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【翻訳記事】韓国プレシアンの安田浩一インタビューの内容が凄絶過ぎる件について「日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません(安田浩一談)」後編

(前回からの続き)
在特会には多様な人間が集まっています。10代の中学生からはじまって70代の老人まで網羅しています。学生・一般会社員・中小企業経営者・家庭の主婦・アルバイター・無職など多様な構成員です。ある意味では日本社会の縮小版です。ではなぜ在特会に参加するのか? 取材の度に私は繰り返し尋ねました。答は多様です。

ある学生は「自分の手で日本を取り戻す為」だと言いました。彼は韓国や北朝鮮・中国が日本を侵略しようとしていると確信しています。それなのに日本の政治家もメディアもまるで戦おうとしないので、市民の手で戦う以外ないと主張しました。またある若者は在日コリアンが日本を押し潰そうとしていると答えました。「日本という国は外国人に親切この上ない。在日コリアンなどの外国人は福祉を奪取して、ついには日本を支配するだろう」と私に訴えました。

日本では今韓国映画とドラマ、K-POPなどの人気が高いです。一例として、本来日本人はサッカーをさして好きではありません。相撲と野球をはるかに好みます。フランスとイタリアの試合が行なわれても関心がありません。ですが韓国と日本のサッカー競技が始まると、普段サッカーを見ない人もテレビを点けます(笑)。


▲2010年10月「朝鮮学校無償教育反対」を訴えて朝鮮学校までデモ行進をしている。真ん中で眼鏡をしている男が在特会会長・桜井誠である。

さらに言えば好むと好まざると、日本は朝から晩まで韓国を意識します。少女時代もKARAも大変好きです。女性達は裵勇俊(ペ・ヨンジュン)を今でも好いています。サイの「江南スタイル」が良いという日本人もたくさんいます。それほど韓国が近い国だという事です。無視したくても無視出来ません。インド首相が日本を批判したとしてもニュースにはなりません。朴槿恵大統領がオバマ大統領に日本を批判する発言をすればインターネットやテレビで騒ぎになります。2012年にロシアがクリル列島に戦艦2隻を派遣するだろうと発表しましたが、その地域を取り巻いてロシアと対立を繰り広げている(いわゆる「北方領土」)日本は非常に静かでした。しばらく後に李明博大統領が独島に上陸した時は一日中大騒ぎでした。

地理的・精神的に近すぎる国、それがまさに日本における韓国の位置です。その為に韓国がする全ての事に神経を使う事になります。日本人であればソニーや東芝がどれだけ売れたかについてだけ神経を使えばいいのに、三星(サムソン)の販売率にも神経を使います。韓国経済が良くなればどうした事か少し腹が立ちます。韓国サッカーが少し調子が良いと、サイがアメリカで大きな公演を開けば腹立ちを感じます。日本人には韓国の動きにやや気に障るようです。いくつかの事件も日本には早く伝わります。中国で連続殺人事件が起こっても報道されませんが、韓国の殺人事件は日本でもそのまま報道されます。良い情報、悪い情報をそれだけ熱心に受け入れるのです。

これが気に入らないと訴える女性もいます。彼女は私に次のように言いました。「日本芸能界、テレビ放送局が韓国や在日コリアンに引き続き侵食されている。このまま行ったら日本文化がなくなってしまうだろう。K-POPが流行したのは韓国と在日コリアンの陰謀だ」領土問題や北朝鮮の拉致事件を契機に愛国心に目覚めて、在特会に参加する人もいます。そのうちの一人は「政府は戦争するという気概がない。そこで我々が戦うしかない。これは抗議行動ではなく、市民戦争だ」と言いました。共通点は、みな「自分達こそ被害者」と考えているという点でした。差別する側は自分達ではなく、自分達こそ在日コリアンから差別されているという意識でした。


▲安田浩一

ある在特会メンバーは私にこう告白しました。「日本という国も、そこに暮らす日本人も、韓国や在日コリアンに多くのものを奪われてしまった。福祉を奪われ、歴史を奪われ、領土を奪われ、テレビのチャンネルを奪われた。それなのに政治家やマスコミは韓国や在日コリアン側しかいない」と。今自分が属しているのは当然そうであるべき日本本来のものではないという考えに至るや、この世の全ての不条理を「敵」の責任に転嫁するようになったという事です。

彼らの立場では雇用不安も、経済的困難も、福祉の後退も、韓流ドラマとK-POPの隆盛も全て「敵」の陰謀だという事です。「在日コリアンが日本を支配している」という荒唐無稽な主張までもこの「奪われた人達」にはそれらしく聞こえるという事です。支離滅裂ですが明快です。どこか分かり易いのです。在日コリアンなど外国国籍住民を侵略者に比喩する極端的象徴がある程度説得力を持つという事です。

プレシアン:アニメーション「宇宙戦艦ヤマト」を見て以後「あの犠牲精神に私は憧れました。愛国心がなければ生きる意味もないと考えました」として極右に加担した男の逸話も興味深くありました。二つの考えが浮かんだのですが。天皇に対する絶対的な忠誠が大衆文化にも自然と染み込んでいる為にナショナリズムの効果が激化しているのか、あるいは大衆文化からして自身の根っこを探すオタク的特性が在特会にも表れていると見るべきかが気になります。

安田:大衆文化とは少し違う意味で、天皇に忠誠を誓う上位下達式文化が日本社会に全般的に根付いているのは事実です。日本の左翼運動も上位下達式でしたしある意味では軍隊と似ているでしょう。イデオロギーとは関係なくそうした自己犠牲精神は所々に埋め込まれています。

サブカルチャーに対して言うならば、アニメーションを好む者達が在特会に多いのは事実です。インターネットで自分達を宣伝する時にアニメーションを度々使いもしますから。在特会本部事務室の場所が秋葉原、アニメーションの本場とも言えるそこにあります。実際に在特会会員だけでなく、会長の桜井誠もアニメファンですよ。

私はアニメを好むのが悪いとは考えません。ただ個人的推測ですが、現実社会から逃げる為にアニメを選択する人間が多いのは事実です。在特会やはり現実社会と十分に対面する事が出来ずにおり、実在する在日コリアンと向かい合おうとせずにただ罵声を浴びせるだけでしょう。ある意味では現実に適応出来ないというのが特徴だと言えます。ゲームの中で戦うのと同様に在日朝鮮人と戦うのかもしれず、アニメと同様に現実社会から逃げているのかもしれません。

最近私の周辺でも、在特会会員達の中にはなぜあれほどアニメを好む人間が多いのか研究する動きが始まりました。まだ答は出ていません。アニメは日本の誇りという自負心が、在特会がアニメに固執する理由のうちの一つではないかとも思えます。ですがそうだとしても、それもまた現実社会を知らずにいる証拠です。ジャパニメーション制作現場は日本から撤収して久しいのですから。ジャパニメーションを作っているのは大部分が中国人です。在特会はそうした事実を知らず知ろうともしないでしょう。これは中国服を着て中国人を罵るのと同様です。アニメーションと在特会の関連性は私も重要だと思うので、これからももう少し考えてみたいです。

インターネットはそうした憤怒の熱気を沸き立たせる最適な道具でもあります。常識を一蹴するような「タブー破り」の快感もある事でしょう。経済生活の不安さ、政治体制に対する不安さによって何かを「奪われた」と考える人達には、しっかり守ってくれたと確信していた既存の価値観や常識が単純な権威に過ぎないものとみなされたのです。

在特会広報担当者は「我々の運動は階級闘争だ」と私に断言しました。「左翼であれ労働組合であれ、あれほどいい暮らしをしている人間達はいません。そんな人間達が在日コリアンのような外国人を庇護しています。差別を受けているのは我々なのです」これぞまさしくネット右翼と呼ばれる人間達に共通的な被害意識です。在日コリアンに「ゴキブリ」「死ね」と叫ぶのは彼らの論理を借りて言うと、強者に対する抵抗運動なのです。

