・日帝「艦これジャパン」と「刀剣乱舞ジャパン」の間を揺れ動く
翁長雄志という知事は沖縄をどうしたいのか? 結論から言わせてもらうと、それは沖縄を「戦後冷戦時代の日本のようなポジションにしたい」という事に尽きる。
「軽武装・経済重視」すなわち安保・国防はアメリカに任せ、日本は経済開発を最優先する(でも再軍備を諦めた訳ではなく、その裏でこっそり少しずつ進めて行く)。いわゆる「吉田ドクトリン」の事を今でも多くの人は覚えているだろう。「吉田ドクトリン」で日本が占めていたポジションに今後は沖縄を当てはめる。それが今の翁長県政と「オール沖縄」の行き着く先、すなわち「翁長ドクトリン」であると筆者は見ているのだ。
今の日本で「吉田ドクトリン」体制は事実上撤廃されたも同然のもので、日米新ガイドラインと安倍の米議会上下院合同演説がそれを最も象徴している。新ガイドラインによって自衛隊が米軍の支援をして世界中どこの戦場にも出動出来るようになり、かつて太平洋戦争で対日宣戦布告をした上下院合同演説の場でアジア侵略をなかった事にする安倍晋三(かつてアメリカに宣戦布告した閣僚の一人で、逆にアメリカにコテンパンにやられて哀れな戦犯の身分に転落後、その「鬼畜米英」に身売りして生き延びた岸信介の孫である!)の演説が許されたのはそういう意味を持っている。すでに現在の日米関係においては「吉田ドクトリン」は過去のものとなり、武器輸出3原則も解禁されて日本は死の商人稼業への道をまっしぐらだ。
弾薬も手榴弾もクラスター爆弾も消耗品扱いで「武器」じゃないから、他国軍に提供出来るんです! 核兵器も「弾薬」扱いで「消耗品」扱いだから、運搬には何の問題もないんです! そもそもそれ以前に安倍総理大臣曰く「原爆も大陸間弾道弾も全部合憲」なのです! だからこれから派手になるであろう日本の軍需産業は、イコール「平和産業」なのです! 「戦後70年の日本の平和」とやらは安倍政権と
SEALDsをはじめとする報国運動が官民協力して国家総動員の上で一心同体の一億総火の玉と化し、これからもますます繁栄していく事でしょう!
…冗談はともかく、こうした日米新ガイドライン体制で起こるべき脅威とは「武力による日本の領土拡張」に他ならず、これこそがこの危険な防衛指針の本質そのものである。今回の前の改定、すなわち1997年のガイドラインからしてすでに「朝鮮有事」を念頭においていた訳で、米軍の後方支援を名目に朝鮮半島の紛争に間接的に介入出来るものであった。それが今年4月の改定ではもっと露骨になり、日本が集団的自衛権を行使する際は自衛隊が米軍の武器保護と捜索及び救助、機雷除去、強制船舶検査などはもちろん、戦時平時関係なく朝鮮半島空域と海上作戦区域に随時出入り出来るようになり、より直接的な介入が可能な恐ろしいものと化している。戦時作戦権のない韓国に日本軍(自衛隊)がアメリカの承認を受けて土足で上がり込める訳だ。そればかりか日本は朝鮮半島有事の際、南に対しては「韓国の同意なしには上陸しない」という口約束(これとて誰が見ても信用度0%)をしてはいるものの、
この同意は飽くまで南に対してだけであり「仮に自衛隊が北に進入する際には適用されない」という立場を固守し続けている。日本は「北朝鮮侵略」をやる気マンマンだな! かつて1905年の乙巳勒約(을사륵약)で旧朝鮮王国は外交権と軍事権を日本に奪われ、その5年後に完全な植民地にされた。今の韓国は110年前のそれと酷似した状況にあり、新ガイドラインは日本による朝鮮半島再侵略の野欲を現実化させたものに他ならない。
【20世紀初頭の日帝による朝鮮侵略の状況】
・乙巳勒約による朝鮮の軍事権剥奪。
・アメリカは日本の朝鮮侵略を積極的に後押し(日本の朝鮮独占的植民地化を決定付けた日露戦争にアメリカが戦費の多くを出資。その間に桂・タフト密約)。
・李完用ら親日派は「朝鮮は日本に学ぶべきだ」と主張して売国行為。挙げ句が「天皇陛下にこの国をあげます(1910年庚戌失国条約)」。
【2010年代現在の日帝による朝鮮侵略(スケジュール)の状況】
・韓国の戦時作戦権は米軍に掌握されたまま。
