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昔、竹熊健太郎が「サルまん」でやってたネタが現実化した

昔ビッグコミックスピリッツで連載して話題になった「サルでもかけるマンガ教室」(サルまん)で、世の中のメディアを何でもかんでも漫画にするというネタの回があった。そこで徴兵の赤紙も萌え系美少女の絵で「お願い、国を守って」とやれば、それを読んだ者が感化されて喜んで兵隊に行ってしまうというネタだった。当時はただのギャグとして読んでいたのだが、今にしてみるとかなりシャレになっていない。いや、シャレにならないほどその間に日本という国がひどくなったと言うべきか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130820-00000111-san-ent
「ガルパン」牽引 アニメで脚光 戦車、異例の人気

美少女が戦車戦するというアニメのおかげで、自衛隊の演習見学者が激増しているという。これぞまさにサルまんでやっていた「萌え系赤紙効果」とでも言うべきだろう。「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」というアニメはまさに現代の「赤紙」なのである。もちろんこれを見て自衛隊の見学に行くようになった連中全てが自衛隊に入隊する訳ではないだろう。だが、現実の戦争の悲惨さや兵器産業の恐ろしさを分からなくさせる効果は十分過ぎるほど発揮している。
上記記事では自衛隊の広報室長が隠しもせずに堂々と言っているではないか。

自衛隊と防衛産業は車の両輪。実際に見て聞いて触れて、どんな装備で日本を守るか感じてもらえれば」

一昔前ならば、自衛隊員がこんな事を言ったら大問題になっただろう。「防衛産業」などと言っているが、要は「死の商人」である。いや、今は「死の商人」という言葉すら死語と化して久しいのかもしれない。広瀬隆によれば、自分とこに原発の取材に来た若い記者が「死の灰」という言葉の意味を知らなかった事に仰天したという。「死の商人」も「死の灰」もすでに「古語」となって、意味を知る者は絶滅危惧種になったのだろうか。
いや、自衛隊と三菱重工はじめとする軍需産業の癒着は昔からあったが、それでも以前は世間の目を気にしてもう少しこっそりしていたものだ。それが今ではここまで軍人があからさまに軍需産業=死の商人を激賛するほど公然としており、日本の再軍備と軍拡化は順調に進んで、国民にも受け入れられているという好例だろう。連中にしてみればまさに「ガルパン」様々である。
今の日本では大衆娯楽、とりわけアニメや漫画がそれらの宣伝役を担う姿が恐ろしく露骨になった。今回の「ガルパン」や「名探偵コナン 絶海の探偵」は典型例であるし、日本アニメ界の巨匠こと宮崎駿のゼロ戦礼賛アニメも大ヒット上映中だ。ゼロ戦の三菱重工は日本最大の原発メーカーにして軍需産業である。
日本では軍人と死の商人と大衆娯楽メディアの3者がすでに一体化して活動しているのだ。「軍産娯複合体」体制とでも言うべきだろうか。いわばアメリカのハリウッド映画がやってる事(トム・クルーズとかキャスリン・ビグローとか。最近はあのマイケル・ムーアも転向してそうなったらしいが)を、日本でも遅ればせながらアニメ界が担うようになった訳である。
「はだしのゲン」のような作品は閲覧が制限され、「ガルパン」や「名探偵コナン」や宮崎アニメは「国策」として国や大企業によって大いに見るのを奨励される時代だ。作品の舞台になった田舎町も便乗して一山当てようと、それに一枚噛んで醜態を晒す。ちなみに「富士総合火力演習」がとんでもない自然破壊をこれまで引き起こし続けており、富士山が世界遺産になってもそれが続いている事ぐらいは念頭に置いておくべきだろう。

日本の軍拡化や改憲を推進するのに、こういう底辺の大衆をとろけさせて誑し込む作品やメディアほど効果的なものはあるまい。戦争や兵器や軍拡化の恐ろしさを美少女キャラという糖衣で包み込む手法は本当に注意が必要である。中でも「艦隊これくしょん」は最悪な例だ。
日本の漫画・アニメオタクの中にはこうしたコンテンツをビジネスとして世界に発信したりするのを、「国益」「国防論」として奨励する愚かな者が少なくなかった。特に漫画やゲームなどの表現規制に反対する、どちらかというと左がかった者にそういう「国益論的メディア利用論」傾向が強かったのだが、今にしてみるとそれらの主張は何と恐ろしいものであったろうか。今や最悪の形でそれは実行されているのである。この手の良識ぶった「反表現規制左派オタク」の発言には「日本のコンテンツは世界一だ」という思い上がりと、中国や朝鮮半島など他アジア諸国への蔑視観が露骨に表れており、今の反原連やしばき隊に通低するものがある。

