3)韓国知識人の見苦し過ぎる事大主義
最近韓国の「ある方面」でちょっと話題になった小説があったので、取り寄せて読んでみた。面白ければ書評でも書こうと思ったのである。しかしながらこれはまさにトンデモとしか言いようのない内容だったので、結局あきらめざるを得なかった。具体的な書名と著者名を記すのは可愛そうだから手控えるものの、この人は筆者も以前は翻訳記事などで好意的に取り上げた事のある記者で、とりわけ親日派の研究で多くの良書を書いた人である。と言えば、この著者が誰で何という本なのか推察出来た読者もいるかもしれない…。
ノンフィクションだけやってりゃいいものの、思いつきで畑違いなフィクションの小説に手を出すからこういう事になる。名記者必ずしも名小説家になれるとは限らない。むしろロクでもない作品を書いてしまう可能性の方がはるかに高いという事を身を以って示してくれたという事か。本当に何でこんな酷い作品が出版出来たのやら。韓国の出版業界も色々と酷い状況なのだろう。
この問題の怪作小説の中身については突っ込みどころが山ほどあるものの、中でも筆者が一番笑ってしまったのは「日本の良心的知識人」を虫唾が走るほど美化して描いている所だろう。この小説は朝鮮の核攻撃を受けて日本の自衛隊が壊滅するというストーリー(自衛隊すなわち日本の軍事力がこの世から消滅すべきという主張自体には筆者も大いに賛意を表するが)で、これだけでもかなりアレなのだが、その後の展開はもっと凄まじい。安倍内閣は責任を取って総辞職し、戦力のなくなった日本は永世中立を宣言して新たに生まれ変わる事を宣言する(が、なぜか天皇制は維持。それじゃ意味ないでしょ?)。この「新生日本」をリードするのが「良心派知識人」で構成されたグループなのだが、その構成員の多くが実名で登場するのだ。和田春樹、土井たか子、安斎育郎(この人だけなぜか姓名逆にした「育郎安斎」と表記)、柄谷行人、大江健三郎などなど…。そしてこれらを束ねる議長格の人物が「ハナブサ・ヨシミチ」なる朝日新聞論説委員という事になっている。このキャラだけ変名になっているが、これのモデルが誰なのかは簡単に想像がつくだろう。誰がどう見ても朝日の主筆だった船橋洋一そのものである。向こうの事情を知らない日本人には意外に思われる(呆れる)かもしれないが、韓国の知識人やジャーナリストの世界で船橋洋一だの柄谷行人だのは大人気の大モテなのだ! 連中は船橋や柄谷の本をほぼ必読書のようにむさぼり読むのが慣行と言っても良い。柄谷・船橋に限らず、「この小説」に登場するような和田・土井・安斎・大江といった日本人達を「日本を代表する良心的知識人」という事にして崇め奉るのが保守・進歩問わず韓国の知識人・報道界では「不磨の不文律(?)」になっており、そうした韓国知識人の歪な習性が実に良く表れていると言って良いだろう。まるで植民地時代の知識人ではないか! おまえらどんだけ事大主義なんだよ。ちなみにこの小説ではこの後、土井たか子が過渡政権の総理になり、ハナブサ・ヨシミチ(船橋洋一)がその下で官房長官に就任するという凄絶な展開が待っている。この著者は日頃自分が傾倒しているこうした「日本の良心派知識人」に、自分の妄想小説の中だけでも天下を取らせてあげたかったという事なのだろう。なるほど、こういうのが本書著者に代表される韓国進歩派知識人にとって「理想的な日本像」という訳だ。船橋洋一や柄谷行人が天下を取った日本が…。安倍や麻生が天下を取っている現実の日本とどっちがマシとかいう問題でなく、どっちも嫌としか言いようがない。柄谷行人が政権を動かすほどエラクなった日本って事は、それと仲の良い佐藤優にも当然いいポストか利権なんかが回ってくるって事だし…。自民党や民主党と妥協を繰り返した社民党の土井たか子が総理だし…。和田春樹もその中に入ってるって事は、またしても従軍慰安婦問題を「国民基金」で解決するって話にしかならない訳だし…。大体、船橋洋一は朝日主筆だった時にさんざんTPPや新自由主義政策を煽り立てた元凶だった訳だし…。先の民主党政権と何が違うんだろ? そういう日本を「理想像」として夢想(妄想)してる訳だ。凄すぎ。