社会に不信感が積もりながら俗説や陰謀論に走り易いメンタリティーが造成されているようです。それが現実とは違う想像の敵を作り出して、攻撃しても構わないという気分に青信号を送ります。もどかしい対立構造です。結局在特会は自分達の戦いに酔っているだけかもしれません。「多くのものを奪っていく巨大な敵と戦っている自分」に高揚感を与えている部分もあります。そして過激であるほど世の中に強く自分をアピール出来て浸透出来ると信じています。


▲在特会が作成した「朝鮮進駐軍」に関するビラ。これには出典も根拠もない。

在特会は極端な例ですが、多くの平凡な日本人達が在特会的な思考を持っている事に私はより多くの危機感を感じます。今の日本社会には強い国家を要求しながら、強い態度を取れば不満や不安で満ちた日常をリセット出来るだろうという根拠なき期待があるようです。平和憲法を取り巻く論議を見てもそのように感じます。安倍政権の誕生にも同じ文脈が隠されているのではないでしょうか? そこで私はこの本で「在特会は憎悪の地下水脈と連結している」と書きました。在特会は日本社会の恥部です。ですがどこかで大衆の気分と連結しています。

ネット右翼を含めて多くの者がナショナリズムに対して大きな期待をかけるようになった点は明らかです。日本には韓国ほどのナショナリズムはありませんでした。強要されなければ誰も日章旗を掲げたり君が代を歌おうとしませんでしたから。事実大部分の日本人達は日本という国の形態に対して無関心だったと言っても過言ではありません。私はアジアで最もナショナリズムの希薄な国が日本だったと思いますから。ですが長い経済不況を体験して、「一生懸命働いて金を稼げば世界ナンバー2になれる」という既存の考えが揺らぎました。世界の人達の関心は日本から中国に移りつつあります。日本人は自信を失っています。自分自身も不安定で国家が不安定な時は何に依存出来るか? そこで重要になるのは右翼という文脈よりも「強い国」という意識です。さらに言ってナショナリズムの隆盛です。こうしたナショナリズムは人種主義と結合するという側面で危険です。

日本人達はナショナリズムをどのように導いて相手する事が出来るのかを悩まねばならない課題を抱く事になりました。日本で「愛国者」が増えたのではないと思います。在特会も愛国者というよりは、国家から愛されたいと考える者達でしょう。彼らの主張は日本に自分達を捨てないでくれという主張でもあります。

韓国のみなさんに必ず知っていただきたいと願う点があります。日本が左傾化し続けていると主張する在特会とは違い、日本の右傾化を心配する方々もこの場に多い事でしょう。ですが私の考えでは、今の雰囲気は皆さんの心配する本当の右傾化なのかは確信出来ません。日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません。極右派達は従軍慰安婦問題が含まれない教科書を作りましたが、現在この教科書を採択する学校は全体の1%にもなりません。みなさんから見て日本社会が非常に右側に傾いているように見えるかもしれませんが、極右達の主張を受け入れる環境では決してないという点を申し上げたいと思います。

橋下徹大阪市長が日本人を代表するとお思いになるなるかもしれませんが、橋下の従軍慰安婦発言以降彼の支持率は急激に落ちました。女性からの信用を失ったのです。保守的な「産経新聞」から進歩的な「朝日新聞」までみな彼を批判しました。駅で売っているタブロイド新聞でさえ「橋下、辞めろ!」という題名を付けました。安倍首相も今は韓国や中国と良い関係を維持しようと発言しました。これもまた日本社会の雰囲気だという事です。

第2に在特会と真面目に戦う日本人達もたくさんいます。最近になって在特会がデモをすると、その両側から多くの抗議集団が姿を現します。抗議に参加する人の数が在特会デモ隊よりも多いです。みなそれぞれの考えが込められたプラカードを掲げて在特会に抵抗しています。「レイシストは失せろ」「レイシストは日本の恥部だ」「人種差別をやめろ」「在特会を許さない」「韓国人・在日コリアンと仲良くしようぜ」そのようなプラカードを持った人が数百人も集まるのです。

この人達もインターネットを見て集まった人達です圧倒的な多数の人達が、ただ平凡な無名の市民達であり、どんな運動組織にも所属していません。みなそれぞれ在特会に対する憤怒を感じて、自分の意思で活動に参加しているのです。在特会を街から追い出そうという署名活動も行なわれています。最近では国会でも問題になり、私が非常に嫌っていて恐らくみなさんも好きでない(笑)安倍首相でさえ「在特会などのデモは大変遺憾だ」と答弁しない訳にはいきませんでした。

日本社会の問題である以上、日本人が主体となって自身の恥部である在特会と戦わねばなりません。そして今必死に戦っています。こうした動きがあるという事実を韓国のみなさんが理解していただければ良いと思います。

プレシアン:在日コリアン達がそうした抗議集会に最も先陣を切らねばならないようなのに、そうでない理由はやはり目立ちたくない為でしょうか。

安田:そうです。在日コリアン達は目立ちたがりません。在特会が登場する前にも、ましてや第2次世界大戦が終わる以前から在日コリアンは偏見の目で見られて攻撃の対象であった為に、日本社会で注目を受けたがりません。在日コリアンの女性にしてジャーナリストである私の友人は、在特会の集会を見て非常に悲しみました。彼女は抗議の声を挙げられないと言って泣きました。自分が抗議に乗り出せば必ず攻撃されるだろうし、これ以上苦痛を受けたくないと言いました。

在特会反対集会に出た日本人達はそんな事実をよく知っています。そこで絶対に被害者達を前面に押し立てません。例えば学校でいじめ事件が発生した時、被害者に出て戦えと言うのは残酷です。いじめられた人間でなくいじめの現場を目撃した人間が乗り出すべきという事です。

韓国の日刊ベストがまだオンラインでのみ活動しているものと知っています。在特会も初期にはそうでした。もちろん日刊ベストも醜悪な主張、差別主義的な主張を多く発言するでしょう。その話をすると口が汚れるので、ただ「特殊な一部のバカ達」と言うかもしれません。私自身も、日本の進歩勢力達もインターネットで「朝鮮人は死ね」と叫ぶ人間をそのように書いていました。いずれにせよ頭の悪いガキ達がインターネットで遊んでいるだけだと思ったのです。

今多くの者達がその点に対して非常に反省しています。インターネットの極右達を過小評価していたのです。事実「朝鮮人は死ね」という言葉が、一部日本人達の「本音」だったという事です。「韓国は嫌いだ!」と大声で叫べなかった者達の代わりになって彼らが声を高めたのです。決して少数の頭の悪い叫びではなく、日本人の本音を映し出す鏡のようなものでした。日本人自体が消えないように、インターネット上のそうした気持ち悪い話も決して消えません。

国家間の政治的対立は存在し得ると思います。時には激烈な論争を必要です。ですが私は人種差別だけは絶対に許す事が出来ません。今在特会がしているのは個人的にも犯罪だと思います。人間の尊厳を毀損して人間の生存権すら奪おうとするからです。これを決して許す事は出来ません。これを許容している社会も許す事が出来ません。その為に多くの市民達と共にこれからも在特会に対して決然とした態度で向かい合おうと思います。同時に在特会を作り出した日本社会の不寛容も十分に意識しながらその原因を探そうと思います。それは記者としての責任でもあります。

キムチはみんなノロウィルスに感染している、半島には怪物ばかりが住んでいるなどの極右達の洗脳を解く為には実在する韓国人、実在する在日コリアンと会う以外にないと思います。日本人の中に悪い人間も良い人間も混ざっているように、韓国人も同様だと言いたいです。実在する人間がいるという事実、実際に存在するという人間同士生きていかねばならないという事実を話してやりたいのです。「ネットと愛国」は私と在特会間の戦いの記録であると同時に交流の記録でもあります。そうした戦いの記録に少しでも関心を持ったなら、私の本を読んでいただければと思います。長い時間ありがとうございました。

