反原発デモに日の丸や右翼を引き入れ、在特会と何の違いもない差別発言や暴力を繰り返してるくせに「自分達は反差別運動だ」と称する。言うまでもなく反原連とその派生運動体(しばき隊や東京デモクラシー、男組、日韓仲良くしようぜなど)の事だが、こうした巧妙な御用運動というか社会運動詐欺が中身を全く検証される事なく大手を振ってまかり通るのはなぜなのか? もちろんこうした運動を支える人々がいるからだ。ではこうした「反原連系」社会運動詐欺を支えている人々はどんな連中なのか?
毎週金曜日になると首相官邸を包囲する抗議デモ。これの参加者は色々な層がおり、中には3.11以降になってこうした運動に参加した者も多かろうが、やはりそれ以前から反原発運動をしてきた様々な市民運動小グループ(東京在住で、人数がせいぜい10人にも満たないような所帯)達の存在も無視出来ない。正確な統計をとった訳ではないのでこれらの構成比がどれほどになるかは分からないが、旧来の(3.11以前からの)市民運動グループ達の占める割合も決して小さくはないだろう。また、そうした数は少ないがキャリアが長くて「お固そうな」小集団がいくつも参加する事で、「胴元」である反原連自体も「ハク」が付くという訳だ。「うちにはこんなに古くからの真面目な運動家達も参加してるんだ。そんな俺達に難癖つける奴らこそ運動の邪魔をするヘサヨだ」と。
このような3.11以前からの「善意な」市民運動小グループ達こそ、反原連の御用運動・差別主義者としての本質を隠蔽する役割を結果として果たしてしまっているのが皮肉な現状だ。この手の小運動グループというのは何故にわざわざ反原連のデモに参加しているのか?
結論から先に言うならば、それは要するに「寄らば大樹」の一言に尽きる。3.11以降、確かに動員数に限って言えば最多と言える反原連のデモに加勢すれば、それだけで原発に反対する最も有効な運動(?)に参加したという「実績」じみたものに出来るからだ。参加人数だけで言えば、確かに3.11以前にはそうしたデモはなかっただろう。だからこの手の小グループ達は「最大手」である反原連のデモから離れられない。一昔前の「大手企業に就職しさえすれば一生安泰」みたいな感覚と非常に良く似ている。しかしながら今やそうした大手企業に就職出来ても一生安泰どころか、実際の大手企業はどこも一億総ワタミ化して過労死がオチなのが日本企業の実態であるように、大手の市民運動のデモに参加した所で原発を廃絶する力になるどころか、実際の反原連は一億総報国運動化していて運動の破壊とそれによる原発再稼動や放射能汚染拡散に手を貸す結果になっているのが3.11以降日本の市民・社会運動の実態である事に連中はなかなか気付かない。
反原連とその派生・関連諸団体こそ3.11以降、いや、1945年8月15日以降の日本で最悪の御用運動・報国運動ではないかと思う。
筆者が実際に知っているグループの事例を挙げておきたい。もちろんこれが「反原連系」を支える層の全てという訳ではないが、反原連のデモに参加するような古参市民運動小グループ達を理解するある程度の目安にはなるだろう。その市民運動グループは、かつて社会党青年部で反戦青年委員会を立ち上げた労働運動家がリーダー格で、国労組合員1047名の不当解雇問題や反原発運動などでかなり長い間運動をしてきた所だった。このように言えば、そのグループとリーダー氏が何者なのかすぐに推察出来る人もいるだろうが…。
しかしながらどうした事か、そのリーダー氏は80代の今でも活動している老運動家だが、今年の都知事選では何と細川護熙支持を打ち出して多くの人を驚かせ、また失望もさせた。労働運動に関わっている人達の間では、広瀬隆や鎌田慧や色川大吉よりも、このリーダー氏の「変節」により多くの失望と幻滅を感じたのではなかろうか。ここのグループはほぼ毎週のように金曜日の首相官邸前抗議に参加している。
筆者はもうここのグループとは完全に縁を切っているが、まだ関係があった当時にグループ内の中心人物の一人(リーダー氏ではない)と電話で話す機会があった。そこで筆者は何で反原連のデモなんかに出るんだと問い詰めたら「あそこが今一番活動している所じゃない」といった感じの返事をされて、首相官邸前デモに参加する事の何が悪いのかと言った反応をされたのである。そこで筆者は反原連やしばき隊の頭である野間易通や木野トシキらがどれだけひどい、それこそ在特会と同等の差別発言を繰り返してきた人間か知ってるのかと言ったら、「え、そうなの? でもあそこが新大久保でも在特会に対抗してがんばったじゃないの?」とそうした事柄をまるで知らなかったという、およそ市民運動家とは思えない一般人以下の情勢認識であった。「野間や木野のツイッターを見てみなさい、あんな所に参加せずに独自の本当に原発廃絶の為の運動を展開すべきだ」といった主旨(だったと思う)の事を筆者はその人物に言ってはおいたのだが、同グループはその後も相変わらず金曜デモなどの反原連の催しに平然と参加し続けている。
ここのグループの主なメンバーは年配の人が多い事もあってインターネットもほとんど利用せず(出来ず)、野間らの差別発言などにも接する機会がほとんどなかったという事は言えるだろう。だがこうした70年代以前から活動してきた左翼の老運動家達が野間・反原連一派の傍若無人ぶりに全く気付かないというのは、市民運動として本当に致命的な事ではないかと思う。それ以上に、野間らの差別発言を指摘されて知った後も反原連のデモに出続けるというのは、要するに野間達があれだけ酷い差別言動を繰り返し、まともな社会運動をやる資格のないチンピラか詐欺師に過ぎない事が分かっても大した事はないという事だろう。「一番活動している」反原連のデモに参加する事が大事、すなわちどこまでも「寄らば大樹」という発想で運動しているという事だ。
「ネットなどをほとんど使わないので、野間らの差別発言に気付かない」
「仮に気付いても黙認」
今日本で反原発や護憲運動をしている小さな市民運動グループの大半は、こうした意識で反原連の運動に出ているのだと思う。週刊金曜日の反原連や旧しばき隊(CRAC)に対する態度もこれと全く同じだ。極めて日本的ナアナアというやつだろう。こうした現象はまたの名を「佐藤優現象」とも言った…。
