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「天外・名月・刀」未訳のその後

9622579590.jpg前にも指摘した事のある「天外・名月・刀」を訳しているブログですが、あれは作品全体の大体半分くらいまでしか訳されてません。この作品は全24章で、訳されているのは13章の途中までだからです。
「天外」は筆者もいずれ新訳したいと思ってますが、いかんせん現状では消化不良で気になる方も多いでしょう。そこで同ブログの「第13章 天王斬鬼刀」の残り部分だけでもとりあえず訳してお送りします。14章以降はまたの機会に同人誌化してのお楽しみという事で。
 
 


 
天外・名月・刀
第13章 天王斬鬼刀 ~翻訳ブログより承前
 
 
正午。
赤子達はようやく眠りにつき、卓玉貞が発ってすでに三刻が過ぎた後であった。傅紅雪は墓の後ろの物陰に座ったまま暫く動かずに、呆然と前の荒廃した墓を眺めている。
彼は内心で何を考えているのか?
――この打ち捨てられた墓の下に葬られた者達はどのような人間達なのだろう? その中には無名の英雄達がどれだけおり、寂しい流れ者がどれだけいただろう?
――生前に寂しかった者達は死後一層寂しかったのではないか?
――彼が死んだら葬ってくれる者がいるだろうか? 葬るとしてどこに?
――この問いに対して誰が答えてくれるのだろう?
誰もいない!
傅紅雪は長く溜め息をついてゆっくりとその場から立ち上がり、丘を越えて来る一頭の騾馬を眺めた。
 
痩せ細って疲れた騾馬の上には平凡ながら憔悴した夫人が乗っている。
傅紅雪は彼女を見て内心では己の変装術に対する満足感を禁じ得ずにいた。
卓玉貞は結局安全に戻って来た。誰も彼女に気付かず、追って来た者もいない。
傅紅雪と子供達を見た瞬間に彼女の目は即座に光を発し、この世のあらゆる賢母良妻同様にまずは子供たちの元へ走って口付けをし、再び油紙の包みを取り出して言う。「これは私が市場で買った鶏の燻製と牛肉です。私に分ける必要はありません。私はもう食事を済ませましたから」
傅紅雪は黙々とそれを受け取った。
彼女の指先にこっそり触れた彼の手は冷たく強張っている。
熱い陽射しの下で二・三時間を過ごした人の手がこれほど冷たいとは、これは明らかに心配事があるのだ。
卓玉貞は彼を眺めて優しい声で言う。「私はあなたが間違いなく心配しているだろうと思いました。それで消息が分かってからすぐに戻って来たのです」
傅紅雪が独り言をつぶやくように言う。「おまえはすでに杜十七の消息を…」
卓玉貞が彼の言葉を遮って言う。「杜十七が夜どこで眠るかは誰も知りません。知る者がいたとしても教えてくれる人はいませんでした」
杜十七が友を好む人間である事は明らかなので、当然友人も多いはずだ。
「ですが私は一つの事実を知りました」
傅紅雪は聞きいるばかりであった!
卓玉貞が今一度言う。「彼は友人も多いですが敵も少なくはなく、その中で最も恐ろしい人間は胡昆という者です。城内のあらゆる人達が知る事実ですが、胡昆は来月一日になるまえに杜十七を消すつもりで勝算も大きいようでした」
傅紅雪が言う。「今日はすでに二八日のようだが」
卓玉貞はうなずいて言う。「それで私は考えました。ここ二日間の杜十七の行動に関して言えば明らかに胡昆が誰よりも良く知っているだろうと」
――誰かについて知ろうとする時は彼の友を探すよりもその敵を探す方がはるかに早いものだ。
「胡昆を訪ねたのか?」
「いいえ」
卓玉貞は微笑みながら再び言う。「ですがあなたは彼を訪ねて行けるでしょう。それも非常に堂々と。公孫屠一行に気付かれる心配もありません。彼らが知ればひょっとしたら却って好都合かもしれません」
彼女はまるで柔らかくも愛らしい狐のように、優しく甘い笑みを浮かべた。
彼女を眺めていた傅紅雪は渾然として彼女の言わんとする意味を悟り、感嘆して目を輝かせる。
卓玉貞が再度言う。「城内で最も大きい茶楼は天香楼でなく登仙楼です」
「胡昆はそこへよく行くのか?」
「彼は毎日のようにそこへ行って、ほとんど朝から夜までそこにいます。なぜなら登仙楼は彼が開いた店なのですから!」
 
