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「明仁天皇は平和主義者」byアメリカ合衆国大統領バラク・オバマ

今の日本で左翼か右翼か、護憲か改憲か、反安倍か親安倍かを問わず、双方の陣営で完全な一致を見ている特筆すべき共通認識(と言うか共同幻想)の一つが「明仁天皇は平和主義者」というアレだろう。間違いなくこれは「戦後70年」「日韓修交50年」たる2015年の日本で最大の「トレンド」と言って間違いない。とりあえずこれだけ言ってりゃ(色んな意味で)大丈夫、みたいな所が今の日本には蔓延している。その心はまさに
「バスに乗り遅れるなッッッッ!」

で、同じような現象が韓国で起こっている事も筆者はこれまで何度も指摘した。倭王のパラオ訪問時に韓国のマスコミが保守派から進歩派まで一斉に「日王の平和の歩み」「安倍を牽制してくれている」という、何度記事を読んでもさっぱりその根拠が分からない右へならえ報道一色だった事は記憶に新しい。むしろ進歩派メディアの方が倭王への礼賛度が高いくらいだった。これはパラオ訪問の時に限らずここ2・3年ずっとそうで、例えば以下の京郷新聞の社説は凄絶の一言に尽きる。以下に一部翻訳抜粋する。

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201501022036395&code=990101
【社説】明仁日王の満州事変言及に注目する

明仁日王が去る1日、新年を迎えて意味ある話の糸口を投げ掛けた。彼は「今度の機会に満州事変に始まる戦争の歴史を十分に学び、これからの日本のあり方を考える事が今非常に重要だ」と述べた。満州事変は日本軍が1931年9月に南満州鉄道を爆破し、中国軍閥の仕業だとして中国を侵略した事件だ。明仁日王はこのように、侵略者日本の位置を再三振り返った。日本にとって今年は、韓国人をはじめとするアジア人に忘れられない野蛮行為をし、第2次世界大戦に敗戦して70年になる年だ。
(中略)
明仁日王から話の糸口をつかんで、安倍総理がまず心から反省している事を見せねばならない。

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201502232100025&code=990101
【社説】日本王太子の過去史省察、安倍談話にも反映されねば

日本の徳仁王太子は55歳の誕生日を迎えた去る20日に東京で記者会見を開き、敗戦70周年を迎える日本が戦争の悲惨さを忘れず記憶せねばならないと語った。(中略)彼の発言は日本の過去史に対する反省の意を明らかにしたものと見られる。
(中略)
だが安倍総理は過去の二つの談話(河野・村山)核心的表現である謝罪・痛切な反省を継承するかは言及せずにいる。

またしても「天皇陛下(または皇太子)はあれだけ素晴らしい平和主義者なのに安倍は…。安倍は陛下を見習え!」という例のアレだ。繰り返すが、これは日本の新聞ではない。韓国の、それも進歩派(左派)を代表するメディアの一つとされている京郷新聞の社説である。前に太平洋遺族会という、日本の誰かさんみたいな事を主張している韓国の右翼カルトをネタにした事があるが、あれは決して頭のおかしなカルト集団や極右政府御用団体だけの認識ではなく、今や韓国マスコミ全体の共通認識だ。かつて日帝植民地時代の朝鮮の新聞はもちろん統制されていたので、「(八紘一宇と大東亜共栄圏で)アジアと世界を平和に導く天皇陛下万歳」と毎日のように書き立てていた。それから解放されて70年経ったというのに、今でも南朝鮮の新聞・マスコミは相も変わらず「(安倍を牽制して)アジアと世界を平和に導く天皇陛下万歳」と叫び続けている。南朝鮮=韓国は植民地解放から70年を経て、民族独立国家(と言えたかどうかはかなり怪しいが)から再び日本の天皇を賛美する植民地臣民体制へと退化したのだ。南朝鮮における「光復70周年」とは、日帝時代への回帰の年と見るのが正しいのである。それでも日帝時代の新聞は強圧的に統制されてやむなく書かされていたが、今の韓国メディアは自ら進んで倭王を礼賛している点が救い難い。植民地時代よりも一層酷く自ら進んで日本に隷従してる(したがる)今の韓国マスコミって一体…。天皇訪韓を煽る和田春樹や、それとつるむ白楽晴ら創批(創作と批評。言うなれば「韓国の岩波」)知識人グループが及ぼした害悪も非常に大きいのではないか。
嘘だと思うなら検索してみれば良い。グーグルでも何でもいいから「일왕 평화(日王 平和)」で調べれば、どれだけその手の新聞記事が大量に出て来る事か…。
インチキ字幕で今をときめく池上彰のようなノータリンはこうした「アジア一の親日国家韓国・植民地解放後も天皇陛下の御威徳に平伏し続ける親日国家韓国」の現実を何も知らない。いや、池上は現実・現状がどうかなど関係なく、ひたすら日本人至上主義と韓国への卑下・蔑視を煽って自分だけ金儲け出来ればそれで良いという事だろう。

さらに言うと、「明仁天皇は平和主義者」論を最も後押しして利用しているのはアメリカであるという事も外せない。2014年にオバマが来日した時の事を忘れてはいないだろうか。その時のオバマの言動はどうだったのか?

http://www.asahi.com/articles/ASG4S556FG4SUTIL023.html
「私たちは共にいます」 オバマ大統領スピーチ全文
2014年4月24日21時19分

これはまた、この上なく光栄なことでもあります。私は第44代アメリカ合衆国大統領ですが、陛下は日本の125代目の天皇陛下です。日本の皇室は2000年以上の長きにわたり、日本人の精神を体現してきました。今夜、その精神を、陛下の平和への思いの中に感じることができます。またこれまでの困難な日々や、3年前の東日本大震災の悲劇にもかかわらず、その強さと規律正しさと高潔さで世界の人々に影響を与え続けている日本国民の立ち直る力の中にも感じられます。

「陛下の平和への思いに日本人の精神が感じられる」だってさ。オバマも「明仁天皇は平和主義者」という幻想をフルに利用しつくしているという事だ。何に利用するかだって? 日米新ガイドライン体制、韓米日軍事同盟体制に代表されるアメリカの戦争政策に決まっているではないか! 安倍が強行に日本の軍事大国化を進め、それに対する国内外からの反発を「平和主義者」の倭王がなだめる。サラ金取り立て屋の脅し役となだめ役の役割分担みたいなものだ。アメリカにとってこの構図は実に好都合。もう一つ忘れてはいけないのは、この時の来日でオバマは倭王と一緒に陸上自衛隊の閲兵式に出たという事実だ。これ以上の説明は無用だろう。「安倍と違って天皇は平和主義者」などと言ってる奴らのツラが見たい。
2014年の晩餐会でオバマが言ったリップサービス、明仁にしてみればまさに100万どころか1億の味方を得たようなものであり、天にも昇らんばかりの気分だったろう。顔も知らないペーペーの臣民どもが例え何万人「陛下は平和を愛している」と叫ぶよりも、アメリカ大統領一人にそう言ってもらえた方がはるかにありがたいし、影響力も実効性も比較にならない。

