずるものがあり、この手の連中はどいつもこいつも本当に似たような事を言うものです。
差別・迫害を受けて来た在日だからこそ、その中から苦労して成功を勝ち取った者は「英雄」となり、同胞達に希望と誇りを与える。それは否定しません。しかしながらだからと言って、その「英雄」や「成功者」を以ってしてあたかも在日が「強者」「恵まれている」などという事ではないでしょう。むしろ在日の「成功者」というのは日本人の「成功者」以上に辛い逆境を乗り越えて来た訳であり、むしろ在日が「弱者」「恵まれていない」事を証明している訳です。「強者としての在日」など現実にはあり得ません。そして、そうした在日社会の「成功者」達があまりにも日本人に同化したり、媚び諂うような現状で、どうして彼らを誇りになど出来ましょう。力道山の時代とは違うのです。彼ら「在日の成功者」達はすでに貧乏な同胞達の暮らしぶりなど分からないし、在日社会全体の人権や生活向上、朝鮮半島本国の平和や民族の和解などアウトオブ眼中でしょう。日本政府の民族差別政策や日本社会の排外主義が吹き荒れても、多分彼らは興味もないし自分達は生き残れるか関係ないと高を括っているはず。辺真一自身もまた月収100万以上を手にしたその手の腐った「在日の成功者」そのものなのですから。
コメントを受けつけておりません。
プロフィール
最新記事
カテゴリー
ブログ内検索
カレンダー
フリーエリア