11月12日に韓国で「民衆総決起」という朴槿恵退陣を求める大規模デモが行われた。これは全国各都市でも同日に行われたが、とりわけ首都ソウルでは主催者発表で100万人参加したとされており、映像など見てもそれぐらいは集まっておかしくない規模である。このまま行けば朴槿恵政権の余命は長くあるまい。が、しかし…。
今は時間がないので簡単に論評するが、あの100万人デモってちょっとヤバくね? という不安も筆者は感じた。要するに最近日本の社会運動やデモなどでよく見られる「警察に感謝」「過剰なまでに非暴力を強調」「国家主義的ナルシズムの発露」「祝祭イベント化」といった現象がずいぶん見られたからである。一部のデモ参加者が警察の車壁を乗り越えて大統領官邸へ進もうとすると、他の参加者に「降りろ、降りろ」と引きずり下ろされるとか、これが本当に韓国の反政府デモなのかと我が目を疑った。農民が一人虐殺された1年前のデモとは比較にならぬほど参加者が激増した反面、打って変わって牙を抜かれてしまったのではないか。すなわち韓国民衆運動の「反原連化・SEALDs化」現象である。数年前から嫌な予感はしてたのだが、まさか…。
さらにここへ来て民主党が朴槿恵と単独会談に出て、野合するのではないかという疑いが濃厚だ。民主党だって12日のデモには参加していたにも関わらずこれである。考えてみれば民主党が12日のデモ参加時に掲げていたスローガンは「大統領は国政から手を引け」だった。他の市民達が「朴槿恵退陣・下野」を叫んでいた最中に、なぜか民主党だけそれよりも後退したスローガンを掲げていたのはこういう事だったのかと疑いたくなる。
共に民主党の参加議員達。手にしたスローガンは「大統領は国政から手を引け」で非常に微温的だ。
一般のデモ参加者達。こちらは「朴槿恵退陣」を掲げている。
まとまった記事は後で書くが、今回の100万人デモは問題点も非常に少なくなく、日本から参加した人々もその点は留意すべきだろう。民主党の裏切りで朴槿恵が延命する可能性も出て来ている今、状況は依然厳しいか、さらに悪化する危険性もある。
とりあえず韓国の作家・金甲洙氏が今回のデモについてそうした問題点を指摘しているので、以下リンク先を朝鮮語の読める方は目を通しておくと良いだろう。これはまた後で翻訳して当ブログでも公開する。
https://www.facebook.com/kimcapsu/posts/722240621260218PR