「俺はアメリカの大統領にまで認められた世界の平和主義者なんだぜえええええッ! だから仮に安倍が戦争おっぱじめても、俺には何の責任もないんだああああああッ! これで俺の地位と皇室は千代に八千代に安泰だぜいッ! それこそさざれ石が巌になって苔が生えるまでなあッ! これこそ君が代ジャパンッッッッ! 俺は別に強制した覚えはねえぜ? 選んだのは貴様ら臣民どもよ!」

…という明仁の高笑いが聞こえてきそうだ。アメリカから「勅許」もらって喜んでる天皇(笑)。一方沖縄では、ウージの下で出会った友が辺野古の海でこの世と千代に八千代にさよならさせられそうなほど酷い暴力を海保にやられている状況というのに、天皇とその臣民どもというのは実にいい気なものである。

「(日の丸も君が代も米軍基地も)強制した覚えはない」と白々しくうそぶく「君が代ジャパン」
ありとあらゆる暴力の動員によって非道な仕打ちを強制される「島唄ウチナー」

この落差に気付かなければ人間としておしまいだろう。両者にとって「千代に八千代に」という言葉は180度逆の意味を持つ。
と同時に
「日本人の精神年齢は(天皇も安倍も含めて)12歳。いや、今はもっと退化して3歳くらいじゃね? 韓国人もね」
というオバマの高笑いも聞こえてきそうだ。

倭王すなわち天皇という「玉(ギョク)」はアメリカにとっても非常に利用し甲斐のある手駒である。日本敗戦直後の占領政策の時とほとんど同じように、その「天皇の利用」は成功する確率が高い。山本太郎辺りのぺーぺーな「平民」と違い、日本の「ケツ持ち」アメリカという力ある強大国にとって、日本という国を利用して動かすのに天皇制は便利なツールシステムである。もちろん日本にとっても軍事大国化にはアメリカのバックが絶対に必須であるのだから。

・日本の軍事大国化という安倍(含む執権勢力)の野欲。
・「俺は平和主義者」というアリバイで自分の地位と皇室の安泰だけが何より大事な倭王・明仁の野欲。
・日本をいつでもどこでも自国の戦争政策にフル活用したいアメリカの野欲。

三者の利害はどこまでも完全に一致しているのである。いや、三者でなく四者だ。

・北の国家体制を転覆して「南主導の吸収統一」という朴槿恵政権(に限らず与野勢力ひっくるめた韓国という国そのもの)の野欲。

もまた上記三者と利害がぴったり一致する。「南主導の吸収統一」というのは「日本の軍事大国化」と同じで、どこまでもアメリカ(と日本)のバックがなければお話にもならないのだから。
林東源や白楽晴といった韓国の旧太陽政策派人脈(旧民主党・現新政治民主連合系)が2012年末頃(大統領選挙直前)を境に、北の人権問題などを口実に一斉に吸収統一論に転換した事はこれまで何度も述べた。今や与野党問わず韓国における統一政策は「南主導の吸収統一」一色であり、これに関して「国論の分裂」は全くない。あるとしたら「圧倒的な軍事的・経済的圧力で北を屈服させる」(朴槿恵&セヌリ党)か「経済支援のバラマキをやって北の経済が南なしには成り立たないように仕向け、屈服させる」(旧太陽政策派人脈&新政治民主連合)かという手法の違いだけだ。いずれの手法を採用するにしても、日米の強力な軍事的バックアップが絶対に欠かせない。それに反対する異端者は、統合進歩党シン・ウンミ氏のように実力行使で排除される。「明仁天皇は平和主義者」論というのは日米新ガイドライン体制下における韓米日軍事同盟(と、それによる南主導の吸収統一)を円滑に進める「麻薬のような物」として必須のツールの一つであり、だからこそ旧太陽政策人脈=旧民主党系の御用メディアであるハンギョレ・京郷・オーマイニュースらは倭王を平和主義者だと必死になって持ち上げるのだ。それこそ極右・保守系メディア以上に熱心に! 

世界中で戦争して空爆や劣化ウラン弾で大量虐殺を行っている国の大統領が大絶賛する「平和主義者」って何? それをありがたがってる日本人や韓国人って何? 

2014年4月24日
オバマは来日して倭王明仁と陸上自衛隊の閲兵式に参加、その夜の晩餐会で「日本の皇室は2000年以上の長きにわたり、日本人の精神を体現してきました。今夜、その精神を、陛下の平和への思いの中に感じることができます」というスピーチを行った。これが持つ意味をよく考える必要がある。アメリカの大統領が自衛隊という属国の軍隊を閲兵し、挙句はその属国の王様に「平和の思い」とまでお褒めの言葉をかけてやった。すなわち明仁は
「日本人の精神を体現した平和主義者」だとアメリカからお墨付きを下賜されたのだ。

2015年4月29日
安倍は米連邦議会上下院合同会議に呼ばれて演説する事を許された。それも過去の侵略行為を否定する内容の! これが持つ意味をよく考える必要がある。この両院合同会議というのは、かつて真珠湾攻撃の直後に対日宣戦布告をした場所ではないか。そこで「かつて対米宣戦布告に名を連ねた商工大臣・岸信介」の孫が演説する事を許され、日帝の侵略を否定し、アメリカとの軍事同盟をこれ以上ないほど歯の浮くようなセリフでヨイショした。すなわち安倍は
「自衛隊の正規軍化」「領土拡張(尖閣・独島)」「吉田ドクトリン(重経済軽武装という例のアレ。軽武装と言いながら実際には着々と軍拡化を進めていたのだが)の破棄」について、アメリカからお墨付きを下賜されたのだ。

倭王には「あんたを平和主義者に認定」安倍には「日本の軍事大国化認定」というお墨付きをそれぞれくれてやったアメリカ。アメリカは一見矛盾するかのような「勅許」を同時に出してやったかのように見えるが、すでに述べたようにこれは実は矛盾でも何でもない。日米の軍事政策拡大をスムーズにするべく両者を「なだめ役」と「脅し役」で役割分担させるようにしただけだ。「安倍の軍事大国化への策動」と「明仁天皇の平和への歩み」は決して対立するものでも矛盾するものでもなく、一つ車の両輪である。「天皇は平和主義者」と信じる事こそ戦争への近道なのだ。

