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「思慮ある者」が「思慮なき者」をカモにしたゲーム~艦隊これくしょんと刀剣乱舞 その2

・有明か? 九段か?

以下の写真を御覧下さい。醜悪な旧日本軍のコスプレイヤーが大勢写っていますが、ではここで問題です。この写真が撮られた場所と日時は次のうちどれでしょう?





1)東京国際展示場 in 2015.08.14
2)靖国神社 in 2015.08.15

正解は…もちろん2番です。詳しくは元ネタであるハンギョレ韓国本家の記事参照(日本語版ではなぜか未訳記事)。が、しかし…
1と答える人がいても不思議はないし、当たらずとも遠からずというのが正直な所だ。と言うのも、それだけ今のコミケにはこの手の旧日本軍コスプレイヤーがあふれている。これらが最近特に激増した理由は言うまでもなく艦隊これくしょん(艦これ)の影響だ。艦これが配置されるブースにはこの手の連中が腐るほどいる。腐って腐臭を放つ、ゾンビ映画のゾンビ大群のごとく大量にいる。石を投げれば旧日本軍コスプレイヤーに当たると言っても過言ではないほどいる。筆者は今年の艦これ配置日つまり14日には行っていないのだが、去年の時にはちょうどその日にぶち当たってしまい、そうしたおぞましい光景を見せ付けられる事になった。おそらく今年も寸分違わぬ、いや、もっと酷い有様になっていた事だろう。艦これというゲームの中では自分の本拠地を「大本営」だか「鎮守府」だとか言い、プレイヤーが旧日本軍の軍艦を擬人化した美少女キャラを侍らせたハーレム状態の中で「提督」と呼ばれる、戦争シミュレーションなのかギャルゲーなのかよく分からないゲーム(実際に戦闘シミュレーション部分は同ジャンルゲームの中でも最低に近い出来と言われ、文字通りゲームになっていない超クソゲーという)なのだが、それにイカれたプレイヤーが旧日本軍のコスプレをし、コミケ会場で艦これの美少女キャラに扮したコスプレイヤーから「提督」などと言われて悦に入る…。そういう限度を超した薄気味の悪い場と化しているのが今のコミケ(並びに艦これオンリーイベント)だ。
ただし、今のコミケしか知らない者には信じられないかもしれないが、昔のコミケは旧日本軍のコスプレが禁止されて、そうした扮装をした者は追い出された。少なくとも90年代初頭の晴海で行われていた時にはそういう時代がほんの一時期(だけ)あった。相当な古株なら知っている者もいようが、そのような記憶を保持する者は少なくなり、その事を証言する者はさらに少なくなった。とは言え、かつて一時期のコミケで旧日本軍コスプレが禁止された理由というのは、コミケの存在が海外にも知られて外国からの来場者が増え始めた時期で、それに配慮したからに過ぎないという。つまりよその目を気にしての事だった訳で、コミケが今のように巨大化せず少数の日本国内マニア向けイベントとして細々と続いていたなら、「よその目」を気にする必要もないので当然旧日本軍コスプレも禁止される事はなかっただろう。現実にはコミケはその後も膨張を続け、外国からの参加者もそれに比例してさらに増えたにも関わらず、日本社会の右傾化とそれに付和雷同するオタク業界の流れに完全にシンクロして現在に至っている。かつてのように外国の目を少しとはいえ気にする気配りすらも全くなくなり、旧日本軍や艦これのコスプレはお咎めなしのヤり放題だ(その前にはヘタリヤの大流行というのもあったが、これも元作品の人種・国籍差別的内容が全く問題にされなかった)。巨大化しようとまいと、どちらにせよ結局コミケが人種差別や日本軍国主義の象徴を無批判に受け入れる場になっていたのは避けられなかったという事だろう。「表現の自由」の意味を完全に取り違えたオタクの最も悪しきパターンではないか。それだけコミケの艦これ配置日と8月15日の靖国神社は見分けがつかなくなっている。


・日本の同人業界やオタク業界がそんなにエライのか?

今のコミケとはそういうどーしょーもないイベントだが、今回のコミケのサークル参加案内書(コミケットアピール)に

「以前も申しあげましたが、今の同人誌の世界の規模と賑やかさで、世の中から放っておかれることを期待するのは、なかなか難しいものがあります。逆に無視されるくらいの存在でしかなかったら、TPPにおける著作権の非親告罪化において、政府が同人誌をひとつの文化と捉え、これに配慮して交渉に当たっているような現状などあり得なかったでしょう」