・アメリカは日本の韓国上陸、朝鮮半島への再侵略を積極的に後押し(日米新ガイドライン)。
・朴槿令(朴槿恵の妹。この仲良し姉妹の親父も言うまでもなく…)ら親日派は「
韓国は日本に学ぶべきだ」と主張して売国行為。挙げ句が「天皇陛下にこの国を…(20xx年XX失国条約?)」。
上記二つの間には、韓国の軍事権が日本に奪われているかアメリカに握られているかの違いしかない。110数年の時を経て、ものの見事に恐るべき歴史が再現されている。李完用や朴槿令のような人間さえ選んでいれば、メフィラス星人もさぞかし仕事がやり易かったに違いない。この件が我々に与えてくれる教訓とは、帝国主義者にとって、侵略先の国で手先になりそうな現地人を選ぶ時の人選は極めて重要という事だろう。腹立たしい事に日帝は今も昔も、少なくともメフィラス星人のそれよりは「使える手先」を選んでいたようだ。
【1910年】
桂太郎「大日本帝国は紳士(?)で暴力は嫌い(?)な国だ。そこで朝鮮人(?)である李完用総理に了解をもらいたいと思うんだ。李完用総理は素晴らしい(?)朝鮮人(?)だ。どうだね、私にたった一言『天皇陛下に朝鮮をあげます』と言ってくれないかね?」
李完用「OK! 絶対OK! 喜んで天皇陛下にこの国を差し上げますッッッッ!」
【20xx年】
津田大介(笑)「日本は紳士(?)で暴力は嫌い(?)な国だ。そこで韓国人(?)である朴槿令さんに了解をもらいたいと思うんだ。朴槿令さんは素晴らしい(?)韓国人(?)だ。どうだね、私にたった一言『天皇陛下に韓国をあげます』と言ってくれないかね?」
朴槿令「OK! 絶対OK! 喜んで天皇陛下にこの国を
南北まとめて差し上げますッッッッ!」
…冗談はともかく、
朝鮮民主主義人民共和国が日米新ガイドラインを桂・タフト密約の再来だと強く批難しているのは、まさにこういう歴史的文脈によるものだ。日本による朝鮮半島侵略は今も昔も日米合作共同作戦、すなわちアメリカという強大なバックを得て日本が実行した(しようとしている)ものなのである。例の「日本の歴史家を支持する声明」が極めて偽善的でインチキなのもこうした脈絡で理解出来るだろう。あの声明呼びかけ人には朝鮮半島や中国の学者が一人も含まれておらず、アメリカ人をメインに日本人も含まれて構成されていた。つまり朝鮮や中国を侵略した加害国側の人間達だけがつるんで、一方的に「日韓和解」を押し付けるものに他ならなかったのである。一体全体、この声明は日米共謀の桂・タフト密約と何が違うというのか? これほど帝国主義のエゴ丸出しな傲慢はない。とりわけ浅野豊美の
https://twitter.com/ToyomiAsano/status/595840954776604672
浅野豊美 @ToyomiAsano
新たな防衛協力・安全保障枠組みに先だって、こうした歴史に根ざした問題を避けずに、むしろ、先駆けて積極的に解決にむけて努力して欲しいと願わずにはいられない。
23:42 - 2015年5月5日
という発言は極めて象徴的だ。「新たな防衛協力・安全保障枠組み」すなわち日米新ガイドライン体制やそれの下での韓米日軍事同盟にとって最大の足枷が日本と韓国の歴史問題であり、だからこそアメリカはこの間に一貫して「日本と韓国は歴史問題を棚上げして安保協力を優先しろ」と要求してきたではないか。その為の極めて理不尽な「日韓和解」を推進しようとする勢力が韓国(朴裕河や太平洋遺族会など)にも日本(和田春樹や大沼保昭など、日韓いずれもアジア女性基金系)にもいる。それに対応するアメリカ側の動きが「日本の歴史家を支持する声明」だったと考えるのが妥当だ。浅野はこれの呼びかけ人ではなく日本語訳に協力した立場に過ぎないが、実は日本人としては誰よりも、小山エミ(笑)などよりもずっとこの声明の本質「日米新ガイドライン体制下での韓米日軍事同盟と安保、すなわち戦争体制の地均しの為に!」という事を正しく理解し、それを本来の目的に確信犯的に推進しようとしていた。小山エミふぜいはそんな事すら分かっていなかった、ただのミーハー馬鹿に過ぎない。