反原連に限らず、たんぽぽ舎幹部である原田裕史の「日の丸は侵略の象徴じゃない」発言や差別発言、原子力資料情報室共同代表である伴英幸の「再稼動やむを得ない」発言など、3.11以降の反原発運動の世界は本来なら「運動崩壊」と言われて然るべき凄惨さなのだが、こうした事が運動内部で全くと言って良いほど問題にされずやり過ごされてきた。こうした「大手運動体」が腐った場合は他の弱小運動体がそれを正して活動しなければならないはずなのだが、そうした小グループも見てみぬ振りをして付和雷同している。これで本当に原発を廃絶出来るのか? そういう根本的な部分が問われている状況なのである。
反原連・たんぽぽ舎・原子力資料情報室、こういったこの世界の「大手」や「代表格」が次々に腐敗堕落して、実際には市民運動・社会運動の担い手として失格している現状をまるでなかった事のように無視し、一番人が集まるからという理由で他の小さな運動グループもまた官邸前デモに集まり「今日本の脱原発運動は最高潮に達している」と全くの現実逃避な怪気炎を上げる。
我々はこれに似た光景を別な所で見た事がある。福島原発の大惨事と汚染水垂れ流しをまるでなかった事のように無視し、「今、ニッポンにはこの夢の力が必要だ」「汚染水は完全にブロックされていますッッッッ!」と全くの現実逃避なオリンピック招致に狂奔した猪瀬や安倍と何てそっくりなのかと思う。ちなみにその猪瀬直樹が都知事選に立候補した時にそれを支持したのが反原連の野間であった事も忘れてはならないだろう。
「脱原発」を表看板に掲げた社会運動詐欺というのは、こうした草の根市民運動の無知と「日本的ナアナア」と現実逃避によって支えられている部分が非常に大きいと、筆者個人の体験からは考える。
韓国のオーマイニュースで連載されて大好評を博した「在米同胞おばさん北朝鮮へ行く 재미동포아줌마, 북한에 가다」という記事がある。最初に連載された時はオーマイニュース史上最高の閲覧数を記録して書籍化もされ、その後また再訪朝した際の事を記した続編記事も去年から今年にかけて連載されて、やはり好評を博した。著者はシン・ウンミ 신은미という米国籍の韓国人女性で、筆者も今まで何度かこの記事を紹介した事がある。著者によれば日本の出版社からも翻訳出版の話があったらしいが、その後何の音沙汰もない事から没になったのではないかと思う。
この旅行記はなかなか感動的な内容で、元は大変保守的で反共的な家庭に育った著者が旅行好きの夫にくっついて北部祖国すなわち朝鮮民主主義人民共和国へ観光旅行に行き、現地を実際に見て回る事で北に対する偏見が解けて民族意識に目覚めていく過程が綴られた良い内容であった。筆者も知人の同胞に閲覧を勧め、実際に読んだ人は大体みな「感動的だった」と感想をもらしていた。未見の方は今からでも一読をお勧めする。
「在米同胞おばさん北朝鮮へ行く 재미동포아줌마, 북한에 가다」記事一覧(韓国語記事)
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/Issue/series_pg.aspx?srscd=0000011008
が、しかし…。
著者シン・ウンミは現在韓国に来て各地を講演して回っている所なのだが、この度韓国法務部はシン氏(とその夫)の再入国を拒否すると発表した。以下オーマイニュースの記事参照。
http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002057112&PAGE_CD=ET000&BLCK_NO=1&CMPT_CD=T0000
「再入国拒否? 家から追い出されたよう
総合編成チャンネル、蝿の群れのように駆け寄って魔女狩り」
【インタビュー】「講演発言問題」在米同胞シン・ウンミ氏
実は最近になってシン氏の講演内容が「北の事を礼賛するなど、国家保安法違反の疑いがある」として、国情院だか警察だかが内偵しているというニュースがあったのである。今の情勢を考えると、彼女もヤバイのではないかという心配はしていた。もちろんシン氏は米国籍者という事もあり、軍事政権時代のように在日の留学生を「北のスパイ」だとでっち上げて無理矢理しょっ引いては拷問するような事はさすがに出来ないだろう。が、その代わりに今後氏を入国拒否するような事は起こり得るのではないかと予想はしていたので、前回の記事でもその事を指摘しようと思っていたがすっかり忘れてしまった。そしたら案の定だ。後出しジャンケンのように聞こえるかもしれないが…。
シン氏を逮捕拘留したり強制退去にしなかったのは、さすがに国連で北の人権問題決議があった矢先だったからと思われる。国連決議に勢いを得て「北は人権侵害国家」「北の核なんか恐れずに圧力を」と国を挙げて右も左もなく勇ましくはしゃぎ回っている最中に「国家保安法違反容疑で在米韓国人を逮捕または国外強制退去」なんて事になったら、「国際社会」から批判を受けて、南北どっちが「人権侵害国家」なのか分かんなくなっちゃうじゃないですか(笑)! 時期が時期だけに、南も世間の目を気にしてはいるのだろう。そうでなかったら間違いなく国家保安法を適用して、少なくとも強制退去くらいにはしていたのではないか。それでもこの「再入国拒否」というのが事実上の強制退去である事は言うまでもない。二度と来んな、という事だから。
いずれにせよ、南が今凄まじい事になっているというのを、誰にも分かるほど満天下に晒してくれた出来事ではあるまいか。今後は在外同胞でも北に友好的・融和的な奴は入国させないという事なのだから。在外同胞の統一運動は全てシャットアウト、本人の思想信条関係なく北に行った履歴があるだけでも入国拒否という事に将来的にはなるのではないか。いや、在外同胞どころか国内人への従北狩りと国家保安法適用はさらに激増するだろう。どこらへんが「表現の自由」「民主主義国家」なのか分かったもんじゃない。