と書かれていて、筆者は唖然とした。要するに自分らのような活動をする者が増えた影響を政府が無視出来なくなった、同人オタクが世の中や国を動かしたんだと言わんばかりの、とんでもない自画自賛・夜郎自大のアピールである。しかしながら今の日本の国策の一つこそ「クールジャパン」ではないか。周知の通りこれは「日本が世界に誇るコンテンツ(漫画、ゲーム、アニメ、二次元萌え美少女キャラのようなオタクコンテンツや、AKBに代表される合法三次元JKビジネスなど現代日本式女衒ビジネスの類)」とやらを大々的にアピールして売り出し、また日本という国家そのもののプロパガンダにも利用するというものだが、そう考えればなぜ日本政府がわざわざTPPであのような交渉をする腹の内が容易に理解出来るではないか。日本政府が著作権の非親告罪化に抵抗する(振りをしている)のはこれまた自国の国策・国益に過ぎず、自国の大事な輸出商品にしてプロパガンダネタである「クールジャパン」コンテンツを悪用する事の旨みに気付いたからでしかない。オタク達の「言論・表現の自由」を守る為ではなく、オタク層を国策・国益に奉仕させる方向へ誘導する為にやっているだけだ。著作権の非親告罪化はとんでもない話であり、筆者も絶対に反対である。だが、今の日本で進行しているのはそれを口実にしてオタクコンテンツの類を国策・国益に取り込もうとしている動きと、一部のオタク(コミケ準備会や漫画家の赤松健が代表例)がそれに便乗して権力に取り入ったり利権確保に走っているに過ぎないのではないか。赤松が一時期推進した「同人マーク」の事を思い出すが良い! 前述のコミケアピールでも「〈場の継続に向けた意思〉を明記し、様々な形で味方や仲間をより増やしていくことで、コミケットの継続を実現していこうとしているのが現在の準備会です」とは言っているものの、その「味方や仲間」とやらは何者なのか。経産省や千葉県など官公庁の後援をもらった事を誇るなど、結局「お上」こそ一番の「味方や仲間」と言っているようにしか思えない。今の日本国家がどのような方向に向かっているかを一顧だにせず、ただ官公庁や地方自治体から後援してもらった、こちらも防災イベントなどでお上に協力した、では行き着く先は明白だろう。コミケ、ひいては同人誌界の報国運動化である。すでにそうなりつつあるが。「場の継続」とやらを何よりも最優先したあまり、他の大事な事をことごとく投げ捨てて体制に取り込まれる道を歩んでいる。それに「オタクエキスポ」のようなイベントを開催して悦に入ったり、「俺達のおかげで政府はTPPの交渉に配慮している」といった選民思想じみた歪んだ優越感はそれを大いにごまかす作用を果たす。これは「万世一系の天皇陛下を中心とする我が大和民族は世界で一番優秀」などと自画自賛していた戦前の(現在も)日本を彷彿とさせる。つまりこのままでは「日本政府は著作権の親告罪化に反対して俺達の表現の自由を守ってくれた。お上こそ俺達の創作活動を守ってくれるし、俺達オタク業界はそれを動かせるほど大きくなったんだ。日本バンザイ! 日本のオタク文化バンザイ! それに同調しない奴は非国民だ!」という方向に流れるのは必至だろう。コミケ準備会や赤松らの言動を見ていると、そうとしか思えない。「クールジャパン」という国策を冷笑しながら、実際には誰よりもそれに(意識的か無意識的かを問わず)取り込まれて結果的に同調しているオタクは思いの他に多いのである。TPP交渉の結果がどう転ぼうと、コミケや表現規制反対運動を含む「オタク業界」の大勢はますます御用運動・報国運動化していくのは間違いない。日本の同人誌の世界でこうした風潮に抗して己の流儀を貫く事は本当に難しくなるだろう。これからこの世界に入ろうとする者は、その事を十分肝に銘じておくべきだ。
「例えコミケが潰れても関係なく俺は行く道を行く! 自己流を通し、己のやりたい創作活動を続ける! お上の国策・国益糞食らえ。馬鹿の多数決に従う義務はない!」
このような気合を貫ける人間が、今の世に果たしてどれだけいるだろうか? 


・角川ゲームス、竹取物語に学ぶ?

前回述べた艦これの韓国輸出問題について、思う所をもう少し追加して述べておきたい。
前回の記事をお読みになれば分かる通り、2014年に韓国のゲーム会社数社が艦これを輸入しようと考えて交渉を始めた所、同ゲームの運営元であるDMMは乗り気だったのだが、ゲーム中の画像などを一切修正したり改変出来ないというライセンス問題(これは明らかに開発元である角川ゲームスの意向であるのは間違いない)が引っ掛かって話が流れたというものだ。実際に艦これのキャラには旭日旗など日帝の意匠が描かれたものが多く、それを修正せずそのまま韓国のゲーム市場に持って行く事は出来ないだろう。かくして「怪我の功名」とも言うべきか、艦これの韓国正式輸出は幸いにも頓挫したのである…。
ここで一つの疑問が浮かぶ。幸い? 果たして艦これの韓国輸出頓挫は(このゲームに批判的な立場から見て)良い事だったのだろうか? よく考えてみると、このゲームの韓国輸出が決まって正式にサービスが開始された方が、最終的には好ましい結果を生んだのではないかと思えるからである。なぜか?