空が暗くなった後で傅紅雪は卓玉貞と子供達を岩の丘に残した。陰惨にして荒涼、暗く恐ろしい墓の間に残そうものなら、彼がどうして安心出来ようか? 恐らくそこがあまりに荒涼にして暗く、絶対に誰も彼女達をそこに残そうとは考えるはずもなかった為に却って安心しているのみ。
彼は本当に絶対的な安心をしているのだろうか? 違う。だが彼は必ずや彼女達の為に多くの手筈を整えて、彼女達が平安に暮らしていけるようにしなければならない。彼は己が決して彼女達と永遠にいられぬ事を知っていたのだ!
――この世の誰も一人の人間と共に永遠にいる事は出来ない!
――人と人との関係とはいかに長く共にいようとも、最後の結末は全て別れだ。
――死別でなければ生き別れの違いに過ぎない。
彼は俄かに名月心を思い浮かべた。
彼は今まで彼女の事を考えぬよう敢えて自らを抑制してきた。
だがこの人跡なき尾根の上、寂寞にして静寂たる暗闇の中にいては、考えてはならぬ事柄がむしろ一層よく思い出されてしまうものだ。
その為に彼は名月心を思い出し、再び燕南飛を思い出す事になり、彼らと別れる時に名月心が己を凝視した視線と燕南飛のあの渇いた咳の音、血の色のように赤い剣を思い浮かべたのである。
今彼らはどこにいるのか? 天の果てにいるのか、それとも巨大な溶鉱炉の中か?
傅紅雪には知りようもなかった!
彼はましてや己がどこにいるのかすら分からなかった。巨大な溶鉱炉の中か、それとも天の果てか?
彼は己の刀を強く握り締める。彼が知るのはこの刀が溶鉱炉の中から鍛えられて出て来た物だという事だけだ!
彼自身も今や溶鉱炉の中の刀と同じではないのか?

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「聖母たちのララバイ」とは立場を逆にして手打ち

 上海万博のテーマソングが岡本真夜の曲のパクリだったという件は、結局上海万博委員会から正式に使用申請があってあっけなく手打ちになりました。真夜女史も「素敵な話で光栄」と歓迎しており、これをネタにしてユーチューブ辺りでバカ騒ぎしていたネット右翼どもこそいい面の皮です。大体日本の歌謡曲自体が洋楽のパクリで氾濫しているのに他人の事をどうこう言えるのかという話でしょう。
今回の件は一昔前にそっくり同じ話がありました。その時は日本側が映画「ファイナルカウントダウン」の曲をパクって問題になったもので、有名な「聖母のララバイ」(唄 岩崎宏美)です。この時に作曲家のジョン・スコットが日本に来て猛烈に抗議しようとしたものの、最大級の歓迎と高額契約でなだめられて円満に手打ちしました。
今回は立場が逆で日本側がパクられる側でしたが。岡本真夜女史も最近はそれほどヒットが多いとは言えない状況だっただけに、話題作りになって渡りに船だったのでは。むしろパクッた相手が上海万博だからこそ結果的には良い手打ちになったとも言えるでしょう。
今回の件で岡本真夜女史は却って中国に足向けて寝られなくなるかもしれません。岡本真夜の歌は筆者も個人的に好きですが、日本の音楽業界的セールスという観点ではやっぱり「90年代後半から00年代前半の人」であって、00年代後半になってからは失速した歌手ですからね。これを契機に中国市場へ売り込みを図るくらいのタフさを発揮した方が良いのでは?
コロッケの物真似で再ブレイクした美川憲一の例もあるではありませんか(とまで言っては失礼か)。

岡本真夜さんが使用受諾=“盗作疑惑”の上海万博PR曲に
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-100419X538.html
 