シン・ウンミ氏の発言で問題になったのは「北のビールが美味かった」「北の川は水がきれいで、南の4大河川のようにオオマリコケムシもいなかった」「現地の若い女性同士で酒を飲んでた」とかそういう話で、その程度の事を言っただけで「国家保安法(旧治安維持法)違反容疑」「北の事を礼賛した」「利敵行為」だと国情院や警察や法務部が騒ぎ立て、挙げ句が「再入国拒否(事実上の国外追放)だ! てめえは二度と来んな!」である。今の大韓民国に多様性だの民主主義だの人権だのありはしない。
11月18日の国連総会第3委員会での「北朝鮮人権決議案」が採択された事で、朝鮮民主主義人民共和国は強く反発している。この反発は当然の事だが、この間の経過からいくつかの事を読み取る事が出来るだろう。
2013年3月、国連人権理事会から権限を委任された北朝鮮人権委員会(COI)が脱北者300人や専門家から聞き取り調査。
2014年2月、ジュネーブでその結果を報告。
同年3月、結果報告書の勧告内容を国連関連機構達が実行出来るよう権限を付与する北朝鮮人権決議案が通過。
このCOIの報告書と決議案では、朝鮮当局が「反人道犯罪」(crimes against humanity)を行い、これに国連総会はCOI報告書を安全保障理事会に提出して反人道犯罪行為責任者達を国際司法制度機構(international criminal justice mechanism)に提訴する事を勧告していた。つまり余計な論争を回避する為に「国際司法裁判所」(ICC)という露骨な書き方はとりあえず避けるある程度の「配慮」をしていた。
ところが国連総会に提出する草案ではこれがはっきりと「国際司法裁判所」になっていた。これを変えさせたのがEUと日本だったのである。その事はデイリーNKの韓国語版で鬼の首を取ったように誇らしげに書かれていた。
http://www.dailynk.com/korean/read.php?cataId=nk01200&num=104975
COI活動、北朝鮮人権運動の新しい地平を開く(韓国語記事)
つまり「金正恩を「人道に反する罪」で国際司法裁判所に送ったろか、コラ!」という恫喝外交を裏で糸引いてたのは他ならぬ日本だったという事だ。一般的に今回の件は「これで南北の対立がますます激化する」と言われ、それは確かにそうなのだが、それを傍から煽り立てた日本の罪がはるかに重い。火事の建物に油を撒くような真似をしているのだから。南北関係の改善や平和統一を目指す者達も今回日本がやった事を肝に銘じておく必要があるだろう。日本という国は植民地支配の清算を無視し続けてきたばかりか、今も南北の対立を積極的に煽り立てている、どれだけ汚い国なのかという事を。
また、この事はもちろん日本が朝鮮との関係改善など全く望んでいない事、さらには安倍政権が拉致問題の解決とやらも内心ではすでに見切りを付けている事も意味していると思う。この間の日朝交渉を考えれば、日本が国連の人権決議案についてある程度手心を加える事もあり得たのに、それが全くなかった。総連本部の建物も結局そのまま落札会社へ所有権が移ったし、朝鮮の外交官にビザを発給しないなどの露骨な行為に出てもいる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141121-00000012-jij-int
北朝鮮外交官にビザ発給せず=日本人遺骨めぐるシンポ中止
時事通信 11月21日(金)2時32分配信
日本の民間団体主催のシンポジウムに参加するため、今月下旬に来日する予定だった北朝鮮外交官らにビザが発給されない見通しとなったことが20日、分かった。関係者が明らかにした。これを受け、主催団体は急きょシンポジウムの中止を決定し、北朝鮮側にも通知した。
シンポジウムは終戦前後に現在の北朝鮮地域で亡くなった日本人の遺骨収集や遺族の墓参を支援する「朝鮮北部地域に残された日本人遺骨の収容と墓参を求める遺族の連絡会(北遺族連絡会)」が主催。27~30日の日程で東京、京都、福岡で遺骨問題などを話し合う予定だった。
北遺族連絡会側は、北朝鮮から日朝協議にも参加する外務省当局者や遺骨調査に取り組む研究者ら計3人を招請し、日本政府にビザ発給を申請。認められれば、日朝合意を受け日本政府が7月に人的往来規制など独自制裁を一部解除して以降、北朝鮮当局者の初の来日となる見通しだった。
ビザが発給されない理由については明らかになっていない。10月に開かれた日朝協議で拉致問題で具体的な成果が得られなかったことに拉致被害者家族会などから批判が集まる中、日本政府が拉致以外の問題に焦点が当たることを警戒したとの指摘も出ている。
おいおい、人的往来の制裁は解除したんじゃなかったのかよ? それなのに入国拒否? 結局日本という国にとって国際的な約束なぞ関係ないって事か。恐らく本音を言えば、一か八か新しい拉致被害者の情報が出て来るかもしれない事に賭けて交渉を再開したが、やっぱ無理そうな事が分かったんでこういう行為に走ったという事だろう。まあ、仮に新しい情報が出て来たとしても日本は朝鮮と関係改善したり、ましてや国交正常化や経済協力(補償・賠償にあらず!)の金を出すつもりなど最初から全くなかっただろうが…。朝鮮を最大の「仮想敵国」として、日本軍拡化の口実に最大限利用する事しか頭にない。そんな事は最初からある程度分かりきった話だ。
以下にまとめる。
・11月18日の国連総会第3委員会での「北朝鮮人権決議案」で、「責任者(もちろん最高指導者である金正恩を暗に指している)を国際司法裁判所に送る」と変えさせた犯人はEUと日本である。日本はこういう形で南北朝鮮の対立を今も積極的に煽り立てている。
・日本は対朝鮮の人的往来制裁を解除したにも関わらず、明確な理由もなしに朝鮮外交官の入国を依然として拒否し続けている。明らかに日本は国際的な約束を勝手に破っている。