もし艦これが韓国で正式にサービス開始された場合、どのような事が起こるだろう。仮に旭日旗などの図柄修正が受け入れられ、そうした部分が変更されて「ローカライズ」された「韓国版艦これ」が向こうでサービス開始されたとする。だがいかにそのような小手先の修正をした所で「旧日本軍の軍艦の美少女化」「それによる日帝の侵略戦争の持つ歴史的意味のごまかし・曖昧化」といったこのゲーム自体が持つ本当の意味を糊塗し切れるはずもない。いかに親日国家・韓国と言えども、その事が簡単にばれて社会問題化するのは必至だ。ましてや「日帝植民地解放70年」という節目を1年後に控えた社会状況である。結果、「韓国版艦これ」は猛烈な批難の嵐に晒されて、1年も持たずにサービスそのものを続けられない状況に追い込まれ、これを韓国に輸入して運営していたゲーム会社も大打撃をこうむる(下手したら倒産)だろう。これは99%そうなったに違いないだろうと筆者は断言する。
もちろん話はこれで終わらない。韓国ではほぼ間違いなくそういう事が起こるだろうが、それが日本との外交問題に発展する可能性もかなり高かったと思う。そうなれば必然的に日本国内の艦これ運営サービスも影響を受け、ゲーム内容やキャラデザインの大幅な変更・修正などせざるを得なくなる。運営もサービス停止までは行かずとも、様々な打撃で制約を受ける事になりかねない。角川ゲームスの稼ぎ頭だったゲームが、韓国輸出という目先の欲に目が眩んだばっかりにパーになるという、この上なく爽快かつ天網恢恢疎にして漏らさずという近年稀に見る好展開が待っていたかもしれないのである。ハッピーエンドッッッッ!

…が、実際にはそうならなかった。他ならぬ「ライセンス問題」で輸出に難色を示した角川ゲームスのせいである。せっかくマヌケなDMM側は乗り気だったというのに! 角川さえ首を縦に振っていれば、今頃韓国でも日本でも艦これとそのビジネスは大炎上に…そう思うと筆者は残念で仕方がないのだが、ここでまたしてももう一つ別の考えが成り立つ。つまり、あの時角川が「ライセンス問題」を持ち出したのは果たして単なる偶然だったのだろうか、と。角川が時には「知財ゴロ」とまで言われるほど、その手のライセンス問題に悪どくてセコイのは広く知られた話である。その方面について言えば、角川ほど恥知らずな企業もない。だからといって自社製品の海外輸出というビジネスチャンスをふいにしては何にもなるまい。どこよりも「クールジャパン」そのものである角川が? 今やニコニコ動画のドワンゴ(麻生財閥と密接な関係)と経営統合して、文字通り日本の「国策会社」そのものと化した角川がなぜ? 

これから述べる事は飽くまでも筆者の推測だが、だからこそ角川は艦これの韓国輸出にむしろ歯止めを掛けたのではないだろうか。つまり、もし艦これを韓国に輸出しようものなら、このゲームの「旧日本軍戦艦の美少女化」という極めて不道徳なテーマが即座に露見して大問題になるという事を、角川は気付いていたのだと思う。韓国輸出という目先の欲にとらわれてそれをやってしまったら、後で大変な騒ぎになって元も子もなくしてしまう。元より艦これのようなビジネスは日本国内でのみ通用し、完結すべき性質のものではないか。日本でオタク向け萌えキャラ商売と、軍事大国化日本の国策に沿ったエンターテイメントとして展開されればそれで良い。むしろこれが大々的に外国に広まってしまっては、かえって批判や外交問題を生み、それこそ「国策会社・角川ドワンゴグループ」としての本分に背く事になる。角川というのはゲームビジネスと関わって長く、主にゲーム雑誌から始まって自らもゲーム開発を手がけるようになり、その間この業界で起こって来た様々なトラブルや事件も多く見聞したり体験してきた。つまりノウハウだけは海千山千であり、輸出ゲームをその国向けの内容に対応してアレンジする「ローカライズ」の問題についても敏感だ。艦これが小手先のローカライズで輸出用にどうこう出来る性質のものでない事は最初から自分らも分かっていたのだろう。だが、それをDMMや韓国側のゲーム会社にストレートに言っては、色々と角が立って後で薮蛇になりかねない。そこで「ライセンス問題の関係で、ゲーム中の画像を一切変更・修正出来ない」という無理難題を吹っかけて断る口実にしたのではあるまいか。それこそあたかも昔話のかぐや姫が求婚を断る口実として無理難題を吹っかけたように。