朝鮮学校の無償化排除を喜ぶ者の心理

世界的に見れば今時信じられないほどの民族差別・レイシズムを丸出しにした朝鮮学校の無償化排除ですが、例えば弁護士の川人博が日弁連の声明に食って掛かった要請書はかなり凄まじいものがあります。以下リンク先参照。

http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-March/003491.html

「民族差別や教育を受ける権利の侵害は、あってはならない」
と言いますが、実際に川人がこの要請書で言っているのはあらゆる屁理屈をこねて「民族差別や教育を受ける権利の侵害」を正当化しているだけです。要約すると、この要請書では朝鮮学校が北朝鮮の手先でよからぬ事を行っているとひたすら述べ、だからそれを改善しなければ無償化の対象にすべきでないと言っています。しかしながら川人の言うような「教育の自由や子どもの思想の自由が保障されているのか」などという問題はどこの国のどんな民族の学校にもある事であり、それをあたかも朝鮮学校だけの問題であるかのように述べるのはどう考えてもおかしいでしょう。それとも川人が本業で法廷に立つ時はそういう理論の立て方で弁護をするのでしょうか。法廷の論争の仕方について筆者はあまり詳しくないのですが、そんなんで本当に裁判に勝てるの? あるいは日本の裁判所は落ちる所まで落ちているので、ひょっとしてら本当に川人レベルの稚拙な論理でも裁判に勝てるのかもしれません(笑)。弁護士ってボロいシノギでうらやましいですね。「民族差別や教育を受ける権利」を侵害してるのはあんただろ。
それと日本政府による無償化排除自体が重大な民族差別にして人権侵害という認識がまるでない所に川人の弁護士として終わってるぶりがよく表れています。自国の人権にはまるで興味ないくせに、北朝鮮の人権がどうこういう資格がある訳ないでしょう。
まあそれはともかく、ネット右翼というのは十中八九「自分はネットで世の中の真実に目覚めた」と言う(実は筆者の昔の同人仲間にもネットで真実に目覚めて乱心した奴が実際にいました。筆者はその時までネットで真実に目覚めちゃうようなバカが現実に存在しようとは夢にも思いませんでしたが)のですが、さしずめ川人は「自分は拉致問題に関わって世の中の真実に目覚めた」タイプの人なのでしょう。川人はかつては過労死したサラリーマン遺族の訴訟などを手がけて一応「人権派弁護士」とみなされてきたのですが、ここに来て完全にメッキが剥がれて本性を露わにしました。拉致問題に関心を持つのは百歩譲るとしても、特定失踪者調査会に「入信」した挙句、それに絡めて朝鮮学校を排除する差別主義に便乗・正当化した事で氏はただの右翼弁護士に過ぎない事を公言した訳ですから。氏が拉致問題や無償化排除の問題で日帝による朝鮮植民地支配の問題を全く言及しようとせず、「北朝鮮の人権問題」をやたらと言う割には日本における在日朝鮮人の人権問題を徹頭徹尾無視する辺り、この弁護士の人権感覚がいかに狂っているかがよく分かります。この人は自身の過去の活動や功績を自ら汚したと言って良いでしょう。ところがこの手の老害転向者というのは困ったもので…。
例えば少し前にゼニカネの醜聞を巡る内ゲバで救う会を追放された佐藤勝巳(共産党転向者)もそうですが、昔は人権や反差別・反戦・弱者救済などの活動をしていながら後に180度考えを転向した連中と言うのは卑劣なもので、今と考えが全然違う若い頃の活動歴を転向後も「勲章」としてやたらと自慢したがる傾向があります。転向して権力の走狗になったり右翼になったからには、かつて左翼・人権派だった頃の活動歴は「恥ずべき過去」になるのでそんな事は隠しこそすれさすがに自慢などしないだろうと傍目には思えますが、現実には全く違うようです。佐藤勝巳が内輪の席で自分は共産党時代に「いかに在日朝鮮人の人権擁護活動を熱心にやった『闘士』だったか」という自慢話を口癖のようにしていたのはその筋では有名な話でしょう。今は在日朝鮮人の人権を蹂躙する立場になった奴がそんな事をどのツラ下げて自慢するのかと思いますが、とにかくこの手の連中は転向後も昔の手柄話だけはやたらと自慢したがります。
同じく共産党転向者の拉致問題バカというジャンルで佐藤の後輩筋にあたる有田芳生は赤旗の記者だった若い頃に統一協会追及記事で名を上げたのですが、後年に安倍晋三が統一協会関連団体に祝電を送った例の件では何と安倍を全面擁護しました。安倍晋三の家は祖父である岸信介の頃から統一協会と関係が深かったのは有名な話であり、それに便宜を図ってきた典型的な「勝共議員」であるのにも関わらず有田はそれを批判するどころか全面擁護ですよ。かつて統一協会追及で名を上げた元赤旗記者が今はこのザマですからねえ。多分有田が安倍を擁護したのは、安倍が拉致問題に熱心だったから(その割には何の外交的成果も上げられませんでしたが)だと思います。今の有田にとっては統一協会よりも北朝鮮の方が主敵のようで、安倍のように統一協会とベッタリの政治家も全面擁護どころか「マブダチ」なのですから。もはや今の有田に統一協会を語ったり批判する資格がないのは明白でしょう。にも関わらず、有田はその後もテレビ番組などで統一協会に関する事でコメントを求められると「我こそ統一協会問題の権威」と言わんばかりの顔で登場するのですから恥知らずも良い所です。兄貴分の佐藤勝巳と同じで転向した後も過去の栄光・自慢話を誇らしげに開陳する点が全く変わりません。
川人も同じように、今は差別主義丸出しの右翼・反人権派の汚れた弁護士と化しながらも、昔の「人権派・労働問題弁護士」という綺麗な過去の「勲章」を今後やたらと自慢し続けるのではないでしょうか。それしか自慢できるものがなく、そうでないと商売にならないというのが最大の理由なのでしょうけど。