さらにもう一つこの怪作小説の突っ込みをすると、物語のラスト近くで南北朝鮮と日本の3国首脳会談が行われて、金正恩と土井たか子と韓国の新大統領(朝鮮の日本核攻撃後、韓国では大統領選挙の不正がばれて朴槿恵は辞任したという展開)が顔を合わせる。そこでこういうセリフが出て来るのだ。「我々は一衣帯水の関係だから…」へ? 「一衣帯水」だって? 何それ? どうしてこの場面でその言葉が出て来る訳? 「一衣帯水」という言葉は戦後の日韓癒着関係を象徴するような言葉で、朴正熙がクーデターで政権掌握後に援助を求めて訪日した時に言ったし、白善燁(韓国軍創設に功績のある軍人だが、植民地時代に満州軍の特殊部隊に所属して独立運動を弾圧した悪質親日派)も2012年に軍事交流の為に訪韓した海上自衛隊員相手の講演で「日韓は一衣帯水」という事を強調していた。この二人はあまりに有名な親日軍人出身者なのでこうした言葉が平然と出て来る訳だが、それ以外にも韓国の保守政治家は日本の政治家や軍人を相手にすると決まって「一衣帯水」を口にする。戦後の韓国と日本の癒着・共犯関係を最も象徴する言葉を「日本の軍事力(自衛隊)壊滅によって朝鮮半島と日本の間に新時代が到来」をテーマにする小説で使うとかアホじゃねえのかという話だろう。しかもこの小説の著者は以前に、こうした「一衣帯水」という言葉が日本の侵略と戦後の日韓癒着の象徴であった事を批判していた事もあるのに。自分が当時言ってた事とも違うじゃねえか。ひょっとしてこの小説は本気でギャグだったんだろうか…。
どっちにせよ、韓国の知識人やジャーナリスト達がどれだけ日本という国の事が分かってないか、どれだけ「日本の良心的知識人」とやらに対してドリーム抱いてるか、そういう退廃ぶりが良く分かるだろう。朴槿恵がどんだけひどい暴政・苛政・悪政を行っても、政権が揺らぎもせずへーちゃらな理由が分かるような気がする。こんな腑抜けた知識人や記者に批判されたって痛くもかゆくもないだろうから。
上記の小説だけではない。韓国知識人・報道人達の事大主義が最も大きく現れたのは、何と言ってもローマ法王(教皇)の訪問だろう。「ローマ法王がセウォル号事故遺族をいたわってくれた。それに引き換え朴槿恵は…」といった論調が8月の韓国のマスコミでは嫌というほど垂れ流されたものである。
筆者はローマ法王が訪韓して行った行事を見て「ああ、これは日本で倭王(왜왕 天皇)が被災地なんかに行ってやってる事と同じだ」と思った。倭王が福島辺りへ行って被災者に「お言葉」をかけて慰労する。それで被災者は感激しちゃって社会的怒りも何も忘れてしまうし、政府も被災者の為の具体的な救済策など何もしない。それと一体何が違うというのか。日本では天皇、韓国では教皇がそれぞれ民衆の怒りを鎮火する役割を果たしたに過ぎない。
今回含めてこれまでローマ法王は3回韓国を訪問している。そしてこの3度の訪問は、いずれも韓国が非民主的極まりない独裁政権の時代(1984全斗煥、1989盧泰愚、2014朴槿恵)だったというのが最大の共通点だろう。なぜローマ法王は韓国が酷い独裁政権の時ばかり選り好みして訪問したがるのか、その理由がさっぱり理解出来ない。バチカンは日帝植民地時代に朝鮮の天主教会へ「皇民化教育や神社参拝を受け入れろ」と下達していたし、安重根を単なる凶悪な殺人者として扱っていた。韓国天主教会もそれに従い、解放後も長らく安重根を単なる「殺人者・テロ犯・教会に対する反逆者」として扱い続けたのである。韓国天主教会が世論に勝てず、とうとう安重根を「民族英雄」として評価を逆転させたのは伊藤博文暗殺から100年後だった。さらに言えば安重根のいとこである安明根もまた寺内正毅総督暗殺を計画したが、それを朝鮮総督府にチクッたのも天主教会だった。常に帝国主義・植民地宗主国の側に立ち、被植民地民衆がそれに逆らう事を許さなかったのがバチカン・カトリックの一貫した姿勢である。