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「現場に来い」という脅し文句はヤマギシ会と同じ手口



驚いた事に今でも存続している日本のカルト団体で、ヤマギシ会(山岸会、幸福会ヤマギシ会)という所がある。ここは自然農法やら社会変革やらをお題目にしてはいるが、その実態は入会者の財産を全部会に寄付させて洗脳・マインドコントロールしたり、実際には農薬・抗生物質まみれの作物や肉を売って商売してるなどの酷い詐欺宗教まがいの団体だった。要するにかつてのオウム真理教とほとんど変わらないような所である。で、1990年代に入ってここの酷い実態が徐々に外部世界にも知られるようになり、被害者による告発やヤマギシ問題を考える団体などが作られるようになると、当のヤマギシ側はいつも決まって次のような反論をしてきたという。
「ヤマギシの現場に来てもらえば分かります。特別講習研鑚会に来てもらえば分かります」
この特別講習研鑚会、略して研鑽会というのは早い話信者を集団で取り囲んでマインドコントロールする折伏の場なのだが、そこに来いというのだ。あるいは自分達が「ユートピア社会」を築く為に働いている「現場」へ見学に来い、と。被害者による悲惨な実態の告発や外部からの批判には一切まともな返答をせず、ひたすら「俺達の現場に来い」とやり返すのがヤマギシのお決まりパターンなのだ。

…「俺達の現場に来い」なんか聞きおぼえあるなあ~。そうそう、私の知っているある「若者による新しい形態の市民運動(とその関係者)」とやらが、批判されるとこれと同じ反駁をしていたな…。


SEALDsとかいう訳の分からない「若者(笑)の市民運動」というふれこみの団体があるそうなのだが、ここがまたずいぶんおかしな事を言っている。ここのホームページを見てみると、以下のようにアホとしか言いようのない凄絶な言葉が至る所に盛り込まれていた。

戦後70年でつくりあげられてきた、この国の自由と民主主義の伝統を尊重します」
「NATIONAL SECURITY(訳注:国家安保)」
唯一の被爆国
「平和憲法を持ち、唯一の被爆国でもある日本は、その平和の理念を現実的なヴィジョンとともに発信し、北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮するべきです。私たちは、こうした国際社会への貢献こそが、最も日本の安全に寄与すると考えています」
中国は政治体制こそ日本と大きく異なるものの、重要な経済的パートナーであり、いたずらに緊張関係を煽るべきではありません」
先の大戦による多大な犠牲と侵略の反省を経て平和主義/自由民主主義を確立した日本には、世界、特に東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャルがあります」
「私たちは、現政権の政治に対抗するために、立憲主義、生活保障、平和外交といったリベラルな価値に基づく野党勢力の結集が必要だと考えます」

またしても「戦後70年の日本は平和・自由・民主主義」である。もう何度も繰り返し述べてきた事だが、戦後の日本は70年一貫してそのような「平和・自由・民主主義」を尊重する国などではなかった。だから今の日本の惨状があるに過ぎない。「立憲主義を根本的に否定する現政権、および自民党の改憲草案」というのは昨日今日突然のポッと出などでは決してなく、戦後70年間の積み重ねなのである。それが分からない(か、あるいは知っててごまかしている)者に日本社会の変革など出来はしない。
中国は重要な経済パートナーだから緊張関係を煽るなって、じゃあ重要な経済関係のない国なら緊張関係煽っていいんだ? 「政治体制が異なり、日本とは重要な経済パートナーでないから、いたずらに緊張関係を煽っても構わない国」というのが一つ思い浮かぶのだが、日本はもうずいぶん長い事その国に戦争そのものと言っても良いほどの非人道的な経済制裁をやってますよねえ…。
SEALDs的にはそれは一向に構わない事なのです! それこそが「先の大戦による多大な犠牲と侵略の反省を経て平和主義/自由民主主義を確立した日本には、世界、特に東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャルがあります」というお題目の真の意味なのです! 「平和の理念を現実的なヴィジョンとともに発信し、北東アジアの協調的安全保障体制の構築へ向けてイニシアティブを発揮する」という事なのです! こうした「ムカつく国」への経済制裁こそが、「最も日本の安全に寄与すると考えてい」るのです! だから中国も日本にとって「重要な経済パートナー」でなくなったら、即「集団的自衛権の行使容認」だぜいッ!

…冗談はともかく、この集団の歴史的無知と「重要な経済パートナーだから緊張関係を煽るな」という「国益優先国家主義」丸出しのメンタリティ、「東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャル」という侵略戦争の反省など微塵も感じ取れない日帝覇権主義、「リベラルな価値に基づく野党勢力の結集」という実は改憲の問題点を丸々すっ飛ばした政治的野欲ばかり丸出しの浅ましさ。何一つとってもまともな市民運動などではないだろう。こんな代物は馬鹿にされて当然だ。

ところがこの団体の問題点を批判すると凄まじいまでの誹謗中傷によるバッシングが起こるのだという。大体の流れは以下米津篤八氏のフェイスブック参照。

https://www.facebook.com/tokuya.yonezu/posts/932133856829006
https://www.facebook.com/tokuya.yonezu/posts/932531400122585

こうした誹謗中傷行動を担ってるのは同団体の取り巻きである「大人」達のようで、例の「ミスター糞チョソン人」こと野間易通を中心としたいわゆる「反原連系一派」に非常に多い。もちろんSEALDs自体が、こうした鄭玹汀氏らの批判に具体的でまともな反論をしているのをまるで見た事がない。それは反論など出来ないからだろう。「日本帝国が犯したアジア侵略の責任を今の日本国家が真摯に引き受け、清算する」事などを具体的に綱領に入れてしまったら、SEALDsという団体とその運動自体が成立しない。なぜなら「日帝の侵略責任清算」を徹底無視する事でしか「戦後70年でつくりあげられてきた、(日本だけが享受する)平和と自由と民主主義の伝統」とやらを守る道はないからだ。「東アジアの軍縮・民主化の流れをリードしていく、強い責任とポテンシャル」というのは要するに「70年間平和で自由で民主主義な伝統を持つ俺様(日本)が、軍事的脅威を周囲に振りまいている非民主的な独裁国家であるおまえら(東アジア諸国)を責任持って『軍縮・民主化』してやるんだ。ありがたく思え!」という事だろう。本当にアジアに贖罪したいと思ってるなら、こんな傲慢な発想は絶対に出て来ない。SEALDsの発想がまさに日帝覇権主義そのものだというのは、こうした理由からだ。
いや、今の日本で「日本帝国が犯したアジア侵略の責任を今の日本国家が真摯に引き受け、清算する」などと主張したら人が集まらないだろう(と連中は計算している)。SEALDsが「日帝の清算」をこれほどまでに無視し続けるのは、こちらの理由がより大きいと思う。

「日本の侵略戦争責任なんて古臭いオールド左翼みたいなダサい事を言ってたら人が集まらない。俺達はもっと垢抜けたファッショナブルで人の集まる運動体なんだッッッッ!」
「「平和と自由と民主主義の伝統」とやらで包装された、日帝覇権主義の発現」
身も蓋もない言い方をすればこういう事だろう。