…繰り返すがこれは飽くまでも筆者の推測であり、角川があの時どのような判断で断ったのか本当の所は分からない。だがこれだけははっきりしている。少なくとも角川ドワンゴグループ(角川ゲームス)というのは、同じようなゲームを作っていてもニトロプラス&芝村裕吏(笑)のような単純マヌケ右翼集団と違って、ゲーム事業の積み上げてきたノウハウも、会社の規模も、そして日本のエンターテイメント業界での位相(格)も違い過ぎるという事だ。今の角川ドワンゴというのは、言うなれば満州国における満州映画協会(満映)のようなポジションであり、事実上の国策エンターテイメント会社である(今や読売より影響力がある?)。だからこそ艦これの韓国輸出という軽挙妄動はしなかったのだろう。今現在もし艦これを輸出して、日本側と韓国側とでどちらに利得(損失)が大きいか? 少なくとも角川がこういう「国策会社」としての計算をキッチリしていたとしても全くおかしくない。芝村裕吏ごときとは違って(笑)。それどころか、ニコニコ動画では朴槿恵の妹である朴槿令の親日妄言を引き出して世界中に晒し者にしてみせたではないか。非常に腹立たしい事に、安倍談話の発表を前にしてこれがどれだけ韓国側に冷や水を浴びせて、日本側を有利に傾けたか計り知れない。これこそまさに「日本の国策会社」の面目躍如である。角川ドワンゴグループがこの間にどれだけ日本のエンタメ業界で国策・国益に忠実なプロパガンダ事業を巧妙に展開してきたか、それを警戒しなければならない。「ニコニコ超会議」にいたってはすでにコミケのお株を奪いつつあるではないか。だからこそニトロ&芝村組の「刀剣乱舞」よりも、角川ドワンゴグループの「艦隊これくしょん」の方がはるかに手強く厄介な強敵なのである。

もし今後コミケが何らかの理由で継続が困難になった場合、角川ドワンゴ(あるいはそれに類する他の大手エンタメ企業。もちろん一社ではなく複数の企業体の可能性も)が「救済」に乗り出すのではないかとも筆者は考えている。このように影響力のある貴重な扇動やプロパガンダの場を、「国策」の観点からむざむざ潰すはずがない。そして今のコミケ準備会首脳部はそれに抵抗するどころか、諸手を挙げて歓迎するだろう。「場が継続出来た! お国や角川ドワンゴのような大企業が俺達オタクの影響力をこんなに高く買ってくれた!」と。

【近未来物語 in 20xx年】
…20xx年の記者会見、角川歴彦相談役(佐藤辰男か川上量生でも可)曰く
「新会社の社名は『角川ドワンゴコミケット』ですッッッッ!」

…冗談はともかく、艦これの韓国輸出は契約成立していた方が最終的には良かった。そうなれば間違いなく韓国で大きな社会問題になり、韓国の運営会社も倒産しかねないほどの大打撃を受けて、向こうの歴史を冒涜する軽はずみなユーザーや無節操なゲーム業界への良い「教訓」にもなった。そうなれば外交問題から飛び火して、日本の艦これビジネスも大きなダメージを受けたに違いない。この手のゲームに対する批判や問題提起としてはむしろその方が良かったのだ。もし艦これの開発会社がニトロプラスだったら間違いなくそうなっていただろう(笑)から、返す返すも残念である。

いずれにせよ、こうした「美少女やイケメンのキャラという糖衣で包んだ日本鬼的軍国主義の発現」についてはユーザーの方も警戒を怠ってはならない。日本側だけでなく、韓国や中国の側は特にだ。韓国で艦これや刀剣乱舞の問題を論じているサイトなど見ていると「これらは無思慮な(생각없는)ゲームに過ぎない」などとしたり顔で語っている例が散見された。これは誤りである。「無思慮」なのはこうしたゲームを世に送っている日本側(DMM、角川、ニトロプラス)などではなく、それに込められた意味を読み取れずにひたすら美少女キャラやイケメンキャラにイカれている頭も尻も軽い韓国・中国側のユーザーの方だ。VPNを介してまでこうした日本の右翼ゲームをやりたがる「思慮なきアホ」を、それよりも狡知に長けた日本側の「思慮ある悪党」がカモにしたゲーム。韓国人や中国人が「艦隊これくしょん」や「刀剣乱舞」に熱中するとはそういう事であり、その事に早く気付かねばならない。美形ぞろいのナチス親衛隊や望月三起也の「ジャパッシュ」ではないが、こういう美少女やジャニーズ系の戦争ごっこというのは、実は結構恐ろしい影響力を持つものである。それが例え二次元であっても。


・刀剣乱舞の制作関係者は芝村だけが極右なのか?

刀剣乱舞の設定担当者である芝村裕吏は例の大東亜共栄圏発言に留まらず、その後「自分は極右」とまで開き直っており、この男の面皮極厚ぶりはどこぞの犯罪組織幹部&その元ネタ総理(笑)並みと言っても過言ではない。

「芝村裕吏面皮極厚、対嘲諷置若罔聞」(芝村裕吏はツラの皮が分厚く、嘲笑われても聞き捨てている)

芝村という男はまさに日本のオタクのあらゆる醜悪な部分ばかりを一身に寄せ集めたような存在であり、その限りでは貴重なサンプルケースとして、データ採取用に「保護」の対象とすべきかもしれない。
だが、刀剣乱舞というゲームの右翼的要素はこれだけではない。おさらいして言うと、このゲームの敵は「歴史修正主義者」で、主人公(プレイヤー)側はそれを阻止する為に政府の命を受けてそれらを倒しに行くという設定となっており、つまり現実の日本社会で起こっている事とは「歴史修正主義」の意味を全く逆転させているのだ。おまけに敵の中には「合同左派部隊」「太平洋戦争阻止部隊」というものまで登場する。これは設定者である芝村の極右性向がモロに表れた例で、左派を敵に見立てているのはもちろん、「太平洋戦争阻止部隊」が敵というのは「太平洋戦争は正義の戦争であった(だからそれを阻止しようなどという奴は悪い奴だ)」という皇国史観そのものの戦争観・歴史観が明確に表れていよう。
そういうゲームを、イケメンキャラに惑わされた一部韓国人や中国人達までが熱中するというのは何たる喜劇かと思う。いや、そうしたキャラクターデザインの効果や影響こそ警戒すべきか。この件は我々に一つの教訓を与えてくれる。それは軍事や経済による力ずくの侵略行為よりも、精神・文化面での侵略(ソフトパワー?)の方がはるかに恐ろしい場合が往々にしてあるという事だ。