プレシアン:私もまた現在の韓国で日刊ベストがあまりに多くの紙面に登場する事について、事実複雑な心情です。インターネットコミュニティ中の一つに過ぎないこの集まりの極右性をあまり仰々しく報道する事でむしろ彼らの存在が実際よりももっと大きくなるのではないかと考えもしますが。

安田:難しい問題ではありますが、無視するよりは批判するのが良いと見ます。マスコミは日刊ベストのそうした主張を拒否するというメッセージを繰り返し伝達する事で、日刊ベストを防ぐ事が出来ると思います。日刊ベスト会員達の考え自体を変える事は出来ませんが、そうした動きを通じて日刊ベストの人達を批判的に眺める視線、絶対に受け入れられないというメッセージが形成され得る事でしょう。日刊ベストは韓国社会で少数派であり、窮地に追いやられた存在という事実をマスコミの力で確実に見せ付けねばなりません。

プレシアン:橋下徹市長の慰安婦発言に対して有名評論家の東浩紀も同調するような発言をして大きな衝撃を受けました。政治家や知識人が必ずしも政治的に正しいと考えませんが、歴史に対する知識面において少なくとも在特会よりはもう少しましな位置にいるのではありませんでしたか。在特会は一部インターネットの「負け犬」だと貶めるのではなく、このような偏見に満ちた認識が社会上層部にも広がっているのだというのを見せてくれる証拠ではないかという気がしました。

安田:私が少し前に東浩紀と対談しました。従軍慰安婦問題について徹底して対立しましたよ(笑)。日本の知識人よりも…うーん、日本社会が問題だと思います。知識があろうとなかろうとあまり関係がありません。その人が歴史をどのように見るかに掛かっています。いかに知識が多くて頭が良くとも、女性に対する差別や歴史を見る視点は関係がありません。

従軍慰安婦に対しては日本社会で合意が出来ていませんが、21世紀以前まではそれでも日本の恥部という認識が共有されていました。その為に1993年当時内閣官房長官を務めていた河野洋平が慰安婦に対して謝罪した「河野談話」であるとか、1995年当時村山富一総理が太平洋戦争当時の日本の植民地支配に対して公式的に謝罪した「村山談話」が何の反対もなく国会で通過する事が出来たでしょう。

そうして一部保守派から従軍慰安婦は嘘だという主張が出てきます。戦争が終わって60年が過ぎたのに日本はいつまで韓国や中国に謝罪せねばならないのかという主張が爆発してしまったのです。彼らは従軍慰安婦問題が自分の父や祖父を侮辱するようで苦痛だと感じるのです。誰も批判されるのは辛くて謝罪するのも嫌います。そこで従軍慰安婦はなかった、あるいは従軍慰安婦の何が悪いのかという話が出たのです。日本には従軍慰安婦に強制性があったのかどうかについての論争ばかりが存在します。もちろんそれも重要な問題ですが、植民地主権の意味であるとか女性の人権の意味についても考えねばならないと見ます。

私は橋下徹の意見に同意しません。万に一つ橋下の言うように、戦場の兵士達の為に女性が必要であったと仮定してみても、なぜその女性達に感謝しないのでしょうか? 女性達は自分の体で兵士達を慰めてくれたのに、彼女達をして売春婦だと言うのは許せない事です。橋下の論理通りならば、あの女性達に本心から感謝せねばならないでしょう。

結論的に知識人であれ大衆であれ、女性に対してそして当時植民地の朝鮮人に対して侮って蔑視する視点が同様に存在します。歴史に対して不誠実な態度にして、同時に人種差別です。その為に二重に許せないのです。そうした視点がある限り、慰安婦に対する十分な検証を出来るはずがないと見ます。


▲日本クーデターを夢見る極右組織「よーめん親衛隊」の訓練光景

※以下、原文記事では「ネットと愛国」の本文からの引用が続きますが、ここでは割愛しました。(訳者注)

訳 ZED

韓国語原文記事はこちら。
http://www.pressian.com/books/article.asp?article_num=50130614155621&Section=01


長くなったので、訳者解説は次の記事にて


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【翻訳記事】韓国プレシアンの安田浩一インタビューの内容が凄絶過ぎる件について「日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません(安田浩一談)」前編

まずは以前使用していたブログが突然凍結されてしまった事について、ちょっと御説明申し上げます。原因は筆者が以前記事で批判した「言論封殺魔」としか言いようのないある卑劣な人物が、忍者ブログの運営会社に圧力を掛けた事が原因でした。この人物は批判に対して言論で反論するという事をせずにいきなり運営会社に圧力をかけるという手口を好み、本当に言論でメシを食う人間の風上にもおけない下劣な存在としか言いようがありません。
もちろんそれでブログを凍結されたからといって、筆者は簡単に引っ込むつもりはありません。改めてブログを作り直して活動を再開する事にいたしました。過去の記事はこれから少しずつ復活させて順次再掲載していきますので、もう少しお待ち下さい。
忍者ツールの運営会社に圧力を掛けた「言論封殺魔」が何者なのかについては敢えて実名を挙げませんが、大体想像がつきますよね、という事にしておきましょう。筆者がこれまで何度も激烈に批判してきたある人物です。この言論人失格である事を自ら証明してくれた「言論封殺魔」に対して、筆者は今後とも変わらぬ批判を続けていく事は言うまでもありません。


さて、今回の記事は「復帰第1戦」という事になりますが、韓国の進歩派メディア「プレシアン」になかなか凄まじい内容のインタビューが載っていたので、これを翻訳して御紹介したいと思います。今回のインタビュー記事は決して良い意味で読んでいただきたい記事ではなく、悪い意味で知っておいていただきたい記事の代表格と言えるでしょう。この人物は外国のメディアでこんなとんでもない事を口走っている(いや、日本国内のメディアでもロクな事は言ってないけど)という事実を日本の人々に知っていただき、それに対して十分に注意し、その言ってる事を鵜呑みにしてはいけないという警鐘を鳴らす事と、当人を批判する目的で翻訳紹介するものです。そのインタビューされた人物とは…。

在特会を追跡したルポで先日晴れて講談社ノンフィクション賞まで受賞したジャーナリスト・安田浩一さんです!