韓国の民衆はもっと冷静かつ冷徹に考えねばならない。ローマ法王が韓国に来てセウォル号被害者遺族に寄り添ってくれたからといって、だから何?と。法王があれだけ遺族達を勇気付けたなどと言われているが、その後も朴槿恵は断食で抗議する遺族をそのまま死ねとばかりに平然と無視し続けたではないか。ローマ法王が韓国に来てやったパフォーマンスなど、朴槿恵には何の影響も与えはしない(そもそも韓国のキリスト教はプロテスタントの勢力が圧倒的に強い)。あの時、韓国のメディアは右から左まで連日法王の動静をトップで報じ続けて気持ち悪い事この上なかった。「ローマ法王がこれだけ慈悲深い行動を見せているのに朴槿恵は…」式の論調が山ほど言われたが、そんな腑抜けた批判など今の韓国を現実に強権支配する独裁者にとっては屁でもないだろう。ローマ法王に過剰な意味付けをしたがるのもまた、現代韓国の嘆かわしい事大主義だ。
さらにもう一つ、韓国のマスコミが朴槿恵を批判する時に比較対象としてよく取り上げるのがドイツのメルケル首相だ。実際にメルケルと朴槿恵は個人的にも親しいという。「ドイツのメルケル首相は反対を押し切って野党と妥協した度量のある素晴らしい政治家。朴槿恵もこの友人を見習え」みたいな論評をこの間多く見かけた。だがメルケルという女の実態は何だろう。今のメルケル政権下ドイツでは反原発運動や反戦運動のデモに対する取り締まりや暴力的鎮圧が激しくなっているという。「原発からの脱却を決定した」と世間一般では思われている(実際には10数年後に撤退という気の遠くなるような話であり、その間にいくらでも逆転し得る。ドイツは事実上何も原発から脱却していない)ドイツでさえそうなのだ。さらにメルケルは「デモに行く人々というのは、世の中の暮らしをよくするために何の貢献もしていない」などというとんでもない暴言も吐いたそうだ。これのどこが素晴らしい政治家なのか? 朴槿恵と何が違うのか? こんな「ドイツの朴槿恵」でしかない女を素晴らしい政治家のように持ち上げて、それと対照的に朴槿恵を批判するとか、どんだけ倒錯の極みなんだよという話だろう。メルケルと朴槿恵の関係とはまさに「類友」そのものだ。
「日本の良心的知識人」「ローマ法王」「メルケル」これらがあたかも素晴らしい存在であるかのように持ち上げて、そこに深い意味を付け加えたがる。そしてそれらと朴槿恵を比較・対照する事で朴槿恵を批判したつもりになる。韓国の報道人や知識人の救い難い事大主義はこの2014年8月に極まったと思う。
(続く)
1)ヘイトスピーチ規制と火事場泥棒
ヘイトスピーチ規正法とやらを作るのどうのという話が出ている。しかしながら自民党プロジェクトチームは早速これを「デモ規正法」にしようとしているようだ。本来の目的と全くかけ離れた法律に歪めるという「火事場泥棒的手法」は日本歴代政権の風物詩だが、またしても同じ展開になりつつあるようである。人権擁護法や児童ポルノ規正法などの時と全く違わない。あるいは1993年の細川連立政権で「政治改革」と言いながらやった事は小選挙区制への改悪だったという、例のアレとも一緒。プロジェクトチームの座長が平沢勝栄という時点でこうなる事は確定済みだろう。
事の本質は日本社会における民族・人種差別であり、朝鮮高校の無償化・補助金除外や民族団体の建物への税金問題、入管の横暴などといった現実の差別政策は全く改善せずに「スピーチ」だけは取り締まりました、では何にもならない。しかもその法の実際の中身は「スピーチ」どころか、自分に都合良くデモを取り締まるものにすり返ようというのだから。ヘイトスピーチ規正法とやらが仮に成立したら、かえって良からぬ結果を招く可能性の方がはるかに高い。日本政府は今やどんな「ガイアツ」を受けようとも自分の過ちを認めも改善しようともしないし、むしろそれろを逆手にとって火事場泥棒的に悪法を作ろうとすらする。