・この間の日朝交渉でも懸案になった総連本部建物について、日本側はあっさり落札会社のマルナカに所有権を移転させた。もちろん日本当局が対朝交渉を考えてその気になればこんな事はいくらでも先延ばしさせられるばかりか、色々と理由を付けてマルナカを落札辞退させる事だって出来る。前の落札者だった僧侶やモンゴルの会社に対してやったように。国際的な約束すら平気で破る国(笑)にとって自国の商取引制度に「超法規的」な圧力掛けるなど屁みたいなもんだろう。でもそうしなかった。
・国連人権決議や総連本部建物など、日本の「対北朝鮮カード」はこうしたエース級のものがいくつもあった。しかしそれを切る事はなかった。つまり日朝交渉をある程度進めた時点で、拉致被害者の新しい情報が出る見込みがゼロである事に日本側は気付き、内心では早々に打ち切りを決意したのではないか。安倍当人だってもはや横田めぐみが生きているとは思ってもいないだろう。だから国連外交でも総連本部問題でも手心を加えなかったし、外交官の入国を拒否して事実上制裁解除前に戻るような事をした。後は交渉の打ち切りと制裁再発動をいつ公式に宣言するかという時期だけの問題(おそらく今回の国連決議に反発して朝鮮側が核実験やロケット実験などの行動に出るのを待っている)。日本は「北朝鮮は日本人を拉致して不誠実な姿勢に終始」という相変わらずのアジアプレス的な憎悪扇動政策をこれからも半永久的に続けていくつもり。
・日本側は日本人配偶者や残留日本人などの去就には全く興味がなく、朝鮮側がそれらについてどれだけ詳細な情報を調べて提供しても、それに日本側が見返りを与える事は一切ない。
・日本は朝鮮民主主義人民共和国という国を「いずれソ連や東欧共産主義諸国のように崩壊してなくなる国(もし自壊しなければ、日本自ら裏で手を回してでも崩壊させる)。遅かれ早かれなくなる国相手に修交したり大金をやってどうする」と思っているという事。この認識が根本的に変わらない限り関係改善は極めて困難。
さらに言えば、南の朴槿恵の対北認識もまた全く同じで「北はなくなるべき国。そんな相手と関係改善してどうする。バンバン圧力掛けて吸収統一あるのみ」という事は今まで何度か指摘してきた通り。韓国では今回の国連決議の評価について保守派と進歩派で温度差はあるものの、基本的に「北は人権侵害国家」「北の核なんか恐れるな」と右も左もなく恫喝の大合唱をしているのは恐るべき光景である。
保守派の中央日報社説(要約)
「北の核なんか恐れずに、北朝鮮人権法制定を急げ。国連(実際には日本とEUだが)が国際司法裁判所に送れと言っている時に我々が手をこまねいている必要はない」
進歩派の京郷新聞社説(要約)
「北が核実験をちらつかせるのは愚かな事だ。北に対する批判は誰の陰謀でもない(実際には限りなく日本とEUの謀略に近いのだが)。北は自分の立場を自ら振り返れ」
今回の決議、特に朝鮮側が特に阻止しようとした問題部分である国際司法裁判所うんぬんというのが日本の差し金だったという事、つまり韓国は日本の策に掛かって北との対決に踊らされているという事を全く無視している。皮肉にもその事を偉そうに吹聴していたのが、中央日報以上に右よりの対北強硬派なデイリーNKだったというのは何という皮肉か。
もはやすでに南には真の「平和統一勢力」なるものは絶滅したのだと思う。日本の真の「護憲派」と同じで。金大中と盧武鉉の太陽政策も究極的な目的地というか本音は「北の武装解除」によるドイツ式吸収統一だったと、今では考えざるを得ない。吸収統一に反対する勢力も南北関係改善という途中まではそれと同乗出来たが、いずれは別れる時が来るものだろう。だが現実にはその時を待たずに南の統一運動は吸収統一論に収斂されてしまった。
朴槿恵は本気で統合進歩党を潰すつもりマンマンであるし、その為に裁判所へあらゆる圧力を掛けるだろう。そして韓国の裁判所にも政権与党の顔色ばかりうかがう出世主義の「ヒラメ裁判官」が日本に負けないくらい山ほどいる。個人的な見立てでは、統合進歩党に違憲判決・解散命令が下る確率は99.99%と思う。そしてこれを与党だけでなく、民主党や正義党といった他の野党まで諸手を挙げて大歓迎するのも分かりきった展開だ。日本で自民党の亜流政党ばかりが議席の大半を占めているように、韓国もそれに限りなく近くなる。北に対して融和的であったり、国家保安法撤廃を主張する政党はほぼ消滅させられるのではないか。これが朴槿恵政権の残り3年任期の間ずっと続く事になる。ではポスト朴槿恵で状況が変わるのだろうか? これも絶望的だと筆者は考える。今韓国で有力な次期大統領候補と言われているのがセヌリ党代表の金武星と国連事務総長の潘基文ではないか。どちらが大統領になっても南北関係改善などあり得ない顔ぶれである。現状このまま進めば、少なくとも次の次の総選挙&大統領選挙である2022年まで南北関係は改善される望みがないであろう。その間にどれだけの悲劇が繰り返されるか知れたものではない。南の人間達は、「北の人権問題」を突付けば突付くほど軍事的緊張が高まって傷付き、自分ら「南の人権」も改善されずに苦しくなる一方だという事に、このままでは一生気付かないのではないか。
「このままではまた朝鮮半島は冷戦時代に戻る」という声も一部聞かれるが、そうではない。新しい段階の冷戦なんて、朝鮮半島ではもうとっくに始まってる。新しい段階の体制競争、新しい段階の冷戦、すでにそうなっており、平和ボケである南の人間達が気付いてないだけだ。
体制競争に勝ったつもりでいる奴らってえのは甘い。とろけそうなほどに甘い。
「いつ朝鮮半島で冷戦がまた始まりますか」
「もう始まっておる」
・在特会が日本の全てではない。あれは一部の馬鹿がやっているだけ。大部分の日本人は良識を持っている。日本人は良識的だと言ったら良識的なんです!
・日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません。ないと言ったらないんです!
・日本の本当の右翼は日本の伝統を守ってきたサムライなんです! 彼らは弱い者いじめなんかしません! 在特会なんかとは違うと言ったら違うんです!
・在特会の主張とは違い、韓国と日本の若者はお互いの文化を楽しんでいる。日韓の若者の間に歴史問題なんてありません! 歴史問題なんかないと言ったらないんです!