さて、その川人博が書いた要請書で参考資料として列挙している本を見てみると、そのうち3冊も在日の書いた書籍が入っている事が分かります。金賛汀であるとか、辛淑玉、朴斗鎮…。はっきり言ってこの連中の名を見ただけで筆者含む多くの在日同胞達は頭痛がしてくるのではないでしょうか。知らない人達の為に説明すると、この人間達は今や在日朝鮮・韓国人社会では「倭奴(ウェノム 朝鮮・韓国語で日本人を悪く言う呼び方ですが、基本的には朝鮮半島を侵略したりそれを支持する帝国主義・侵略主義・民族差別主義的な日本人に対する罵詈と考えて下さい。そうでない日本人にはこんなひどい言い方はしません。先程例に挙げた川人、佐藤、有田らは典型的な倭奴と呼ぶべき連中ですが)に媚びを売る裏切り者」とみなされている連中だからです。この3者に共通しているのは北朝鮮や総連を敵視している事。連中が出している北朝鮮や総連を批判する本がいずれも在日同胞の生活や人権を擁護・追及するといった立場からではなく、飽くまで自分の個人的怨恨を動機に書かれている事。その為にそれら著作がしばしば日本の右翼や排外主義者・差別主義者に好んで悪用されるという事。そうした結果の為に同胞社会へどんな迷惑が掛かろうともアウトオブ眼中であり、口では北朝鮮や総連の改革・民主化、在日の権利などの美辞麗句を口にしながら実は自分個人の売名と金儲け、北朝鮮と総連組織に対する個人的な意趣返ししか頭にないという事が挙げられましょう。典型的な「同胞を食い物にしている在日」です。

金賛汀という男は元は総連にいたのですが、組織を出てからもある時期までは評価出来る本を出していました。在日朝鮮人運動を略史にまとめたり日本以外の国に住む在外朝鮮民族の現況や歴史をレポートした本は良書であったと言えるでしょう。その頃から金日成や総連組織に対する批判めいた事も言ったり書いたりしてはいましたがそれほど悪質なものではなく、むしろ同胞の生活や権利の為という原点に立ち返って総連は活動すべきというトーンであり、飽くまでも同胞大衆の視点から総連は再生せよというスタンスだったのです。そうした「同胞の為の総連・北朝鮮批判」が急激に「自分の憂さ晴らしの為の総連・北朝鮮批判」に変わり、日本の右翼が喜びそうな本ばかり出すようになったのは2004年前後からでしょうか。新潮社から出た「朝鮮総連」はその皮切りですが、2009年の「将軍様の錬金術」になるとそれがよりあからさまになります。

