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米9.11日3.11韓4.16仏1.7

「米9.11」とは言うまでもなく、2001年に起こった世界貿易センタービルへの旅客機突入テロ事件を指す。
「日3.11」とは言うまでもなく、2011年に起こった東日本大震災とそれによる東京電力福島原発事故を指す。
「韓4.16」とは言うまでもなく、2014年に起こった旅客船・世越号(セウォル号)の沈没事故を指す。
「仏1.7」とは言うまでもなく、先日起こったばかりの風刺週刊誌出版社シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)に対するテロ事件を指す。

これらはいずれも「テロ事件」「自然災害(+人災)」「海難事故(+人災)」とそれぞれの出来事の中身や被害規模程度は異なるものの、「それをきっかけに、その国家の社会と民衆が極度かつ急速に好戦的・右傾化・ファシズム化した」という共通点を持っている。フランスの場合は事件が発生して間もないので、現時点では米日韓ほど官民ぐるみで極端な状況にはまだ至っていないものの、事件が起こった根本的な原因を深く省察する事もなく「Je suis Charlie(私はシャルリーだ)」などと書かれたプラカードを手に市民が大行進する姿はとても不気味である。フランスも今後米日韓と同じような経過をたどる可能性が非常に大きい。

これらの事件・事故・災害後に各国がたどった経過というのは「反省のなさ」だった。事の原因や事態を悪化させた根本的原因、すなわち凶暴な海外軍事政策や無謀な原発の大量建設、新自由主義政策による安全コストの大幅なカットといった原因をロクに究明せず、責任者の処罰も行わず、反省が全くないまま「愛国主義」「絆」といったおためごかしの下に社会はむしろファシズムへと突き進んだ。9.11後のアメリカが「対テロ戦争」を掲げてアフガニスタンやイラクを皮切りにさらなる無謀な侵略戦争の泥沼に突き進み、3.11後の日本が世界最悪の原発事故を起こしたばかりにも関わらず直後の選挙で原発反対派が誰も当選出来ず、原発輸出・秘密保護法・武器輸出解禁などに突き進んだ姿を我々はよく知っている。韓国でも世越号の事故が起こってすぐに統一地方選挙があったのだが、救助作業をまともにやらず被害を拡大させたはずの与党セヌリ党が圧勝した。福島原発事故があったにも関わらず脱原発派候補が誰も勝てなかった日本と全く同じ事が起こっていたのだ。さらにその後の2014年後半の韓国では南北関係のさらなる悪化と、「従北狩り」の大旋風によって統合進歩党の強制解散や、訪朝記の著者である韓国系アメリカ人(この人は先日強制出国となった)への右翼のテロ、12月29日の韓米日軍事秘密情報共有覚書締結など、これまた凄まじい勢いで国と社会のファシズム化・軍拡化が進んでいる。

フランスのテロ事件について言うと、これは明らかにイスラムに対する宗教的・人種的な偏見や差別感情をモロ出しにした風刺漫画(と言うか、冒涜漫画)に原因があるのは明白だろう。「表現の自由」がどうのこうの言うが、シャルリー・エブド紙がやっていた風刺と言う名の冒涜漫画の類はそうした偏見や差別を煽るだけの低劣な内容でしかなく、これらは率直に言って「フランス版山野車輪(細野不二彦とか小林よしのりとかでも可)」そのものだ。にも関わらず今回のテロで殺された漫画家達の言動など見てみると、誰も彼も
「自分は反宗教主義、反資本主義、反軍事主義、反人種主義、反保守主義」
「自分の絵の目的は人を笑わせる事にある」
「表現の自由を積極的に擁護」
「右派のフィガロ紙とは関係を結ばない」
「無宗教者なので、全ての宗教に批難の矢を投げかける」
「報復を恐れない。屈服するなら死んだ方がまし」
「フランスではまだテロが起こっていないのか」
「資本主義を嫌悪」
といった事を主張してきた。要するに「左派」だの「反資本主義」「反宗教主義」の仮面を被ってイスラムへの偏見を扇動してきたのである。挙げ句には批判されると「自分の絵の目的は人を笑わせる事にある(つまり、ギャグなんだから目くじら立てるなという見苦しい自己弁護)」と言って開き直るかと思えば「まだテロが起こらないのか」と挑発するような漫画を堂々と掲載するのだから、これらはみな悪質な確信犯であり、殺されても自業自得であったと思う。ヨーロッパではイスラム圏の旧植民地から多くの移民労働者がやって来ているという社会状況にありながら、そうした社会的弱者への差別と偏見を扇動する最悪のネタを「表現の自由」「ギャグだよ、ギャグ」「自分は左派」「自分は全ての宗教を(公平に)批判してる」と言って見苦しく逃げ回って来た連中にはお似合いの末路だったのではないか。ましてや「報復を恐れない。屈服するなら死んだ方がまし」とまでうそぶいていたのだから、なおさらこれらに同情する義理もないと思う。
また、フランスも近年はアメリカに劣らずアフリカ地域の旧植民地諸国(リビアやコートジボワールなど)へ露骨な資源略奪の軍事介入を繰り返してきた事も忘れてはならない。シャルリー・エブドの風刺漫画がこうしたフランスの新植民地主義や軍事政策を正当化・側面支援する性質を持っていなかったのか、それも問われるべきだろう。テロを批判する前に、フランス人自身が行ってきた人種・宗教的偏見や軍事政策を自ら省察・反省する事が先決ではないのか。フランスの軍事介入で殺された国の民衆からすれば、フランスこそ最悪の「テロ国家」だろう。

しかしながら今のフランスで起こっているのは、自己省察や反省とは正反対の現象である。何でもおかしな「チェーンメール」が流行っているとか…。

「このテロはとても認められません。12人の犠牲者を記念する為に、フランスで最も大きなチェーン網を形成しましょう。この文字メッセージをもらった人は1分間黙祷した後に、本人の名を記入して知人に送りましょう」

こんなメールを転送するのが大流行しておるそうな。いい加減にしろ、こんな気持ち悪い迷惑メールを寄越すなと言いたくなる。ただの不幸の手紙じゃねえか。

さらに凄絶なのは、当のシャルリー・エブド紙が次号部数を大幅に増やして出すという話だ。今まで高々6万部だったこの新聞が次号は何と100万部刷るのだという。「テロに屈服しない方法は発刊を続ける事」だと言って。こいつら実にいい営業してやがるではないか。それでまた性懲りもなく宗教的・人種的偏見を扇動するようなひどいネタをこれからも垂れ流し続けて商売するというのだから。自分らがどれだけ最低なネタをやってきたかに対する反省や自己省察はかけらもなし。言論の自由とやらを完全にはきちがえているのはシャルリー・エブドとフランス人達ではないのか。結局は商売・金儲けかよ。