ヘイトスピーチ規正法とやらに何かを期待して意味を付与しようとするのは重大な過ちであるという事だ。「ヘイトスピーチ」よりも前に、朝鮮学校の無償化適用と補助金をちゃんと出せ、グアンタナモかアブグレイブみたいな入管の収容所をまず廃止しろという事である。日本は朝鮮学校無償化除外について、国連から何回勧告受けたと思っているのか。それらについては徹底無視を決め込んでるくせに、ヘイト「スピーチ」だけは「日本人の誇り」という理由で法規制をする。つまり外国や国連に対する体面取り繕いと、火事場泥棒的な治安立法の一石二鳥戦略なのは火を見るより明らかであろう。それも一番安上がりな方法で。
日本で左派や反差別を自称する連中の中にはヘイトスピーチ禁止法に賛成する者も少なくないようだが、そういう連中は馬脚を現したといえる。ヘイトスピーチ禁止法は駄目な「自称反差別」を色分けする踏み絵でもあろう。
2)朴裕河の「役割」と「老後」
https://twitter.com/takagengen/status/504774538236657664
高橋源一郎@takagengen
「慰安婦問題」でも、ある人たちは、「慰安婦」は「強制連行」され「性的な奴隷」にされた、と主張し、またある人たちは、「いや、あれは単なる娼婦で、自発的に志願して、かの地にわたり、大儲けしたのだ」と言います。けれど、朴裕河さんのいうように、どちらの場合もあった、というべきでしょう。
16:36 - 2014年8月27日
予想通りと言うべきか、ここでも朴裕河が(従軍慰安婦問題をチャラにしたい)日本人にとって大いに役立っている。高橋源一郎の言ってる事は鬼畜外道そのものだが、それは朴裕河のような「日本に都合の良い事を言ってくれる韓国人」のおかげで正当化出来るのだから。高橋の言ってる事は要するに「韓国人の朴裕河だって『単なる娼婦』つってるじゃねえか! 何か文句があんのか!」という事だ。朴裕河は己の職分を立派に遂行している。朴裕河という女は、高橋や石丸次郎(朴をしょっちゅう好意的にリツイート)のような差別主義者・植民地支配清算反対派の日本人を正当化してくれる可愛いペットなのだ。
こういう人間をかつて好意的に持ち上げた朴露子(が、後になってこれはまずいと思ったのか、慌ててわざとらしく朴裕河に論争を仕掛けた)や、御意見拝聴とばかりにデカデカとインタビューを載せたプレシアンなどの「韓国進歩派」は馬鹿の極みとしか言いようがない。韓国の進歩派はどこまで底なしの堕落を続けるのか。
ある韓国輸入書店の人から聞いたが、朴裕河の新刊「帝国の慰安婦」は間もなく韓国で販売差し止めになるのがほぼ確実だという。が、それとぴったり入れ替わる形で日本語版が出るのは間違いない。前々から「帝国の慰安婦」の日本語版が出るという事は言われており、どこの出版社から出るかは知らないが、おそらく韓国で「発禁」になるタイミングを見計らっているのではないか。それに合わせて「慰安婦の真実を暴いた為に韓国で発禁になった話題の本」とか何とか煽って売り出すのだろう。典型的な「炎上商法」というやつだ。
最近韓国の公営放送KBS理事長に李仁浩(이인호 イ・イノ)という80近い婆さんが内定して話題になっている。と言うのも、この女はニューライトの歴史学者として有名で、親日・独裁美化として問題になった教学社教科書(通称「韓国版つくる会教科書」。実際にこの教科書執筆集団は日本のつくる会関係者とも極めて仲が良く、その教科書制作手法を大いに手本にしている)を大絶賛・大推薦した。おまけに「植民地支配は神の意思」発言でおなじみの文昌克を大いに尊敬し、その文が落馬したら(総理になれなかったら)韓国を出て行かねばならないとまで言ったのである。その後文昌克は世論の猛反発で総理候補を辞退したが、李仁浩はそれにも関わらず韓国に居座り続け、朴槿恵の庇護と寵愛の下でKBS理事長に抜擢されるという乗勝長躯(승승장구 朝鮮語で出世街道・大躍進の意)ぶりだ。おい、韓国を出て行くんじゃなかったのかよ?
