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古龍日本未訳武侠小説集第1弾「長生剣~七種武器系列之一」

cee4cd55.jpg以前から予告していた古龍の日本未訳武侠小説をようやくお届け出来る事になりました。今回発行しますのは1974年に発表された七種武器シリーズの第1作「長生剣」です(左の画像が表紙になります)。
当初は「九月鷹飛」を出す予定でしたが、この作品は結構長編で手間取ってしまい、急遽比較的短めな「長生剣」を先に訳して今年の夏コミで出そうと思いました。が、こちらも予想外に手間取って結局コミケには間に合わなかったのです。夏コミに遅れる事3週間近くになってしまいましたが、この度ようやく「長生剣」の翻訳が完了しました。
オフセット版が出る前にコピー誌版を小部数2.3日中に先行販売しますので、頒布方法については続報をお待ち下さい。
 
七種武器シリーズというのは7種類の武器にまつわる独立した中編連作のシリーズとして書かれたものです。ただし実際に書かれたのは6作で、当初構想していた7作を全て書く事なく6本で完結させてしまいました。その辺のいい加減さが古龍らしいと言えばらしいのですが…。
このシリーズは連作と言っても各話は独立したお話なので、他の編を読んでいなくても一応支障はありません。いくつかの人物や組織名などが共通した「同じ作品世界で起こった別の事件」を描いたものなので、他の編を読んでいた方がより興味深く読めはしますが。
本シリーズ第1作となる「長生剣」のあらすじは…
 
ある日、江湖で強大な勢力を有する幇会「青龍会」はある貴重な品物を競売に掛けるべく、各地の勢力家達を拠点の一つに招いた。江湖でも名の知られた組織の長や富豪達が一同に会していざ競売が始まろうとした時、その品物は忽然と消え失せてしまっていた。その品物は厳重な警備と恐ろしい罠が張り巡らされた地下牢に保管されていたのになぜ? 青龍会とその競売参加者達はある人物が品物を盗んだ犯人ではないかと目星を付ける。品物の保管されていた地下牢に張り巡らされた13ヶ所の罠を突破出来る者はこの世に7人といない。だが、この男は間違いなくその7人の中に入るだろう。その男は江湖を流れ渡り歩く放浪児にして、酒と女と風流を愛し、江湖でも最も恐れられた人斬りの剣・長生剣の持ち主。人は彼を白玉京と呼んだ…。
 
こんな感じで始まる物語ですが、良くも悪くも典型的な古龍節の武侠小説です。盗まれたある貴重な品物をめぐって凄惨な暗闘が繰り広げられるのですが、果たしてその先に待つものは? そして事件の真相とは? この物語が最後に与える教訓とは? それはお読みになってのお楽しみ。御期待下さい。
 
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翻訳作業がようやく完了

大分遅くなってしまいましたが、前々から予告してたある古龍の日本未訳武侠小説の翻訳作業がやっと終わりました。最初は「九月鷹飛」の予定でしたがちょっと手間取ってしまったので、急遽別の短編を訳して出す事になりましたので御了承下さい。
今回翻訳しました作品は七種武器シリーズの第1弾「長生剣」です。
近日中に印刷して通販を開始しますので、詳しい予告などはまた後程改めて告知します。

橋本勝のネタにされる辻元なんて所詮この程度よ

左翼・市民運動畑でそれなりに名の知られた漫画家として橋下勝という人がいます。
筆者の個人的趣味として言わせてもらえば、この人の漫画はネタ的には賛同出来る作品もいくつかありますが、絵柄的には嫌いな漫画家です。この人の漫画で描かれた題材や風刺内容に賛同出来る事があっても、絵が極めて生理的に嫌悪感をもよおす作風なので好きになれませんでした。とりわけ氏の児童ポルノに関する見解は表現規制を推し進める日本ユニセフ協会(黒柳徹子ではなく、アグネス・チャンの方。こちらは豪勢な自社ビルを持ち、旧日本軍将校の息子にして大蔵官僚の天下り人事支配者として悪名高かった故・澄田智が会長として仕切っていた)の見解そのもので、日消連の消費者リポートが届く度に不快な思いをしていましたが、さすがに氏であっても辻元清美に対しては苦言を言わざるを得なかったようです。
 