韓国では1980年代まで児童洗脳用の反共アニメが大量に制作・放映された。それらを見て育った人々は今でも北や共産主義に対するトラウマに囚われ、韓国社会の民主主義や南北平和統一のガンになっている。今でも韓国では「アカ」「従北」と言われる事に多くの人が潜在的恐怖感を持つ。当時の韓国反共アニメの作品としての出来自体は今見ても大した事はないが、及ぼした悪影響は計り知れない。今の日本はそれをもっとスマートなやり方で効果的に実行しており、当然及ぼす悪影響も韓国のそれよりはるかに大きなものとなるのは間違いないだろう。今の日本人達はそれにほとんど自覚がないようだが…。
 

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【翻訳漫画】挑発という単語の新しい定義

色々検索していたらちょっと面白い韓国の風刺漫画を見つけたので、翻訳して御紹介します。タイトルは「挑発という言葉の新しい定義」。自分らは相手よりもはるかに強大な武装をして派手な軍事演習までこれ見よがしにしてるくせに、相手が少しばかり身を守る為に武器を持つと、それを「挑発だ」などと自分を棚に上げて騒ぎ立てる国が…。

 









訳 ZED
韓国語原文記事はこちら
http://cafe.daum.net/sisa-1/ozCH/28

登場人物のうち朝鮮の民族衣装を着たのが3人、ガンマン風のが1人、それぞれ銃を所持するのが挑発かどうかと争っている内容で、これが何を扱ったネタなのかは御覧になれば大体分かると思います。が、日本の読者にはちょっと分かり難い部分もあるのでそれについて少し解説を。

まず2コマ目でガンマン風の男が「生後30ヶ月以上の牛」というのは狂牛病の問題です。狂牛病の病原体である異常プリオンは高齢の牛ほど蓄積し易く狂牛病も発症し易いので、そうした年取った牛の輸入を多くの国が禁じてきました。それを李明博政権時代の韓国政府は30ヶ月以上の米国産牛肉の輸入制限を解除すると発表して、大規模なデモが発生した事は記憶に新しいでしょう。日本も輸入規制を生後20ヶ月以下から30ヶ月以下に緩和すると今年の1月に決定しましたね。ちなみにこの時の政府審議会の決定については全国消費者団体連絡会の事務局長までもが「理解」を示していました。こういう事を平気で言っちゃう市民運動団体というのは原子力資料情報室だけではなかったという事です。
また、ガンマンの後ろで「ちょっと奴隷っぽいけど腹は空かないじゃないか」といってピースサインを出している男女は明らかに現韓国大統領・朴槿恵と、そのスポークスマンでありながら訪米中にセクハラスキャンダルで更迭されるという恥ずかしい事件を起こした尹昶重(ユン・チャンジュン 윤창중)に見えます。
4コマ目で尹昶重ぽい男が「手帳に書くよう伝えておきます」というのは、朴槿恵が韓国では「手帳姫」とあだ名されていた事に由来します。朴槿恵は父親が大統領だった頃から一緒に行事などに同行して、何かあるとそれをこまめに手帳に記録する習慣があり、そこからそのようなあだ名が付きました。

 

「自衛隊は暴力組織」by雁屋哲

雁屋哲・原作、シュガー佐藤・画による「日本人と天皇」の韓国語版が届きました。漫画部分は基本的に原書に忠実な翻訳なので、雁屋哲の韓国語版まえがきと訳者・金ウォンシッのあとがきが見所でしょう。近いうちに訳して論じたいと思います。
 
で、こんな事がありました。
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101118-00000012-maip-pol
仙谷由人官房長官は18日の参院予算委員会で、自衛隊を「暴力装置」と発言、質問者の自民党の世耕弘成氏から抗議を受け撤回した。そのうえで「不適当だったので、自衛隊の皆さん方には謝罪する」と述べた。
仙谷氏は自衛隊と他の公務員との政治的中立性の違いについて「暴力装置でもある自衛隊はある種の軍事組織でもあるから、シビリアンコントロール(文民統制)も利かないとならない」と発言。委員会室が騒然となったため答弁中に「実力組織と訂正させていただく」と言い換えた。
 