名前からして「SEALDs=楯」なのだから、真っ先に思い浮かぶのは三島由紀夫の「楯の会」だ。やり方は違うが、どちらの「楯の会」も「NATIONAL SECURITY=国家安保」に多大な関心を持ち、「日本がアジアをリードする」という覇権主義は共通している。目的は似たようなものだが、三島由紀夫みたいに露骨な「アナクロオールド右翼」の色彩を脱色して今っぽい「ファッショナブル」な装いをしたのがSEALDs。筆者の目にはそう映る。もちろん三島の楯の会の制服も、当時としては大変「ファッショナブル」だった訳だが。「オシャレな運動」という部分にも両者の共通点を垣間見れる。さらに共通点を掘り下げて行くと、SEALDsも天皇を非常にありがたがっているそうだ(以下画像参照)。「天皇陛下のお言葉」を引用したスピーチまでしていたのだから、天皇主義という点でも三島楯の会とおんなじである。

 

さらには憲法改正の国民投票をしろとまで言っているのだから、何をかいわんやではないか。

https://twitter.com/SEALDs_jpn/status/615752199465926656
簡単です。集団的自衛権はこれまでの政府解釈を見ても、憲法学者の意見をみても完全に違憲です。廃案にすべき。また全部で11個もの法案を一度に審議するのは無謀です。そして憲法、国民の生命に関わることですから国民投票するのが当たり前でしょ
22:22 - 2015年6月29日

憲法改正には国民投票が必要。だからこそ、その具体的な手続きを決める国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する法律)の阻止が護憲の闘争では必須のものだった。護憲運動をしてきた者であればこれは常識だろう。日本で憲法を守ろうと思ったら「国民投票するのが当たり前」ではなく、そもそも国民投票自体に反対して防がねばならないのだ。SEALDsの言い草は、憲法改正されても仕方がないと言ってるようにしか見えない。さもなければただのアホか。そう言えば三島楯の会はもちろん改憲を主張(楯の会と自衛隊で国会を包囲し憲法改正を発議させようとした)していたし、またしてもこれら「ダブル楯の会」には共通点が見つかってしまった! いや、SEALDsの信条はそもそも「護憲」ですらない訳だから、当然「国民投票するのが当たり前」なのが当たり前か。

このようにSEALDsという団体そのものが問題だらけな上に、これの「応援団」を気取っている連中がそれに輪を掛けて酷い。先述した鄭玹汀氏によるSEALDs批判に対し、人権侵害行為を繰り返してきた連中の誹謗中傷でほぼ確実に現れる世にも不思議なセリフが「運動の現場に来ない奴が勝手な事言ってる」「俺達の現場に出て来い」というものだった。

お分かりだろう。SEALDsとその支持者(ケツ持ち?)の体質はヤマギシズムなのだという事が。

・ヤマギシ会
「ヤマギシの現場に来てもらえば分かります。特別講習研鑚会に来てもらえば分かります」
・SEALDsとその支持者
「俺達の現場に出て来い。来ない奴は文句を言うな」

SEALDsを「市民運動」と捉える事がそもそもの間違いだと思う。あれは完全なカルトとして見るのが正しい。それも極めてヤマギシズム的なものであると。ヤマギシ会にせよオウムにせよ、カルトというのはそれが属する国や共同体の縮図そのものである。ヤマギシの「全人類幸福社会を作る」というスローガンの下に入会者をマインドコントロールして使い捨ての兵隊のごとく隷属させる仕組みは「大東亜共栄圏」「天皇の軍隊」そのものであるし、オウムが教祖の麻原彰晃の下で幹部を「科学技術庁長官」「法務大臣」「外務大臣」といった大臣にする組織形態をとっていたのはまさに「天皇とその臣」の関係そのものだ。ヤマギシもオウムも天皇制国家の完全なミニチュア版であり、日本社会の最も醜悪な部分を反映した存在であった。ヤマギシズムそのものと言って良いSEALDsやその応援団として親会社(?)的存在である反原連や東京デモクラシーもまた、極めて天皇制ジャパンの醜悪な色彩が濃厚なカルトそのものなのだ。
カルトの特徴としてもう一つ、「その国の体制権力の補完勢力」という特徴が挙げられるだろう。ヤマギシ会に関する文献など読んでみると、ここが組織ぐるみ選挙を度々行っていたという証言が出て来る。90年代前半以前の事だそうだが、ヤマギシ会は選挙になると信者(会員)達に「自民党か民社党に投票しろ」と指示したという。これはヤマギシが自分の農場にする土地を買収するのに、地元で自民党や民社党の候補者が当選した方が都合が良いからだった。政権与党や右翼政党を支持する事で、そこから色々とおこぼれをちょうだいする。これは今も公明党&創価学会がやっている事だが、ヤマギシも昔からこうした「体制の補完勢力」として「現世利益」を追求し続けて来た。もちろん学会とヤマギシではその規模も力も雲泥の差だが。SEALDsは一見安倍政権に反対するような素振りをしているが、公明党だって秘密保護法や集団的自衛権に対して最初は必ずそういう事を言ったではないか。でも最後は自民党に賛成する。SEALDsももっともらしい事を言いながら、よく読んでみると日帝のアジア侵略に対する清算については何も語っていないし、改憲国民投票すら肯定している。天皇陛下も大好きだ。自分を批判した韓国人に対して、親会社(?)関係者達が酷い人権侵害を繰り返しても、それを止めようとすらしない。ここの「体制の補完勢力」ぶりはヤマギシにも公明党&創価学会にも負けてはいない。あるのはひたすら国家主義に基づいた「日本の国益」と、そこからちょうだいする「現世利益」のおこぼれだけだ。

SEALDsに目新しい部分など何一つありはしない。自分らを「若者」と称するのがお好きなようだが、それでは「牛丼福祉論」の古市某と何が違うのか。「自分は若者。だからそれの代弁者」という売り出し方を選ぶのは勝手だが、「I am 若者」しか芸のない奴らは凡百の子役と同じで長続きはしない。そういう意味で、SEALDsも古市某も5年後に年食ってからが非常に楽しみだ。芸能界では大人になっても活躍し続けられる子役タレントは極めて稀である。果たしてSEALDsは…。
戦前の報国運動を髣髴とさせるSEALDsを見る目、それは天皇制ジャパンに出現したカルトを観察する目、すなわち「カルト資本主義 by斉藤貴男」という視点こそ相応しいのである。

ヤマギシズム the 天皇制ジャパン
SEALDs the 天皇制ジャパン
楯の会 the 天皇制ジャパン
反原連 the 天皇制ジャパン

SEALDs the 青年リベラル報国運動!