こうしたフランスの出来事を筆者は韓国オーマイニュースの記事で知った。

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0002071006

この記事には先述した風刺漫画家達の見苦しい言い訳や、気持ち悪いチェーンメール、厚顔無恥にも次号100万部刷ってここぞとばかりに儲けようとするシャルリー・エブドの醜悪な振る舞いが書かれている。ただしこれを書いた記者自身はシャルリー・エブド側を一方的に肩入れしているスタンスであり、西欧の社会主義ばかり羨望して社会的弱者や第3世界・自民族の分断体制の立場を全く考えないという、韓国進歩派知識人に腐るほどよくいるタイプの人間である点に注意が必要だ。韓国の進歩派にはこの手の社会主義者気取りな西洋かぶれが、最近嫌になるぐらい多い。ハンギョレとかプレシアンといった韓国進歩派メディアの論調が近年やけにおかしくなってるのも、こうした風潮と無関係ではなかろう。

今回の件で改めて思ったが、詩人と風刺漫画家の「作家生命」は本当に短いと思う。この手の作家達が素晴らしい作品を書いて輝きを放っていられる期間は本当に短い。詩人でそれを最も体現しているのは金芝河だろう。かつて韓国民主化の旗手のように言われた詩人が後にカルトにはまっておかしくなり、挙げ句が朴槿恵を支持するにまで至った。あるいは日帝植民地時代、当初は民族主義的で独立運動に加担しておきながら、後にあっさり親日詩人になった朱耀翰・金龍済・林和など枚挙にいとまがない。
風刺漫画の世界でも当初は鋭いネタで社会問題や権力者を突きながらも人々を笑わせた人間が、売れて注目されるようになるとすぐに弱い者いじめや差別ネタ、反人権ネタ、体制権力追従に走る例が非常に多い。やくみつるや業田良家が典型例であるし、高橋春男やいしいひさいちもそういう所がある。小林よしのりもゴーマニズムをやり始めてから急速におかしくなった。これらよりもレベルの低い同人誌の世界ではもっと酷く、社会風刺ネタをやってる同人作家というのは当初は左翼っぽい漫画を描いていても、5年もするとみんな山野車輪か細野不二彦みたいになる。筆者自身が見て来た中では、10年もった奴を見た事がない。コミケで風刺漫画サークルが並ぶ一角は本当に気持ち悪くて、どいつもこいつも「ミニ山野車輪」「ミニ小林よしのり」「ミニ弘兼憲史」ばかりだ。今回殺されたシャルリー・エブドの漫画家達はベテランぞろいで、中には70か80の老作家もいたと聞き、筆者は妙に「納得」してしまった。「ああ、こいつら若い頃は鋭い作品を書いてたかもしれんが、本当に漫画家として輝いていたのは若い頃の数年だけだったんだろうな。売れてからすぐに業田良家か小林よしのりか弘兼憲史みたいになって、弱い者いじめや差別ネタや宗教的偏見ばっかり垂れ流した期間の方が長かったんだろうな」と。
今回の件は我々に一つの教訓を与えてくれる。社会風刺漫画というのはそれだけ作家の寿命が短いジャンルであり、差別ネタや弱い者いじめや権力追従ネタに走るしか出来なくなった作家は潔く引退すべきという事だ。

いずれにせよ、フランスでは誰も彼もが「Je suis Charlie(私はシャルリーだ)」の大合唱で、星条旗や日の丸が乱舞する9.11後のアメリカや3.11後の日本とそっくりな様相を呈している。大震災後に日本で言われた「ジャパニーズ・ザ・絆」とおんなじで、これこそファシズム前夜以外でなくて何だと思う。今回の件でフランス国内ではむしろ「表現の自由」は今後圧殺される方向に進むだろう。愛国者法や特定秘密保護法や国家保安法みたいなのがフランスでも出て来るのではないか。それこそ「表現の自由を守る」という口実で。韓国で解放後に国家保安法を制定した時も李承晩らは言ったものだ。「韓国の自由を守る為にこの法律を制定したのだ」と。
星条旗や日の丸が米帝や日帝の被害者にとっては憎しみの対象でしかないように、シャルリー・エブドもトリコロールもフランス帝国主義の被害者にとっては憎しみの対象でしかない。「Je suis Charlie(私はシャルリーだ)」というのはフランス帝国主義のどうしようもない傲慢さの表出である。

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二つの「大日本帝国」

日本と韓国の国民は今年もまた騙され続けて終わるであろう。

日本についてはもう言うまでもあるまい。安倍政権の下で国家も国民も十分に翼賛体制が完成しているので、ますます狂気の道へとのめり込んでいくだろう。最近やたらと天皇の言動がクローズアップされ、右翼はもちろん左派やリベラル界隈でも明仁を持ち上げる言動が見られるのもその一環だ。「天皇陛下お助け下さい」とか言う右翼の街宣車を見た時には爆笑してしまったが、同じように「天皇こそ本物のリベラル。それに対して安倍は」的な事を言う連中も左や「反ヘイトスピーチ」系の連中にはあふれている。こんなものはどこまで行っても皇道派と統制派の内ゲバでしかない事に、世間の人々はなかなか気付かない。自称「左派」「改革派」な奴らが実際にはただの2.26的皇道派でしかないという喜劇に、本人はなかなか気付かない。

若い頃は天皇嫌いで知られた大宅壮一が、晩年にはすっかり転向してしまった。
やはり若い頃は天皇嫌いで「天皇こそ日本最大のニセモノ」とまで言い、大宅壮一の変節を厳しく批判していたはずの本多勝一が、やはり晩年はすっかり転向してしまって「今の天皇には直接には戦争責任はない」「例え皇族と言えどもプライバシーを暴くのは良くない」などやたらに今の天皇と皇族を擁護するようになった。
さらにやはり戦前は天皇制国家に反対して血みどろの地下闘争をしていたはずの日本共産党が、皇太子夫妻の子が生まれた時だったかに国会でお祝いの決議か何かをするのに賛成して以来(だったと思う。この時、代々木の本部には支持者達から抗議の電話やファックスが殺到したという)、天皇と天皇制に全然反対しなくなった。それどころか所属国会議員が天皇の震災追悼式に感動しちゃったり、新年メッセージをありがたく自分のツイッターで持ち上げる始末。かつて天皇制国家に反旗を翻し、特高に拷問されて死んだ党の先輩達は全く浮かばれない。