これを見て思い出したのが、雁屋哲が80年代前半に漫画ゴラク誌上で連載した作品の一節です。その作品とは「乱九郎一代」(画・本館功)。
有名な「野望の王国」の連載終了後、次回作「獅子たちの荒野」が始まるまでの「中継ぎ」として連載され、当時新人だった本館功のデビュー作となった作品でもありました。まあ見ての通り、作画担当である本館はとにかく絵が下手で、本宮ひろ志と中島徳博を合わせた出来損ないバージョンの域を出ない絵だったのが…。
絵の出来はともかく、見て欲しいのは当時の雁屋イズムがもろに炸裂した以下のくだりです。クリックして御覧下さい。スキャンの際に一部セリフが読めない部分が生じたので、そこは原文通り新しく文字を打ち直しました。御了承下さい。
rankurou01.jpg



 
 
rankurou02.jpg







80年代中期頃までの雁屋哲原作漫画は反権力バイオレンスの気風が強く、「暴力とは何か」をテーマに挑んだ作品が多くありました。「この世を動かすのは暴力だ! 暴力こそが全てだっ!」「警察こそ日本最大の暴力組織だ! 俺はその警察を乗っ取るのだ!」「この世を動かすのは金と力だっ 正とか悪とかそんなものは関係ないっ!」といった作中の悪人達(時にはその悪人が主人公のピカレスク作品もあり)の名セリフはそれをよく象徴するものです。
自衛隊が暴力組織? 当たり前じゃないですか。自衛隊が現行のような組織である限り、政権与党が自民党から民主党に変わろうと同じ事です。しかも内輪の講演会だかで自民党の方が良いとか話をして、政治的中立の建前すら投げ出す始末。事務次官がそれに通達をしたのは当たり前過ぎる話に過ぎず、言論の自由は関係ありません。
ただその戦力的に「外国相手の戦争にゃ役立つような代物じゃねえ」「暴力組織」が旧日本軍譲りの好戦的性格を秘めており(三矢作戦参照)、今や現実に海外派兵を繰り返して米軍の露払い役を務めつつある事が一番恐ろしい訳です。当時も今も、自衛隊の銃口は必ずしも日本国内にのみ向けられている訳ではありません。その銃口が向けられている対象は言うまでもなく米軍の攻撃対象と同じ。北朝鮮ももちろんその中に入っている上に、それを煽るクレイジーな人間もいる訳です。そう、特定失踪者調査会の荒木和博。このクレイジーが「守る会」を通じて石丸次郎と同じ穴のムジナというか、兄弟同然の人間である事はよく認識しておきましょう。
 
http://blogs.yahoo.co.jp/lifeartinstitute/42258618.html
 
それにしてもあの頃の雁屋哲は熱かった。読んでる方が火傷しそうになるくらい雁屋バイオレンス劇画は熱いものでした。それが今は共産党転向者の有田芳生を絶賛しちゃうほど耄碌した訳ですから、時の流れは何と残酷なものか…。
 

やっぱり「アンパンマン」のやなせたかしはここに顔を出さなかった

現在東京都が「2次元ポルノ」として青少年健全育成条例案を改悪して強烈な漫画規制を推し進めようとしています。3月19日の都議会総務委員会で採決されるので時間があまりないのですが、今からでも可能な限り反対の声を上げていきましょう。以下のサイト参考にしていただければと思います。

東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト

カルトvsオタクのハルマゲドン/カマヤンの虚業日記

hantailist.JPG
で、さすがに今回の条例のヤバさについてはプロの漫画家からも反対の声が上がって記者会見を開いたのも既報の通りです。その中には山本賢治や糸杉柾宏、やまだこうすけ、佐野タカシといったエロ系漫画家に加えて、ちばてつや、里中満智子、弘兼憲史、かわぐちかいじ、藤子不二雄Aなど筆者が常々批判してきた老害漫画家らも名を連ねるなど玉石混交ですが、彼らが珍しく声を上げたのは(今回に限り)評価出来ます。もちろんこれによってちば達が晩年やってきた悪行(著作権侵害の法規制強化推進、著作権保護期間の不当な延長要請、レンタルコミックや古本の排斥運動への加担など)が免罪される訳では全くありません。まあ、平沼赳夫や城内実でさえも郵政民営化に反対した事があるように、誰でも一生に一度は善行を成す事もあるという事で理解しましょう。これが終わったら敵ですよ、という事で。
そういやこの条例改正に反対する漫画家のリストを見ていて気付いたのですが、やはりと言うか「アンパンマン」のやなせたかし翁は入っていませんでしたね。彼は強烈なエロ表現規制派で、あの手の「不健全な漫画」は規制すべきという事を何年も前から公言していましたから。ちなみにそのやなせに同調して媚を売っていたコバンザメのごとき雑魚が西原理恵子だという事もよく覚えていた方が良いでしょう。西原も売れない頃はエロ雑誌で仕事をしていた癖に、実に御出世なさった事で。
あ、それと反対リストにいない漫画家としては松本零士や矢口高雄もそうでしたね(笑)。
著作権問題で老害をさらす連中もさすがに表現規制問題では足並みが乱れるようです。