だが刀剣乱舞制作関係者でここまであからさまな極右というのは芝村一人だけなのだろうか? 意外と見過ごされている事実を参考までに一つ指摘しておきたい。
刀剣乱舞の売りである多くのイケメンキャラは何人ものイラストレーターによってデザインされている。その中の「山伏国広」というキャラを描いた公式イラストレーターはミドロという人物なのだが、この者はこれまでに旧日本軍や日帝を美化する絵を何枚も描いているいわくつきの絵描きなのだ。以下ミドロの公式サイトにはそうした絵がいくつもある。

http://nationaltragedy.oiran.org/
ミドロの公式サイト(アドレス名が「national tragedy 国家的悲劇」って…こいつの考える「国家的悲劇」って一体…)

中でも強烈なのが以下の二つだ。21世紀の現在、ここまでアナクロな絵を嬉々として描けるというのは、もはや小林よしのり並みだろう。はっきり言って恐ろしく胸糞悪い代物なので、くれぐれも閲覧は「自己責任」でお願いします。

http://nationaltragedy.oiran.org/ila43.html
学徒兵美化イラスト(閲覧注意!)

http://nationaltragedy.oiran.org/ila37.html
特攻隊美化イラスト(閲覧注意!)

いや、純粋に画力で言えばミドロの方が上なので、この者はある意味すでに小林よしのりを超えていると言っても良いだろう。この手の美形キャラを売りにしたゲームやアニメなどでは、男性向けの美少女キャラよりも女性向けのイケメンキャラをデザインするのがはるかに難しくて高いセンスを要求される。それは他ならぬ艦これと刀剣乱舞のキャラを比較すれば容易に理解出来るだろう。その手の美少女キャラというのは制服っぽかったり露出の高い衣装をテキトーに着せれば一丁上がりだが、イケメンキャラはそうはいかない。ウケる女キャラよりもウケる男キャラを描く方が圧倒的に難しいのである。純粋にキャラデザインのセンス云々という部分に関してだけ言えば、艦これよりも刀剣乱舞に軍配が上がるだろう。男性向け女性向けの違いはあるにせよ。もちろんパクリ疑惑に目をつぶれば、の話だが(笑)。

それはともかく、これはもう何をかいわんやだろう。公式の絵描きにもこういうのがいた、つまり刀剣乱舞というゲームの制作陣でしょーもない極右というのは芝村一人ではなかったという事だ。以前、艦これのあるキャラと昭和天皇のツーショットという凄絶な地獄絵図(だが、艦これというゲームの本質や目指す所とは最も合致している)がピクシブに投稿され、そのイラストに付けられた読者コメントもまた「8月15日の靖国状態」になっているというおぞましい話があった(ある)のだが、これはそれでもファンの描いたイラストである。刀剣乱舞の場合は公式の絵描きからしてそういう絵を好んで描いている確信犯なのだから、もっととんでもないだろう。
一連の刀剣乱舞騒動があり、その過程でニトロプラスや芝村裕吏の妄言や泥縄的醜態に様々な批判もされてきたが、なぜかこのミドロの絵は日本で言及されていないような気がする。かくいう筆者も、刀剣乱舞騒動に対する韓国側の反応などを調べているうちに偶然知った事だった。あるいはもっと調べればこうした絵描きはミドロ一人だけではなく、他にも同じような性向の描き手がまだいるかもしれない。昔の人間は良い格言を残したものだ。ゴキブリを1匹見かけたら、他に30匹は隠れている、と。パクリ疑惑云々の他にも、このゲームの公式イラストレーター陣にはとんでもない連中がもっと潜んでいると疑ってかかるべきだろう。

もっとも、世の中にはツイッターで反戦左翼っぽい一見まともそうな事を言いながら艦これジャンルで活動(シノギ)しているという、訳の分からない同人作家もいるが。そういうエラソーな事は、せめて艦これジャンルの活動やめてから言いなさいよと切に思う。こんなしょーもない作家の発言が好意的にリツイートされたり引用されているのを見ると、見ているこっちが情けなくなってくる。画力云々という話ではなく、低劣な作家という点において、この艦これ同人作家はミドロや先述のピクシブ投稿者といい勝負ではないか。

8月14日のコミケ、同人業界の大勢、艦これと刀剣乱舞に関わる一連の出来事、そして日本社会全体…。それらを見聞して「毎日が8月15日の靖国状態」という印象を受けた、そんな2015年の8月であった。