この声明が「日本だけでなく韓国と中国でも民族主義者がこの問題を悪用して云々」という喧嘩両成敗的な書き方をしていた理由も、「新たな防衛協力と安保枠組み」すなわち「日米新ガイドライン体制」というキーワードを放り込んで考えれば、まさに快刀乱麻のごとく、目から鱗が落ちるように明快に理解出来る。それを読み取れずに、この声明を「素晴らしい! 安倍を牽制してくれて、アメリカの学者様がたありがとう!」と勝手に解釈してしまう間抜けが、日本でも韓国でも何と多かった事か! この声明にはあっと驚く良心的な学者も参加していただって? だったらなおさらそうした「良心的学者」とやらは、こんな声明に名を連ねるべきではなかったのだ。そうした学者達は自分の脇の甘さか、さもなければ実は日帝の被害者であるアジア民衆の苦痛を本当は理解していないという帝国主義的本性を露呈したに過ぎない。危険千万・有害無益な声明や社会的動向などの本質を全く読み取れず、とんでもない方向へ突き進んでしまうという喜劇を、その後再び我々は沖縄米軍基地の「本土引き取り運動」で目撃する事になる…。
話を戻すと、アメリカの援助がなければ日本の帝国主義や軍拡化など空威張りにしかならない。日本がアメリカの助けなしに軍拡化出来ない? これに疑問を持つ者もいよう。だがかつての大日本帝国はアメリカに金を借りなければ露日戦争すら開戦出来ず、桂・タフト密約によるアメリカの承認がなければ朝鮮を自力で奪う事も出来ない三流帝国主義国家に過ぎなかった。今は? もし仮に北一輝や三島由紀夫がかつて言ってたように
日本が完全にアメリカから離れて対米自立し、
日本一国だけで軍備を拡張して、とうとう頭がイッてしまった挙げ句に「ムカつく中国や北朝鮮を征伐するッッッッ!」とばかりに狂気の軍事行動を起こしたらどうなるだろう。その場合、朝鮮共和国も中国もその気になりさえすれば、日本列島の沿岸に大量に林立する原子力発電所を長距離ミサイルで好きなだけ狙い撃ちする事が出来る。すでに朝鮮共和国は核保有国であるし、中国にいたっては原爆どころか水爆まで持っているではないか。そうなれば戦争もへったくれもなく、日本はジ・エンドだ。だが、日本がアメリカという強大な後ろ盾を付けていれば話は大きく違ってくる。19世紀であれ21世紀であれ、日本鬼的帝国主義(軍国主義)とはどこまで行っても「西洋覇道の手先(by 孫文)」となる事でのみ成り立つという宿命から逃れる事は出来ない。
逆に言えば、
日米同盟を徹底して守りながら軍拡化を着実に進め(脱亜入欧)、河野・村山談話的なおためごかしで周辺諸国の批難をかわし(それでいて日本の植民地支配や侵略戦争の法的責任だけは絶対に認めない)、9条の明文改憲にも消極的で、慎重にも石原慎太郎的な妄言も比較的言わない(何か言わねばならない時も、その言い回しは非常に慎重かつ微妙な表現の仕方をする)勢力。要するに福沢諭吉、伊藤博文、斉藤実、巣鴨刑務所釈放後の岸信介(笑)、河野洋平、村山富一、菅直人、和田春樹、明仁、SEALDs、角川ゲームズ(笑 艦これの事ね)的な狡猾な帝国主義者ども
よりも、
日本をアメリカから自立させて独自に軍事大国化を進め(攘夷)、河野・村山談話の撤回を求め(日帝の法的責任を絶対認めない点は全く一緒)、9条の明文改憲に積極的で、まさに石原慎太郎そのものの暴言を平然と吐きまくる勢力。要するに吉田松陰、北一輝、寺内正毅、東条英機、日本敗戦以前の岸信介(笑)、三島由紀夫、石原慎太郎、西尾幹二、小林よしのり、ニトロプラス&芝村裕吏(笑 刀剣乱舞の事ね)的な単細胞系のファシストども
が日本の主導権を握っていた方が、アジアの視点からすればまだ与し易いという考え方も成り立たない訳ではない。確かに同じようなゲームを作っていても、ニトロプラスと芝村が盗用問題や極右妄言でトラブルを連発して泥縄的醜態を晒しているのに対し、角川ドワンゴグループ(角川ゲームズ)は狡猾にもそうした盗用問題や芝村のような妄言も(大きく表沙汰になっている範囲内では)していない。それどころか角川ドワンゴは朴槿令のような韓国の有力者から日本側に有利な妄言を引き出して晒し者にするような事までやってのけたではないか。同じ日本の帝国主義でも「艦これ系」と「刀剣乱舞系」のいずれが手強い相手かは歴然としていよう。