ハンギョレのカラクリ その1

6月22日、韓国と日本で双方の首脳がそれぞれの大使館で国交正常化記念式典に「クロス出席」した事で、憂慮していた通りいよいよ日韓共犯・癒着関係の総決算である2013年体制の中で、日米新ガイドライン体制の下部構造に韓国が従属するという形での「新・韓米日軍事同盟体制」が始まろうとしている。
韓国のマスコミでこれの最も熱心な旗振り役を務めてきた代表例が他ならぬハンギョレ新聞であった。この間の同紙報道を見ていると、この新聞がいかに「韓日関係正常化」「韓日友好」「未来志向」「韓日首脳会談実現」「韓国と日本は民主化と産業発展を同時に成し遂げた東アジアでただ二つの国」という気持ち悪いおためごかしを連発してきたか知れたものではない。直近で最も分かり易い例が以下の社説だろう。

http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/21104.html
[社説]韓日の将来は「金大中・小渕」宣言が鍵だ
登録 : 2015.06.23 06:43 修正 : 2015.06.23 07:52

韓国語原文記事
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/696985.html?_fr=mt0

この社説には全く唖然とさせられる。それだけ凄絶な言葉がてんこ盛りだ。

「両国大使館主催の記念式典に朴槿恵(パククネ)大統領と安倍晋三首相が相互訪問して、ユン・ビョンセ外交長官が初めて日本を訪問して息が詰まった状態に風を吹き込んだことは幸いである。特に前日の外交長官会談で最近対立している要素の日本の近代化産業施設のユネスコ世界遺産登載問題について妥結したことは好ましい兆候と言えよう。今後このような高官次元の接触と動きが、詰まり切った両国関係を打開する転機になることを期待する。」

「しかし結果的に韓日修交は両国ともに大きな利益をもたらしてきた。韓国は日本が提供した経済協力資金をうまく活用して産業インフラを構築するなど産業化の基盤を整えた。その後の急速な経済発展においても日本の技術、資本、経営ノウハウ、貿易など様々な方面で大きな助けを受けた。日本もまた韓国との貿易で莫大な黒字をおさめた。このように両国は迂余曲折を経て民主化と産業発展を同時に成し遂げた東アジアの“双子国家”として成長した。」

「1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が採択した「韓日共同宣言―21世紀に向かった新しい韓日パートナーシップ」は示唆する点が大きい。」

「これを基に未来指向的な関係を構築」

「二カ国の首脳は小さいことに一喜一憂せずに「金大中・小渕共同宣言」を継承発展させることで今後50年の未来に対する答えを探すことを望む。」


結局はまたしても「未来志向」かよ! しかも「金大中・小渕宣言」とか馬鹿じゃねーのとしか言いようがない。ハンギョレが主張しているのは、率直に言って1965年以来の日韓協定体制の全面肯定そのものと言って良い。「韓日修交は両国ともに大きな利益をもたらしてきた」「(そのおかげで)両国は迂余曲折を経て民主化と産業発展を同時に成し遂げた」という言葉に全てが要約されている。

・ハンギョレ的歴史観による模範的一問一答集
問:日韓協定を結んだの誰? 
答:当然朴正熙政権だ。
問:日韓協定で日本と韓国はどうなった?
答:そのおかげで韓国も日本も大きな経済発展をした。同時に民主化も成し遂げた。
問:という事は、韓国の経済発展と民主化の最大の功労者は?
答:もちろん、日韓協定という「国家百年の大計」を結ばれた、天が韓半島に下された半神半人にして偉大なる民族英雄、朴正熙大統領閣下でありますッッッッ!

…冗談などではなく、ハンギョレの記事を読んでるとこういう結論にしかならない。日韓協定のおかげで韓国も日本も「経済発展と民主化」が成し遂げられた、しかも東アジアで「経済発展と民主化」を同時に成し遂げられたのは「韓国と日本ただ二つだけ」などと、夜郎自大・自画自賛・我田引水・自己陶酔の極みとしか言いようのない事を平然と言っている訳だから。韓国の進歩派勢力というのは少し前まで1987年民主化宣言以降の民主化を極度に美化する「韓国民主主義神話」という頭の痛い幻想にとらわれていたのだが、それが「韓日修交50年」の今、さらに悪化して時代を遡る「日韓協定神話」にまで行き着いてしまった。韓国の進歩勢力が日韓協定を「民主化と経済発展をもたらした」とまで言うようになるとは…。ちなみに「韓国に経済発展と民主化をもたらした最大の功労者は朴正熙」という歴史歪曲は韓国のニューライト勢力(日本の植民地支配は正しかったと主張する韓国の極右勢力)が奉じる歴史観そのものであり、今やハンギョレはニューライトと全く同じ歴史観を共有するまでになったという事だ。かつて「軍事独裁政権に抵抗してきた気骨のあるジャーナリスト達(当然この人達は朴正熙や全斗煥の時代にさんざんブタ箱に入れられて酷い拷問もされた)が結集して作った新聞」だったはずのハンギョレがとうとうここまで堕ちた。21世紀に光復70年を迎えて、韓国の民主主義を牽引してきたはずの進歩派メディアの雄はニューライトと同等のレベルにまで退化したのだ。「停滞」ではない。それよりもっと酷い「退化」である。
そのうちハンギョレはじめとする韓国の進歩派は「日本の植民地支配こそ韓国の民主化と経済発展の根源」とか言い出すに違いない。と言うか、これもまたニューライトの主張そのものだ! 
歴史観でニューライトと進歩派の垣根が全くなくなる。それも過去の独裁政権と日帝を美化する歴史修正主義という最悪の方向で! これが韓国を待ち受ける無残な未来像だろう。このまま行けば間違いなくそうなる。つまり「韓国版・光る風(by山上たつひこ)」が待ち受けているという事だ。いや、「日韓合同版・光る風」の方が正しいかもしれない。
最近日本のリベラル・左派界隈でやたらと「戦後70年間守られてきた日本の平和・自由・民主主義」とかいう「戦後日本・平和国家神話」がやたらと喧伝されて、戦後日本を超美化するのが流行っているのと全く同じ、と言うか、これらは明らかに日韓で軌を一にした現象だろう。日韓何もかもそっくりだ。

日韓協定が韓国に経済発展と民主化をもたらしただって? ではここで、これを結ぶ過程で出て来た日本側代表者達の諸発言をもう一度御覧いただきましょう。

・久保田貫一郎(1953年第3次日韓会談日本側首席代表)
1953年10月15日の「久保田妄言」
日本は戦争中、東南アジア諸国で掠奪や破壊をしその賠償をしようとしているが、韓国で掠奪や破壊をした事実がないので賠償することはない、万一あるなら賠償する」
「私有財産の尊重という原則に基いた対韓請求権は放棄していない
「もし韓国併合36年間の賠償要求を出していれば、日本としては、総督政治のよかった面、例えば禿山が緑の山に変つた、鉄道の敷設、港湾の建設、米田が非常に殖えたことなどをあげて韓国側の要求と相殺したであろう」
「カイロ宣言は、戦争中の興奮状態において連合国が書いたものであるから、現在は、今連合国が書いたとしたならば、あんな文句は使わなかつたであろう」
韓国の独立はサンフランシスコ条約の効力発生時点だから、それ以前の独立は、たとえ連合国が認めていても、日本から見れば異例措置である」
日本が進出しなければ(韓国は)ロシアか中国に占領されていただろう」