朴斗鎮という男も金賛汀と同様に昔は総連で働いていた人間ですが、以下のリンク先にある朝鮮学校無償化除外問題に関する彼自身の見解を読めばこの男の今のスタンスが分かる…いや、分からないでしょう。

http://www.koreaii.com/nknews/nk20100308.html

はっきり言って川人が日弁連に出した要請書と内容的に大差がありません。違うのは日本人レイシストである川人のように除外して当然とまではさすがに言っていないものの、北朝鮮式の金正日崇拝教育をしている事をあげつらって朝鮮学校と総連・北朝鮮をこき下ろし、あたかも朝鮮学校が無償化から外されて仕方ないかのように論を展開したと思いきや、ラストでは唐突に国連の人権規約や子供の権利条約を引用し、結局朴斗鎮自身は無償化除外に反対なのか賛成なのかこれを読んでもさっぱり分からないという点です。いや、朴斗鎮という男の本音は朝鮮学校を無償化から除外するかどうかという点にあるのでは多分ないでしょう。むすびの所に書かれている以下のくだりにこそこの男の本音がよく表れています。
「一方日本政府も今回の問題を契機にして、もう少し朝鮮学校の実態を正確に把握する必要がある。そうしてこそ正しい在日朝鮮人政策が出てくる。
また一部のマスコミや人権派弁護士も、朝鮮学校内部の詳細な状況調査は困難だとしても、教科書ぐらい精査して議論する必要がある。カリュキュラムや教科書の中身も精査しないで朝鮮学校側の主張を鵜呑みにしているようでは、偏った「人権擁護」となるだろう。
「調査なくして発言なし」とよく言われるが、朝鮮学校問題に対しては、きちっとした調査もしないで発言している人があまりにも多い。」
要するに朝鮮学校の事を調査しろ、調べ上げろと日本政府当局やマスコミに言ってる訳です。で、朝鮮学校の事を日本政府やマスコミが調べ上げて「正確に把握」してからどうなるの? それで無償化が適用されるのですか? そんな保証がどこにありますか? それどころか朝鮮学校に限ってそんなガサ入れのような「カリュキュラムや教科書の中身」を当局に精査されて、連日マスコミが面白おかしくはやしてるような事になれば、無償化がどうなるか以前に民族教育そのものが滅茶苦茶に破壊されるでしょう。朴斗鎮が言っている事はまさに日本政府当局による干渉・介入を招き入れ、それによって民族教育を潰せというに等しいでしょう。「在日朝鮮人も子女の「学ぶ権利」を守り国際的に認知された「民族教育」を実現するためには、朝鮮学校を金正日政権から切り離し、自主的民族教育に変えていかねばならない」と尤もらしくこの男は言いますが、日本政府当局によるガサ入れ的介入を受けてマスコミに連日総攻撃されるような事になれば朝鮮学校がそのような姿に変化するどころか壊滅しかねません。元朝鮮大学の教員でもあった朴斗鎮は実際に戦後間もない頃の当局による朝鮮学校弾圧を目の当たりにした世代のはずです。それに抵抗してどれだけ多くの同胞が犠牲になりながらも戦ってきたか知らぬはずがないでしょう。それが今やかつての大弾圧を自ら招き入れるような事を言い出すのですから、この男の悪質さは金賛汀以上です。読んでお分かりの通り、この男の主張の中には日本の植民地支配や解放後の激烈な在日朝鮮人運動といった歴史的経過や、現在の日本政府による人権侵害は一言も言及されていません。飽くまでも在日側だけに非があって、それを差別・抑圧する側の責任はアウトオブ眼中。これが日帝植民地時代であれば、彼はさぞかし立派な「天皇の赤子」として振舞う忠良な模範的朝鮮人として朝鮮総督府のお眼鏡に適い大出世なすった事でしょう。朴書房(ソバン)、あんたは生まれるのが遅すぎた。日帝時代の最中に今ぐらいの年齢だったら良かったのにね(笑)。
「現在の朝鮮学校教育は、朝鮮総連(北朝鮮)に支配された北朝鮮国民養成教育である。この教育が維持される限り、今回の「高校無償化問題」のような日本社会との摩擦は今後も絶えないであろう」
逆だろ。摩擦を起こしたのは最初に朝鮮学校を除外するよう言い出した中井洽はじめとする日本政府側です。例え政権が変わろうともあのような民族差別政策が「維持される限り、今回の「高校無償化問題」のような日本社会との摩擦は今後も絶えないで」しょう。朴斗鎮はなまじ民族学校教員だっただけに、数ある今風の「親日派」の中でもとりわけ悪質で罪深い人間です。
そう言えば朴斗鎮の「調査しろ」という言い草ですが、どこかで似たような事を聞いた事があるなと思ったら案の定「週刊金曜日」でした。韓東賢という女が2010年4月2日号で「この騒動を振り返ってみると、決して悪いことばかりではなかったように思う。まずは知る、それが何よりも大切だからだ。マスメディアには、そのためのきっかけ作りという重要な役割がある(はずだ)」と書いていたのです。この記事については以下のリンク先にある金光翔氏のブログでも指摘されていますが、この手の連中は誰も彼も同じような事を言うものですね。あたかも判で押したように。