韓国では去年暮れに統合進歩党の強制解散を受けて、新しい進歩政党作りの動きが見られる。名称をとりあえず「国民の会 국민모임」といい、これに新政治民主連合(民主党)の鄭東泳が脱党して参加するのしないのというのが話題になっているらしい。だが、この国民の会もロクな結果にはならないと思う。ここは党の独自性として「従北主義の排撃」を表看板に掲げており、結局は今の韓国の従北魔女狩りマッカーシズムにおもねるだけの集団にしかなっていない。何だ、おまえらも「うちは統合進歩党みたいな従北とは違う」と言いたいだけの集団かよ、民主党や正義党と何が違うの?というレベルの話なのだ。朴槿恵とセヌリ党の暴走を全く止められなくて評判の悪い民主党と、統合進歩党強制解散の口実である「従北」という二つの悪いイメージだけを脱色した、いわば看板だけ取り替えたデクの棒野党がまた一つ出来るだけだろう。かつて日本の民主党が出来た時と何の違いもない。こんな国民の会が仮にいくらかの議席を確保した所で朴槿恵とセヌリ党を牽制する事など出来はしないし、むしろ南北関係の悪化と日韓の軍事協力・軍拡化を側面支援する結果にしかならないのではないか。何しろ「従北主義の排撃」だからねえ。それでどうやって南北関係改善出来んの?

筆者が今の韓国を見ていて一番恐いと思うのは、戦前の日本と、それも中国侵略へ本格的に乗り出し始めた時期と嫌になるくらい似ているという事だ。1931年の9.18事変すなわち満州事変前夜の日本の状況はどうだったろう。財閥の独占経済体制で貧富格差が激化しており、その捌け口として日本政府は国内貧民層を移民や開拓団にして侵略地へ送り込むという事をした。「満蒙は日本の生命線だ」という当時の標語はあまりにも有名だろう。貧民を侵略の尖兵に利用するという、支配層としてはまさに「一石二鳥」というやり方だった。
今の韓国も全く同じで、財閥の独占経済体制で貧富格差が激化している。そんな今の韓国で頻繁に言われているのが「統一は未来だ(by 朝鮮日報)」「北の地下資源と安い労働力こそ韓国経済が発展し、福祉社会を実現するのに必要(by 鄭東泳)」といった「統一大チャンス論(by 朴槿恵)」だ。2013年末頃から言われ始めたこうした南の統一論とは、要するに「満蒙は日本の生命線だ」を現在の韓国に置き換えたものなのである。まさに酷似、そっくりでしょ? その心は「北は韓国の生命線だッッッッ!」って事です。
今の韓国の統一政策とは一言で言って「北の国家体制を転覆し、南主導で吸収統一」に尽きる。朴槿恵が軍事的・経済的圧迫による強硬手段で北を屈服させようとしているのに対し、野党系(民主党や国民の会、旧太陽政策派ブレーンら)は北への経済支援で相手を骨抜きにして体制崩壊させようとしている(西ドイツが東ドイツにやったような手)訳で、両者は手段が違うだけで「吸収統一で北の資源類を収奪し、韓国経済の足しにする」という「目的」は全く同一だ。これらいずれにとっても「自主的平和統一」「南北互いの体制を尊重し、共存しながら連邦制統一」「韓米同盟解体・駐韓米軍撤退(アメリカと日本の強大な軍事的バックアップがあってこそ、南主導の吸収統一は可能)」「国家保安法撤廃(南主導の吸収統一過程においても、吸収統一達成後も、反対勢力圧殺の道具として国家保安法は必須のアイテム)」などというのは真っ先に血祭りに上げなければならないものであり、それらを主張してきた統合進歩党解体は両者の利益に符合する。国民の会が言う「従北主義の排撃」もまさにそういう事なのだ。国民の会は統合進歩党の代替になる進歩政党どころか180度真逆の政治集団でしかなく、これらが一定の勢力を持とうものなら本当にロクでもない事をしでかすだろう。日本で言うならかつての日本新党だの平成維新の会(橋下じゃなくて大前研一の方ね)、今で言えばみんなの党や生活の党的なポジションだ。あるいは政党ではないが、日本における反原連系社会運動詐欺集団と似た役割を果たす可能性もあり、それを筆者は大いに危惧する。
かつて李承晩時代の統一政策は武力による「北進統一」であり、それ以外主張する事は許されなかった。「平和統一」を口にしただけで死刑になる時代(好例が進歩党の曺奉岩)だった事を多くの人が忘れているが、今また南の統一政策は「南主導の吸収統一」に純化され、それ以外の主張は「違憲」として全く許されなくなった訳である。

軍事的な強硬手段であれ経済支援を利用した骨抜き策であれ、北の体制転覆策動とそれがうまくいった際の北への経済収奪行為には南の「貧民層」が尖兵として差し向けられるだろう。旧軍国主義日本にせよ今の韓国にせよ、経済格差をなくすならば富者の富を公平に分配すべきなのにそれを全くしなかった(していない)。日帝はそうして不満を持った層を「満蒙は日本の生命線だ」と言って、そこへ入植すれば豊かになると煽り、侵略の尖兵として入植させた。今の韓国でも財閥からロクに税金を取らず「富の再分配・経済民主化」なぞ糞食らえ、北の地下資源や土地や安い労働力さえ手に入れば豊かになって福祉社会も実現出来る「統一大チャンス」と煽っている。日帝にとっての朝鮮半島や中国東北地方と同様に、今の「大韓民国」という国にとって「北」は一番手軽に侵攻出来る「植民地最優先候補」なのだ。しかもそれをやろうとしきりに煽っている現韓国大統領は、他ならぬ満州軍将校の娘である! 「満蒙は日本の生命線だ」に積極協力した親日派の娘が、親父とおんなじ事を…。一方で今の日本の首相は…言うまでもありませんね!