東京都の2次元児童ポルノ規制、ちばてつやらが反対の記者会見
http://news.livedoor.com/article/detail/4659610/

自民党のバカ世襲議員を勘違いさせて天狗になってる劣化コピー3流漫画家

安倍晋三や石破茂など自民党には脳味噌にシワのないツルツル政治家が沢山いる訳ですが、それらに多大な影響を与えてきたのがかわぐちかいじです。少なくとも日本の漫画家で彼らに最も大きな影響を与えたという点では弘兼憲史と双璧を成すのではないでしょうか。昔の自民党政治家といえば安岡正篤だの四元義隆といった一応「右翼思想家」(が、実態はただの恐喝殺人暴力屋かペテン師)の著作などを読んで影響を受けてきた訳ですが、それよりも世代が下ると愛読書ももっとレベルが下がってかわぐちだの弘兼だのになる訳です。
で、件のかわぐちセンセイは長年連載してきた「ジパング」の最後の単行本が出て御満悦な様子ですが、この作品の内容を一言で言い表すと「出来の悪い戦国自衛隊」そのもの。こんな半村良の焼き直しを堂々と発表して恥ずかしくないのでしょうか。しかも半村良が若い頃に書いた作品で軍国主義の復活を警告した「軍靴の響き」をかわぐちは漫画化した事があるのですから、なおさら半村に対する冒涜です。その半村良は晩年にSF作家として行き詰って売れなくなってから極端に右翼的な方向に行ってしまいました(かの新しい歴史教科書をつくる会の賛同人にもなっていた)が、彼の作品をパクって代表作にしたかわぐちかいじはそれと違って若い売れない頃から右翼的な漫画家でした。
70年代のかわぐちは今と全然違っていて非常に泥臭い絵をしており、少なくとも女性ファンは絶対つかない、およそビジュアル系とはかけ離れた絵でした。今ではジャンル的にほぼ絶滅して想像も出来ませんが、「沈黙の艦隊」が連載を始めた80年代末の一時期には同作のやおい(ボーイズラブ)同人誌を出している女性同人サークルがコミケやコミックシティでかなりの数存在していた程です。今ではかわぐち作品の女性向け同人誌を出してるサークルなどコミケでもかなり数が減り、同人誌の世界での人気は一時に過ぎませんでしたが、それなりに女性にウケる男前のキャラは描けていた訳です。しかしながらそれよりも大分前、70年代のかわぐちの絵柄はこの時代特有の泥臭い売れない陰鬱な劇画タッチそのものであり、少なくとも当時の絵柄で「沈黙の艦隊」を描いていたら絶対にやおい同人誌のネタにするサークルなど現れなかったでしょう。それほど違います。
まあ、絵柄はともかくとして、70年代のかわぐちかいじは2.26事件などの「国家を憂う右翼的青年将校の叛乱」(笑)をネタにした作品をやたらと描いていました。筆者はこれらの作品を認めていませんが、それでもこの頃のかわぐち作品では主人公の青年将校らが最後は「朝敵」扱いされて鎮圧されたり自殺するなどといった描写をしていた訳です。「自分達は天皇の為に決起したのになぜ鎮圧されるのだ?」という青年将校が当時のかわぐち作品に多く見られたテーマでした。あるいは日本敗戦で天皇が人間宣言したのに絶望する右翼とか。早い話この頃のかわぐちかいじとは「出来の悪い三島由紀夫」だった訳です。ま、中二病だね。
その後80年代前後期にかけてはさすがに売れなきゃ食ってけないという事に気付いたか、絵柄を大改造して勝目梓などハードボイルド系小説家の原作を漫画化したり、麻雀劇画(「プロ」「はっぽうやぶれ」など)や俳優の漫画「アクター」などエンターテイメントに特化して政治色を封印した作品で売れっ子になります。
で、80年代末に「沈黙の艦隊」という安倍晋三や石原慎太郎らに絶賛・愛読される非常に右翼的な作品に先祖帰りして今の地位を獲得する訳ですが、「沈黙の艦隊」以降のかわぐちは単純な右翼漫画家への回帰ではなく、ある部分が変質して先祖帰りしたと言って良いでしょう。つまり安倍や石原・石破・麻生太郎などの政治家が喜びそうな派手な描写をするようになったという事です。昔のかわぐちであれば泥臭い絵柄で2.26事件の青年将校が岡田啓介や高橋是清らを「天誅!」とか叫んで陰惨に襲撃したり殺した挙げ句、最後に自分達も天皇に対する叛徒として扱われて陰惨に鎮圧されたり自殺する漫画を描いていた訳ですが、こんなあまり景気の良くない暗い話ではさすがに大衆ウケしませんし、石原だってシンパシーは感じてもあんまり派手にお勧めはしたがらないでしょう。安倍晋三や麻生太郎に至っては知能が低すぎてそもそもお話の時代背景すら理解出来ないんじゃないでしょうか。ところが「沈黙の艦隊」以降のかわぐち作品の主人公はやはり昔と同じ青年将校かそれに類するキャラばかりなのですが、かつてとは全然違って皆一様にカッコ良くなる訳です。しかも派手にドンパチをやって大活躍、少なくとも2.26の青年将校のように泥臭い陰惨さは全然ありません。物語の中で演じてる役割が「血染めの紋章」なんかの頃と全く同じでもです。根っこの部分は同じでも描き方はまるで変化したという事ですね。
つまり安倍や石破のような頭の悪い人間でも理解の出来る水準まで表現レベルを落とし、彼らが作中の主人公になったかのような妄想にひたれるような構成をし、それでウケた訳です。かつて噂の真相の記事に書かれていた事なのですが、安倍だの石破だの麻生だのは口を開けばかわぐちかいじや弘兼憲史の漫画の事ばかり話しており、しかもその話を聞くと他人を思いやるという思考が全く感じられなかった。要するに児童殺人事件を起こした酒鬼薔薇や長崎の中学生と何の違いもない、と。間違いなく安倍や石破はかわぐち作品を読みながらその主人公である海江田四郎や柳舷一郎を自分だと思い込んで精神的な自慰行為に浸っていたのでしょうね。ああ、気持ちが悪い!