「まずは知ること」なる言説の犯罪性
http://watashinim.exblog.jp/10927221/

で、上の週刊金曜日の記事を書いた韓東賢という女ですが、色々と検索したら辛淑玉とつるんで「面白い」事を近々やるらしい事が分かりました。

http://www.katariba.net/k-univ/3950.html

カタリバ大学というNPOの主催する講演会なのですが、そこの講師に韓東賢と辛淑玉が入っていました。このカタリバ大学という所自体が企業のヒモ付きNPOで学生のリクルート活動を主にしている団体である事から、まあ内容は期待すべきではないでしょう。講師のメンツもメンツですし(笑)。辛淑玉が出て来るのも彼女の本業が人材育成コンサルタントである事によるつながりでしょう。その一方で姜誠はもうちょっとまともな記者だと思ってたのですが、最近は変わったのでしょうか。
「多様化する教室と、朝鮮学校無償化問題・・・・! このリアルを私たちはどのように受け止めるべきなのか、カタリバ大学で考えてみたいと思います」
などという案内文からしてこの件を在日朝鮮人に対する差別や民族問題としてまともに取り上げるようには思えないのですが、それより注目すべきはこのカタリバというNPOのスポンサー(タニマチ)です。上記リンク先ページの右側を見ていただきたいのですが、そこにカタリバのスポンサーサイトが列挙されています。そのスポンサーサイトへのリンクで上から2番目にあるのは何でしょう。「日本財団」とあるのは筆者の気のせいでしょうか…。その実態はかつての右翼の黒幕・笹川良一が起こした日本船舶振興会、2005年まで通称「笹川良一2世」こと作家の曽野綾子センセイが会長として仕切っていたあの日本財団。その日本財団がタニマチになっているNPOで講演の仕事をしているのが辛淑玉という女だった訳です。日本の右翼っぽい連中が彼女を口汚く罵る理由が分かりません。日本右翼の皆さんと辛淑玉は笹川センセイ(今の会長である陽平じゃなくて、右翼の黒幕だった親父の方ね)の日本財団を通じた商売仲間、同志だったのです! どちらも共に朝鮮総連と北朝鮮を共通の敵とする味方同士だったのです!

