http://www.sankei.com/world/news/160914/wor1609140040-n1.html
2016.9.14 21:14更新
「慰安婦像は移転すべきだ」 韓国・東亜日報論説主幹が異例の主張 対北で日本との協力訴え
ソウルの日本大使館の前で開いた「水曜集会」に参加した元慰安婦の女性と少女像=7日(共同)
【ソウル=名村隆寛】韓国紙、東亜日報は14日付で、「北朝鮮の核に対して日本と協力していくために、ソウルの日本大使館前に設置された少女像(慰安婦像)を移転させるべきだ」とする論説主幹のコラムを掲載した。韓国メディアが慰安婦像移転を主張するのは極めて異例。
コラムは、昨年12月の日韓合意に、慰安婦像の問題の「適切な解決に向けた韓国政府の努力」が盛り込まれ、像設置がウィーン条約に抵触していると指摘。 その上で、「韓日合意の精神と国際社会の基準に従い、少女像を日本大使館前から移転させ、韓米日の軍事協力を強化する必要がある」と訴えている。
日韓合意についてコラムは、「韓国政府が日本と合意したのは、経済や安保など韓日の懸案をよそに、葛藤を続けるわけにはいかないと認識したためだ」と断じた。「沈黙する国民の中には、国家存亡の危機に、少女像で韓日関係がきしみ続けてはいけないという懸念は多い」としている。
さらにコラムは、北朝鮮の情報収集で韓国は人的情報に強く、日本は海上や上空での偵察能力に優れているとし、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の早期締結を訴えた。
「軍事大国の中国がアジアで中華覇権主義で疾走するなか、核兵器もない日本の再武装を憂慮するのは、過去にだけとらわれた見方だ」とも述べ、韓国内の“日本軍事脅威論”をも戒める内容になっている。
産経が大喜びで取り上げていた東亜日報の記事とは以下のものである。書いたのは同紙論説主幹の黄鎬澤(황호택 ファン・ホテッ)。ただしこの記事は東亜日報日本版では翻訳配信されていない。内容は産経の記事に取り上げられたほぼそのままである。
http://news.donga.com/3/all/20160914/80290803/1
黄鎬澤コラム 北核危機と「少女像移転」
他ならぬ韓国の新聞が「北の脅威に立ち向かう為に日韓軍事協力強化を! その為に少女像を撤去せよ!」と言うのだから、日本の右翼にしてみれば涙が出るほど喜んじゃうだろう。
今も昔も「テンノーヘーカバンザーイ!」報道を続けてきた東亜日報らしい記事と言える。
一方でハンギョレには、上記とほぼ同じ12日付でこんなコラムが載っていた。書いたのはソウル大学準教授の南基正(남기정 ナム・ギジョン)。
http://japan.hani.co.kr/arti/opinion/25165.html
[寄稿]「慰安婦」合意の強行、このままではいけない
こちらはハンギョレ日本版でも翻訳配信されている。内容はお読みになれば分かるように、
そのために、政府と和解・癒やし財団には合意の実行を「強行」する代わりに一時的に「中止」することを提案する。このような状態で10億円の事業が実施されれば、慰安婦問題の破局を自ら招き、取り返しのつかない歴史的な過ちを残す結果になることを自覚すべきだ。政府は今からでも時間をかけて国民的合意を引き出すために、誠意を尽くして努力しなければならない。支援団体には条件付きで合意を受け入れる姿勢への転換を提案する。条件は三つある。第一に、日本の首相が謝罪を表明すること。第二に、「事実上」の賠償と解釈できる日本政府の予算措置、つまり財源を明確化すること。第三に、「少女像」に対する言及を中断することだ。以上の内容は、政府が断固たる姿勢で日本に要求すれば、合意の基本精神の中で解決が可能なものだ。
このように、政府と支援団体が互いに向き合う姿勢で、合意を「受け入れる」前提条件が整えば、和解・癒やし財団が慰安婦被害者に対する説明会を実施することを提案する。
これと同時に「和解・癒やし財団」と「正義記憶財団」の関係者を互いの団体に派遣し、活動を共有することを提案する。
合意に対する反対がこのように強硬な状況でこれを強行するのは、永久に続く問題の種を新たに撒くような愚行になりかねない。だからといって、破棄というのも、容易く選択できるようなものではない。東アジア国際政治の渦巻きの中で、外交の力だけで生存と繁栄、平和と統一を築き上げていかなければならない韓国にとって、合意の「破棄」という履歴は大きな負担にならざるを得ない。
早い話が慰安婦被害者や挺対協といった「支援団体」に、政府との「和解」を押し付けようとしている訳だ。日本に対する条件云々と言っているが、要は日韓合意を最終的に受け入れろと言っているに過ぎない。韓国政府が断固たる姿勢で日本に要求すればこれら条件が通るというのも全く意味・根拠不明である。朴槿恵政権が本当にそんな事すると思う? 万が一韓国政府が強気に出た所で、日本はこの程度の要求すら飲みはしないだろう。2015日韓合意がいかに被害者を無視した一方的で非人道的なものであったかが問われているのに、この南基正という準教授は条件付でもいいからとにかくそれを国益の為に受け入れろというのだ。正気の沙汰ではない。この男は庚戌国恥(いわゆる「韓国併合」)に対しても同じ事を言うのではないか。
「合意に対する反対がこのように強硬な状況でこれを強行するのは、永久に続く問題の種を新たに撒くような愚行になりかねない。だからといって、破棄というのも、容易く選択できるようなものではない」
だから朝鮮が日本の植民地になったのは仕方がないし、それに反対するなんてとんでもない、と。この男が日帝時代に生きていたらそのように植民地統治を正当化したのではないか。
加えて「東アジア国際政治の渦巻きの中で、外交の力だけで生存と繁栄、平和と統一を築き上げていかなければならない韓国にとって、合意の「破棄」という履歴は大きな負担にならざるを得ない」と言っている事からも分かるように、「北の脅威」に対抗して統一する為に日本の助けが必要だと言っている(その為にも韓国は日本に譲歩しろ)訳で、これは先の東亜日報の記事と全く違わない。
この南基正という男は前からおかしな主張を繰り返していた学者であり、日本で言えば山口二郎とか五野井郁夫とも共通するキモさが感じられた。この輩が紙面に登場したら要注意である。
明仁を「平和の神」のごとく礼賛し、慰安婦問題では日本に妥協しろと迫る点で、今韓国の報道界は右も左も完全に足並みを揃えている。東亜日報からハンギョレまで、この連中こそ慰安婦被害者を先を争って殺そうとしているのだから。
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