日本では最近やたらと天皇の「リベラル」ぶりが持ち上げられ、まさに「日本国民統合の象徴」としての機能がフルに発揮されている。
韓国では最近やたらと「従北狩り」という国家を挙げての魔女裁判で「アカ・非国民」の排除が進行し、まさに朴槿恵の世界一恥ずい大統領選キャッチフレーズ「100%大韓民国」という国民統合が完成しつつある。
「天皇の名の下に統合された日本国民」と「従北狩り・アカ狩りで異端を排除して統合された100%大韓民国民」は次にどことどういう統合をするのか。その答は誰の目にも明らかだろう…。

今の東アジアには「大日本帝国」が二つある。一つは「日本国」という名の日帝正当後継国家。もう一つは「大韓民国」という名の「日帝クローン」だ。両者はがっちりと軍事一体化を推し進め、「21世紀版 満蒙は日本の生命線だ」に突き進んでいる。「二つの大日本帝国」と言うより、すでに一つになってんじゃねえのかという意見もあろうが、この「二つの大日本帝国」がアジアにおける最大の軍事的脅威となっている現状をこそ撃たねばならない。

大韓民国次期大統領選有力候補・金武星曰く

このまま行けば韓国では2017年に次期大統領選挙が行われる。現時点でその有力候補の一人とされているのが、セヌリ党代表の金武星(김무성 キム・ムソン)という男だ。この男が最近大学生相手にタウンミーティングをやったのだが、そこでとんでもない問題発言をした。このタウンミーティングでは大学生がアルバイト先で不当な処遇を受けた事が多いという設問調査のネタがふられ、それに対して金武星曰く。

http://www.vop.co.kr/A00000830581.html
金武星「不当なアルバイト処遇、一生懸命やるべきで方法はない

セヌリ党の金武星代表は26日、不当なアルバイト処遇に対して「人生には良い経験だと思って一生懸命やらなければならない。方法はないと語った。

彼は「若くしてそうした苦労をする事も、これから社会生活をする助けになると思う」とし「人生とは苦難の連続だ。みなさんも若くて体が健康で能力になる時期にアルバイトして苦労するのを、良い薬と思って楽しい気持ちで(せよ)」と強調した。

続けて「アルバイトを探しに行って、そうした人(悪徳業者)でないか見分ける能力を育てねばならない」とし「不当な待遇を受けた時に相手の気分を害さないように説得し、悪い考えを変えさせる事もみなさんの能力」だと語った。


韓国の進歩派メディアの中では、大手四大紙と違って結構骨があると言われている「民衆の声」の記事を翻訳抜粋した(もちろんここも完璧ではなく、以前に安田浩一のインタビューが載るなど変な記事が稀に出る事もあるが、全体的にハンギョレや京郷やプレシアンよりははるかにマシ)。
学生がアルバイトで不当な処遇を受けても「人生には良い経験」「方法はない」「良い薬と思って楽しい気持ちで」やれという、次期大統領選有力候補による実にありがたい「御高説」であった。与党代表国会議員によるブラック企業&不当労働行為の全面肯定とは凄まじい。日本の与党にもこんな議員が山ほどいると言うか、実際に不当労働行為の総本山みたいなブラック企業の会長自らが自民党の議員になっているのだから、まさに「日韓仲良くブラック企業と不当労働行為を正当化しようぜ」している訳だ。日韓仲良くしようぜ! 金武星とワタミも仲良くしようぜ!
今のままで行けばこいつと国連事務総長の潘基文(반기문 パン・ギムン)が2017年に大統領選挙で一騎打ちするという、朴槿恵政権よりももっと恐ろしい地獄絵図が展開されると言われている。

ブラック企業の不当労働行為を「人生には良い経験」「方法はない」「良い薬と思って楽しい気持ちで」の金武星。
アメリカによるシリア空爆を事実上容認して、シリア民衆虐殺のゴーサインを出した潘基文。

2017年の大統領選挙においても韓国には全く希望がないと言うか、2012年の選挙よりも悪くなる事がほぼ確定しているようだ。もっともまさかの「大穴予想」で、その間に朴槿恵が憲法改正して(親父のように)自分が終身政権をやろうとする可能性も否定出来ないが。統合進歩党の解散命令のように、最近の韓国憲法裁判所のザマを見ているとそういう事が起こっても決して不思議ではないだろう…。

ところがこの同じタウンミーティングを報じておきながら、この問題発言を一切取り上げなかった「進歩派メディア」がいる。それは京郷新聞で、ここの記事では「アルバイトの不当な処遇に方法はない」発言を全く書かなかったばかりか、まるで金武星の事をあたかも朴槿恵に対抗する希望の星のごとく報じてもいる。

http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?artid=201412262200055&code=910402
金武星「私は高校時代に朴正熙独裁政権に抵抗した人間」

セヌリ党の金武星代表(63)が26日に自身の高校時代を回想し「当時は独裁政権下で抵抗したそんな時代だった為に、反政府デモや示威行為に私は多く参加した」と語った。金代表の高校時代(1967-1969年)である故朴正熙元大統領の執権第2期を「独裁政権」と規定した訳だ。朴槿恵大統領の亡父を独裁者と規定した事であり、青瓦台に対する不愉快な気持ちを表したのではないかという解析が出ている。

上記は京郷新聞の記事を翻訳抜粋したものである。最近金武星は朴槿恵の独走振りに不満だと言われているが、要するに京郷は金を朴に対抗する「駒」として必死に持ち上げようとしている、あるいは「次期大統領有力候補」へ露骨にゴマスリしている訳だ。重要な問題発言を一切報じず、金武星が若い頃に反政府デモへちょっと出た(そんな人間は当時いくらでもいる!)というくだらない自慢話を針小棒大に取り上げて、まるで金武星が朴槿恵に対抗出来る唯一の希望の星と言わんばかりである。ブラック企業の不当労働行為を「人生には良い経験」「方法はない」「良い薬と思って楽しい気持ちで」と言ってた奴が? そんな奴が仮に朴槿恵に取って代わったとして、何かいい事あんのかよ? 京郷新聞ってバカ? 
日本でも赤旗だの週刊金曜日だのが、安倍に対抗する腹積もりで他の自民党「リベラル」や長老(石破とか野中とか古賀とか)をやたら持ち上げたがるのとよく似ている。

金武星の不当労働行為正当化発言は、今韓国で起こっている様々な労働者達の抵抗運動を卑下する考えから出たものだろう。このタウンミーティングの最中にも多くの労働者が酷寒の中で絶望的なデモや抗議行動を繰り返し、それが警察による実力行使で妨げられている事を考えれば、金武星の発言はなおさら許し難い。それを批判するどころか、チョーチン記事で持ち上げようとする「進歩派メディア」はもっと許せないと思う。京郷の金武星礼賛は万死に値する。