・日本は過去を真面目に反省しており、河野談話も何の反対もなくすんなり成立しました。河野談話に何の反対もなかったと言ったらなかったんです!
安田浩一という男の主張を圧縮して要約すると大体上記のような内容につきるだろう。AKBの歌「(日本は)そんなに悪くない」や塚本幼稚園の歌「ああ 日本 ああ 日本 この国を信じてよかった この国を愛してよかった この国に生まれてよかった」(いずれも by秋元康)のような事を必死になってがなり立てているだけだ。だから「ヨーゲンみたいな貧乏で汚くて惨めなネット右翼・在特会どもとは違う、大多数の日本人様達は安心してね」という訳である。早く言えば「ヨーゲンみたい」でない、金も社会的地位もある差別主義者(安倍晋三とか金子快之とか石原慎太郎とか)にとっては安田の主張なぞ痛くも痒くもないどころか「まさにその通り。我々はあんな貧乏臭い連中とは違うんだよ」とばかりに喜ばれてしまうのではないか。本物のレイシストはもっと品格がある! 品格があると言ったらあるんです!(by 一水会)
「在特会以外の日本人を安心させ、喜ばせる」これこそ、今の安田がやっている営業の真髄だ。
前にこの男が韓国のプレシアンにインタビューされた事があり、その発言内容があまりに凄絶過ぎるので、筆者はその記事を全文翻訳したが、そこで述べられている通りである。このインタビュー記事は不思議な事に日本ではほぼ完全に黙殺されているが、安田浩一という男の本音・本性が最も良く表れたものなので(クソ長いが)改めて御覧いただきたいと思う。
http://roodevil.blog.shinobi.jp/Entry/163/
【翻訳記事】韓国プレシアンの安田浩一インタビューの内容が凄絶過ぎる件について「日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません(安田浩一談)」前編
http://roodevil.blog.shinobi.jp/Entry/165/
【翻訳記事】韓国プレシアンの安田浩一インタビューの内容が凄絶過ぎる件について「日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません(安田浩一談)」後編
http://roodevil.blog.shinobi.jp/Entry/164/
【翻訳記事】韓国プレシアンの安田浩一インタビューの内容が凄絶過ぎる件について「日本で極右を主張する政治家が勝利した事は一度もありません(安田浩一談)」訳者解説
安田はこのインタビューがあった後も何事もなかったかのように振舞っているが、まあ本人の営業の為にはこうした暴言の数々を「なかった事」にするしかないだろう。少なくとも日本においては! だが、安田は在特会の本のおかげで韓国のマスコミには相当食い込む事が出来たらしく、今や向こうでは「日本の嫌韓問題研究家」という肩書きで各メディアに登場し、日本の現状についてデタラメ言いたい放題している。全くもって「こいついい営業してやがるな」(by とんねるず石橋)と言いたくなるではないか。好例が以下の聯合ニュースの記事だ。これは今年2月の記事で比較的最近だという事と、かつ日本語版では翻訳出稿されなかったので、例によっていくつか興味深い発言を翻訳抜粋する。分量自体は比較的短いものの、はっきり言ってこの記事は先述のプレシアンのインタビュー記事にも匹敵する凄絶な内容と言って良いだろう。なので、これを読んで気分が悪くなる人も少なくないであろうから、以下閲覧は「自己責任」でお願いします。
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2014/02/20/0200000000AKR20140220103100073.HTML
嫌韓問題専門家が診断した日本の右傾化(韓国語記事)
安田浩一(49)氏は聯合ニュースとのインタビューで、日本社会の右傾化の流れが当分の間続くだろうと展望した。だが彼は、右傾化の流れと嫌韓デモなどに反対する者達も増えているとして、両国関係改善を望む民間人達の交流を強化する事が状況を変え得る解法だと診断した。
安田:「日本は侵略戦争をしていない」「戦争中に悪い事はしていない」「朝鮮半島植民地化は良い事だった」といった考えを持つ人と田母神支持層が重なる。
だが日本で「日本は侵略戦争をしていない」と考える人間は少ない。植民地が正しいと考える人達は田母神に入れたが、それが彼の得た約61万票の全てではない。61万人中多くの人々は単に「自信を持ちたい」「強い日本になったらいい」という考えで田母神に入れたと思う。
「単に「自信を持ちたい」「強い日本になったらいい」という考えで田母神に入れたと思う」って、だから何? だから田母神があれだけ得票しても決して日本という国と日本人は悪くないって、そう言いたいだけではないのか? それに、あの都知事選では舛添と田母神の得票を合わせると石原慎太郎の得票とほぼ同じになる。石原支持層のうち、舛添では右翼度が物足りないと思った層が田母神に流れて割れただけの話であって、これら舛添・田母神票を合わせたかつての石原支持層が270万から320万票もいる事の方がより恐るべき事ではないのか。日本の首都はとうの昔からこういう酷い状況だったという事を、安田は韓国に向かって必死になって隠蔽しているのである。
(在特会会員のような人間達が政治勢力化する可能性について聞かれ)
安田:簡単に答えるのは難しいが、無視出来ない勢力である事は明らかだ。大部分の会員達が田母神候補を支持した在特会は政治勢力としては巨大でないものの、影響力を無視出来なくなった。私が心配するのは在特会が政治勢力として自分達を代弁する政治家を出すのではなく、与党自民党が彼らを支持層に作り上げる為に彼らの喜ぶ政策を執る事、それによって自民党がだんだん極右方向に乗り出す可能性だ。
…この人いつの時代の話してんの? このインタビューは2014年2月だよ? 「自民党が彼らを支持層に作り上げる為に彼らの喜ぶ政策を執る事、それによって自民党がだんだん極右方向に乗り出す」とか、そんなん在特会が出現するとっくの昔から行われてるわ! 遡れば1945年の日本敗戦はおろか、明治維新で帝国主義になってから日本はずっとそうだよ! 日本は明治維新からずっと「在特会の喜ぶ政策を執って」きたんじゃないのか。要するに安田は、在特会登場以前の日本には民族差別も侵略戦争・植民地支配肯定論もなかったという歴史歪曲の大嘘を主張したいだけなのだろう。それを当の植民地被害国である韓国に向けてだ。こういう悪質日本人を見抜けずに有難がって起用する韓国のマスコミも相当に重症である。
安田:日本と韓国の歴史を認識してその土台の上で日韓関係を改善しようとする人間は減っていない。東京コリアタウンである新大久保で在特会が行うデモを見ると、最近は嫌韓デモよりもそれに反対する人達がもっと多い。10代の中にはKポップなどを楽しんで韓国に対する偏見を持っていない者達が多い。
日本社会は右傾化しているが、それを止めねばならないと考える者達がいる。民間関係でさえ、悪化した日韓関係を改善する道は、両国が争ってはならないと考える両国国民同士で交流を積み重ねていく事だけだと考えている。
本当かよ? 「歴史を認識してその土台の上で日韓関係を改善しようと」してる者なんて日本にはほとんどいないんじゃないの? 和田とか大沼とか「国民基金」系の連中見てみろよという話だろう。学者として過去の歴史をかなり知ってるはずの連中でさえあれだけ差別意識丸出しではないか。特に大沼!