…つまらない皮肉のギャグはともかくとして、少しは仕事を選べよとさすがに言いたくなります。
辛淑玉については色々と書きたい事が多いのですが、今回の記事が長くなりすぎたので別の機会にまた徹底批判したいと思います。いずれにせよ、彼女が悲劇のヒロインぶって書いた本が川人のようなレイシストに悪用された事は座視出来るものではありません。「庶民の視点」を謳い、日本人の左派やリベラルからやたらと持ち上げられる女・辛淑玉。南北首脳会談や総連と民団の和解をも嘲笑して馬鹿にした女・辛淑玉。9.11事件の際には「これが北朝鮮の仕業だったら自分達は表を歩けない」と言って震え上がり、自分の身の安全の事しか考えなかった女・辛淑玉。普段は在日の人権や差別について語るのを商売にしながら、右翼・差別主義者による朝鮮学校無償化排除の理由に悪用されるような著書を出した女・辛淑玉…。

「彼女を起用すれば在日問題に真面目に取り組んでいるようなポーズがとりあえず出来る」という理由で日本人の左派・リベラルに重用される彼女だからこそ、同胞の立場から徹底した批判が必要でしょう。だからこそ、その害悪は場合によると朴斗鎮以上に悪質かもしれないのです…。
 

どちらも本音は一緒

 
黄長燁の本音
 
「自分を冷遇した金正日を偉大なるUSA帝国様に武力征伐していただきたい。別に北朝鮮人民が偉大なる皇軍(もちろんこの場合の「皇軍」とは米軍プラスその下請けの「ネオ大日本帝国軍」たる自衛隊の事ですが)の空爆や核攻撃(劣化ウラン弾含む)によって何万人死のうと知ったこっちゃありません。ただ、金正日政権を打倒した暁にはぜひわたくしめを北朝鮮の『王様』の地位に! 地球人類の偉大なる指導者(このフレーズを彼はかつて金日成に対して死ぬほど繰り返したはずですが)オバマ閣下万歳! アメリカの対テロ戦争万歳!」
 
家族会を事実上仕切っている増本照明(飯塚だの横田の爺婆だのはブレインレスなこれらの操り人形)や救う会の西岡&荒木達の本音
 
「黄長燁とかいうチョンの老いぼれが口から出任せを言おうと関係ない。偉大なる日本の宗主国USA帝国様に北朝鮮を攻撃する口実さえ引き出させればいい。ぜひ北朝鮮を武力攻撃していただきたい。その際は自衛隊ブルーリボンの会(笑)がささやかながら義勇兵としてはせ参じまする。多分実戦の役には立たず偉大なる皇軍こと米軍様の足手まといになるかもしれませんが、その時は笑って許してね。我ら日本右翼は天地開闢が起ころうとも永遠に偉大なるUSAの下僕ですから終生『名誉白人』として他のアジア諸国に威張り散らす権限を下賜くださいませ。地球人類の偉大なる指導者オバマ閣下万歳!(本当はブッシュ閣下万歳と言いたかったが任期切れなので止むを得ん) アメリカの対テロ戦争万歳!」

同胞社会のマッコリ精神 アメリカにもあり

【世界おもしろ法律事典】無届けビールは許しません
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20100405030.html

法に違反する酒を力ずくで取り締まるというどこの国でもありがちな一例。在日朝鮮人の社会ではかつてどぶろく(マッコリ)の取締りでおなじみの光景がアメリカの地ビールでも現在進行中で起こっているという事に驚きを禁じ得ません。が、アメリカではクズ米ビールのバドワイザーはじめとする大手グローバル企業の寡占に反発して質の高い地ビールを作る動きが高まっており、とりわけIPA(インディア・ペール・エール ホップの香りが強い琥珀色でアルコール度数と苦味の強いタイプの上面発酵ビール)の蔵元には本家イギリスを凌駕して国際的な高い評価を得た所も多く、実際に日本でもそうした専門店でその手の珍しい樽生ビールをホームページで告知すると瞬く間に空になるほどの人気を博す事が珍しくありません。アメリカの地ビールIPAはビール通の間でも評価が高く、これを酒税だ何だといって取り締まるペンシルバニア州の見識は首を傾げざるを得ません。
在日朝鮮・韓国人の世界では同じようにマッコリとホルモン焼きが日本警察と血みどろの戦いを経ながら多くの同胞の生計を支えてきただけに、アメリカで地ビール醸造者が当局の取締りと戦いながら高い評価を得ている事には他人事とは思えず、民衆としての連帯と美食の道としての賛意を表さずにはいられません。
 

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