問題の安田浩一の著書「ネットと愛国」という本は韓国でも翻訳出版されてそれなりに話題になりました。そのせいで安田は6月の3日から数日韓国へ行って、大学での講演や現地マスコミからのインタビューなどを数多く行なったのです。安田へのインタビューはプレシアンやオーマイニュース・民衆の声といった左派メディアから、東亜日報・中央日報といった右派メディアまで進歩・保守系問わず様々なメディアで行なわれ、こうした「モテモテぶり」を見れば安田の韓国行脚はとりあえず「興行的に大成功」だったと言えるのではないでしょうか。が、しかし…。
大事なのは安田がそこで何を言ったのかという事でしょう。前にも筆者は指摘(該当記事はまた後日復活させますので少しお待ちを)しましたが、安田浩一という記者が「ネットと愛国」「韓国のホンネ」といった最近の著書で一番言いたがっている最大のテーマ・結論というのは「日本は悪くない」の一言に尽きます。今の日本では「朝鮮人は死ね。出て行け」と叫ぶ在特会が派手に騒いでいる。ところが安田はなぜ日本でこんなにひどい民族差別が横行しているのか、その根本的な歴史的・政治的原因を決して詳しく掘り下げようとはしません。日本のレイシズムを真面目に語ろうと思ったら、明治以降のアジア侵略・植民地支配や戦後の悪しき日韓癒着と戦後も変わらなかった在日朝鮮人への差別政策といった歴史的・政治的問題を絶対に避けて通れず、それらが未解決のまま現在に至っている事を語らねば何の意味もない訳です。ところが安田はそれらを徹底的に無視して取り上げず、それどころかいきなり話が現在の韓国と日本の若者に飛び「日韓の若者は互いの文化を楽しんでいる」という事を言い出しては、そうした過去の問題がなかったかのような印象を与えようとしているではありませんか。「日韓の若者は互いの文化を楽しんでいる」から両者に対立なんかないんだ、騒いでいる在特会は「少数のバカ」なんだと安田は言いたいのでしょう。日本と韓国の若年層が歴史に無知になっているのは確かですが、安田はむしろそれを喜んでいるかのようにすら見えます。過去の歴史(侵略戦争・植民地支配など)を忘れて若者が互いの文化を楽しむべきという「李明博(朴槿恵でも可)的未来志向」を日本側で最も後押ししている記者が安田浩一ではありませんか。
その「未来志向良心的日本人」が今では在特会に対するカウンターに大挙参加している事をみなさん知って下さい、日本人の多くはレイシズムに反対しています、日本と日本人は悪くありません…という結論で一丁上がりというのが安田の典型的パターンな訳です。言うなれば日本社会の差別主義・レイシズムは「大多数の日本人」には関係ないから、「少数のバカ」在特会が悪いだけだから安心してね、という筋立てが日本社会の俗情の琴線に物の見事に触れてヒットしたと言えるでしょう。
こうした「安田浩一的日本美化・正当化論」がどれだけ日本の過去史清算や民族差別の撤廃に対して有害であるかは言うまでもありません。日本国内でさえこれだけ問題なのですから、これが外国、それも韓国で広められたら目も当てられないでしょう。しかし、それが起こってしまった。韓国の人達が日本の実情をあまり知らないのを良い事に、安田の「日本美化・正当化論」がほぼ無批判で韓国に垂れ流される結果となった。安田を無批判に持ち上げた韓国の大学やマスコミの罪も重大であり、頼むからもう少し日本や在日の現状・歴史を勉強してくれと言いたくなります。それらに十分な知識があったら絶対に安田浩一を無批判で持ち上げるようなアホな事はなかったでしょうから。

安田の著書や発言をよく読めば、この男の言ってる事は矛盾のカタマリだという事が嫌でも気付きます。「在特会の主張は多くの日本人の考えを代弁している」として在特会が日本社会では決して少数派とは言えない事を認めておきながら、一方では「在特会に反対して多くの日本人が立ち上がっている」として一転在特会を少数派のように言うのですから訳分かりません。安田は度々「自分は在特会を『少数のバカ』扱いしてきたのを反省している」と言いますが、実際には今でも在特会を「少数のバカ」扱いする事で日本社会を美化・正当化するのに利用し続けているではありませんか。こうした矛盾する発言が一つのインタビューの中で同時にいくつも混在している事が非常に多く、安田は自分が何言ってるかも分かってないんじゃないかとすら思えてきます。
今回御紹介するプレシアンの安田浩一インタビューはその最たるものでしょう。この間韓国マスコミが行なった数ある安田インタビューの中で、これは一番凄絶な内容ではないかと個人的には思い、翻訳を決めた次第です。安田発言に一貫して見られる日本の美化・正当化の為の弁明はもちろん、論理的矛盾や目を疑うバカ発言までこれほど「充実」したインタビューはないでしょう。今後安田浩一を批判するにあたっては、このインタビュー記事が欠かせないネタ元の「定本」になるものと筆者は考えます(笑)。

先日新大久保で行なわれた在特会とレイシストしばき隊のデモでは、在特会の会長をはじめとして双方に何人もの逮捕者が出ました。しかしながらこのレイシストしばき隊(反原発運動に日の丸や右翼の参加を持ち込んで運動を腐敗させた反原連が母体)とやら、参加者がほとんど在特会と政治的に違わない日の丸主義者や民族差別主義者・日帝のアジア侵略正当化論者などの巣窟であり、両者の衝突はどう見ても右翼同士の内ゲバ以上のものではありません。どこまで言っても在特会と同類の右翼でしかないしばき隊系カウンター行動が自らを正当化する「論拠」なのが、安田浩一の一連の著書や在特会取材記事でした。しばき隊系カウンター行動集団が主張してる事は安田が言ってる事のほとんど引き写しですし、安田自身もまたしばき隊や「仲良くしようぜ運動」を正当化して宣伝してやってる訳ですから。それも韓国のような外国にまで! いわば安田浩一こそ在特会と衝突している右翼カウンター行動(しばき隊・仲良くしようぜ系)の「教祖」的存在であり、その発言内容や本音を知る事は今回の逮捕劇による情勢の展開などを占う意味でも重要と言えます。

前口上が長くなりました。論より証拠で、まずは安田浩一インタビューの全文翻訳をお届けします。特に注目すべき個所は文字の色を変えたり大きくして強調しました。
ただし予め警告というか免責事項というか言っておきたいのですが、このインタビューは筆舌に尽くしがたい極めて醜悪な内容です。ここまで歪んだ日本観というものは極右、それこそ当の在特会のような狂気の言説にも比肩し得るものではないでしょうか。真面目な話、このインタビュー記事を読んで気分が悪くなったり大きな精神的苦痛を感じる人は決して少なくないでしょう。よって、そうした恐れのある方々は以下のインタビュー全文を無理してお読みにならない方が良いかもしれません。文章を飛ばして強調部分だけにざっと目を通すか、次々回の訳者解説(ツッコミ)部分だけ読んだ方が良いでしょう。繰り返しますがこれは本当に冗談でなく、それだけ安田浩一の発言内容がひど過ぎるからです。

果たしてどれだけ凄絶な内容が飛び出すか、百聞は一見にしかず、見ると聞くとは大違い。
文章量が多くブログの字数制限を超えてしまったので、インタビュー記事全文を前後2回に分け、それプラス訳者解説の全3回に亘ってお届けします。


「汚い韓国人、日本から出て行け!」進撃の「極右」とは何者?
【「在特会」と「日刊ベスト」の愚かさ】安田浩一講演及びインタビュー
キム・ヨンオン記者 2013.06.14 午後6:36:28

紅蓮の弓矢
踏まれた花の名前も知らずに
地に堕ちた鳥は風を待ちわびる
祈ったところで 何も変わらない
今を変えるのは戦う覚悟さ

屍踏み越えて進む意思を
嗤(わら)う豚よ家畜の安寧(あんねい)虚偽の繁栄
死せる餓狼の自由を

囚われた屈辱は反撃の嚆矢(こうし)だ
城壁のその彼方獲物を屠(ほふ)る Jager
迸(ほとばし)る衝動に その身を灼きながら
黄昏に緋を穿つ 紅蓮の弓矢

以上は現在人気裏に放送中であるジャパニメーション「進撃の巨人」主題歌「紅蓮の弓矢」の歌詞である。この歌を初めて聞いたのは「ネットと愛国(韓国語版題名 街に出たネット右翼 거리로 나온 넷우익 安田浩一著 キム・ヒョヌッ訳 フーマニタス刊)を読んだ直後だった。


▲荒木哲郎監督の「進撃の巨人」

大衆文化と特定社会的現象を一対一で比較するのは非常に危険な選択だが、いわば一時代の情緒を反映したり大きな影響を及ぼした作品達は明らかに存在した。例えば90年代末の「バブル経済」の中で、世紀末に対する奇異な興奮と倦怠と混乱ぶりが入り混じった状況で庵野秀明のアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズが及ぼした影響を思い浮かべてみよ。そのシリーズは一つの現象となり、人類を滅ぼす事も救う事も出来る巨大な存在に対するある種の憧憬が大きく広がったものだ。あたかも己を破壊出来る神的存在に対して屈服と愛情が入り混じった悦楽に陥ったように。