・澤田廉三(1958年第4次日韓会談日本側首席代表 エリザベスサンダースホームの設立者・澤田美喜のダンナ)
1958年6月11日の「澤田妄言
38度線を鴨緑江まで推し進めるのが日韓会談交渉の目的だ。38度線が釜山まで下がって来たら、日本はすぐさま危険になるからだ。地下に眠る朝鮮関係先烈達の霊魂を考えても、この事を忘れてはならない」
現在の日本が日清戦争と日露戦争の後を継いで三度目の正直、再び立ち上がって38度線を鴨緑江の向こう側へ押し出せねば、あの世に行ってもどんな顔で先祖達にお会い出来ようか」

・高杉晋一(1965年第7次日韓会談日本側首席代表 三菱電機会長)
1965年1月7日の「高杉妄言
日本が朝鮮を支配したのは良い事をしようと、朝鮮をより良くしようとした事だった。もっと20年くらい日本と一体だったなら、ああは(韓国の山に木が少ない事を指して)ならなかったかもしれない」
「日本の努力は結局戦争で挫折したが、もう20年くらい朝鮮を持っていたら良かっただろう。日本が謝罪すべきというのは妥当な話ではない。創氏改名からしてあれは朝鮮人を同化させて日本人と同じく対しようと執った措置で、悪い事ばかりだったとは言えない
日本はこれを機に、兄になった気分で韓国に臨まねばならない
「過去の事を暴いて韓国側が主張したい事が多いだろうが、日本側にも(言いたい事は)ある

最初の久保田妄言は日本でもよく知られているが、続く二つの澤田妄言と高杉妄言は日本ではあまり広く知られていない。実際に発言内容を見ても分かるように、澤田・高杉妄言は久保田のそれに決して劣らないどころか、もっと酷い内容であるにも関わらずだ。

澤田廉三の妄言は日本による朝鮮半島再侵略の野欲を露骨に表にしたもので、こんな奴が旧植民地国との国交正常化交渉の首席代表になる所が凄まじい。「38度線を鴨緑江まで推し進めるのが日韓会談交渉の目的」って、最初から南朝鮮は「日本領」も同然という考えであり、やがて「鴨緑江まで」つまり朝鮮半島全てをまた日本領にするという姿勢で会談に挑んだという事だ。「韓国の独立はサンフランシスコ条約の効力発生時点 by久保田」どころか、それ以後も本心では朝鮮の独立を決して認めようとしなかったのが澤田の立場であった。いや、これは日本政府の本音を象徴するものだったろう。

1910年の「日韓併合」ならびにそれ以前の様々な不平等条約も全て国際法的に違法なものであり、源泉無効である。そして日本による朝鮮植民地統治時期は完全に不法な支配状態の時期であり、それも日本敗戦によって解除、1945年8月15日から朝鮮は独立した。

これを決して認めず、「韓国の独立はサンフランシスコ条約(1951年)の効力発生時点」「(1958年現在)38度線を鴨緑江の向こう側へ押し出せねば」として、敗戦後も一貫して朝鮮・韓国の独立を決して認めようとしなかったのが「戦後の平和国家・日本」であった。戦後在日朝鮮人の地位・永住権問題や教育問題と、それに対する在日朝鮮人の抵抗・闘争史に良く表れている。すなわち「朝鮮独立への隘路」と言うべき苦難の歴史であった。いや、今でも日本政府は内心では独立を認めず「朝鮮半島は日本の版図」と思っているだろう。久保田・澤田・高杉らと全く代わらぬ妄言を安倍や麻生や倭王(痛惜の念発言)は今でも言い続けているのだから。
おまけに「38度線が釜山まで下がって来たら、日本はすぐさま危険になる」って、おまえはどんだけ脳ミソにカビの生えた古臭い反共主義者なのか。澤田の言う「地下に眠る朝鮮関係先烈達」というのは明らかに福沢諭吉や伊藤博文や寺内正毅や小松緑や秋山好古らに代表される、朝鮮を植民地化するのに貢献した侵略者先達連中を指している。挙げ句の果てには「鴨緑江まで」どころか
「現在の日本が日清戦争と日露戦争の後を継いで三度目の正直、再び立ち上がって38度線を鴨緑江の向こう側へ押し出せねば、あの世に行ってもどんな顔で先祖達にお会い出来ようか」
だぜ。「日清戦争と日露戦争の後を継いで三度目の正直」「鴨緑江の向こう側」って、アジア再侵略戦争やる気満々だな! 「日米安保(澤田妄言の頃は旧安保条約だが)体制の下、朝鮮半島と満州・中国を再び日本の版図にして大東亜共栄圏復活の日は近い!」というのが、「慈善家」澤田美喜のダンナにして、今でも欧米ナイズされた洒脱なクリスチャン外交官というイメージの付きまとう澤田廉三の正体であった。今の安倍晋三とも実にいい勝負な、どこに出しても恥ずかしくない立派な日本鬼的軍国主義者そのもの、それがおフランス帰りのエリート外交官・澤田廉三という男であった。
「ミーはおフランス帰りのエリート外交官ザンス。朝鮮半島も中国も全部日本の版図ザンス。だから従軍慰安婦にも強制連行にも賠償なんかする必要ないザンス」
というイヤミ澤田の耳障りな声が聞こえてきそうだ。