(終)
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前回の記事にちょっと付け加えて―ジョン・ダワーの危険性

前回の記事に少し付け加えておきたい事がある。

ジョン・ダワーこそ
「戦後日本で私が最も称賛したいのは、下から湧き上がった動きです。国民は70年の長きにわたって、平和と民主主義の理念を守り続けてきた。このことこそ、日本人は誇るべき」
という「敗北を抱きしめて」すなわち戦後日本礼賛論の教祖なのではあるまいか。今にして思うと佐藤優を髣髴とさせる気持ち悪いおべんちゃらで、これほどある種の日本人の琴線に触れる言葉はあるまい。SEALDs某政治ブロガーは、戦後日本と日本人自身を褒め称えてくれるダワーの言葉を単に心地良いと思っているようだが、安倍晋三菅義偉らはそれ以上だ。「ダワー語録」が日本人として気に入っただけでなく、政治的にも大変利用し甲斐がある事に気付き、もっと多くの事をそこから「学んで」軍事・安保・外交政策に悪用(予定されている「戦後70年安倍談話」とやらはまさにそうなりそうだ)しているのだから。
はっきり言って「戦後史の正体」を読んで感動している人間も、「ダワー語録」や「敗北を抱きしめて」や「日本の歴史家を支持する声明」を読んで感銘したり涙ぐんでいる人間もどちらも愚かである。ダワーという「戦後70年日本は平和国家だった教」の「開山祖師」の教えを深く信仰しながら「俺達は安倍とは違う」「安倍に反対している」とか、あり得ないにも程があろう。同じ教祖の教えを聞いても、安倍や菅の方が一枚も二枚も上手であるという事に気付いてない時点でどうかしている。

戦後日本の実態とあまりにかけ離れたダワー言説の欺瞞性にこそ気付いて、それを撃たなければならない。ダワーはそもそも倭王明仁を平和主義者として持ち上げている人間であり、これはオバマの発言と同じでアメリカが日本を都合よく動かす為の国策に沿った発言だろう。そういう学者であるという点で、ダワーは実は孫崎のようなマヌケよりもはるかに(学者としてのこれまでの功績を全否定する訳ではないが)危険で厄介な相手だ。戦後日本の「平和国家神話」を粉砕する為には、いつかダワーはもっと徹底的に厳しい検証を受けて批判されなければならないと思う。今や安保法案を推進している側からも反対している側からも厚く信仰されている危険な邪教祖(それが本人が当初から意図したものであるかどうかに関わらず)としての側面を。ダワーが両陣営から持ち上げられているという、ここにも佐藤優現象的な臭いが強烈に漂う。

2015年現在日本最大最凶のカルト「戦後70年日本は平和国家だった教」

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201503/2015031400343
戦後70年、平和の歩み不変=岸田外相

岸田文雄外相は14日、インドネシアのカラ副大統領、シンガポールのシャンムガム外相と仙台市で個別に会談した。岸田氏は「今年は戦後70年の節目の年だが、日本の平和国家としての歩みは不変だ。積極的平和主義の下、地域と国際社会の平和と安定に一層貢献していく」と表明、日本の外交方針に理解を求めた。 (2015/03/14-19:39)


官房長官・菅義偉公式ブログより抜粋
http://ameblo.jp/suga-yoshihide/entry-12027349633.html
 2015-05-16
平和安全法制を閣議決定:国民の生命を守る

我が国は戦後70年間、一貫して平和国家としての道を歩んできました。
我が国の安全を守るだけでなく、世界の平和と繁栄に大いに貢献してきました。
今や世界各国から評価されている平和国家としての歩みは、これからも不変です。
安倍内閣は外交を通じて平和を守り、積極的な平和外交を展開して参ります。

同時に、万が一への備えも怠ってはなりません。
北朝鮮問題など、我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していることも事実です。
国民の命と平和な暮らしを守ることは、政府の最も重要な責務です。

そのために今回、「平和安全法制」を閣議決定しました。

日米同盟を強化すると同時に、域内外のパートナーと信頼および協力関係を深める。
その上であらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法整備を進めるものです。


日本国内閣総理大臣・安倍晋三曰く
http://www.kantei.go.jp/jp/97_abe/statement/2015/0709csis.html
平成27年7月9日CSIS主催シンポジウム「20世紀のグローバル・ヒストリーの省察―21世紀の新しいビジョンに向かって」における安倍内閣総理大臣挨拶

戦後、我が国は先の大戦に対する痛切な反省の上に立ち、一貫して平和国家として歩んできました。そして、奇跡と言われた経済発展を成し遂げ、アジアを始めとする世界の国々と共に繁栄してきました。
 日本の歩みは、戦後独立を遂げた多くのアジア諸国のモデルとなりました。また、ODAやPKOなど国力に応じた国際貢献をたゆむことなく積み重ねてきました。
 更に日本の平和主義も90年代から平和を積極的に支える姿勢に転じてきました。私は、政権発足以来『国際協調主義の下での積極的平和主義』を掲げてきました。
 日本の近代史は、明治から開戦までが70年余、そして敗戦から今日までが70年です。これから戦後の方が長くなります。私は、戦後70年の日本の歩みを誇りに思います。