それならば今全世界的な不況の時代の情緒である憤怒を反映する作品は、少なくとも日本と韓国では「進撃の巨人」ではないかという考えが浮かんだ。すでに漫画本として出版中である(韓国では鶴山文化社から発行中であり、10巻まで紹介された)この作品がついにテレビアニメとして放映されるという事実に数多くのファン達が沸き返り、1話1話放送される度に数多くのパラダイムと解析が乱舞している最中だ。だが「ネットと愛国」を読んだ後であの歌詞を見た時、自然にある映像が思い浮かぶのをどうする事も出来なかった。


▲「ネットと愛国」の韓国語版「거리로 나온 넷
우익 街に出たネット右翼」

日本の在特会(在日特権を許さない市民の会)、あるいはネット右翼達は自分達を50メートルの城壁に押し込められて制限された平和を享受している人間として設定し、その城壁の向こうからやって来て人間を屠戮する巨人の化け物を自分達の特権を奪う(と主張する)あらゆる種類の他社と同一視しているのではないか。「進撃の巨人」1話オープニングに出て来るオープニングを見よ。「その日人類は思い浮かべた。彼らが支配した恐怖を。鳥籠の中に押し込められた屈辱を」そしてアニメーションの中の人間は巨人達に徹底して踏みにじられた後これ以上恐がって生きる事を、巨人と命を懸けて戦う事を決心するが、おそらく在特会は「人類の力を味わえ!」といって巨人に刀を突き刺すあの場面でこの上ないカタルシスを感じたのではないか。高い壁を越えてちらりと赤い残忍な顔が浮かび上がった時、その赤い巨人の後を追うもう少し人間の形に近い忌まわしい巨人達が人間をむしゃむしゃと食べる時、彼らは自分達が侮辱されて踏みにじられて無視されている「真実」を思い浮かべているのではないか。そこで「反撃の嚆矢」としてもっと力を出して街に飛び出し、「核兵器のない社会の代わりに朝鮮人のない社会を!」「ゴキブリ朝鮮人を日本から追い出せ!」「チャンコロ達を東京湾に放り込め!」と叫ぶのではないか。

日本のフリーランスジャーナリスト安田浩一の「ネットと愛国」は色々な面でこの時代の流れに答える本だ。彼は在特会という忌まわしい集団を人類学的関心事というフィルターを通して「客観的」に観察するのではなく、その中へ直接飛び込んだ。彼は憚りなく戦って憤怒してあるいは好奇心に満たされて在特会会員達と、あるいは在特会以外の極右組織である「主権回復をめざす会」「排外社」「NPO外国人犯罪追放運動」「日本を守る市民の会」などと接触して、熟練した狩り子のように日本極右勢力の根っこと背景を広くたどって一つの核心へと狭めていく。「在特会は『生まれた』のではない。我々が『生んだ』のだ」という取り返しのつかない真実でだ。そしてこの結論は決して韓国の「日刊ベスト(略称 イルベ 極右コメントであふれている韓国版2ちゃんねるのようなサイトの事 訳者注)」に代表される「ネット右翼」とも無関係ではない。

去る6月3日に西江大学茶山館で開かれた著者・安田浩一講演とその後の観客との対話、そして「プレシアン」とのインタビューをこの場で再構成して紹介する。通訳は「ネットと愛国」の翻訳者であるキム・ヒョヌッが務めた。(編集者より)

私が「ネットと愛国」で扱っているのは「在特会」という組織です。正式名称は「在日特権を許さない市民の会」です。今日本では毎週「反在日コリアン」「反韓国」「反北朝鮮」をスローガンにしたデモと街頭行進が起こるのですが、その中心勢力が在特会です。彼らは日章旗を上げて集まって町を歩き「竹島(独島)奪還」「北朝鮮による拉致被害者救出」「在日特権廃止」などを主張します。ですがデモの内容は実際に韓国と在日コリアンに対する差別と誹謗、中傷謀略と見る事が出来ます。


 


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▲「ネットと愛国」の著者 安田浩一


彼らはインターネットで使う言葉をそのまま街で叫びます。一角では歩くインターネット掲示板とも言われます。彼らは自らを保守または右翼と主張しますが、反共とは言いません。在特会から見て日本に害悪となるのはもはや共産主義者ではなく、韓国そして在日コリアンです。参考までに在特会から見れば韓国も北朝鮮も同じ存在です。同じ朝鮮半島に暮らしている人間は全て悪い人間と考えるのですから。日本の自民党も全く信用しません。おそらくみなさんは安倍政権が右翼政権だと考える事でしょう(笑)。在特会にそのような話をすれば笑われるでしょう。安倍は朴槿恵に跪く売国奴だと考え、自民党をはじめとする保守勢力も自分達を妨害する存在とのみみなすからです。

そこで在特会集会場には「在日コリアンを日本から追い出せ」「朝鮮人を殺せ」「朝鮮人は毒を飲んで死ね」のような醜悪この上ないスローガンが飛び交います。一体なぜこのように醜悪で低劣な運動が人気を集めるのか? 一体なぜこの人達はこのような運動に引き込まれるのか? その理由を知る為に在特会関係者に話を聞き、彼らの運動を追ったのがこの本です。

私は長らく週刊誌記者として働きました。色々な事件を取材して記事として書くのが私の仕事でした。多くの事件を取材してきましたが、私がライフワークとしているものの一つが「外国人問題」です。日本に暮らす外国人達はどのような生活をしているのか? どのような考えで日本に来たのか? そして日本をどのように考えているのか? そうした質問を主に「ニューカマー(New Comer)」と呼ばれる外国人に聞きました。韓国と同様に日本でも様々な分野で外国人が働いています。特に工場などの製造業、サービス産業、地方の農業などで外国人の存在が最近は不可欠になりました。こうした状況を取材してみると、特に21世紀にはインターネットで外国人を差別する言葉が目について多くなったという事を知りました。私はそうした事実に大変神経を使ったのです。

プレシアン:あなたはその間日本国内の外国人労働者問題を詮索し、既存の著書の中にも「ルポ 差別と貧困の外国人労働者」「外国人研修生殺人事件」などがあるでしょう。これに対して関心を持つ事になった特別な契機があるのでしょうか?

安田浩一(以下安田):長い歳月の間日本では「外国人」とは「アメリカ人」でした。アメリカ人はありのままに受け入れたでしょう。ならば他の外国人はどうでしょう? 取材した結果は差別がありました。私が初めて感じたのはそうした状況を許せないという憤怒であり、そしてこれらが共に生きて行くには何が必要なのか考えるようになりました。彼らも同じ人間であるという事を知らせたかったし、アメリカ人に頭を下げながら他のアジア人達には傲慢に振る舞う日本社会を告発したかったのです。そこに日本の本当の姿が現れるようでした。私が今でも各外国人を取材するのは、日本とは何なのか、どんな国なのかを知りたいからです。

それにそうした外国人の中に在日コリアンが含まれていました。在日コリアンには他の外国人達と決定的に違う点があります。まず大部分が生まれた時から日本に暮らしています。そして歴史問題を外して在日コリアンを語る事は出来ないでしょう。日本人は在日コリアンに愛憎を同時に感じています。親近感を感じもしますが、反面で憎悪もまた生じ易い。この問題は大変難しい問題なのでいつも戸惑う事になります。マスコミでもこの問題を積極的に扱いたがる人は多くないでしょう。そこで私は誰もしないなら自分がやりたいと乗り出したのです。

「外国人が日本人の職場を奪っている」「外国人の為に日本の治安が悪くなった」「外国人の為に村が汚くなる」という悪口がインターネットに飛び交い始めました。さらには一部ネットユーザー達はニューカマー外国人達だけではなく、オールドカマー(Old Comer)と呼ばれる外国人、すなわち在日コリアンにも攻撃の矛先を向けました。「外国人の分際でなぜ日本人と同じ生活が出来るのか?」「在日コリアンは日本の福祉にただ乗りしている」「日本の経済が良くないのは在日コリアンの為だ」のような声が出始めたのです。

