こんなツイッターを見かけた。
https://twitter.com/BARANEKO/status/868628211260809216
BARA @BARANEKO
『植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む』 金哲 平凡社
〈なにごとかを強制された場合の反応は一般に、拒否か受容の二つにわかれる〉
〈相手の言葉を利用しながら同時に拒否するという、もう一つの道‥〉・・が、日本帝国主義植民地下の朝鮮で有効であったのかどうかも、考えさせる本
17:41 - 2017年5月27日
このツイッターユーザーであるBARANEKOとかいう人は自分のブログで救う会などのニュースをさんざん好意的に取り上げたり、ツイッター上で根拠のない朝鮮共和国への誹謗中傷をさんざん煽ってきた(反北朝鮮左翼すなわちネオコン左翼とでも言うべき存在か)問題人物だが、それについてはとりあえずここでは問わない。ここで問題にしたいのは取り上げられている『植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む』という本の著者である金哲(キム・チョル 김철)という大学教授だ。この大学教授は何者であろうか。それが一発で分かる「証拠物件」を以下に翻訳抜粋して提示しておく。
https://www.facebook.com/radicalthird/photos/a.796396163776189.1073741828.796387263777079/812180415531097/
帝国の慰安婦、法廷から広場へ
5.嘆願書提出
延世大学の金哲教授と建国大学の朴三憲教授など「東アジアの未来を考える人達」を中心とする知識人達は、販売禁止仮処分棄却を要請する嘆願書を作成した。延世大学の文正仁教授、羅鍾一元駐日大使など学者達と作家、出版人たちを含めて220余人の知識人及び市民達がここに呼応した。
金哲教授はこの件を指し「単なる朴裕河救援の次元ではなく、韓国で知識人として生きていく最小限の社会的良識が存在するかどうかを確認する問題」と語った。海外ではテキサス州立大学オースティンキャンパスに在職する金ミヨン教授の提案で米豪韓を結ぶ連帯が形成された。
前にもちょっと取り上げた事があるが、この「帝国の慰安婦、法廷から広場へ」というのは朴裕河の熱狂的な信者達がやっているフェイスブックで、それこそ帝国の慰安婦やそれにまつわる訴訟で朴裕河を擁護・応援する広報部隊のごとき活動をしてきた。それを見ても分かるように、金哲は韓国でも朴裕河と帝国の慰安婦を最も熱烈に擁護してきた知識人の一人である。
文在寅の大統領特別補佐官に任命された文正仁や盧武鉉時代の駐日大使だった羅鍾一と並んで、韓国における朴裕河擁護のA級戦犯と言って良い。最近
駐韓日本大使だったという輩が在特会やアジアプレスや木村幹並みのヘイト本を出した事がいささか話題になっており、このような輩をわざわざ大使として送り込んだ日本政府の邪悪さと下劣さと宗主国気取りは吐き気をもよおさせる。が、対する韓国側もこれまで羅鍾一のごときバリバリの親日派どもを大使として送り込んで来たのだからナメられて当然であろう。朴裕河擁護の急先鋒が駐日大使では、そりゃ日本の右翼やレイシストどもが調子に乗って韓国を侮るのは当たり前である。そして文在寅新政権もその前轍を踏む危険性が非常に高い。
それはともかくこの金哲という教授の語る「植民地の腹話術師たち 朝鮮の近代小説を読む」とは一体どういう事なのか。朴裕河をこれまで必死こいて擁護してきた人間の語る「植民地期朝鮮の近代小説」論など虫唾が走るだけだ。実際に金哲がこの本で主張しているのは
「植民地期、ことに戦争期に対する日本の支配のもとで言語を奪われ、名前を奪われ、強制連行や慰安婦といった命まで奪われた「暗黒期」「空白期」という認識に対して、金哲氏はここで異議申し立てを」する事であり、まさに「従軍慰安婦は売春婦で日本軍の同志」と主張する朴裕河とは「歴史修正主義の類友」そのものだ。
金哲や朴裕河がやっている事は日帝時代の極悪親日文学者だった金東仁や李光洙のそれと同じである。いや、もっと酷い。植民地から解放されたはずの今になっても日帝の犯罪を免責するような歴史修正作業を繰り返し、従軍慰安婦被害者をセカンドレイプしているのだから、その悪逆さは金東仁や李光洙をも上回るであろう。
金哲以外ではさらにこんなのもあった。
https://twitter.com/artfront_ky/status/868402501199970304
K太郎 @artfront_ky
本日5.27、福岡市内で開かれた「金民雄(キム・ミヌン)教授講演会 韓国キャンドル市民革命の行く先は?」に参加。
2:44 - 2017年5月27日
https://twitter.com/artfront_ky/status/868402736940728320
「これまで辺境に属していた声が中心に立つように。…運動の専門性を蓄積してきた指導部を中心とする組織化ではなく、多彩な自律性を動力としている。…全国単位の同時多発的組織化が行われることにより、各地域で底辺から、自ら構成される力を獲得。「東学農民戦争」以来の長年の歴史的経験の再現」。
2:45 - 2017年5月27日
この金民雄(キム・ミヌン 김민웅)というのは韓国の聖公会大学教授で、ハンギョレやプレシアンなどにも度々登場する一応「進歩派学者」という事になってはいる。だが、この男は2012年の総選挙後に起こった朴槿恵政権による統合進歩党への政治弾圧へ最も積極的に加担した学者だ。
この男は当時マスコミで「統合進歩党は国民にとって有害な党になった」「解散すべきだ」とさんざん言いふらし、政治弾圧と社会的な恐ろしい「従北魔女狩り」を煽りまくったのだから。後に統合進歩党は朴槿恵政権の弾圧によって本当に強制解散させられた事を考えれば、この時金民雄がアジっていた事がどれだけ酷い暴言か分かろうというもの。朴槿恵政権の政治弾圧を幇助するような真似をしといて、今になって「キャンドル市民革命」がどうのこうのとか、この輩はどんだけ機会主義者の無節操漢なのか! こんな奴にどうして先のキャンドルデモを語る資格があるというのか!