・安倍の退陣を迫り、安保法制にも反対している(という事になっているらしい)SEALDs曰く
https://twitter.com/sealds_jpn/status/621088173041430529
70年間平和を保ってきた日本がこれからどんな道を歩んでいくのか、その未来への責任は、今の大人たち全員が背負っている。」
15:45 - 2015年7月14日


・アメリカの日本研究者達の「最大公約数」声明より抜粋
http://www.asahi.com/articles/ASH575KGGH57UHBI01Y.html
日本の歴史家を支持する声明(全文)
2015年5月7日21時22分

 また、この声明は戦後70年という重要な記念の年にあたり、日本とその隣国のあいだに70年間守られてきた平和を祝うためのものでもあります。戦後日本が守ってきた民主主義、自衛隊への文民統制、警察権の節度ある運用と、政治的な寛容さは、日本が科学に貢献し他国に寛大な援助を行ってきたことと合わせ、全てが世界の祝福に値するものです。

署名者一覧
ジョン・W・ダワー(マサチューセッツ工科大学名誉教授)


・自分とこのアクセス数自慢が3度の飯より大好きな(笑)某政治ブロガー曰く
http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1402.html
KY復活の安倍晋三とジョン・ダワーの「日本の誇るべき力」

 このように安倍晋三や公明党の醜態ばかりが目立った先週にあって、一服の清涼剤とも言うべきは、8月4日付朝日新聞に掲載されたジョン・ダワーのインタビュー記事「日本が誇るべき力」だった。このインタビューについては、ダワーが岸信介や安倍晋三を批判した部分のみ『kojitakenの日記』に引用して紹介したが、実はこの部分などダワーのインタビューの中ではほんの枝葉末節に過ぎない。孫崎享や「小沢信者」に読ませたい部分ではあっても核心部ではない。インタビューの全文転載はむろん朝日新聞社の著作権を明白に侵害するので、以下いくつかの部分を抜粋して引用、紹介したい。なお、岸信介や安倍晋三を批判した部分は割愛するので、その部分については『kojitakenの日記』を参照されたい。

    (前略)
     ――その理念は、なぜ、どこから生じたのでしょうか。
     「日本のソフトパワー、反軍事の精神は、政府の主導ではなく、国民の側から生まれ育ったものです。敗戦直後は極めて苦しい時代でしたが、多くの理想主義と根源的な問いがありました。平和と民主主義という言葉は、疲れ果て、困窮した多くの日本人にとって、とても大きな意味を持った。これは、戦争に勝った米国が持ち得なかった経験です」
     「幅広い民衆による平和と民主主義への共感は、高度成長を経ても続きました。敗戦直後に加えて、もう一つの重要な時期は、60年代の市民運動の盛り上がりでしょう。反公害運動やベトナム反戦、沖縄返還など、この時期、日本国民は民主主義を自らの手につかみとり、声を上げなければならないと考えました。女性たちも発言を始め、戦後の歴史で大切な役割を果たしていきます」

    (中略)
     「繰り返しますが、戦後日本で私が最も称賛したいのは、下から湧き上がった動きです。国民は70年の長きにわたって、平和と民主主義の理念を守り続けてきた。このことこそ、日本人は誇るべきでしょう。一部の人たちは戦前や戦時の日本の誇りを重視し、歴史認識を変えようとしていますが、それは間違っている」
(中略)
    (朝日新聞 2015年8月4日付オピニオン面掲載ジョン・ダワー氏インタビュー記事「日本の誇るべき力」より)

 いかがだろうか。私はこのインタビュー記事に大いなる感銘を受けた。子ども時代以来形成してきた思考の原点に立ち戻らせてくれたと思った。古舘伊知郎はこのインタビュー記事を読んで涙を流したというが、珍しく古舘と意見が一致したと思った。

(中略)
 『戦後史の正体』を読んで「目からウロコが落ちた」と感激してた人たちは、実は目に偏光(偏向)板からなる大量のウロコを貼り付けられただけだったのだ。その腐ったウロコを落とす格好の名著が『敗戦(敗北の誤りであろう:引用者注)を抱きしめて』である。毒書『戦後史の正体』の解毒剤に、これほどうってつけの本はないと叫びたい今日この頃なのである。


おお、凄い! 安倍内閣の閣僚達はもちろん、それと対立しているはずのSEALDsだのジョン・ダワー(とその声明)だのアクセス数亡者の某政治ブロガー(昔はまともな事を結構言ってたのだが、ここ2.3年は…。今や某非国民ブログと同じような運命をたどったな…)だの、右も左もなく(笑)「戦後70年間日本は平和で民主主義だったんだ! 日本国民がそれを築き上げたんだ!」の大合唱だ! これって一体…。