もちろん生憎と日本には以前から在日コリアンを差別する人達が存在しました。貧しい在日コリアンが日本の治安を乱す、在日コリアンは犯罪者が多いという話は決して新しいものではありません。しかし21世紀に入って流通される在日コリアンに対する話は古くなった世代の「上から見下ろす差別」とは少し違うようです。今の日本の一部で騒がれている「在日コリアンが日本を支配している」というのは「下から見上げる差別」です。それはユダヤ人を迫害したヨーロッパの雰囲気と似ているのかもしれません。


▲大分で開かれた在特会の「支部発足記念集会」


「日本のマスコミが在日コリアンの肩を持つのは在日コリアンがマスコミを占領してしまったからだ」「日本の全ての資本が在日コリアンに操られている」「政治家の大部分が在日コリアンから金をもらっている」「日本人の生活が厳しいのに、在日コリアンは豪華に暮らしている」のような話がSNSでも多く見られるようになりました。それこそ何の根拠もない陰謀論です。本来選挙権もない在日コリアンが日本を支配出来るはずがありません。それなのにこうした話を信じる人間が急に増えました。

正当な政治論談ではなく、純然たる陰謀論です。韓国人と在日コリアンに「死ね」「殺せ」と低劣な言葉を言い捨てているのを見れば、個人的には「保守」でも「右翼」でもないと思います。民族主義者でもありません。私は「人種差別主義者」「排外主義者」と呼んでいます。すなわち彼らは人間を恣意的に分類して差別する単純な「レイシスト」です。ヨーロッパのネオナチ、アメリカのKKKなどと同じイメージです。ですがレイシストという言葉がまだ一般的でないので、日本では「ネット右翼」と呼ぶ場合が多いのです。

ネット右翼という言葉には主張の論拠を全てインターネットに依存して引用するという意味が込められています。韓国でいま注目されている「日刊ベスト(右翼的書き込みがあふれている韓国版2ちゃんねるのようなサイト。略称はイルベ。 訳者注)」想像すれば分かり易いでしょう。同時に日本のネット右翼はオフライン活動も活発にしています。そうした行動も全てインターネットで公示され、インターネットで動員を主導しているのもネット右翼の特徴です。そして「反共」のような主張もありません。大部分の主張が人種差別的なものです。こうした部分が既存の保守や右翼とは違う為に、日本社会でもある程度注目を受けています。在特会はそのネット右翼の中心勢力という事です。

プレシアン:在特会が最もよく使う言葉が「インターネットで真実を知った」というのは興味深いです。韓国でも似た類の言葉がよく飛び交っていますから。付け加えると「真実」の代わりに「ファクト」という言葉をもっとよく使うのが差異点でしょうか(笑)。こうした者達がインターネットで断片的に提示される「ファクト」を見て全体的真実を知ったと考えるようになるメカニズムがちょっと興味深いのですが、韓国では修学能力試験で国史が選択科目として指定された為に起こった現象だと慨嘆する声が高くあります。正しい教育がなされなかった為だという事です。安田先生はどのように考えますか?

安田:うーん、勉強を特にしていないという考えはあります(笑)。ですが日本の状況は韓国とは少し違います。日本の学校では以前から従軍慰安婦問題や植民地問題などの歴史を非常によく教えています。その為に在特会は日本の教育を左翼教育だと呼ぶのです。歴史教育が不足しているのではなく、そうした左翼教育が間違っていると主張しているのでしょう。教師を敵と考え、教科書が共産主義に染まっているとして、日本の教育を管轄する文部科学省に対しても抗議し、自分達は誤った教育の被害者だと主張します。学校で学んだ事は嘘で真実はインターネットの中にのみあると信じるのです。そうした反発がネット右翼の原動力の中の一つです。

在特会が発足したのは2007年です。発足から今まで会長を務めている人間が桜井誠という人物です。現在41歳です。桜井は本来アルバイトで生計を立てる平凡な若者でしたが、インターネット掲示板では以前から有名人でした。「2ちゃんねる」のようなインターネット掲示板で韓国・北朝鮮・中国・そして在日コリアンを激烈に批判する事で知られていました。インターネットの「カリスマ」とまで呼ばれました。そんな彼が2007年に在特会を結成し、オフラインに登場しました。発足当時会員は500人、参考までに今は1万3000人ですから、6年間に会員数が26倍にも増えた訳です。結成当時には韓国や在日コリアンがどれだけ悪いかを学習するスタディグループでした。そうしていくらも経たないうちに行動に出て人種差別的デモや街頭宣伝などをするようになります。すなわち街に飛び出して来たのです。これを契機に会員達は急増しました。なぜ会員が増えたのか? まさに、在特会活動の一部始終を動画サイトに上げてからだと言います。

在特会はデモや街頭宣伝を動画サイトで生中継します。動画で自分達の主張を可視化させただけではなく、街頭宣伝途中で起こるトラブル(例えばデモや街頭宣伝に対して抗議しに来た人達との些細な紛争や乱闘劇、警察との攻防など)までもずべて編集せずに見せてくれます。多くの人々がこれに魅力を感じました。在特会は社会の開くと必死に戦っているというイメージが定着したのです。そうした必死な姿に感動した人々も少なくありません。

プレシアン:日本国内の公共活動が1970年代全共闘以後は幕を下ろしたじゃありませんか? 3.11以後に原発反対の大規模集会が大きな話題を集めたのもその為だと記憶していますが。

安田: 目に見える運動は1970年代よりも減りましたが、労働運動と社会運動は引き続き存在しました。問題はそうした運動の大義に魅力を感じられない人が増えた事です。もっと理解し易い、自分の不満をストレートに吸収して解消出来る運動に傾いたのでしょう。私の考えだと在特会運動は非常に不幸な運動です。何かを獲得する為の運動ではありません。無条件で韓国が、在日コリアンが嫌いだと話す為の運動です。誰かを幸福に出来る運動ではありません。彼ら自身も幸福になれるわけではないからです。そうした意味で非常に悲しい運動だと思います。

一方で韓国に対する情報が日本には本当にたくさんあります。それを日常生活で常に敏感に受け入れる人も多くなったでしょう。日本の進歩勢力の中には、韓国に不満があっても植民地時代を思い浮かべてそうした不満を口に出すなとする態度が大部分でした。そこへ欲求不満を感じる者達も多い。私はそうした風な態度に対しても望ましくないと考えます。私は韓国と日本がマスコミを通じて争うべきだと考えます。ですが今このような状況で、日本が在特会のような問題を持っている限り正しい言論の争いは困難です。

私自身も韓国マスコミに対しては不満を持っています。原爆が神の罰だと書いた最近の「中央日報」コラムが代表的な例です。その内容に日本人達はもちろん腹が立ちましたが、在日コリアンの中にも原爆に犠牲になった方々がたくさんいます。同じ韓国人も原爆に犠牲になったという事を想起させたいです。ですが私が韓国のそうした報道に対して反論したくても、在特会会員のような人間に扱われたくないので戸惑いました。人種差別が醜悪な理由はそうした正当な論争も不可能にするという事です。韓国と対等な立場で論争する為にも歴史を直視しなければならないと考えます。その為に日本人は日本人としての責任を尽くす為に、在特会式の運動を必ず追放せねばならないと思います。

(その2に続く)
 

ハンギョレの原発に対する「日和見ぶり」は福島事故以前からだった

ハンギョレ新聞は韓国の代表的な進歩・革新系メディアというイメージが世界的に強く、そのせいもあって同紙は原発にも反対しているだろうと思っている人は日本でも多いだろう。だがそのようなイメージは全くの幻想に過ぎない。
同紙は原発輸出を肯定的にとらえ、核燃料の確保・供給を主張し、挙げ句の果ては「原発はすぐに中断出来ない」とまで2013年4月24日の社説で言い切っているのだから。これは同紙日本語版ではなぜか訳されなかったので、改めて以下に全訳を掲載しておきたい。

