韓国では本日11月26日にも大規模デモが予定されています。それについて金甲洙氏のフェイスブックに掲載された提言を翻訳して御紹介します。
# 11.26 闘争正常化の為の緊急提案15項
1.これ以上「下野」「退陣」とは言わず「処罰」「拘束」「処断」にスローガンを変えよう。
2.「加担者処罰処断」も一緒に入れよう。
3.トラクター青瓦台進撃闘争団を熱く歓迎して激励しよう。
4.不法・暴力が嫌いな人間は、警察の不法・暴力から指摘しよう。
5.街や広場の掃除はソウル市に任せよう。
6.弾劾を望む人間達は野党政治家達と一緒に汝矣島国会議事堂に行ってデモをすれば良い。
7.弾劾してみた所で黄教安(現総理。民主化運動を弾圧した公安検事出身政治家で、朴槿恵政権では統合進歩党解散などの悪名高い数々の公安弾圧事件に辣腕を振るった。朴槿恵が仮に退陣しても、現行法では総理であるこいつが自動的に権限代行になる。訳注)に入れ替わるだけ。「内閣総辞職」を新しいスローガンに入れよう。
8.改憲しようとは言わずに「まずは国家保安法を廃棄しよう」と叫ぼう。
9.「統合進歩党復元」「李石基、ハン・サンギュン即時釈放」を叫ばねばならない。
(李石基は統合進歩党議員。「内乱陰謀罪」デッチ上げで9年の刑をうたれた。ハン・サンギュンは民主労総の委員長で、2015年の民衆総決起デモが「違法集会」であるとして一審で5年の刑を宣告され控訴中。いずれも朴槿恵政権下における政治弾圧最大の犠牲者達。訳注)
10.愛国歌のようなものを歌うのはやめよう。光化門は「国際市場」(愛国歌が流れると、夫婦喧嘩の最中でもそれをやめて敬礼をするというシーンのある映画の事。訳注)ではない。
11.芸能人公演のようなものはやらず、見るのもやめよう。
12.座ってキャンドルを振るよりもスローガンと合唱・行進を主にしよう。
13.レ・ミゼラブル合唱公演を見るからには、民衆の歌を一緒に歌おう。
14.なるべく子供や老弱者を連れて来るのはやめよう。
15.家族外出や恋人のデートは他の場所を利用しよう。
訳:ZED
原文記事URL
https://www.facebook.com/kimcapsu/posts/728857857265161
デモは闘争的であるべし。先日筆者も100万人デモの問題点を述べましたが、上記も的確な指摘であると思います。日本の社会運動においても当てはまる部分が結構あるのではないでしょうか。
現在韓国では全国の農民が「全琫準闘争団」(上記の2にあるトラクター青瓦台進撃闘争団の事)の名称を掲げ、大規模トラクターデモでソウルに向かっている最中ですが、
これがまた警察からひどい弾圧を受けています。こういう闘争的な運動に対しては徹底した暴力を振るうという、まさに「警察からの伝言」を地で行く風景。
【警察からの伝言】
「おまわりさんありがとう」「警察も我々と同じ国民同僚」などの「良い」言葉をかけると逮捕されない。「警察帰れ」「イヌ」などの「悪い」言葉をかけると逮捕・暴行される。
先日の
ソウル警察庁長の「成熟した市民意識しゅごい」発言がいかに欺瞞的なものであるかがよく分かるでしょう。「非暴力」ばかり訴えて従順な参加者に対しては「成熟した市民のみなさんに感謝」と持ち上げ、そうでない全琫準闘争団や民主労総委員長のように反骨精神のある闘争的な参加者には「違法デモ」のレッテルを貼って弾圧する。
念の為に言っておかねばなりませんが、「闘争的」というのは必ずしも「暴力的」を意味するものではありません。日本の反天皇制デモや高江の闘争のように非暴力でも大変闘争的な運動というのはいくらでもあり、社会運動が「闘争的」であるかどうかというのは戦う相手や運動の目的・方針による所が大です。逆に暴力的だが全然闘争的じゃない運動集団の例としては男組だのしばき隊だの憂国我道会だのが大変分かり易いでしょう。だからこの手の連中が沖縄に来ても全くの逆効果であり、暗害分子にしかならないという事です!
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