 
何を今さら山口二郎の批判かとも思いますが、あまりに遅きに失したのではないでしょうか。風刺漫画家としてはネタにするのが遅すぎです。まあ辻元の批判をしただけナンボかましなのかもしれませんが…。でも、風刺漫画家としてはネタの甘さ&遅さという点で十分失格でしょう。左翼市民運動系にこんな低レベルの漫画家しかいない事が問題なのでしょうが。
 

潘基文はとっととニューヨークに帰れ

この男がどのツラ下げて長崎に来たのでしょう。
 
 
以前にも書きましたが、現国連事務総長・潘基文という男は大地震に見舞われたハイチに対する米軍&米国企業の軍事・経済侵略を後押しし、先の韓国哨戒艦沈没事件ではこれを真っ先に北朝鮮の仕業扱いして無用な軍事的緊張を煽り立てた札付きの人物です。世界平和どころか第3世界諸国に喧嘩を売って紛争を起こそうと骨折ってばかりではありませんか。それでも哨戒艦沈没事件では韓国の提出した証拠類があまりにいい加減でずさんであった事から、安保理の議長声明(法的拘束力なし)では北朝鮮に対する名指し批判が入らず、それどころか「今回の事件と関連がないと主張する北朝鮮の反応、そしてその他関連国の反応に留意する」という文言まで入れる事になって、李明博政権や潘基文の思惑は完全にスカを食らうという結果になりましたが。
そんな人間が「世界平和のために参りました」? この男のこれまでの行いからは想像も出来ない言葉であり、どの口からそんな言葉が飛び出すのでしょう。
今回の潘基文来日は飽くまでも日本人の顔色をうかがってのものでしかなく、本心から核廃絶・世界平和の為に来たのではない、偽善に満ちたものでしかありません。「このような惨禍をなくす唯一確実な方法は(核兵器を)すべて廃絶すること。核兵器のない世界へ皆さんと共に歩みましょう」という彼のセリフも、反核・平和主義者であるかないかを問わず(これすごく重要)多くの日本人の歓心を買うのに成功した事でしょう。
国連事務総長の長崎訪問は初めて。しかもその初訪問した事務総長が韓国人であるという事が一体どのような影響を及ぼすのかを考えねばなりません。
かつての日本が残忍かつ無謀な侵略戦争・帝国主義戦争を始めた挙げ句の果てに原爆投下を招いたという歴史的経過。そしてその原爆には当時植民地支配下にあった朝鮮人も大勢犠牲になり、日本はその補償もまともにやってません。そこへ韓国人である国連事務総長が「強い確信と信念を持って立ち向かえば、核兵器のない世界を実現できる」という何ら具体性のない観念論メッセージを発表する。これは植民地支配に対する補償はおろか、日本側に何の反省もないまま「日韓併合100周年」で「和解」しようとする日韓の縮図そのものでしょう。

今回の訪日で潘基文はとりあえず韓国人被爆者とも面会し、朝鮮人犠牲者追悼碑にも献花をしたようです。
国連事務総長:長崎で核廃絶訴え 被爆者と対話
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20100805k0000e040006000c.html?inb=yt
<国連事務総長>84歳在日韓国人被爆者、初対話に感激
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000038-mai-soci

その上で「核兵器廃絶に一生懸命取り組む」とも言ったそうです。
ではその「核兵器廃絶に一生懸命取り組む」という発言と、北朝鮮とは対話をする素振りがまるでなく対立ばかりを煽り立ててきた自身の行動がどうして両立するのでしょうか。
 