この李仁浩の祖父は李明世(리명세 リ・ミョンセ 1893-1972 創氏改名時の日本名:春山明世)といい、植民地統治下で高級官僚を務め、後に企業家に転進して財を成したが、その間一貫して日本の植民地統治と侵略戦争の賛美・協力に狂奔した第一級の極悪親日派だった。李明世曰く「日本は善良なる国にして天下無敵」だと言って大日本帝国を褒め称えていたのだから。もちろん南の事ですから、解放後も李明世は何ら親日反民族行為の責任を問われる事なく栄耀栄華の余生を送って、畳の上で安らかに大往生です! もしこいつが解放後は北にいたら、死刑かソ連軍引渡しの上シベリア送りは間違いのない所だったろう。いずれにせよ、この祖父の下で裕福な生活を送ってその影響を受けた元お嬢様がどういう人間になるかは容易に想像がつく。そしてその通りになった。岸信介の孫が、高木正雄の娘が、やはりこれと全く同じパターンでそうなったように。
・満州国実権者・岸信介の孫は日本の総理になり、公営放送NHKの会長と経営委員に自身の「スペオキ※」である日本の侵略戦争&植民地支配礼賛派の籾井や百田を据えた。
・満州軍将校・高木正雄の娘は韓国の大統領になり、公営放送KBSの理事長に自身の「スペオキ」である日本の侵略戦争&植民地支配礼賛派の李仁浩を据えた。
※スペオキ=「スペシャルお気に入り」の略。「エジプトの朴裕河」ことフィフィを失脚させた某芸能事務所的表現。
これぞまさしくグラップラー刃牙の最強死刑囚どころじゃないシンクロニシティぶりだろう。こいつらどこまでぴったりシンクロしているのか。日韓仲良くし続けてきたぜ…。
もし今後も韓国でセヌリ党の天下が続けば(可能性は決して小さくない)、朴裕河も将来李仁浩と同じくらいの礼遇を受けるのではないか。親日派の子孫である大統領が朴裕河を政府や公営放送の要職に就けてくれるだろう。その時には身も心もすっかりネオコンに転向した朴露子や安世鴻(石丸次郎とベタベタの関係)らも多分一緒だ。李仁浩という猛毒ババアの姿とは、すなわち朴裕河が老後にやはり猛毒ババア化した姿そのものである。「日韓の友好と歴史問題に貢献した」とか何とか理由を付けて。かくして「日韓Happy(またの名をネオ五族協和)」の地獄絵図は繰り返される。
(続く)
「笑傲統一 소오통일」
今は「統一」を傲然と笑い飛ばすべき時代
朝鮮半島の統一はいつかは成し遂げられねばならない。が、今はまだその時期ではない。特に今の南で言われている「統一論」は保守・進歩を問わず最低な中身ばかりで、文字通りお話にならないからだ。それらの中身を要約すると「韓国の経済成長の為に北(具体的には地下資源や安い労働力など)を吸収して統一せねばならない」というひたすら経済発展・銭勘定の事しか頭にない、金の亡者根性が爆発した強欲の権化そのものである。ニューライト大統領の朴槿恵から金大中・慮武鉉時代の長官だった丁世鉉らに至るまで、その辺はことごとく一緒だ。要するに今の南は帝国主義国家の植民地侵略目線で統一を語っているのである。
南が北を吸収統一すれば、北の人間も豊かに暮らせるのだと連中は言う。だが今の大韓民国とはどういう国なのか? 国家経済のほとんどを少数の大財閥が独占し、民衆は新自由主義政策の下で低賃金・長時間労働に縛り付けられるという体制ではないか。「南主導で吸収統一」というのは、そうした新自由主義を「植民地化した北」にも押し付けるという事に他ならない。さらに多くの者が忘れているようだが、朝鮮民主主義人民共和国は依然として無償医療・無償教育を堅持している国である。それ以外の電気代や水道代といった公共費用も極めて廉価であり、これらだけはどんなに国家経済が逼迫しても何とか死守してきた(だからこそ民衆も現在の朝鮮労働党政権にある程度の信頼を維持してきた)。もし南主導で吸収統一したらそれらはどうするのか、という事をまともに答えた韓国人を見た事がない。それでいて南の現状は医療民営化推進など、福祉を切り捨てる方向へ突っ走っているのだから笑止である。
今の南主導で吸収統一した所で、北の資源や土地や公共施設といった富を南の財閥が独占的に接収して儲けるだけであり、北はもちろん南の民衆も統一の恩恵に預かる事は決してない。旧東欧共産主義諸国が冷戦終結後にたどったのと同じ展開だ。そんな「統一韓国の経済発展」をしてどうするというのか? 有害無益の極みである。