Kポップなどを楽しんでる者に偏見がないというのも意味不明である。繰り返すが、「韓流芸能大好きだけど、反日韓国大嫌い」という「政芸分離」の嫌韓など日本には山ほどいる。当の在特会会員の中にすら少なくない。それを安田はどう説明するのか。いや、説明する気など初めからなく、なかった事にするんだろうな…。
日韓関係改善の道は、両国が争ってはならないと考える者同士で交流する事だって? 日韓協定という超不平等条約で植民地支配責任をうやむやにした朴正熙と岸信介だって「両国が争ってはならないと考え」て、それはもうかつての満州時代を思わせるほど親密に「交流を積み重ねて」日韓関係を「改善」しましたとさ。それで強制連行や従軍慰安婦といった植民地被害者はみんな泣き寝入り。やっぱ何よりも「交流」が大事だぜ! 両国の関係改善で、韓国(の親日派)と日本(の戦犯だけ)が共に繁栄する道はそれにつきる! 日韓(の戦犯と親日派は)仲良くしようぜ!
安田:一部週刊誌などが韓国と中国を批判するのは奇妙な事だが、そうした記事が「売れて」いる。そうした記事達には日本人の自尊心を満足させる力がある。
私が会った週刊誌編集者や記者達はそうした記事を書くのは嫌だが、そうした記事を書けば雑誌が売れるので書くのだという。日本メディア達は経済的にも厳しい。韓国・中国を批判する記事は、インターネットで情報を検索してから専門家に電話してコメントさえもらえば書ける。「低費用・高効率」だ。それでやめる事が出来ない。だが私は、韓国・中国を攻撃する報道達は麻薬のようだと思う。麻薬は一時的に気分を良くするが、続ければ死ぬ。言論社達が一時的に嫌韓・反中記事で売り上げを上げているものの、続ければ「死ぬ」と思う。韓国マスコミも韓日間の対立を煽る傾向がある。日本と関連する誤った情報が報道されたら、最も困る人間は在日韓国人だ。日本人達の怒りが彼らに向かうからだ。韓国マスコミが日本社会で生きていく在日韓国人達を意識すれば良く、対立を煽り立てるよりは冷静な報道をすれば良い。
今回の安田インタビューで筆者が最も酷いと思い、かつ怒りを感じた部分がこれだ。
日本のメディアが「本当は嫌だけど売れるから仕方なく」嫌韓・反中記事を書く、というのが最近よく言われている。確かに間違ってはいないと思うが、果たしてそれだけか? そうした「売れるから仕方なく」という風潮に反対する出版人の集まりがあるらしい。ところが、その代表格である大月書店の編集者は自分とこの在日朝鮮人翻訳者に酷い差別発言をしておきながら、それを反省するどころか全くなかったことにして「我こそ日本出版界を代表する良識派」のような顔をしてのさばっている。「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者」を自称(詐称)する人間からしてこういう酷過ぎる民族差別丸出しの人間なのだから、他は推して知るべしだろう。岩波書店もそうだ。つまり日本のマスコミ関係者の言う「本当は嫌だけど売れるから仕方なく」というのは所詮見苦しい弁明に過ぎず、連中自身が朝鮮半島や中国を見下す感情を持って恥じないメンタリティなのである。今はまだ世間体を気にしてああいう弁明をしているが、戦前のような大東亜共栄圏・八紘一宇・五族共和が公然と掲げられる天下になれば、連中はそうした世間体取り繕いすら投げ捨てて「日本サイコー! 韓国・中国は劣等民族!」という本音を公然と叫ぶようになるだろう。安田は日本言論とその関係者達の欺瞞性を徹底して隠蔽・擁護しているに過ぎないのだ。
さらに凄いのは「日本と関連する誤った情報が報道されたら、最も困る人間は在日韓国人だ」というセリフだろう。これってただの恫喝じゃないのか。おまえらが「反日記事」など書いたら在日がどうなっても知らねえぞ、と安田は韓国のマスコミを暗に脅しているのだから。
例えば韓国で植民地支配の非道さを扱う報道があったとしよう。それを知って在特会にせよ自民党にせよ日本の極右勢力は「あれは誤った情報、捏造だ」と叫んで暴れ出す。この場合、韓国のマスコミは何か間違った事を言ったでしょうか?
