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今の所「脱原発日韓連帯」はやはりリスクしかない

佐賀ではこういう事が起こっているらしい。

http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2557628.article.html

脱原発へ国境越え連携 日韓市民団体が交流
 脱原発を目指す韓国の市民団体メンバー11人が30日、東松浦郡玄海町を訪れ、玄海原発の再稼働に反対する県内の市民団体などと交流した。両国の代表が現状を報告し、アジアで脱原発を進める連携の強化を確認した。
 交流会には約30人が出席し、韓国の原発立地4地区から現状を説明した。ウルジン原発の立地地区から訪れたチャン・シウォンさん(43)は福島第1原発事故が起きたにもかかわらず、さらに原発を増設する韓国政府の姿勢を批判。「世界中の原発立地地区の住民が動かないと原発は止められない」と訴えた。
 玄海原発から4キロ圏内に住む玄海町の農業青木一さん(75)は「原発は人類を豊かにしてきたが、今回の事故で破滅につながることも分かった。今は原発廃止を願う気持ちでいっぱい」と話した。
 交流会は、国境を越えて脱原発を進めようと県内の市民団体が主催した。一行は5日まで日本に滞在し、伊方原発(愛媛県)や広島などを訪れる予定。


これに参加した韓日双方の団体がどういう所かはくわしく分からない。ただ、地元という事からして、おそらく日本側は玄海原発の差し止め訴訟などをやっているグループ達ではなかろうか。
日本と韓国の反原発運動の連帯というのは本来ならば望ましい事だ。しかしながら前にもちょっと述べた事があるが、現状では韓日双方の運動に色々な問題があり過ぎて困難であり、むしろ悪い結果しかもたらさないであろう。

まず日本側に関して言うと、3.11以降の日本の脱原発運動は完全に腐敗堕落しきってしまい、全く頼りにならないどころか原発の延命を手助けしかねないほどだ。右翼や日の丸を容認し、被爆の回避や被災者の避難を黙殺し、原発を減らしたりなくす事よりも自分とこのデモ参加人数を増やす事しか頭にない反原連やたんぽぽ舎、原発再稼動を容認する原子力資料情報室など、有名どころは誰も彼も総崩れ状態でロクな事をしていない。
同人誌業界で言えばコミケ壁際的存在であるこうした「脱原発業界大手サークル(笑)」と違い、上記記事にあるグループ達というのはおそらく地元で地道にまともな活動をしているいわば「弱小サークル」であろう(だと思う。たぶん)。佐賀のグループ自身がいかにローカルで地道な活動してきた人達であっても、日本では「大手」の及ぼす悪影響があまりに甚大過ぎる。日本の脱原発運動は今や完全に偏狭なナショナリズム運動そのものと化している、という現実を率直に韓国側へ伝えられるかどうかが鍵だろう。反原連やたんぽぽ舎・原子力資料情報室のように悪質な確信犯とは違う真面目な運動体であっても、こうした事実をありのままに韓国へ伝えられる者は日本にはいないのではないか。個々の人やグループがいかに良心的であっても、大局的な情勢がそれらをチャラにして余りあるほど悪過ぎるという事だ。

一方で韓国の脱原発運動も内情はお寒い。今の韓国反原発運動の基本的な路線というのは「脱原発してる外国を見習え」なのだ。つまりドイツがそうだし、隣の日本でも福島の事故以来脱原発の機運が高まってる、だから韓国も…という言い方なのである。「脱原発 日本」を朝鮮語で検索すれば一発で分かるが、環境保護運動や進歩派の媒体などは3.11以降2年以上もずっとこうした事ばかり言い続けているのだ。日本で民主党野田政権から自民党安倍政権まで一貫して原発の再稼動や輸出に躍起になってきた事や、選挙で原発推進政党ばかり圧勝している事実などまるでなかったかのように。「3.11以後も日本やドイツはじめとする先進国は、むしろ原発比率を高めようとしている」という正しい現実を、東亜日報などの右派・保守派媒体の方がかえってちゃんと報道しているくらいなのだから。いわば韓国の環境運動や進歩派は「日本やドイツは脱原発に向かっている」という超美化された全くの幻想を根拠に運動をしている訳で、これは極めて危険であろう。ハンギョレはじめとする進歩派メディアは小泉純一郎の「原発ゼロ提案」を予想通り大きく取り上げていた。唯一の例外は聖公会大学の権赫泰教授ぐらいか。京都大学新聞が行なった権教授のインタビューにもあったが、

「隣りでは日本がなくしている、なくしつつあると(笑)。実際はそうじゃなくて、そういう情報が欲しいわけ。だから、韓国の反原発運動やっている連中は、日本で起こっている情報を、僕に言わせればすごくウソついている。」

「それが気に入らなくて、「違うよ」というのを書いているのだけど、そうすると「あなたは原発賛成なんですか」ということになっちゃうわけ。そういう意味じゃないのに」

という指摘は全く正しい。
権教授のインタビューは必見なので、一読をお勧めしたい。以下リンク先の前後編参照。

http://www.kyoto-up.org/archives/1779
http://www.kyoto-up.org/archives/1811


要するに韓国も日本も、どちらの脱原発運動も大いに問題があり過ぎ、現時点で両者の連帯とやらはマイナスの結果しか生まないのではないかと思う。日本の運動はとうに原発の延命に加担する「国粋主義御用運動」へと変質しており、韓国ではそれについて「脱原発の機運が盛り上がってる」と嘘ついて運動に利用する。これが本格的に結び付いた時ほど恐いものはない。
韓国でも日本でも反原発運動にとって今大事なのは、国際連帯という美名の下に「海外進出」する事ではなく、自国の運動方針と国内の問題を徹底的に正す事ではないか。そちらが最優先だ。

どんな環境運動でもそれが本物かどうかを簡単に見定める物差しというものがある。その一つが「シンクグローバリー、アクトローカリー」すなわち「地球的視点で考え、地域で活動する」という事だ。今の韓日脱原発運動が果たしてこの物差しに合致していると言えるだろうか?

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