「今様ベートーベン」と言われていたらしい例の佐村河内守という音楽家について、筆者は今回のニュースが出るまで何も知らなかった。何分音楽には疎いもので。この人の名前も最初見た時は「さむらごうち・まもる」ではなく「さむら・かわちのかみ」と読んで、昔の大名か殿様かと思った。何しろ「細川熊本守」という殿様が東京都知事選に立候補していた最中でもあったから。
それはともかく、この「佐村河内問題」を見て筆者が真っ先に思ったのは、これを奇貨とばかりに聴覚障害者の福祉を削る口実に悪用されるのではないかという心配だった。不正受給を針小棒大に騒ぎ立てた生活保護バッシングと、それによる生活保護法改悪と同じ展開である。早速そのような話が出て来た。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140218-00000547-san-soci
「佐村河内問題」受け厚労相「聴覚障害認定のあり方見直しを検討」
佐村河内のゴーストを務めた新垣隆は自身の告白理由について「良心の呵責」みたいな事を言っているが、それがどこまで本心かは第3者としては知りようがない。しかし陰謀論を語るつもりはないが、生活保護バッシングの時も似たようなお笑い芸人の家族の受給が騒がれて悪用された事実を考えると、話が出来過ぎという感がするのもまた事実である。少なくとも「佐村河内問題」が今後聴覚障害認定見直しやその福祉削減に大いに悪用されるのは間違いなくなった。生活保護に続いて障害者福祉も切る口実を鵜の目鷹の目で探している連中が今の政権には山のようにおり、今回の件はそれに目を付けられたという事だろう。
また現政権では、聴覚障害に限らず、他の障害認定全体に同様の動きを広げてくるのではないか。福祉削減に悪用出来そうな「第2第3の佐村河内」を連中は必死になって探そうとするだろう。おそらく、今回の新しい都知事当選者の元女房辺りが生活保護の時と同じく、またしてもしゃしゃり出てくるのではあるまいか。とにかく聴覚障害認定見直し(改悪)や、それに続くであろう障害者福祉全般の切捨てを阻止する事こそ「佐村河内問題」のその後に急務となる事だけは間違いあるまい。
生活保護に頼るような貧乏人や、役立たずの障害者は全て抹殺して社会を「浄化」する。それが安倍晋三の「美しい国」であり、これは地獄と表現するのもなまぬるい。今我々はその最中に生きている。「「細川熊本守」が都知事になりさえすれば万事解決」するような甘っちょろい情勢ではないのだ。
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