ただし現実的には前者の「艦これ的日帝(笑)」と後者の「刀剣乱舞的日帝(笑)」の差異は紙一重であり、両者は対立関係と言うよりは基本的に協力関係にあるし、何かをきっかけに互いの立場にあっさり宗旨変えもする(両者に本質的な違いはない)。戦前戦後の岸信介はもちろん児玉誉士夫や笹川良一らの変わり身(鬼畜米英から、
アメリカばんざいへ)は典型例であるし、
アジア女性基金が拒否されて逆ギレ病を起こす前と後の大沼保昭の変化(一見「良心派」っぽい外見から、露骨に在特会的なレイシストへ)もこれと言っていい。他ならぬ岸の孫もそうではなかったか。かつての安倍(少なくとも第1次内閣の辺りまで)はかなり「刀剣乱舞的日帝」だったが、第2次内閣で復活して以降の安倍は新ガイドラインや米上下院での演説を許されたのを見ても分かるように、かなり「艦これ的日帝」の色彩が濃い。安倍は安倍で第1次内閣の時にあのような無様な醜態を晒して退陣したものの、その経験を元に第2次内閣以降はよりタフに「成長」して逆襲して来たと言える。一部に見られる「安倍は頭が悪い、知能が足りない」という批判の仕方は少なくとも現状では無効と言って良く、今ではむしろ安倍政権や安保法制に反対する陣営の現状認識を誤らせる有害なものであろう。現実的には、「福沢諭吉・脱亜入欧・斎藤実・文化政治・SEALDs・艦これ」と「吉田松陰・攘夷・寺内正毅・武断統治・小林よしのり・刀剣乱舞」のいずれが日本の主流を占めていようと、アジアへの脅威であって打倒すべき対象でしかないという事だ。ただし日本を真に武装解除してそのアジアへの脅威を本当に除去しようとしたら、究極的には日本とアメリカを引き離すしかないのが本当である。沖縄の基地問題解決も究極的にはそれしか道はない。だからこそ「本土引取り」は誤っているのである。
何よりも明治以降の日本という国自体がその時々に応じて御都合主義&機会主義的にこの二つの間を行ったり来たりしていた。
明治維新まもなくの日本はまさに福沢諭吉的な「脱亜入欧路線」に基づき、欧米覇道の手先となる事で周辺アジア諸国を侵略していく。当時の欧米帝国主義諸国にとっても本命のより大きな獲物(中国)をとって食うのに、日本を育てて利用した方が得であり、両者の利害は合致したのである。日本の「明治維新・文明開化」とやらの正体はまさにこれであった。とりわけ朝鮮侵略においてはそれが露骨であり、露日戦争の戦費や桂・タフト密約といったアメリカの全面的バックアップのおかげで、日本の独占的な朝鮮半島植民地化が可能になったのである。だがアメリカは慈善事業で日本を援助したのではない。露日戦争に金を貸したアメリカのクーン・レーブ商会のような大銀行は戦後にきっちり利子付けて貸金を回収して大儲けしたし、庚戌失国以降に朝鮮の富を収奪する為に作られた日本の植民地会社達(イギリスの東インド会社やフランスのインドシナ銀行などに該当する)にはアメリカの大資本が軒並み大株主として出資し、「もの言う株主」として支配権と利益の配当を得る事になった。代表的な例が悪名高い東洋拓殖株式会社(東拓)で、当初ここにアメリカのさる大銀行が大株主となっていた事はあまり知られていない。要するに侵略先の国で抵抗する地元民(東学や義兵など)を虐殺してその財産を奪う野蛮な実戦は日本に任せ、アメリカは汗を全く流さずそのシノギをピンハネだけするという構造だった。頭が良くて金儲けの上手い、いわゆる漫画ゴラクの白竜みたいな経済ヤクザの事をアメリカではホワイトカラーギャング(white-collar gang)と言う。あるヤクザの組に粗暴で喧嘩は結構強いが、頭が悪くて金儲けの下手なチンピラ(ブルーカラーギャング blue-collar gang)がいた。ある日、金に窮したそのチンピラは、金儲けの上手な頭のいい経済ヤクザと知られる兄貴分の所へ金を借りに行く。その経済ヤクザな兄貴分曰く「分かった。金貸してやるからそれでシノギをしろ。おまえは頭悪いから、シノギの仕方も俺が指導してやる。その代わり、毎月売り上げの中から利子付けて返済しながら俺に上納しろ」と言って来た…。