言っちゃ悪いが、金民雄の講演会に行った人達はまんまと騙されたのだ。キャンドルデモや韓国の情勢を語る資格も能力も全くない(が、「騙る」才だけは長けている)、どうしようもない三百代言のインチキ学者の話を拝聴するという、笑うに笑えない金と時間の無駄をしてしまったのである。
何か注目に値する内容の本かなと思って取り上げたら、朴裕河のお仲間の本だった。
キャンドルデモ後の韓国社会の情勢や展望を聞きに行ったら、その講師は朴槿恵政権の政治弾圧や従北狩りを助長・幇助するような真似をしていた詐欺学者だった。
このようなインチキ学者を取り上げたりリツイートしたりわざわざ講演に行ってしまったりという喜劇が後を絶たない。だが、仕方がない部分もあろう。日本に住む者の多くは(右翼レイシストに限らず、ある程度良心的な善意の人間でさえ)韓国の詳しい情勢や個々の知識人達がどういう連中なのかを知らないのだから。筆者もそうしたヘマをしでかした事があるので、他人のそうした事を責めるつもりはない。ただ、出来る限り気を付けねばならないであろう。民主化運動の関係者を岩波の「世界」辺りが適当(といっては語弊があるかもしれないが)にピックアップしてりゃ良かった軍事独裁時代とは違い、2010年代の今は韓国の知識人を取り上げるというのが本当に難しい時代になった。つまりそれだけ注目に値する者やまともな知識人・ジャーナリストがいない、あるいはかつての民主化運動に関わったいわゆる「元老」達も変節・堕落し切ってしまった(金芝河、白楽晴、韓勝憲、黄晳暎、姜萬吉などなど)訳である。上記で例に挙げた金哲だの金民雄だのといった連中は、日本で言えばさしずめ五野井郁夫だの山口二郎だの大沼保昭だの立憲デモクラシーの会だのといった連中に該当しよう。それだけでこの連中がどんだけしょーもない存在か分かろうというもの。日本の知識人やジャーナリストの世界は酷いものだが、韓国のそれも決して負けないくらい悲惨な状態にある。だがそうした実情はよほど向こうの情勢や報道界に通じている人間でないと分からない。単に「進歩派」だとか「ハンギョレによく出てる」程度の事を根拠に向こうの知識人やジャーナリストを取り上げたり講演に行ったりすると、その者が実はとんでもない奴だと後で気付いて大惨事になるのである。もちろんその学者やジャーナリストが「そういう問題人物」だと十分理解した上で、なおかつそれを読者に断った上で慎重に「参考意見」のような形で取り上げたり話を聞きに行くという事はありであろう。それでもそのぐらいの注意をしなければならない。
筆者も以前に金民雄がどういう人間か知らずに好意的に取り上げるという大チョンボをやらかした事があった。リビアの事で一見まともな事を書いていたので取り上げたのだが、後に金民雄が極度のアメリカかぶれで、機会主義的に時流に媚びた話をしているだけの中身のないエセ進歩派だという事を知って、今は己の不明を恥じるばかりである。日本の例でもついこの間は
斉藤美奈子をまともそうなライターと勘違いしてしまった事があった。こうした自戒を込めて、韓国の知識人・記者・ライター達を取り上げる事の難しさを申しあげておきたい次第である。
特に韓国では文在寅政権の誕生により、食えないエセ進歩派学者が「我こそキャンドル市民革命派」のような顔をして大勢に便乗して商売したり、果てはキャンドルデモや文在寅政権を実態以上に超絶美化礼賛して政権に取り入ろうとする輩が増える(今回の金民雄はその好例だし、
徐京植も最近その傾向が非常に強い。堕落したものだな徐京植も)であろうからくれぐれも注意しなければならない。日本でもかつて民主党政権が誕生した時の事を思い出してみると良い。「韓国版立憲デモクラシーの会」みたいなインチキ学者どもと連帯するような愚は避けるべきであろう。
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