また、軍事問題でも恐ろしい事が起こるだろう。統一すれば南北の対峙がなくなって軍事費も減るとよく言われるが、これほどデタラメな話はない。南主導の統一をした「統一韓国」は間違いなく分断時代よりも軍事費がかつての南北合わせたものより増えるだろう。第1に中国やロシアとの軍事的緊張が高まる(現在朝鮮と中露が定めている国境条約を、「将来の南主導の統一韓国(仮)」は認めない可能性が高く、国境紛争発生の可能性が高い。その時は日本もアメリカも韓国の肩を持つふりして紛争を煽るのではないか)という事。第2に米軍基地が北の地域にも増設される可能性が高いという事。第3にPKO派兵や対テロ戦争・人道的軍事介入といった海外武力行使が激増するだろうという事だ。特に第3の海外への武力行使はあまり多くの人間が危機感を持っていないようだが、南主導で朝鮮半島が統一されたらこれは間違いなく激増する。今の韓国がどれだけPKO派兵に熱心な国である事か! 日本が1992年にカンボジアPKOで戦後初の軍隊派兵を行った時、韓国ではこれに猛烈な反対世論が沸き起こった。が、翌93年になるとこうした反発は嘘のように消えてしまう。1993年に韓国もPKO海外派兵(ソマリア)を開始したからである。以後韓国は現在に至るまで16カ国延べ5000人のPKOを派兵してきたと言えば驚くだろうか。韓国のPKO狂奔度は実に日本といい勝負である。植民地支配を体験した国として道義的に絶対やってはいけない軍事行動(ソマリアの今の混乱の根源はイギリスやイタリアの植民地支配ではなかったのか)を今までさんざんやり続けてきたのが大韓民国という国だ。さらに言えば日本はそれの極めて近しいパートナーだ。先日の南スーダンPKOの実弾提供問題に見られるように、PKOの分野でも韓日の軍事一体化は年々深まっている。南によって朝鮮半島が統一された場合、韓国は日米と一緒に何の気兼ねもなく第3世界への侵略と武力介入に乗り出す事だけは間違いない。つまり統一後のドイツと同じような道をたどるという事だ。朝鮮民族は古来「他民族から侵略された事はあっても、他民族を侵略した事はない」という事を誇りにしてきたが、南に関して言えば今の大統領の親父である朴正熙がベトナム戦争でこれを破った。その後の歴代政権(セヌリ党・民主党いずれの政権問わず)もPKOやイラク派兵(これは慮武鉉時代だった)などを続けて恥の上塗りを重ね、民族的矜持を貶め続けてきたのである。このような国に民族的正当性などあろうはずもなく、これによって統一された国が日米と一緒になってどれだけ第3世界に厄災を撒き散らすか分かったものではない。南主導による「統一韓国」は日本と一緒に手を組んで恐ろしい「プチ帝国主義国家」になる可能性が極めて高い、と言うかそうした未来像しか考えれらないのだが。
こうした諸問題はちょっと考えれば分かるはずなのだが、今の韓国では不思議な事に誰も指摘しない。ひたすら「自由民主主義体制で近いうちに統一」「統一大チャンス」「南よりも勝る所が一つもない北」といった醜悪で好戦的な銭勘定や自画自賛妄言ばかりを繰り返している。朴槿恵も丁世鉉も自分らの主張する方策で統一をしたとして、その後国家保安法をどうするのかという事を今まで一度も語った事がない。南主導の統一を仮にしたとして、その時の政権がセヌリ党だろうと民主党だろうと、連中は決して国家保安法を手放す気はないという事だ。これだけ権力者にとって便利な民衆弾圧法、それも日帝が植民地時代に残した置き土産(旧治安維持法)を「統一韓国」は引き続き悪用し続ける。と言うより、第3世界への武力介入を行う亜流帝国主義・戦争国家になれば、国内の反戦平和運動を押さえ込む為にもますます国家保安法を重宝して手放せなくなるのは当たり前だ。アメリカの愛国者法しかり、日本の特定秘密法や共謀罪(予定)しかり。シリアやリビアなど第3世界への介入が目立つドイツでも、最近は国内で反原発や反戦運動への実力行使弾圧が激しくなっていると聞くが…。