続いて高杉晋一の妄言について言うと、これは「日本は植民地統治時代に朝鮮に良い事をしてやった」という久保田妄言のさらに強化版である。1965年、つまり朝鮮独立から20年過ぎたその時点でなお「もう20年くらい朝鮮を持っていたら良かった」つまり、まだ植民地として朝鮮を支配していたかった(要するに高杉の気持ちの上では今でも朝鮮は日本の版図のつもり)というのだから、尋常な神経ではない。「日本の努力は結局戦争で挫折した」というのは、本当なら今でも朝鮮半島は日本領なんだという図々しい事この上ない発言だ。まさに「植民地を失ったのが惜しくて仕方ない」という意味である倭王の「痛惜の念」発言と何も違わない。しかも「日本が謝罪すべきというのは妥当な話ではない」つまり謝罪の必要なしだという。創氏改名に関する話も牽強付会な言い訳そのものだ。後の麻生太郎の妄言もこれが原型となっている。要するに高杉という男は、日韓協定体制以後も相次ぐ数々の日本側妄言の「雛形」を作った人間と言って良いだろう。
「日本はこれを機に、兄になった気分で韓国に臨まねばならない」というのも日本側の傲慢さを象徴している。アメリカをバックにしてアジアでも自分だけ平和と経済発展の恩恵を受ける日本という国が、この時代からどれだけ他のアジア諸国、とりわけ韓国を見下していたかが良く分かるではないか。そして今でも日本は高杉妄言の頃と全く同様に韓国を「パシリの舎弟」扱いして舐めきっている。今回の国交正常化記念式典クロス出席だの、軍艦島の世界遺産登録問題であっさり妥協したのも、まさに韓国が日本に心底舐められている証拠だ。
嫌韓だって? 勘違いしてはいけない。日本の方が韓国を侮辱して舐めきっているのである。そして韓国政府もそれに本質的な面での抵抗をせず、屈従してきたのが「日韓協定体制50年」だった。それを今後も未来永劫続けようというのが、今回見せた朴槿恵と安倍晋三の野合である。その下地と言うべきものが高杉妄言であり、韓国はそれに卑屈にも目をつぶった。高杉妄言が久保田妄言ほど知られていないのは、当時韓国でも日本でも大きくクロブタ(黒蓋 「緘口令」のヤクザ用語)が敷かれたからである。高杉は日本の記者達にオフレコを要請した為、日本でこれを報じたのは赤旗くらいしかなく、ほとんど知られずに終わった。一方の韓国でも東亜日報がすっぱ抜いただけに留まっが、こちらは日本と違って大騒ぎになる。だが高杉は韓国の報道陣に「アカの謀略」とコメントし、韓国政府も「韓日会談を壊そうとする陰謀」として口裏を合わせた。高杉妄言は本来なら交渉が全部吹き飛んでパーになってしかるべきほどのものなのだが、交渉が最終段階にあった為に、日韓とも野合して無理な芝居による幕引きを図ったのである。果たして今回の「日韓修交50年」に合わせた「従軍慰安婦問題の解決」とやらも裏では…? 当時も今も、このように日本の妄言や傲岸不遜さに韓国が一方的に屈従してまで結ぶ「日韓友好」とは一体何なのかという事を考えねばならない。

高杉晋一という男は戦前戦後も一貫して三菱財閥の人間であった。一方で澤田廉三の妻・美喜が、三菱財閥創業者・岩崎弥太郎の孫娘である事は有名な話だろう。この日韓会談の首席代表にして重大な妄言者二人が、揃って戦犯企業・三菱財閥の縁者であった事は決して偶然ではない。それだけかつての戦犯関係者が戦後の日本でも生き残って(アメリカに買い取られるような形で助命されて)要職を占め続けたという事であり、あのような妄言を吐いたのは起こるべくして起こった出来事だったのである。強制連行した朝鮮人を重工の工場や軍艦島の炭鉱で奴隷労働させた三菱。その軍艦島問題で日本に一方的にあっさりと屈服した今の韓国…。三菱は今でもこうした強制連行被害者への補償を拒否し続けており、その意識は今でも高杉や澤田らと変わっていない。
「日本が謝罪すべきというのは妥当な話ではない by高杉」
と。

今年2015年に進行する「日韓和解」の背後にはアメリカからの圧力「韓国は歴史問題を棚上げして、日本との軍事・安保協力を優先せよ」というのがあったが、1965年の日韓協定にも冷戦時代の東アジアで日本と韓国を「反共の防波堤」として軍事的に活用したいアメリカの圧力が大きく作用した。

日韓協定により「韓国は日本が提供した経済協力資金をうまく活用して産業インフラを構築するなど産業化の基盤を整えた」などと、ハンギョレの社説ではこの「経済協力資金」がいかに韓国にとってありがたかったかを強調しているが、その金額がどれだけ少なかった事か。日本に36年占領された韓国の受け取った資金(有償無償8億ドル。もちろんこれは「賠償・補償金」ではない!)が、4年ほどしか占領されなかったミャンマー(3億4000万ドル)やフィリピン(8億ドル)、インドネシア(6億2300万。いずれも賠償・借款の合計)に比べると明らかに少なかったのである。しかもこのただでさえ少ない金額のほとんどはプラント購入などの実物賠償やサービス提供といった形でやる事になっていた。現金でやるのではなく日本のプラントを購入するのに主に使われるようになっており、韓国側はこの金の使い道にもほとんど自由がない。「賠償」どころか、それがリターンしてむしろ日本を儲けさせる為のカラクリだったのが、ハンギョレが大絶賛する日韓協定の「経済協力資金」であった。
当然この中から、個々の日帝被害者達にはほとんど金が回らなかった事も思い出す必要がある。従軍慰安婦や被爆者などには一銭の補償もされなかった。それを事もあろうにハンギョレは韓国経済発展の基礎になったと喜んでいるのだ! 
以前に権赫泰氏が少し指摘した事があるくらいで、日本ではほとんど知られていないが、韓国には「太平洋戦争犠牲者遺族会 태평양전쟁희생자유족회 (略称:太平洋遺族会 태평양유족회)」という団体がある。かつて軍事独裁政権の頃、韓国では日帝の植民地支配責任や賠償を求めて民衆が声を挙げる事は許されず、そうした運動は基本的に全て韓国独裁政権が日本政府に代わって弾圧してやったのである。これぞまさに日韓仲良くしようぜの真骨頂! 挺隊協のように従軍慰安婦などの問題を追及する運動が可能になったのは民主化90年代以降の話だ。ただしそれにも若干の例外があり、軍事独裁政権が当時特別に認めた「準官製御用団体」は活動を許されたのである。日本との外交交渉で何らかのカードとして役立ちそうだという魂胆だった訳だが、その一つがこの「太平洋遺族会」だった。ここのスタンスというか歴史観がどういうものかをかいつまんで言うと…

朴正熙大統領は日本からもらった請求権資金を、貧しい時期に国家発展の為に使われたのです! 戦争被害者遺族に金を回せなかったのはやむを得ない措置だったのです! 朴正熙大統領はその事でいつも心を痛めておられたのです! 朴正熙大統領は決して我々をお忘れにはならなかったのです! 朴正熙大統領の事を思うと我々は感涙にむせび泣くのを禁じ得ませんッッッッ!

「アジア女性基金は正当であるッッッッ!」
「明仁天皇こそ日本最高の平和憲法守護者! 恐れ多くもその天皇陛下をヒットラーのような戦犯にしかねない『君側の奸』安倍政権は、河野談話20周年を機に退陣せよ! テンノーヘーカバンザーイ!」


…知らない人が見たら何の冗談かと思うだろうが、これらは全て本当の話である。この旧軍事独裁政権御用団体は、日帝に徴兵されて太平洋戦争で死んだ韓国人の補償を求めるというふれこみだが、同時に自国の日帝被害者をまともに救済しなかった朴正熙を擁護する役割も担っていた事がお分かりいただけるだろう。おまけに「明仁天皇こそ最高の平和主義者で、安倍は無礼な君側の奸」などという、誰かさん(こいつらとかこいつとかこいつとか。勘違いしてる人が多いが、日本恵泉女学園大学の李泳采(イ・ヨンチェ)ってのはこういう実にくだらない人間だから、お忘れなく)みたいな事まで主張している。ここは韓国人の団体のくせに日帝臣民根性丸出しなそういうスタンスであるから、当然挺隊協とは不倶戴天の間柄であり、激しく対立してきた。大沼保明だの和田春樹だのといった連中はスジから言えば挺隊協ではなく、この太平洋遺族会と「仲良くしようぜ」するのが正しいのだ。日本の天皇こそ最高の平和主義者にして9条の守護者と認定し、アジア女性基金こそ真の歴史清算と主張する今の日本のリベラル・左派勢力にとって、最も親和性が高いパートナーシップの相手がこの太平洋遺族会である。

