そもそも中井洽は国家公安委員長であって北朝鮮選手団の入国を決定する権限はない。それは外務大臣の決める事で実際に岡田外相は「スポーツのことだから」とおおらかな対応をする様子だった(飽くまで様子だが)。ところがそこへ公安委員長兼拉致問題担当の中井が北朝鮮チームの入国に反対する訳だから越権行為も甚だしい。それに日本が行っている制裁は北朝鮮本国よりも実際の所は日本に住む在日朝鮮人の生活を締め上げる事に主眼がおかれており、事実上かつてのナチスドイツのユダヤ人迫害や第2次大戦中のアメリカにおける日系人迫害、現在のイスラエルがやっているパレスチナ人迫害と同質のものだ。筆者自身も一人の在日朝鮮人としてはらわたの煮え返る現実が山ほどある。中井の発言は閣僚としての職務や拉致問題がどうこうと言うより、本人自身の民族差別意識によって発せられた部分が大きいだろう。
だが、これが思わぬ波紋を呼んでワールドカップ出場権剥奪にもなりかねないという。当然ではないか。国際サッカーはフーリガンなどの暴徒が付きまとったり試合の結果で国同士のサポーターが暴力沙汰に及ぶ事も珍しくないので、それを取り仕切るFIFAも差別や政治の介入には人一倍神経質だ。自分の発言が「国際社会」(これは右翼や拉致問題関係者が北朝鮮を攻撃する際によく使う言葉だが)でどのように見られるかという想像力すら持たない者に大臣の資格はない。
いっその事日本は今回の件で南アのワールドカップ出場権を剥奪された方が良いだろう。民族差別意識に基く政治介入がどれだけ高くつくかという授業料として、その方が長い目で見て日本という国とその国民には良い結果になるはずだ。
閣僚“失言”で波紋…日本のW杯出場権はく奪も
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2009/12/11/01.html
北朝鮮チームへの対応協議へ,
NHKニュース,2009年12月11日 18時19分
http://www3.nhk.or.jp/news/k10014354862000.html
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