韓国の国連事務総長が核廃絶に対して、何らの具体論もなければ、実際の核保有大国への名指し批判もない観念的メッセージを発して、それが何の役に立ちましょう。それどころかアメリカやイスラエルのような核大国の標的にされている国々にとっては極めて有害でしかありません。アメリカによるアフガニスタン・イラク侵略以降、アメリカやイスラエルの軍事的脅威に晒されている国々にとっては国連安保理の決議に違反してでも大量破壊兵器を持たねば自国とその国民を守れなくなってしまったのが悲しい現状です。そうした現状を無視して「核兵器のない世界へ皆さんと共に歩みましょう」などとは冗談にしても悪質すぎる。今時こんな反核メッセージは日本の広島や長崎でしか通用しないという事に多くの人が気付く必要があります。アメリカやイスラエルの軍事的圧迫を受けている北朝鮮や中東、南米諸国でこんな事を言おうものなら「それはまずアメリカとイスラエルに言えや」と石や靴を投げ付けられるのがオチでしょう。
潘基文と彼に阿諛追従されて上機嫌になっている日本の反核運動など、今となっては「先進国の上から目線反核論」でしかなく、第3世界にとっては有害無益でしかなくなったと言って良いでしょう。
もちろん今回の潘基文訪日がアメリカをはじめとする核保有大国に対しては何らの効果も圧迫ももたらさず、それどころか口先で「核廃絶」を訴えておきながらその一方ではイラクやアフガニスタンで劣化ウラン弾(これも立派な核兵器の一種です!)などを大量使用して同国民を虐殺し続けているバラク・オバマのような偽善者を増長させる結果になるはずです。しかしながら、この事務総長殿の同胞である北朝鮮に対しては大変な圧力・挑発的効果を持つ事は明白でありましょう。今現在核の脅威に晒されている国を貶める為に、反核平和の素振りをして同胞の被爆者までも悪用する潘基文という男は、現在のボスである李明博と並んでどこまで陰険毒辣な外道なのかと思います。
 
現在の国連事務総長が本当に「世界平和のために」行くならば、日本の被爆地である広島・長崎よりももっと優先すべき場所があるはずです。潘基文はまず何よりも、核兵器(この場合劣化ウラン弾)が実戦使用された最も新しい戦場たるイラクやアフガニスタンに行くべきでした。そこの劣化ウラン弾被爆者をいたわり、加害者たるアメリカを批判すべきだったのです。あるいは当初の公約通りに、北朝鮮へ行って金正日と直接会って来る事です。もちろん潘基文のような人間にそれを望む事は土台無理な話でしかありませんが。
 
国連の事務総長というのは80年代のデクエヤル(ペルー)の辺りから第3世界諸国から選ばれるようになりましたが、実際にそれらの連中はどいつもこいつも自国では上流階級のエリートであったり旧宗主国・先進国寄りの代理人的立場に立つ、母国の一般大衆の権利や利益とは程遠い人間ばかりでした。中でも最悪の例だったのがデクエヤルの後任として90年代前半に在任し、世界中の紛争地域にPKOを送り込んでは欧米の軍需産業や植民地主義者を大いに喜ばせたエジプトのブトロス・ブトロス=ガリだったと思います。エジプトは言うまでもなくイスラム圏の国ですが、ガリの家はコプト教徒というキリスト教系で、これらはイギリスの保護国だった王制時代のエジプトでは上流階級の宗教でした。ガリの祖父ブトロス・ガリはその王制時代に首相を務めてエジプト国民を苦しめたばかりか、イギリスの手先になって周辺諸国の侵略に手を貸して大いに恨まれた人物でもあります。ガリが事務総長時代にソマリアを訪問したのですが、その時に地元民達の大規模な抗議デモに取り囲まれてほうほうの体で逃げ帰った事がありました。ソマリアの現地人達は、ガリの祖父がかつてイギリスの手先になってソマリアに何をしたか決して忘れてはいなかったのです。早い話、ブトロス・ブトロス=ガリの祖父というのは「エジプトの李完用」とも言うべき存在でした。旧植民地で、独立後も旧宗主国に媚を売る人間というのはどこにでもいるものですが、ガリはまさにその典型的人物だったと言えるでしょう。そして彼はその「期待」に見事応えてPKOを紛争地域に派遣しまくる事で、その職務を務め上げたのです。例の「自衛隊を丸腰で派兵して世界平和を」の伊勢崎教授などは、まさにそのおこぼれに与ろうと集まって来た有象無象のザコ手配師の一人と言って良いでしょう。そしてそんなザコを集会に呼んでありがたがっている日本の平和運動や9条の会というのは一体何なのでしょうか。
 