要するにハンギョレの言ってる事、「日本の経済協力資金で韓国は経済発展」とかいう発言は、もはやこの太平洋遺族会レベルのどうしょうもない妄言という事だ。
日韓協定の交渉過程で繰り返された日本側の妄言、雀の涙のようなはした金の請求権資金(繰り返すが、これとて決して賠償・補償にあらず)、救済されなかった被害者達…こうした歴史を踏まえていれば、ハンギョレの社説のような話は絶対に出て来ない。過去は忘れろ、未来志向だ、だから日韓協定は正しかったんだ、そういう歴史修正主義こそ今のハンギョレの旨とする所である。「信頼度韓国一の進歩派メディアだ」「かつて独裁政権に抵抗したジャーナリスト達の結集した新聞社なんだ」自らそう主張している報道機関があのような事を言うのは、はっきり言って保守・極右系の新聞が同じ事を報道するよりもはるかに悪質で重罪だ。世間一般ではこういうのを「詐欺」というのだが、今やハンギョレはまさに詐欺新聞としか言いようがない。
その「詐欺度韓国一の進歩派メディア」ハンギョレを支える構造というかカラクリはいかなるものであろうか?
(続く)

親父は原爆が落ちてから「御聖断」 セガレは戦争する前から「御聖断」

・先代の倭王
誰がどう見ても最初から勝ち目のない戦争。大空襲と原爆2発を食らってからやっと降伏を決める「御聖断」。
元々明治維新後の日本は欧米列強の全面的なバックアップを受ける「西洋覇道の手先 by孫文」になる事で、初めて帝国主義・軍事大国の仲間入り出来た(当然、日本が植民地収奪で得た利益のかなりの部分が「上納」としてアメリカなどに流れた:典型例=東洋拓殖株式会社)。それが不満でアメリカに逆らい、メチャクチャに返り討ちにされてから改めて倭王ら日本の戦犯達(晋三の爺さん含む)は思い知らされた。「アメリカには絶対逆らうな」戦後、日本は日米開戦以前よりもさらにアメリカへひれ伏して屈従するようになる。同時に徹底してアメリカに寄り添う形で(時にはイラク戦争や朝鮮共和国への制裁の時のように、アメリカや国連の意向すら飛び越して)日本の軍事大国化復活を進めるのが規定路線となった。
ちなみに日本が「西洋覇道の手先」、つまりかつてのヨーロッパ列強や今のアメリカという超大国にケツ持ちになってもらう事でしか軍事大国化など出来ない国であるというのは今も昔も変わらない。この事は重要なポイントなので踏まえておいていただきたいと思う。

・当代の倭王
親父が味わった屈辱、すなわち敗戦で植民地をことごとく失った事、「現人神」から「人間」に引き摺り下ろされた事、マッカーサーにみっともない命乞いをしてまで守って俺に継がせてくれた「天皇の地位」と「皇室」! 先代のそうした「苦労」を誰よりもよく知ってるのは他ならぬ跡取りのセガレである。アメリカに甘んじて屈従する「戦後体制」のおかげで自分の地位も保たれてるのに、事もあろうに臣民の中からそれに背く輩(典型例:三島由紀夫)が現れるなどけしからん! 全くもって「迷惑千万 by中曽根康弘」だ。親父の気苦労がよく分かるぜ。
やべえな…日本の軍事大国化復活は俺も望む所だが、また昔の軍部みたいに暴走するバカが出て来てアメリカに逆らうかもしれん。そうなったら今度こそ皇室の存続と俺の地位は…。
そうだ! そうなる前に手を打とう。今のうちに免責事項を公にしとこう。その為に9条という口実というかアリバイがあるんじゃないか! 

「平和国家・日本」への強い思い
声なき人びとの苦しみに寄り添う
明仁天皇の考え抜かれたメッセージ
大きな苦悩と長い苦闘の中からつむぎだされた、その珠玉の言葉

いいねえ、このフレーズ。そうだよ「御聖断」だよ。戦争が起こる前から「御聖断」という最強の免責事項を出しとくんだよ! これでもし今後日本がまた「敗戦」しても、天皇は関係ない、戦犯じゃない、むしろ平和を願ってた、って事にしとくんだ。俺って頭いいな。これで皇室も俺の地位も安泰だッッッッ!


…で、その結果物が以下の本、と仮想すればより一層面白くお読みいただけると思います。

http://www.shogakukan.co.jp/books/09389757
戦争をしない国 明仁天皇メッセージ
著/矢部宏治  撮/須田慎太郎 

この本を読んで感動にむせび泣け! それが臣民の責務であるッッッッ!


もう一つ筆者の予想を言わせてもらうなら、多分この本はそう遠くないうちに韓国でもかなりの確率で翻訳出版されると思います。それで韓国の保守派・進歩派を問わず、それこそ朝鮮日報からハンギョレまでもが口を揃えて「天皇は平和主義者」「安倍とは違う」の大合唱で大絶賛する事でしょう。

日韓仲良くしようぜ! そのかすがい役は倭王だ! 「韓日関係正常化」これすなわち現代の「内鮮一体」なり! 韓国人が再び日本帝国の臣民としてひれ伏す事こそ、「韓日関係正常化」の大前提である!

こうした事を分かってない奴が日本にも韓国にも多過ぎる(典型例:ハンギョレ)。今の情勢で「韓日関係正常化」とやらがどんなに危険な事か、今一度よく考えるべきだろう。

在米同胞おばさん、日本へ行く

オーマイニュースで朝鮮民主主義人民共和国の旅行記を連載して好評を博した韓国系アメリカ人のシン・ウンミ氏が6.15共同宣言の行事に合わせて、この度日本で講演をする事になりました。



2015年6月17日18時30分 横浜市開港記念会館にて開催。
筆者も急に知った情報なので、とりあえず宣伝しておきます。直前まで具体的な情報が出なかったのは、やはり昨今の情勢を勘案しての事と思われます。民団は特にシン氏の来日と講演には激しい拒否感と敵対心を露にしていた(明らかに本国政権の意向を忖度しての事だろうが)事もあり、様々な妨害や「予期せぬ事態」を考慮しての事でしょう。大変悲しい話ではありますが。日時が迫っていてバタバタしてますが、もし行ける方がいましたらぜひどうぞ。

なお、オーマイニュースにもこれに関する当人へのインタビューが掲載されているので、以下の記事を参考までに。

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002118755&PAGE_CD=N0001&CMPT_CD=M0016

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