少なくともはっきりしているのは、今の大韓民国には民族の統一国家を担う資格も能力もないという事だ。自国の新自由主義政策や無用な自然破壊工事・国家保安法・PKOはじめとする海外派兵などといった事を改めもせずに何の統一か。全くもって笑止であり、今の南で語られている「統一論」はセヌリ党系・民主党(今は新政治民主連合だが)系問わず全て屁のような戯言に過ぎない。そもそも「南は北よりも経済的に圧倒しているばかりか、全てにおいて勝る」というなら、どうして北と「統一」する必要があるのか? 貧乏臭い北の事など捨て置いて、南だけ独立独歩で繁栄を享受すれば済む話ではないか。本当に南の優位を主張するならば行き着く先は「統一不要論」にしかならないはずである。それなのにわざわざ連中が「統一」をあざとく語るのは果てしのない強欲、それも帝国主義的野欲に取り付かれているからだ。決して民族・民衆の為ではない。
民族運動・統一運動の世界で度々言われてきた「いかなる事があろうとも、統一は分断よりも勝る」という言葉を筆者は否定する。分断体制にすらはるかに劣る「悪しき統一」は確実に存在し、それが今の南(特に朴槿恵政権以降)では与野党問わず主流統一論になってしまっているからだ。今の南では、その「分断体制論」を唱えたはずの白楽晴自身が、分断体制の生んだ最も悪しき社会的リンチである「従北狩り」に擦り寄っている状況である。
繰り返すが、今の南で言われている統一論の中身とは「帝国主義国家の植民地侵略論」そのものでしかない。筆者はこうした朴槿恵や丁世鉉らの邪悪な野欲でしかない「植民地侵略型統一」を断固拒否する。こうした「悪しき統一」を傲然と笑い飛ばして拒絶し、真に民族の為の「良き統一」だけを目指さねばならない。米軍基地・国家保安法・海外派兵・他民族侵略・新自由主義・整理解雇・自然破壊なき統一を見てみたいと思わないだろうか?
先の7月30日韓国補欠選挙が与党セヌリ党の圧勝で終わったのは既報の通り。その選挙期間中にちょっと気になるものを見かけた。
7.14に行われたセヌリ党全党大会の光景。バックに書かれているスロ-ガンは「セヌリを変えろ」と書かれている。
何かに似てねえか? 日本でも2000年代前半に猛威を振るったよなあ。自民党選出の総理総裁が自分で「自民党をぶっ壊す」とか言ってそれが大いにウケてしまい、自民党が大勝し続けた「小泉劇場」ってのが…。今回の補欠選挙からセヌリは金武星という議員が党代表を務めているのだが、さしずめ今回の選挙は「金武星劇場」とでも言うべきだろうか。
「自民党をぶっ壊す by小泉純一郎」その結果自民党大勝
「セヌリ党を変えろ by金武星」その結果セヌリ党大勝
こういう他愛のないスローガンにコロリといかれて自民党を大勝させる日本人も日本人だが、同じようなスローガンにいかれてセヌリ党を大勝させる韓国人も韓国人という事だろう。日本と韓国は与党に騙されやすいのも、選挙の結果も瓜二つ! 大の仲良しなのです! 仲良くしようぜ! バスに乗り遅れるな! 韓国のセヌリ党も着実に民衆を欺く「小泉劇場」の詐欺的手法を大いに学んで活用し、大成功したのです! 嫌な予感が当たっちまった(笑)よ!
金武星は今回の選挙結果を受けて次期大統領有力候補との声が早くも上がっている。ちなみに金武星の親父は金龍周、創氏改名時の日本名を金田龍周という日帝植民地時代の実業家で、「朝鮮臨戦報国団」という親日団体の幹部を務めて「テンノーヘーカバンザーイ」「一死報国」を叫んでいた悪名高い親日派だった。もしこの男が朴槿恵の後に大統領になったりしたら、これは実にスゲー事だ。日本に「一死報国」を誓った親日派の子が2代続けて韓国の国家元首になるという事なのだから。高木正雄の娘と金田龍周の息子が相次いで韓国の大統領になる…。その頃日本は誰が首相になっているだろう。安倍が総理に「再チャレンジ」出来たのだから、麻生太郎辺りがまた復帰してもおかしくなかろう。戦犯企業・麻生財閥の当主が金武星の「カウンターパートナー」という事になる訳で、日韓癒着の究極形態「2013年体制」は今後も続くという事になる。日本と韓国はそれぞれ戦犯と親日派の子孫しか権力をつかめないというのがもはや固定化されてしまっているようだ。これは古典SFなどで良くある、身分や階級が固定化されたファシズム社会を想起させる。こうした日本と韓国を合わせてこれからは次のように言うべきかもしれない。
「日韓絶望皇国」と。
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