在特会含む極右勢力に限らず「日本人達の怒り」が在日に向かう時というのは、ほとんどが「日本と関連する正しい情報が報道」された時だという事を思い出す必要がある。日本側が歴史を直視せずに逆ギレしているだけなのだ。それを安田浩一は「下手な事を書いたら在日がどうなっても知らねえぞ。日本人の怒りが在日に向かないようにしたければ、「冷静」な報道をしろよ」とヤクザ顔負けの恫喝をしているのである。要するに日本にとって都合の悪い事は書くなよ、という事だ。「在日韓国人達を意識すれば良く、対立を煽り立てるよりは冷静な報道を」というのは本来自分ら日本人と日本社会に対して言うべき言葉なのに、それを反対に韓国に向ける所が安田浩一という男のどうしようもない悪どい点であろう。
こんな奴をありがたがって堂々と起用する聯合ニュースなど韓国マスコミ各社も何を考えているのか。在日同胞を「人質」に取って韓国側を恫喝しているのは、在特会ではなく安田浩一の方なのだから。韓国の視点からすれば、一見「味方」のようなツラをして恫喝してくる安田の方が在特会などよりもはるかに問題のある「嫌韓・レイシスト」だと思う。
安田は今回の記事でこうも言っている。
こうした考え(日本こそが被害者だという考え)を持った人々が増えている。こうした人達に「みなさんは間違っている」と言う人よりも、安倍晋三総理や田母神氏のように「日本人を激励してくれる」人に人気が集まる状況だ。
良く分かっているではないか。日本人を激励って、そりゃ安田浩一自身の事だろう。「在特会とかネット右翼とか、あれはヨーゲンみたいに汚くて貧乏臭い一部の馬鹿がやってるだけ」みたいに扱う事で他の日本右翼は連中と差別化出来て鼻高々だ。いや、ネット右翼達や在特会の内部でさえそうだろう。他のネット右翼どもはヨーゲンをトカゲの尻尾切りして「俺達はあいつと違う」とばかりに自身の正当化と美化に走るのではないか。ヨーゲンを叩いた例の記事など、在特会本体や大部分の会員に対しては何のダメージにもなりはしない。日本の右翼達は安田浩一記者のおかげで大いに激励されて、堂々たる日本人としての誇りを胸に抱いているのであります!
「嫌韓・反中記事はみんな売れるから仕方なくやっている」という事は裏返して言えば、そうした仕事に関わっている日本の言論関係者は「実は差別主義者なんかじゃないんだ」と主張したい訳だ。すげえ。ああいうあからさまに酷い言論活動をしている連中を十把一絡げに全面擁護だよ! この一言で「大嫌韓時代」の晋遊舎から大月書店の岩下結まで全部正当化出来てしまうのではないか。しかも安田の場合、そうした擁護論を嫌韓現象の被害国である韓国に対して言ってる所がポイントだろう。あれらは全部「売れるから仕方なくやってるだけ。みんな本当は差別主義者なんかじゃない、いい人達なんだ!」と。今の韓国の劣化極まりない記者達や「日韓友好という名の癒着共犯関係による国益」を推進したい確信犯達も「在特会を告発した日本の良心的記者にして嫌韓問題研究家」の話をここぞとばかりに持ち上げて利用するのは目に見えている。結果、ますます韓国に日本の酷い社会実態が伝わらず、日本のロクでもないマスコミ関係者も正当化されてつけ上がる訳だ。嫌韓・反中で食ってる日本のマスコミ関係者は、「君達は本当は差別主義者なんかじゃないんだよ。安心してね」という安田浩一記者の擁護に大いに激励されて、堂々たる日本言論人としての誇りを胸に抱いて活動しているのであります!
安田浩一の言い分によれば、日本のネット右翼というのは「自分達が苦しいのは韓国や中国のせいだ」という被害意識にとらわれているのだという。だとすれば連中は「日本は韓国・中国にやられっぱなしだ。やり返してやれ」という意識を持っている事は間違いあるまい。そこで我らが安田記者は韓国に向かって何と言っただろう?
「日本と関連する誤った情報が報道されたら、最も困る人間は在日韓国人だ。日本人達の怒りが彼らに向かうからだ。韓国マスコミが日本社会で生きていく在日韓国人達を意識すれば良く、対立を煽り立てるよりは冷静な報道をすれば良い。」
これを要約すれば「「反日記事」なんか書いてみろ。日本にいるおまえらの同胞がただじゃすまねえぞ。同胞に日本人の怒りが向かないようにしたければ「冷静」になって口のきき方に気ぃ付けろ」という事になる。
さすがは我らが安田記者! 憎き韓国をここまで毅然とした口ぶりで脅し付けているのです! 在日を人質に取って口のきき方に気を付けろとまで恫喝しているのです! 日本で在日が弾圧されてもそれは日本が悪いんじゃない、韓国が誤った情報を報道したから悪いんだというのです! つまり日本は全く悪くないんです! 何よりも安田記者は今までやられっぱなしだった日本の為に、憎き韓国へ強烈な恫喝をする事で一矢報いてくれたのです! 韓国に対する被害意識に苛まれる日本のネット右翼にとって、これほど胸のすく痛快な「激励行為」があるでしょうか! 日本のネット右翼達は安田浩一記者の韓国に対する恫喝行為のおかげで大いに激励されて、堂々たる日本人としての誇りを胸に抱く事が出来たのであります!