もう一つ、金武星は今回のタウンミーティングでこうも言っている。上記京郷新聞より抜粋。

金代表は「(北は)『金日成エセ宗教』の国」だとし「自分達はエセ教主に騙された、という事を(住民達に)知らせれば北は倒れる。(政権維持の為に)核爆弾を開発して西側世界を恐喝し、飢えない程度の金をせしめようという事」だとして「北朝鮮崩壊論」を展開した。

典型的な南の保守・極右の対北観だろう。こいつが仮に大統領になっても南北関係を改善するどころか、今よりもっと悪化するのではないか。さらに付け加えると、金武星の親父は金龍周(創氏改名時の日本名:金田龍周)という日帝時代の企業家で、戦時総動員体制下で「朝鮮の若者は天皇陛下の為に聖戦に出よ」という演説をしまくった悪質親日派だった。親父が日帝時代に同胞を売って築いた財産で、金武星は国会議員になれたのである。朴槿恵と何も違わない。悪質親日派・金龍周のドラ息子が、抗日独立運動家の金日成を攻撃するという、まさに親日派の魂百までというやつだ。それもかなりレベルが低い。金日成の悪口言う前に、てめえの親父は何をやったんだという話だろう。おまけに金武星は教学社の教科書(日本の植民地支配を肯定した韓国のニューライト教科書)を「肯定的史観」と大絶賛しており、これまた朴槿恵と同じで蛙の子は蛙とばかりに親子2代に亘る代を継いだ親日派でもある。白楽晴とかもそうだけど、結局親日派の子もまた親日派になるってのが韓国の流行なんだろうか。本当に嫌になってくる。金武星にせよ朴槿恵にせよ、韓国の既得権層ってこんな連中ばっかりだ。
こんな議員を持ち上げる京郷新聞がどんだけ終わってるか、それが良く分かる出来事であった。

隣の芝生は青く見える。日本の報道人には今でも「韓国にはハンギョレ・京郷・オーマイニュース・プレシアンみたいな革新系メディアがあってうらやましい」などと言う者がいるそうだが、これら韓国進歩派メディアの実態は日本のそれと同等に腐敗し切っている。そうした幻想は捨て去って、自分が報道人としてどうすべきかを考えるべきだろう。

大韓民国終了のお知らせ その2.5 だったら黙ってろ「韓国進歩派知識人」どもはよ!

ちょっと話が逸れるが、前回の続きではなくやや別の話を。
統合進歩党の解散命令が憲法裁判所から下されてからというもの、韓国では俗に「進歩派知識人」と言われている連中がこの件について多くのコメントや談話を発表した。それらの主旨はどれも判で押したと言うか金太郎飴というか、ほとんど同じようなもので、そのコメントの中に必ず現れる世にも不思議な免責事項!

「私は統合進歩党の政策や綱領を支持しないが、強制解散には反対だ」
「進歩党の解散は国民や有権者の判断に任せるべきだ」

筆者はこの間韓国のメディアをずっとウォッチングしてきたのだが、今回の件でコメントや談話を発表した韓国の左派・進歩派の知識人・言論人・野党などで、上記のような事を言わなかった奴はまずいないと言って良いだろう。この手の連中は自分が何か気の利いた事を言ったつもりなのだろうか? それとも自分が朴槿恵はじめとする韓国反共極右勢力に対して勇敢に抵抗したつもりでいるのだろうか? 

「私は統合進歩党の政策や綱領を支持しないが…」だって? これを聞いた右翼は嘲笑って次のように言うだろう。
「だったら黙ってろよ。自分が支持してもいない政党がどうなろうと、おまえに何の関係がある?」

「進歩党の解散は国民や有権者の判断に任せるべきだ」だって? これを聞いた右翼は嘲笑って次のように言うだろう。
「だったら黙ってろよ。どっちにせよおまえも「進歩党が解散に値する集団」だと思ってるからそう言うんだろ? そうでなかったら憲法裁判所だろうが国民の判断だろうが、どっちが解散の決定下そうが同じだろ。憲法裁判所は、主権者である「国民」が判断を下す手間をわざわざ省いてやっただけなのに、何の文句があんだ?」

韓国の左派・進歩派知識人どものこうした言い草など、右の立場からすれば本当にお笑い種で、上記のように嘲笑われておしまいでしかない。当然朴槿恵政権を撃つような鋭さなど欠片もありはしない。こうした言い草というのは要するに、「自分らは統合進歩党のような『従北』じゃない。あんな連中と一緒にすんな。国家保安法撤廃や駐韓米軍撤収などと夢みたいな事ばかり言ってる『極左過激派集団』など消えてくれてせいせいしてる」という本音の表出なのである。だがそれをストレートに言ったらセヌリ党やそこらの極右団体と違わなくなってしまうので「自分らは飽くまでも『民主派』のような顔をし続けたいから、解散反対のポーズだけはしておかないと」という事で「解散反対・国民の判断で」という言い訳と言うか「免責事項」を臆面もなく付け加えるのだ。卑劣と臆病の極みとしか言いようがない。憲法裁判所の解散命令が不当で民主主義を破壊するものだと本心から思っているのなら、「統合進歩党の政策や綱領を支持しない」などと余計な事を言わず、単に「解散命令反対」「憲法裁判所糾弾」とだけ言えば済む話ではないか。

こうした卑劣極まりない言辞を弄した韓国進歩派知識人・言論人・政党の発言をいくつか以下に翻訳抜粋して列挙する。こういう連中を見ていると、最近の日本の左派・リベラル言論とどんだけ体質的にそっくりなのかが痛感させられよう。「憲法9条にノーベル賞運動韓国委員会」と併せて、こうした「韓国の民主派・進歩派」と言われて来た連中がいかに堕落した存在である事か! 日本の「戦後の9条と平和国家」がまともに実践されてこなかった美辞麗句に過ぎなかったように、こうした連中が担ってきた「韓国民主主義1987年体制」もまた壮大な虚構に過ぎなかったのである。いずれも両国の民衆を欺き、歪んだ「平和国家」「民主主義国家」というナルシズムで酔わせる道具でしかなかったのではないか。


http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/670422.html?_fr=mr1
[金東椿コラム]それでも進歩政党は必要だ