かわぐち本人も度々賞を取ってそうした右翼政治家達に支持されて大きな影響を与えたのですからさぞかし鼻高々でしょう。しかしながら「ジパング」など実際には「戦国自衛隊」どころか一時期大量に出てた仮想戦記の三文小説と何の違いもありません。仮想戦記というのは要するに「昔の戦争で史実と違う結果になっていたらどうだったか」というのを描いた物語で、特に旧日本軍がアメリカに勝っていたらというネタを扱った「紺碧の艦隊」などが有名でしょう。今ではその多くが廃れましたが、かわぐちの「ジパング」はそれらが凋落した間隙を突くかのように浮上してヒットしました。しかし双方にどれほどのが違いがあるのでしょうか。両者共に侵略されたアジアの視点が皆無という点と、それをごまかして免罪する為かナチスドイツを悪役にして日本側がそれの攻勢を食い止めたりヒットラーを暗殺しようとする描写のある点が驚くほど共通しています。要するに彼ら作者達も大日本帝国を美化しすぎる事に多少の後ろめたさはあるのでしょう。だからこそ当時同盟国だったナチスドイツを悪役にして、それに日本が対抗するという設定でごまかそうとする。でもね、それは歴史を直視する勇気のない卑怯な臆病者だという事を自ら告白しているようなものですよ。

昔のかわぐちかいじが「出来の悪い三島由紀夫」なら今の彼は「それをフォトショップ加工して見た目を良くした」ものと言えるでしょう。多くの自民党政治家(民主党にもかわぐち作品のシンパはもちろんかなりの数いる訳ですが)に大きな影響を与えて売れっ子の大作家になっても本人の中二病は決して変わってはいないのです。

「ジパング」最終巻刊行 漫画家、かわぐちかいじさんに聞く
 

        
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