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/584392.html
「社説」原子力協定、再処理・濃縮の執着から抜け出さねば(原文は韓国語記事)
登録:2013.04.24 19:11
修正::2013.04.24 19:11

韓米原子力協定改正協議を2年以上進行してきた我が政府とアメリカが、来年に予定される協定満期を2年延長して協議を続けると昨日発表した。核心争点に対する両国の温度差が大きいという意味だ。この事案が3月下旬の韓米首脳会談の足枷にならないようにしようとする意図も垣間見える。

両国の立場と見解を確かめてみると協議難航はむしろ当然だ。政府は40年になる既存協定が現実と合わないので、我々が核燃料再処理とウラン濃縮をやれるようアメリカが許可せねばならないと主張する。原発23機を稼動する世界第5位の原子力生産国として、自力濃縮を通じて核燃料を安定的に確保し、再処理を通じて核廃棄物問題を解決しようとする趣旨は十分に理解が出来る。アメリカが、核非拡散政策に沿わないという理由で濃縮・再処理に反対するのに対し、韓米同盟の水準とはこの程度かという話が出るのも当然だ。我々を北朝鮮と同じ等級で見ているのかという反発も可能だ。

だがアメリカの憂慮も根拠がある。核非拡散はアメリカの世界戦略において核心的な位置を占める。韓国に濃縮と再処理を許せば、北朝鮮・イランなどの核問題はより悪化するのが明らかだ。アメリカが似たような協議を進行中であるベトナム・ヨルダン・サウジアラビアなどに及ぼす影響も小さくない。昨年我が国のミサイル射程距離が延長されたのに続き、原子力協定までもが核分裂物質生産が可能な内容に変われば、我が国が核の戦力化を目論んでいると疑いを買うかもしれない。それでなくても最近の一部政治家と保守勢力が核武装論を公公然と主張して国際社会の警戒心が高まった状態だ。

一言で言って今の政府の立場通りに協定が改正されるのはほぼ不可能だ。ならばもう少し実用的にアプローチするのが賢明だ。今回の協議では、我が国の原発輸出を円滑にする方向で協定を変えるのには相当な進展があったものと伝えられる。これに加えて、我々が直接濃縮再処理をしなくても核燃料を差し障りなく供給を受けて、使用後核燃料をより安全に管理する方法を模索する必要がある。これまで政府は濃縮再処理問題を公論化して国民の意思を問う手続きも経た事がない。

核廃棄物を完璧に処理する方法はまだない。「安くてクリーンなエネルギー」という「原子力神話」はすでに破れて久しい。すぐに原子力利用を中断する事は出来ないが、我々のエネルギー政策も原発縮小の方向へ向かわねばならない。原子力協定もまたこうした趨勢を反映しなければならない。


お読みになれば分かるが、ひどいものである。この社説の原発に対するスタンスは「原発をすぐに停めろ」ではなく「可能な限り原発を長く使い倒そう」という事に尽きるだろう。そうでなければ「核燃料を安定的に確保」「原発輸出を円滑にする方向で協定を変えるのには相当な進展」「核燃料を差し障りなく供給を受けて」「すぐに原子力利用を中断する事は出来ないが」などという発言が出るはずがない。これのどこらへんが脱原発なんだ? 記事の終わり辺りで申し訳程度に「我々のエネルギー政策も原発縮小の方向へ向かわねばならない」などと言っているが、だったら核燃料はもういらないとはっきり言えよという話だろう。「核燃料を安定的に確保」する事を勧めたり原発輸出を喜んでおいて、「原発縮小」もへったくれもない。

だが、ハンギョレのこうした原発に対する日和見・腰砕けな姿勢が、実は今に始まった事ではないという点を指摘しておく必要がある。それも2011年3月11日の福島原発事故が起こる前からこうだったのだ。幸い(?)な事にその社説についてはハンギョレサランバンで訳されていたので、お読みいただくのが早い。

http://blog.livedoor.jp/hangyoreh/archives/960948.html
[社説] 原子力発電所輸出 喜んでばかりはいられない理由

韓国語原文は以下のアドレスになる。
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/395720.html

この社説で一番問題なのは以下のくだりだろう。
原子力発電所輸出はまず韓国人の技術が国際的に安全性を認められたという意味を持つ。先端技術の結合体である原子力発電所は何よりも安全が重要だからだ。その上に原子力発電所は巨大装置産業であり産業界全般に及ぼす経済的効果も大きい。これだけでも原子力発電所輸出の意味は十分に評価するに値する

「喜んでばかりはいられない」とか言っておきながら、本音では原発輸出が決まった事を評価して喜んじゃっている訳だ。本気で原発に反対しているならばその輸出など論外と斬って捨てねばならないのに、自国の技術が国際的に認められたとまで無邪気にはしゃいでいる様は救いようがない。さらには「原発の経済的効果」である。原発はそれを作る重工業メーカーや、動かす電力会社、推進する政治家など一部の連中が儲かるだけで、それが誘致された地元民などは経済的に奴隷のような状態にされるというのは韓国や日本に留まらぬ万国共通の現象ではないか。そうした点で他の公害産業や迷惑施設と何ら違う所はない。そのような「経済的効果」を「十分に評価するに値する」というハンギョレ新聞って何?という話だ。
そもそも原発を「先端技術の結合体」などと言ってしまっている時点で、この社説を書いた記者は原子力発電所とは何かという事を根本的に分かっていないのではないか。原発ほどローテクで非効率的で危険なだけの発電法はないというのは、少なくとも反原発運動をしてきた人々の間では常識である。わざわざ危険極まりない核燃料の熱でお湯を沸かしてタービン回すだけで、それが「先端技術の結合体」とは笑わせる。どんなにひいき目に見ても「技術の無駄使い」以上のものでは決してない。
この社説から分かるのは、ハンギョレには原発に関する基礎的な知識を持ち合わせた記者すらいなかった(いない)という事だろう。それでも「韓国の代表的進歩派メディア」としてのスタンスから「何かよく分からないけど原発には一応批判的なスタンスもしておいた方が良い」という「政治的判断」だけはして、ああいう愚かな社説を連発したというのが真相ではないか。

このようにハンギョレが原発というものに対して何も分かっていないまま、脱原発っぽいスタンスだけは中途半端にしていたというのは、福島の事故が起こる前から一貫していた。これは早く言えば「進歩派」としてのええ格好しいに過ぎない。そんな事で本当に原発をなくせると思っているのだろうか。いや、福島のような世界最悪の原発事故を目の当たりにしてもハンギョレの考えは全く変わらなかったのだから、これは李明博や日本の民主党政権・自民党政権などと全く違う所がない。

真に原発をなくす為にジャーナリストがやらねばならない事は、原発がそもそもどのような物で、なぜ危険なのか、それが一部の人間達だけを潤してむしろその他大勢の人々を収奪してきた存在であるなどといった事を徹底して暴く事だろう。ハンギョレはそれを今までほとんどやってこなかった。それどころか実際に言ってる事は「原発輸出は韓国の技術が認められた事なので評価出来る。原発は縮小に向かうのが望ましいけど、すぐにはやめられないから出来るだけ長く使い倒そう」なのだから。
ハンギョレの原発に対するスタンスを一言で言い表すと「原発必要悪論」という事に尽きるのである。近年におけるハンギョレの保守化・堕落振りは極まっており、反原発派はハンギョレに対するいかなる幻想も希望も抱くべきではない。むしろ原発輸出を喜ぶハンギョレは明確に反原発の敵であろう。


あーあ、おしゃべりな御主人様のおかげでバレちゃった(2011.02.28追記)