潘基文という男、前々任者のガリと同じ道を歩み始めて久しいようです。ガリが「エジプトの李完用」の孫であるならば、潘基文が後世に「本家李完用の生まれ変わり」と評価を受けるのは間違いない事でしょう。「太陽政策の外相」などよりも、その方がこの男には全く相応しいと思います。

古龍武侠中期作品中的傑作「大人物」 その8

「三年目にも行って一〇八刀を受けたからです。でも今度は虎五人に傷を負わせました」
「そんな人なのに江南七虎は恐れなかったの? なぜまた生かしておいたのかしら?」
「その時の彼らはまるで虎の背に乗ったようにどうしようもない状況だったからです。この事件が江湖に大きな波紋を投げ掛け、噂を聞いた人達が見物しようと虎丘山に押し寄せたからです」
「それで一〇八刀以内に秦歌を殺さねばならなかったのね。一〇八回斬り終えた後では、さらに攻撃しようがなかったから」
「その通りです。江南七虎のような者達が大勢の江湖者の見ている前で対面を汚すような真似は出来ないでしょう。そうなれば以前のような恐怖の対象とされなくなるでしょうから」
「それでも彼らのうち五人も怪我をしているのに、他の人達はどうしてそれに乗じて彼ら全員をやっつけてしまわなかったのかしら?」
田思思の問いに田心が答える。「それは秦歌が必死になって耐え抜き、またとてつもない苦痛を受けたという事を人々は皆知っていたからでしょう。皆、秦歌が功を立てて江南七虎を討つ事を願っていました。三二四刀を受ければそれ以上はなかったからです」
彼女の瞳にも光が射した。「そうして最後の一刀を受けた後、秦歌が依然として生きているのを見た人々は誰も彼もなく歓呼の声を上げました」
「それが最後の一刀だという事を七虎は知らなかったのかしら?」
「それは彼らも内心で数えていたでしょう。そして四年目には多くの助力者を求めて山に招いたのです。その為に他の人達も彼らに手を出せなかったでしょう」
「それで四年目はどうなったの?」
「四年目には七虎の助力者がさらに増えました。でも七虎の仲間達も秦歌には感嘆せざるを得ませんでした。それで戦いが始まった時に誰も七虎を助けなかったのです。秦歌が最後の一人を討ち取るや、歓呼の声が虎丘山に響き渡りました。一〇里外にも聞こえる程に」
田思思は香から立ち上る煙を呆然と眺めた。あたかも首に赤い手拭を巻いた黒衣の青年が煙の中からゆっくりと歩み出て人々の歓呼に笑顔で応える姿が見えるかのように。
田心が言う。「その時になって秦歌の顔に始めて笑みが浮かびました。自信に満ち溢れながらも苦痛じみた笑いでした。おそらく恋人が死んだ為にその栄光も目に入らなかったのでしょう」
彼女は軽く溜め息をついた。「その日から『鉄人』秦歌の名は江湖に広く知れ渡ったのです」
田思思も軽く息をついて言う。「本当に偉大なる大人物だわ」
(この項続く)

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