…冗談はともかく、「日本人を激励してくれる」人に人気が集まるというのは事実であり、安田浩一自身もまたそうした言論活動を実践してメシを食っている人間の一人である事は間違いのない事実である。「田母神投票者の大部分は日本に誇りが持ちたいから入れたのであって、決して悪くない」「ネット右翼や在特会は一部の馬鹿に過ぎない」「嫌韓・反中ネタは売れるから仕方なくやってるだけ」「日本に都合の悪い報道なんかしたら在日がただじゃすまないぞ」といった呆れるほどの日本擁護論と韓国への恫喝は、まさに今の大多数の日本人が喜びそうなテーマばかりである。安田浩一もまた日本人への「激励」で人気を集めて食っている人間だ。その方面では安倍や田母神にも決して劣らない。
一方で今や安田は安倍や田母神にない武器を手に入れている。例の「ネットと愛国」が韓国で翻訳出版された事で、「日本右傾化に反対する良心的日本人記者」という全くの虚名を手に入れて向こうのマスコミに食い込むのに成功した。多くの韓国人は安倍や田母神の言う事は聞かなくても、安田の言う事なら聞いてしまう可能性が高い。安倍が従軍慰安婦問題で「韓国は誤った情報を報道するな」と言っても多くの韓国人は馬鹿にして無視するか反発するだけだが、安田が同じ事を言ったら「自分達も言い過ぎたかもしれない」と譲歩してしまう可能性がある。つまり両者はヤクザや闇金の取立て屋の役割分担に近い。その手の借金取りは大体脅し役となだめ役のコンビで行くのが基本で、前者が大声で怒鳴って脅し付け、債務者が恐がって縮み上がった所へ後者が同情するような優しい声を掛けていくらかでも無理に金を吐き出させる。韓日関係で言えば、安倍が脅し役で安田がなだめ役だ。
いずれにせよ、日本の民族差別を批判しているかのように見えて、実はその本質をぼかし、日本擁護ばかりか韓国への恫喝までする安田浩一という男、この男の描く「ネット右翼の真実」とやらが広まれば広まるほどロクな事にならない事だけは確かであろう。
最近知って驚いたのだが、何でも「きゃわチョゴリ」なる衣装を作っている者がいるという。現代風な柄の生地で作られた、少し変わったデザインのチョゴリだ。これのデザイン面に関する論評は敢えて差し控えさせていただく。こんなモン、筆者が言うまでもないでしょ?という事だ。作った本人やこれを喜んで着てる人達は可愛いと思ってるようだが…。まあ、服装について個人の趣味は色々なので、ああいうのを着たがる奴もいるだろう。
しかしながら筆者が驚き呆れたのは、これを作ったり着た連中が例の「東京大行進」とかいう日本の民族差別隠蔽デモ(またの名を現代版八紘一宇・五族協和・大東亜共栄圏・内鮮一体運動)に何人も参加していたという事だ。しかもその写真をツイッターなどネット上で堂々と晒している。この衣装を着て写真を晒している者が在日同胞なのかそれとも日本人なのかは知らないが、あまりにも迂闊に過ぎる行動だろう。これを見た例えばストーカー気質のある右翼っぽい頭のおかしな人間が、後に被写体の女性をデモなどで見つけて何らかの迷惑行為や暴力に及ぶかもしれないという、「最悪の事態」を考えないのだろうか。昔から日朝関係で何かある度に、朝鮮学校では生徒の身を案じて集団下校させたりチョゴリを着させないようにするなどの対策を取らざるを得なかった。今もそうした社会情勢は全く変わっていないし、むしろ年々悪化している。在特会に反対している(らしい)運動やデモに関わっているくせにそんな事も分からないのだろうか。何か起こってからでは遅いのに、このように自分らの顔をネット上で不用意に晒すなど信じられない行為だ。もちろんそうした日本社会の民族差別に抗議する意味から、そうした右翼の暴力が危惧されても敢えて民族衣装を着てデモをするというなら分かる(もちろんこの場合も十分な対応策が必要である)。だがこの「きゃわチョゴリ」の制作者やそれを着て東京大行進とやらに出て喜んでいる者達に、そうした強い民族性を主張するような気概は全く感じられない。この者達が言っているのはひたすら「可愛い衣装」「しがらみから解放する」「多くの人に着てもらうことで、物語を共有したり、共感したり、何よりも「チョゴリって可愛いね♡楽しいね♪」っていう気持ちを体で感じてもらう。それが「解放」へのアプローチ」という軽佻浮薄の極みなファッション感覚だけだ。もし筆者が危惧するような事態がこの衣装を着た女性達に起こったらどうするつもりなのだろう。それでもこの者は「チョゴリって可愛いね♡楽しいね♪」「「解放」へのアプローチ」などと言うつもりなのか。
何が「しがらみ」か! この者は「しがらみ」の一言で切り捨てているが、在日朝鮮人が日本でどれだけ抑圧され、それに血みどろで抗ってきたか、その歴史的背景すなわち「しがらみ」こそ重要なのだ。それをちょっと可愛くデザインしたチョゴリを着て、同胞を「糞チョソン人」と罵る生粋のレイシスト日本人のデモに出れば「解放」される? それは自己の歴史を抹消して日本へ同化する事でしかない。
もう一つ筆者が耐え難いのは、この「きゃわチョゴリ」とやらを眺める日本人達の視線である。はっきり言ってこれは「キモイ」の一言だ。ツイッターのまとめなど見ればすぐに分かるが、これをいいと言っている日本人達の発言など見ていると気持ち悪すぎて寒気すら感じる。特に日本人の反応で最悪なのは以下のものだろう。やはりこの男に登場してもらうのが一番だ。
https://twitter.com/kdxn/status/519290922555564034
野間易通 @kdxn
「かわいいチョゴリをつくりまくる」という抵抗、最高にラディカルやね!
17:59 - 2014年10月6日
この「ミスター糞チョソン人」が可愛いチョゴリを作ったり着た朝鮮人の女をおだてる。もはや何をかいわんやだろう。「きゃわチョゴリ」とやらを眺めるこの野間の視線、このヒヒジジイ丸出しの視線はまさに
従軍慰安婦や侵略先の現地女性を舌なめずりして眺めている旧日本軍兵士
そのものではないか。普通の感覚の朝鮮人・韓国人なら怖気をふるって逃げ出すのが本当だろう。そうならずにむしろ喜んでいるというのは、このチョゴリ制作者がもはや身も心も日本人化したという事を意味する。桜井誠といい勝負の差別主義者日本人にほめられて喜んでんだから。日帝時代に自分の生徒を挺身隊に送り込んだ親日派女性学者・黄信徳(1889-1983)と全く同じである。この黄信徳というのは天皇や日本人に良く見せる為に自分の生徒を売るという極悪な真似を仕出かした最悪の親日派だったが、「きゃわチョゴリ」とやらもこのように日本人に媚びて良く見せる為のツールでしかなく、その制作者のメンタリティも黄信徳とそっくりだ。
民族衣装を日本人、それも下劣なエロオヤジに良く見せる為の道具に貶めたこの者の罪は重い。これこそまさに民族文化の冒涜と破壊でしかないものだ。今風に可愛くデザインした媚びファッションのチョゴリを着て、よだれを垂らす旧日本軍兵士まがいの連中の群れに飛び込む。そんなおぞましい事が良く平気で出来るなと思うが、それで在日の人権も生活も守られず、差別も撤廃出来はしない。むしろ色々な面で悲惨な結果しか生まない事だけは明白だろう。
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