聖公会大学教授・金東椿曰く
「制度圏に入って来た統合進歩党指導部の路線と形態に大きく失望した。
だが私は今度の憲法裁判所の決定は、重武装した大王蛙が死につつある在来種蛙を相手に井戸の中で戦争を繰り広げたものと見る。統合進歩党の時計が5.60年代で止まっているなら、今回の憲法裁判所の時計はヨーロッパの19世紀、我が国では朝鮮時代で止まっている。

金東椿本当に終わってんな…。以前はもっとまともな学者だと思ってたんだが。頭の中身が大昔で止まってんのはあんたの方じゃねえのか。


http://www.pressian.com/news/article.html?no=122597
緑の党「統合進歩党解散に沈黙する野党、公安政局を傍観?」
「民主主義後退させた憲法裁判所決定、市民達が声を上げてくれ」訴える

韓国緑の党曰く
「私は統合進歩党の綱領と政策を支持しません。おそらく多くの国民達も統合進歩党を支持しない事でしょう。ですが、考えが違うという理由で政党を強制解散させる、こんな国では真正な自由を享受して暮らす事は出来ません。市民の方々が声を上げてくれる事を節に訴えます」
「政党に間違いがあったなら、これを審判する唯一の主体は有権者・国民です。今日憲法裁判所は、国民が憲法を守れと委任した権力をデタラメに濫用して民主主義を後退させました。憲法裁判所が下した決定は非常に無理で政治的な決定でした。このような決定を傍観した場合、これからどんな事が起こるか心配です。公安政局がまた復活しないという保障はありません。」

緑の党共同代表・河昇秀弁護士曰く
「私は統合進歩党を支持しない。緑の党には緑の党の綱領と政策がある
「小さな院外政党だが、緑の党は本日の誤った決定に対して絶えず問題提起して、民主主義が後退しないようにする。市民達におかれても、他人事だからと傍観せずに関心を持ってくれ」

はい、緑の党です。韓国と言えども、しょせん「戦争賛成左翼」の緑の党は緑の党という事か。統合進歩党の政策を支持しないとか言うけど、進歩党だって緑の党と同じく原発廃止や自然保護を政策に掲げてたはずなんだけどね。韓国緑の党には、日本の都知事選で細川・小泉組を支持したという「前科」もあったよねえ。
将来北へ「人道的介入」する事になったら、韓国緑の党は誰よりも真っ先にそれにバンザイします! ドイツ緑の党がユーゴ空爆やリビア侵略に賛成したように! その為にも邪魔な「従北」の統合進歩党が消えてくれてせいせいしたぜ!
ちなみにこの記事では新政治民主連合(旧民主党)も緑の党と同じで「解散は国民の判断に任せるべき」と言っていると伝えている。新民主連合の代表的な議員達はみんなそう。


http://m.zum.com/news/home/18488318
新政治民主連合非常対策委員長・文喜相曰く
統合進歩党の綱領には反対だが、政党解散は先進民主主義国家で前例がない

http://economy.hankooki.com/lpage/politics/201412/e2014121915113396380.htm
新政治民主連合議員・安哲秀曰く
憲法裁判所の決定を尊重する」
統合進歩党の活動に同意しないとしても、政党解散決定という重大事案は憲法裁判所でなく、国民と有権者が審判すべき役割と思う」

http://cdy21.tistory.com/1890
新政治民主連合常任顧問・鄭東泳曰く
「統合進歩党が解散されるかもしれないと思うが、しかしそれは憲法裁判所の決定ではなく、選挙を通じた国民の集合的意思によって選択されたり判断される問題だ。統合進歩党解散に反対する」


http://poweroftruth.net/column/mainView.php?kcat=&table=impeter&uid=706
憲法裁判所「統合進歩党解散審判」なぜ急いだのか?

韓国の著名政治ブロガー「アイアムピーター I am Peter」曰く
「アイアムピーターは統合進歩党を支持したり、彼らの主張に賛成はしません。しかし憲政史上初めて提起された政党解散申請決定があまりに早いという点で、不正判決あるいは権力の侍女として性急に幕を引こうという点で憲法裁判所の有様に批判的です。」
「アイアムピーターは、統合進歩党の解体と今後は1992年の民衆党のように政治有権者の論理によって決定されねばならないと思う。」

このアイアムピーターというのは向こうではかなり有名な政治ブロガーとして通っている所なのだが、例によって「進歩党を支持しないけど、憲法裁判所のやり方には反対」という典型的な免責事項論理。しかも進歩党の解散は「有権者の論理」で決めろとまでいう。ようするにアイアムピーターとやら(緑の党や民主党もそうだが)は、最初から統合進歩党が解散してしかるべきと考えている訳だ。そもそも統合進歩党がどうして解散しなければならないのかという根源的な話なのに。そんな問題や理由はどこにもない。従って憲法裁判所にも有権者にも今同党を解散させる必要性など全くないのだ。それなのに「有権者の論理」云々というのは、「民主的な手続きなら解散もオッケー」という事で、最初から進歩党は目障りで嫌いだからいなくなって欲しいというだけの話だろう。


http://www.etoday.co.kr/news/section/newsview.php?idxno=1043142
盧武鉉時代に政策室長や副総理などの要職を歴任した国民大学教授・金秉準曰く
統合進歩党を支持しない。古い理念にとらわれているのも嫌だし、扇動的で暴力的なのも嫌だ一部指導者達の言葉遊びや「イルクン」だなんだという北朝鮮式表現はなおそうだ。理解出来ず、理解したくもない
「だがこれを解散させる問題においては考えが違う。誰もが言う事だが、民主社会において政党の命は基本的に有権者の手に任せねばならない。少数意見を出した金二洙裁判官(9人の憲法裁判官で唯一反対した人:訳注)の言葉のように、憲法裁判を含む他の手段は「最終的で補充的な手段」に過ぎない」

はい、盧武鉉時代に副総理までやった学者もこんなもんですよ。本当に「誰もが言う事」しか言ってない。要するに北はもちろん「従北」も嫌いだっていうだけの話をもったい付けて言ってるだけ。進歩党の事を「古い理念」とか言って馬鹿にしてるけど、おまえこそただの古臭い反共主義じゃねえか。李承晩や朴正熙時代と何が違うんだ? レベル低すぎ。もっと「民主的」な手段で統合進歩党に引導渡せりゃ文句はなかった、ってだけの主張でしょ。ちなみに意外と日本では知られていない話だが、盧武鉉は大統領時代に国会で民主労働党(統合進歩党の前身)にものすごく辛く当たった。それこそハンナラ党以上ではないかというほどに。その政権の副総理だった人間の言う事であれば、ある意味「納得」ではあるが…。


韓国のいわゆる進歩派の大半はこのように「統合進歩党を支持しないけど、憲法裁判所の決定には一応反対」という、事実上の「進歩党みたいな従北集団が潰されてラッキー」という表明を一様に表明している。プレシアンなんか凄いよ。「統合進歩党みたいな従北集団が解散したおかげで、韓国進歩派は新しいスタートが切れる」とばかりに、今回の解散命令を肯定してるとしか思えない凄まじい記事をデカデカと載せてたくらいだから。この記事を読んだ時、筆者は次のような事を確信しました。

「韓国民主主義」完全終了! 大韓民国完全終了!

