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此度の日朝交渉、とりあえずこれだけは読んどきましょう

日本の独自制裁一部解除という事になりそうだが、元より日本の制裁が朝鮮民主主義人民共和国に与えた経済的ダメージ自体はそれほど大きくなかった(向こうとの往来などに制限が課された在日社会には色々と大きなダメージがあったが)。日本と共和国の間の貿易額など元より高が知れたものであったし。それよりも日本が国連やアメリカの制裁をも飛び越えてこうした独自の「有事・戦争法制」を成立させた事にこそ、当時としては大きな意味合いがあったのである。今はそれの上を行く集団的自衛権行使も閣議決定され、朝鮮への独自制裁の持つ意味合いが薄れた以上、それの一部解除くらいは日本にとって屁でもない。その程度の「成果」の為に「全ての機関を調査出来る権限を持った調査委員会」を日本の公安警察まで外交交渉の場に引き込んで確認させる、すなわち国の主権に干渉させた事は間違いなく将来大きな禍根を残す事になるだろう。朝鮮側にとって何の実利もないその程度の制裁解除の為にそこまで譲歩した姿は、1905年の乙巳勒約(을사륵약)を想起させる。

とりあえず一つの記事を御紹介しておきたい。これは2000年秋、つまり南北首脳会談が行われて間もなく、2002年小泉訪朝の2年前に当時ハンギョレ日本特派員であった韓承東が書いたものだ。日本という国の歴史認識とそのアジア支配戦略を当時これほどまでに鋭く看破していた。

http://www.pssp.org/bbs/view.php?board=journal&category1=10&nid=348
社会進歩連帯機関紙 季刊社会運動 2000.10.9号より
朝日修交協議を通して見た日本の東アジア支配戦略
韓承東 ハンギョレ新聞東京特派員(韓国語記事)

あの頃は首脳会談で南北関係も好転し、朝日関係もその流れで良くなるだろうという見通しが、在日社会にも南の民主勢力・平和統一運動にも支配的だったと記憶している。だが、それは甘っちょろい幻想に過ぎなかったというのを、2年後の小泉訪朝と続く日本の拉致・北朝鮮バッシングフィーバーで思い知らされる事になった。今もまた当時と同じく「安倍は本気で関係改善に乗り出している」「金正恩は本気だ」「東アジアの秩序が大きく変化する」という甘い話がまことしやかに囁かれている。だがこの記事内容と現在進行中の集団的自衛権行使容認の有様を見ても分かるように、日本の考えというのは2002年当時と何の変化もないどころか、もっと凶悪になっている事を痛感させられるだろう。朝鮮側も国交正常化を急ぐあまりに無理な手を打っている事から、やはり12年前の教訓から学んでおらず変化が見られない。この記事を読むと、とても14年前のものと思えない所に戦慄させられるだろう。このままではまた朝鮮側は一方的に日本側に騙されて終わるのではないか。
韓承東という記者も今はナマクラだが、14年前はこのようにかなり鋭い事を言っていた。
とりあえず読める人だけ原文でまずはお読みいただければと思う。日本語訳はまた後で公開したい。

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