【追記】
この記事は石丸次郎側から誤りとのメールをもらいました。誤りの内容については
冒頭の記事を御覧下さい。リムジンガンは韓国側と日本側で分裂したので、アジアプレスの運営する日本側はNEDからの資金提供は受けていないとの事でした。その点については事実関係の誤りであったので、ここに訂正します。
ただし、日本側アジアプレスを出しているアジアプレスは、NEDの資金を受け取っているデイリーNKから特約記事を配信してもらうほどの緊密な提携関係にあり、事実上アメリカの息の掛かった北朝鮮情報を流布する役を担っているという点では、直接アメリカの資金援助を受けていようがいまいが結果的に変わる所がありません。そうした問題提起を投げ掛けるという意味においてもこの記事は資料として残しておきます。


石丸次郎やデイリーNKがアメリカのひも付きじゃないのかという話はずっと言われてきましたし、報道内容を見ればそれはあからさまなのですが、今ひとつ確かな証拠がありませんでした。が、思わぬところから確かな証拠が出て来てしまいましたねえ。

「人権」という名の帝国主義的干渉。CIAが絡んだ資金援助が反北宣伝に
http://ameblo.jp/khbong/entry-10812310092.html

このNEDというアメリカの国立謀略団体のホームページには資金協力団体とその金額が世界中の各地域別に公開されており、そこにデイリーNKやリムジンガンの名前が堂々と入っていたのです。以下参照。

http://www.ned.org/where-we-work/asia/north-korea

いや、これはもう決定的でしょう。石丸次郎やデイリーNKがアメリカの首輪をはめた犬だという事が完全に実証されたのですから。リムジンガンはアジアプレスが発行しているので、これは石丸次郎一人の問題などではなく、アジアプレスという報道機関そのものがアメリカの工作資金を受け取り、その意に沿って活動(反北朝鮮宣伝及び朝鮮半島の戦争危機扇動)していたという動かぬ証拠に他なりません。リムジンガンという雑誌は「北朝鮮人自身が取材し、伝える、北朝鮮情報誌」という事を売りにしていますが、これは誇大広告もいい所でしょう。正しくは「アメリカの諜報機関に金を貰い、作られる、北朝鮮情報誌」とすべきです。
これを快挙だの何だの言って絶賛してた頭の足りない下手糞な在日の歌手がいましたねえ…。あるいは石丸と仲良く北朝鮮の悪口放言対談をして悦に浸っていた在日の女性評論家とか…。連中は自己批判するか、引退すべきです。
いや、彼らは案外石丸同様に、自分らもアメリカからの工作資金をもらいたがっているというのが本音だったりして。そのおこぼれに与ろうとして必死に石丸に媚を売り協力している? 「石丸様、自分らにも資金援助してもらえるよう、NEDの然るべき筋に口利きをお願いいたします」と。ひょっとして日本の反北朝鮮活動家の世界では、アメリカからの資金提供利権を巡るドロドロの暗闘や内ゲバが裏で繰り広げられているのかもしれません。AFP通信もこの「反北朝鮮業界」に参入してアメリカから金をもらってりゃ、あんな醜聞を晒さずに済んだものを…(笑)。
石丸次郎のジャーナリストとしての技量や才能はとてもお話になりませんが、こうしたアメリカからの反北朝鮮活動の資金を差配して、将来はその手のジャンルで顔役のごとく君臨する資質は十分だと言えるでしょう。あとはもっと場数を踏む事だね!

例の「沖縄は日本の国益の為に犠牲になれ」と公言してはばからない鬼畜系・朴斗鎮もデイリーNKの顧問になってますが、あれもまたアメリカの犬だったという事が実証された訳です。そうしてみると、あれは犬として最も相応しい発言だったという事でしょう。

連中にしてみればアメリカとつながっている事は、出来れば隠しておきたかった事項だと思います。連中の活動というのは「中立・公平な立場から北朝鮮批判をしている」というイメージあってのものですから。ところがおしゃべりなアメリカの「御主人様」がそれを情報公開しちゃいました。連中にしてみれば、ムバラク政権がピンチだという情報を聞いた時のアメリカ当局並み(?)に真っ青でしょう。石丸にせよアジアプレスにせよ朴斗鎮にせよ、おそらく保身の為に必死になって今回の件はスルーに徹するはずです。

でもそうはいきません。今後多くの人が、アジアプレスやデイリーNKの情報に接する際に「これはアメリカの謀略宣伝」だという正しい認識で見る事が可能になったのですから。
石丸次郎もこれからはアメリカからの資金差配役に徹してせいぜい儲ける事ですね。


余談ながら上記NEDの資金提供団体一覧で、南米・カリブ海(latin-america-and-caribbean)諸国の項目を見てみるとベネズエラの一覧で「ヒューマンライツ Human Rights」という団体がありました。

http://www.ned.org/where-we-work/latin-america-and-caribbean/venezuela

ヒューマン何とかという名前の人権団体はたくさんあるので紛らわしいのですが、これって例の「ヒューマンライツウォッチ」の事でしょうか。「北朝鮮のような独裁国家にはバンバン制裁しろ」とがなり立て、伊勢崎賢治や拉致問題団体ともベタベタな関係の土井香苗が日本支部長をやっているあの団体…。だとしても不思議はありません。
土井香苗とヒューマンライツウォッチについてはいずれまた機会を改めて論じたいと思います。ここは凄まじい団体だ…。
 

「事実」と「願望」を混同せぬよう 北朝鮮で起こっていると伝えられるデモについて

「朝鮮日報」北朝鮮集団デモ? 「確認されていない」
「連合ニュース」なども「北でジャスミン革命可能性」相次いで報道
記事入力2011.02.24午前11:40:25

統一部は北朝鮮でも数百人規模の反政府デモが発生したという一部報道に対して「確認された事項はない」と明かした。

統一部当局者は24日「貨幣改革以後、民生と関連した小規模の抗議などはあったと伝わっているが、集団デモ形態と見なせる動きがあったという状況は捕捉されていない」として「このような判断は関係機関の協議を通じたものだ」とした。

中東・アフリカの民主化デモが北朝鮮にも影響を及ぼすかという点について、この当局者は「状況を鋭意注目している」としながらも「短期的に影響は大きくないと見る」と言った。

この日「朝鮮日報」は先週、北朝鮮新義州地方で数百人の商人達が保安当局に抗議するデモを行い、北朝鮮では国家安全保衛部と軍部隊を動員して過酷に鎮圧したと報道した。

同紙は北朝鮮専門インターネット媒体「デイリーNK」を引用して、金正日国防委員長が中東民主化デモの影響を憂慮して暴動鎮圧用特殊機動隊を作れという指示を下したという「内部消息通」の証言も同時に伝えた。

「連合ニュース」も前日、米国の「自由アジア放送(RFA)」を引用して「北住民、抵抗 
騒擾頻発…前保安署長被殺」という題の記事を送り出し、この日も「尋常でないように見える北住民抵抗…異常徴候?」などの記事を書いた。

郭チェフン記者
(訳 ZED)

韓国語原文記事はこちら。
http://www.pressian.com/article/article.asp?article_num=40110224112826&section=05

とりあえずプレシアン記事の速報という事で急ぎ翻訳記事を載せておきます。むやみやたらと「北朝鮮国内で騒動が起こっている」という類の記事に用心すべきというのは、賢明な方であればこれまでの経験上承知の事とは思いますが。日本と韓国ではある種の人間達の「願望」をあたかも「事実」であるかのようにトバシて騒ぐ連中が腐るほどいますから、もう少し冷静に状況を見ましょう。何しろ、連中の情報源は「デイリーNK」だぜ(笑)。アジアプレスや石丸次郎と仲の良いお友達の。

はっきりしているのは、現時点で韓国政府当局は「北朝鮮大規模デモ」報道を未確認としており、今の所はこれが一番確実で正しい情報だという事です。
 

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