と。矛盾するような単語だが「反共左翼」というのは日本だけでなく韓国にもたくさんいる。韓国の「反共反北進歩」についてはまた後日、項を改めて論じたい。

 

大韓民国終了のお知らせ その2 憲法9条にノーベル賞運動篇(前)

「憲法9条にノーベル平和賞を!」とかいう例のキモさ限界な運動については前にも批判したが、それがついに韓国にも飛び火してしまった。すでに日本でも既報の通りだが、この運動の韓国委員会というのが発足してしまったのである。何考えてんだか。公式サイトは以下参照。

http://www.nobelpeace9.kr/
日本平和憲法9条ノーベル平和賞推薦韓国委員会公式サイト

気がかりなこの韓国側委員会推薦人のメンツについては公式サイトに画像で紹介されていたものの、今後の資料として役立てる為に改めてその名簿をテキスト化して以下に掲載しておきたい。中には「え、この人が何で?」という顔ぶれもいるだろうが、それだけ韓国の事情も日本と同じで右も左もない翼賛体制が進行しているという事だ。それにまつろわぬ者は統合進歩党のように力ずくで潰される。


・姜萬吉 강만길 Kang Man-kil カン・マンギル
1933生 歴史学者 高麗大学名誉教授

・姜禹一 강우일 Kang U-Il カン・ウイル
1945年生 カトリック済州教区長

・姜大仁 Kang Dae-In カン・デイン
1947年生 対外文化アカデミー院長

・高建 고건 Goh Kun コ・ゴン
1938年生 元・国務総理

・権永吉 권영길 Kwong Young-Ghil クォン・ヨンギル
1941年生 元・民主労総委員長 元・国会議員 元・民主労働党代表

・金炳翼 김병익 Kim Byung-Ik キム・ビョンイッ
1938年生 文学評論家 元・文学と知性社発行人

・金成勲 김성훈 Kim Sung-Hoon キム・ソンフン
1939年生 元農林部長官 元・常志大学総長

・金泳鎬 김영호 Kim Young-Ho キム・ヨンホ
1940年生 社会責任投資理事長 元・産業資源部長官

・金禹昌 김우창 Kim Woo-Chang キム・ウチャン
1937年生 文化批評家 高麗大学名誉教授

・金元基 김원기 Kim Won-ki キム・ウォンギ
1937年生 元・国会議長

・金鎭炫 김진현 Kim Jin-Hyun キム・ジニョン
1936年生 世界平和フォーラム理事長 元・科学技術庁長官

・金哲洙 김철수 Kim Cheol-Su キム・チョルス
1933年生 元老憲法学者 ソウル大学名誉教授

・金哲奉 김철봉 Kim Chul-Bong キム・チョルボン
1952年生 牧師 大韓イエス教長老会高神総会長

・金炯旿 김형오 Kim Hyong-O キム・ヒョンオ
1947年生 元・国会議長

・金喜中 김희중 Kim Hee-Joong キム・ヒジュン
1947年生 大司教 カトリック主教会議議長

・道法 도법 Do Beop トボプ
1949年生 僧侶 仏教曹渓宗和諍委員長

・朴寬用 박관용 Park Kwan-Yong パッ・クァンヨン
1938年生 元・国会議長

・朴南守 박남수 Park Nam-soo パッ・ナムス
1943年生 天道教教領

・朴孟浩 박맹호 Park Maeng-Ho パッ・メンホ
1933年生 図書出版民音社代表

・朴仁相 박인상 Pak In-Sang パッ・インサン
1939年生 労使発展財団理事長 元・韓国労総委員長

・朴正子 박장자 Park Jeong-Ja パッ・チャンジャ
1942年生 演劇人 韓国演劇人福祉財団理事長

・白楽晴 백낙청 Paik Nak-Chung ペッ・ナッチョン
1938年生 ソウル大学名誉教授 創作と批評編集人

・雪靖 설정 Seul Jung ソルチョン
1941年生 僧侶 修徳寺方丈 元・曹渓宗中央総会議長

・申庚林 신경림 Shin Kyeong-Rim シン・ギョンリム
1936年生 詩人 芸術院会員

・辛仁羚 신인령 Shin In-Rrung シン・インリョン
1943年生 元・梨花女子大学総長

・安載雄 안재웅 Ahn Jae-wong アン・ジェウン
1940年生 牧師 元・YMCA全国連盟理事長

・李萬燮 이만섭 Lee Man-Sup イ・マンソプ
1932年生 元・国会議長

・李文烈 이문열 Lee Moon-Youl イ・ムニョル
1948年生 小説家

・李富栄 이부영 Lee Bu-Young イ・ブヨン
1942年生 韓日協定再協議国民行動代表

・李善宗 이선종 Lee Sun-jong イ・ソンジョン
1944年生 元・円仏教ソウル教区長

・李城林 이성림 Lee Soung-rim イ・ソンリム
1945年生 元・韓国芸術人総連合会会長

・李世中 이세중 Lee Sae-Jung イ・セジュン
1935年生 環境財団理事長 大韓弁護士協会人権財団理事長

・李御寧 이어령 Lee O-Young イ・オリョン
1934年生 初代文化部長官

・李容勳 이용훈 Lee Yong-Hoon イ・ヨンフン
1942年生 元・大法院(最高裁)院長

・李鍾贊 이종찬 Lee Jong-Chan イ・ジョンチャン
1936年生 (財)友堂・李会栄奨学会理事長 元・国会議員

・李春羲 이춘희 Lee Chun-Hee イ・チュニ
1947年生 国楽人 重要無形文化財(人間国宝)57号

・李泰鎭 이태진  Lee Tae-Jin イ・テジン
1943年生 ソウル大学名誉教授 元・国史編纂委員長

・李洪九 이홍구 Lee Hong-Koo イ・ホング
1934年生 元・国務総理

・李效再 이효재 Lee Hyo-Chae イ・ヒョジェ