米帝というホワイトカラーギャング、
頭の足りないチンピラに金を出し口を出し。
日帝というブルーカラーギャング、
自分より狡賢い兄貴分に汗水垂らし利子付けて上納する。
後に残るは数千万のアジア人の屍。
日本のアジア侵略は当初こういう構造だったと言っても過言ではない。まさに「西洋覇道の手先」「脱亜入欧」で順風満帆(?)に「帝国主義デビュー」を果たした時代、福沢諭吉に端を発して後に村山談話やアジア女性基金、和田春樹、角川ゲームズや明仁に連なる系譜の帝国主義が日本の主流だった頃だ。
だがこの日本という頭の足りないくせに欲だけは人一倍で自分は世界最強だと思い込んでいるブルーカラーギャングの国、自分の稼ぎのかなりの部分が兄貴分の米帝に吸い上げられて取り分が思ったよりも少ない事に不満を持つようになった。さらに台湾と朝鮮だけでなくもっと勢力を増やしたい、とも。それで起こったアメリカに対する第1次反抗期が1931年の9.18事変(満州事変)、第2次反抗期が1937年の中日戦争、そして決定的な第3次反抗期が1941年の真珠湾攻撃であった。この期間の日本は福沢諭吉的な脱亜入欧帝国主義が失墜し、吉田松陰や北一輝に端を発して後に三島由紀夫やニトロプラス&芝村裕吏に連なる系譜の攘夷的軍国主義が支配的になった頃だ。日本は「艦これ」から「刀剣乱舞」へと移り変わったのである。だがアメリカでも日本でもそうだが、その筋で名のある経済ヤクザというのは決して穏健派でも何でもなく、実際にはとんでもない武闘派でもある場合がほとんどだ。ホワイトカラーギャングという言葉の語源になったのはマイヤー・ランスキーというユダヤ系マフィアの組長だが、この男は金儲けが上手いだけでなく、ランスキー一家の戦闘力の強さと残虐ぶりを当時のアメリカの裏社会で知らない者はいない。日本でも経済ヤクザの雄として有名な石井進(稲川会2代目会長)や宅見勝(元山口組若頭)の組織も極めて血生臭い武闘派である。強力な経済ヤクザの資金を支えるのは、究極的には暴力だ。ましてやアメリカ帝国こそ世界最大のホワイトカラーギャングである。で、その結果…。
多言を要しない。大空襲と原爆2発で終了である。完膚なきまでに返り討ちにあった日本は今度こそアメリカには絶対逆らわない(けど、アジアには絶対謝罪しない)「平和国家」として生まれ変わり、例の「70年」を経て現在に至る。日本は「艦これ」から「刀剣乱舞」へ、そして再び「艦これ」に回帰したのだ。
話を戻すと、さらに新ガイドラインでは「島嶼奪還作戦」を明示しており、これは中国との紛争地域である釣魚台(尖閣諸島)を主な標的にしているが、その領土奪還作戦には独島や南クリル諸島(いわゆる「北方領土」)も当然含まれていると見るのが現実的だろう。今の日本では植民地支配と侵略戦争の否定どころか、これらの島が全て「日本固有の領土」と教科書に記されている。これらの「島嶼奪還作戦」は「日本固有の領土」を取り返すだけだから侵略ではない、という事だ。自衛隊の独自活動による侵略行為を明文化したのが日米新ガイドラインである。
(続く)
※筆者より
本来この連載は第3回目の今回で終了する予定だったのですが、昨今の色々なネタを取り込んで書いているうちに話が大きく脇道に逸れ、本来ならば「日本の歴史家を支持する声明」や一連の刀剣乱舞騒動に関する記事で書く予定だった内容をまとめて盛り込んだり、日本の朝鮮侵略史などにも深入りして、不必要に長くなってしまいました。肝心の「翁長ドクトリン」についての詳しい説明が出来なくなり、これは次回で詳述して締めくくりたいと思います。もうしばらくだけお付き合い下さい。辺野古の基地建設も1ヶ月「休戦」などと言われていますが、これはさらなる欺瞞戦術や暴力の嵐の前兆に過ぎず、いささかの油断も出来ない状態でしょう。
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