1924年生 元老女性学者 梨花女子大学名誉教授

・李熙子 이희자 Lee Hee-Ja イ・ヒジャ
1943年 太平洋戦争被害補償推進協議会常任代表

・林采正 임채정 Lim Chae-Jung イム・チェジョン
1941年生 元・国会議長

・張會翼 장회익 Zhang Hwe-Ik チャン・フェイッ
1938年生 物理学者 ソウル大学名誉教授

・鄭聖憲 정성헌 Chung Sung-Heon チョン・ソンホン
1946年生 DMZ平和生命園理事長

・鄭雲燦 정운찬 Chung Un-Chan チョン・ウンチャン
194年生 元・国務総理

・趙廷來 조정래 Jo Jung-Rae チョ・ジョンレ
1943年生 小説家

・崔佛岩 최불암 Choi Bul-Am チウェ・ブラム
1940年生 演技人 少年財団後援会長 ソウル市広報大使

・韓勝憲 한승헌 Hahn Seung-Hun ハン・スンホン
1934年生 弁護士 元・監査院長

・韓陽元 한양원 Han Yang-Won ハン・ヤンウォン
1934年生 韓国民族宗教協議会会長

・黄晳暎 황석영 Hwang Suk-Young ファン・ソギョン
1943年生 小説家

・黄龍大 황용대 Hwang Young-dae ファン・ヨンデ
1952年生 韓国基督教長老会総会長

 
 
 
 
 

ハンナラ・セヌリ党系から民主党系に旧民主労働党系まで、文字通り韓国の右から左まで総網羅したかのような本当にロクでもない空恐ろしい顔ぶれだろう。日本で佐藤優現象だ、右も左もない社会運動の翼賛運動化だと言われてきたが、何の事はない。韓国でも全く同じような現象が進行していた訳だ。
日本の憲法9条にノーベル賞を受賞させるなど、どれだけ馬鹿馬鹿しくてキモい運動であろうか。「戦争せず、軍隊持たず、交戦権持たず」という9条の理念がこれまでロクに守られず、それどころか9条を保持したまま日本はますます軍拡化への道をひた走っている。9条が全く守られていない現実の中で「日本国民」とやらがやらねばならないのは「国に9条を実践させる事」だろう。それなのに「9条を保持する日本国民にノーベル賞を」などというのが、どれだけ現実逃避した醜悪な夜郎自大・自画自賛の極みである事か。挙げ句の果てには「もし受賞したら(日本で最も平和主義者にしてリベラルである)天皇陛下に授賞式に行ってもらおう」などという声も運動界隈では聞かれるという。先日、極右の安倍を大儀とばかりにねぎらった倭王・明仁に、である。ここまで来ると本当に何をかいわんやであろう。
対するかつて日帝の被害を受けた国の人間がやらねばならない事というのは、日本に本当の意味で9条を守らせる事であり、日本の軍拡化を排撃する事でしかない。それなのにこんなナルシーの極みである馬鹿な運動に賛同するなど、こうした「韓国社会の元老」どもは完全に血迷ったという事だ。
そもそも今韓国で現実に起こっている事を良く見てみるがいい。在米同胞おばさんことシン・ウンミ氏が右翼から「従北」だという事で爆弾テロをやられ、その被害者であるシン氏の方が国家保安法容疑で出国停止の上に取調べを受ける。先日統合進歩党が強制解散させられたが、憲法裁判官達が出したその最大の理由はやはり「従北」だったではないか。かつて韓国に留学に行っている時に「北のスパイ」にでっち上げられて一時は死刑判決まで受けた康宗憲氏の近況を人づてに聞いたのだが、氏は少し前までその自身のやり直し裁判の件で韓国に行っていたという。だが、進歩党強制解散のせいで情勢があまりに不穏になり、周囲の人々の勧めもあって急遽日本に戻らざるを得なかったそうだ。康宗憲氏や徐勝氏のような人々は、今は絶対に南に行くべきではない。冗談抜きで、どんな言いがかりを付けられてまた突然逮捕されるか分からないのである。康宗憲氏や徐勝氏やシン・ウンミ氏だけではなく、他の在外同胞もかなり危険であろう。特にこれまで北に行った事があるとか、日本で総連や韓統連と何らかの関わりがあったとか、朴槿恵に批判的であるとかそういう履歴や傾向が少しでもある者はみな危うい。そういう人達を無理矢理国家保安法容疑で引っ張ったり、右翼に暴力を振るわれたりといった冤罪逮捕や白色テロが間違いなく韓国ではこれから次々に発生するだろう。ただしKEYの界隈は全然オッケー。韓国の反共反北ファシスト勢力にとっては何も危険性がないから。それどころか歓迎してくれるんじゃね? 北の核実験の時に、それを涙ぐましいほどに激しく糾弾して南(と日本)への「帰属と忠誠」を表明した効果は伊達じゃない!(笑)
自国がこのように凄まじい勢いで維新独裁時代(どころか下手したら1940年代)に戻りつつある恐ろしい状況だというのに、日本の軍拡化をごまかす日本人の凄惨な現実逃避国民運動に賛同して協力する「韓国社会の元老」どももまた、日本側同様に恐ろしいほどの現実逃避ぶりである。筆者はこの「元老」達のツラを見ていると腹が立って仕方がないのだが、こいつらのやってる事は「現代版内鮮一体運動」そのものでしかない。比率的には事の本質がまるで分かってないある意味純真な「アホ」と、ワルの確信犯(未必の故意犯含む)が半々くらいではないかと思う。だが「アホ」であれ「ワル」であれいずれも重かれ軽かれ罪がある事に変わりはなく、これだけとんでもない悪逆な運動に「知らなかった」では済まされない。

日本鬼的軍国主義就是不死!
韓国的反共全体主義就是不死!

「日本鬼的軍国主義」と「韓国的反共全体主義」のまさに橋渡しでしかないこの運動に関わった「韓国社会の元老」どもへの個別の突っ込みは次回で言及したい。
(その3 憲法9条にノーベル賞運動篇(後)に続く)

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