こいつら全員に共通しているのは、恐ろしいほどの倒錯したウルトラ国家主義だろう。「世界の祝福に値する平和・民主主義国家たる戦後日本」というナルシズムに酔って(またはそれが幻想という事を百も承知しながら確信犯的にうそぶいて)いる。かつての大日本帝国を官民一体で突き動かした思想的柱は国家神道だったが、21世紀のネオ軍国ジャパンでその役割を果たすのが何なのかはもう明白であろう。「日本は戦後70年平和だった」というまるで戦後日本の実態や史実(朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラクやカンボジアをはじめとする自衛隊派兵、ジプチの自衛隊基地などその他山ほど)と符合しない、白日夢に酔い痴れる奇人集団の狂信的戯言だ。

2015年現在日本最大最凶のカルト
「戦後70年日本は平和国家だった教」

今やこのカルトは自民党政権はもちろん、安保法案に反対してデモをしている学生団体にまで広がり、猛烈な勢いで信者を増やしている。ひょっとしたらすでに創価学会や神社本庁をはるかに凌ぐ教勢に達しているかも知れない。「日本は戦後70年平和だった」という教義の下、日米新ガイドライン体制、安保法制、朝鮮半島への軍事的脅威、辺野古基地建設強行、アジアへの謝罪拒否の継続といった事がさらに強く推し進められる事になるだろう。「日本は戦後70年平和だった」これを認めぬ者は人にあらず国民にあらず、日本と世界の平和を乱す「非国民」なり! この点については安倍晋三、岸田文雄、菅義偉、SEALDs、ジョン・ダワー、日本の歴史家を支持する声明、某政治ブロガー、みんな足並みをそろえているではないか! 安倍とSEALDsが全く同じ事を言っているという事実にこそ目を向けなければならない。だからSEALDsは現代の青年報国運動そのものなのである。3.11以降の日本を席巻した「右も左もない」のまさに一大決定版であり、この者どもが協調して日本をさらなる地獄へと導いていくだろう。

新ガイドライン・日米安保・翁長ドクトリン その3

・日帝「艦これジャパン」と「刀剣乱舞ジャパン」の間を揺れ動く

翁長雄志という知事は沖縄をどうしたいのか? 結論から言わせてもらうと、それは沖縄を「戦後冷戦時代の日本のようなポジションにしたい」という事に尽きる。
「軽武装・経済重視」すなわち安保・国防はアメリカに任せ、日本は経済開発を最優先する(でも再軍備を諦めた訳ではなく、その裏でこっそり少しずつ進めて行く)。いわゆる「吉田ドクトリン」の事を今でも多くの人は覚えているだろう。「吉田ドクトリン」で日本が占めていたポジションに今後は沖縄を当てはめる。それが今の翁長県政と「オール沖縄」の行き着く先、すなわち「翁長ドクトリン」であると筆者は見ているのだ。
今の日本で「吉田ドクトリン」体制は事実上撤廃されたも同然のもので、日米新ガイドラインと安倍の米議会上下院合同演説がそれを最も象徴している。新ガイドラインによって自衛隊が米軍の支援をして世界中どこの戦場にも出動出来るようになり、かつて太平洋戦争で対日宣戦布告をした上下院合同演説の場でアジア侵略をなかった事にする安倍晋三(かつてアメリカに宣戦布告した閣僚の一人で、逆にアメリカにコテンパンにやられて哀れな戦犯の身分に転落後、その「鬼畜米英」に身売りして生き延びた岸信介の孫である!)の演説が許されたのはそういう意味を持っている。すでに現在の日米関係においては「吉田ドクトリン」は過去のものとなり、武器輸出3原則も解禁されて日本は死の商人稼業への道をまっしぐらだ。

弾薬も手榴弾もクラスター爆弾も消耗品扱いで「武器」じゃないから、他国軍に提供出来るんです! 核兵器も「弾薬」扱いで「消耗品」扱いだから、運搬には何の問題もないんです! そもそもそれ以前に安倍総理大臣曰く「原爆も大陸間弾道弾も全部合憲」なのです! だからこれから派手になるであろう日本の軍需産業は、イコール「平和産業」なのです! 「戦後70年の日本の平和」とやらは安倍政権とSEALDsをはじめとする報国運動が官民協力して国家総動員の上で一心同体の一億総火の玉と化し、これからもますます繁栄していく事でしょう!

…冗談はともかく、こうした日米新ガイドライン体制で起こるべき脅威とは「武力による日本の領土拡張」に他ならず、これこそがこの危険な防衛指針の本質そのものである。今回の前の改定、すなわち1997年のガイドラインからしてすでに「朝鮮有事」を念頭においていた訳で、米軍の後方支援を名目に朝鮮半島の紛争に間接的に介入出来るものであった。それが今年4月の改定ではもっと露骨になり、日本が集団的自衛権を行使する際は自衛隊が米軍の武器保護と捜索及び救助、機雷除去、強制船舶検査などはもちろん、戦時平時関係なく朝鮮半島空域と海上作戦区域に随時出入り出来るようになり、より直接的な介入が可能な恐ろしいものと化している。戦時作戦権のない韓国に日本軍(自衛隊)がアメリカの承認を受けて土足で上がり込める訳だ。そればかりか日本は朝鮮半島有事の際、南に対しては「韓国の同意なしには上陸しない」という口約束(これとて誰が見ても信用度0%)をしてはいるものの、この同意は飽くまで南に対してだけであり「仮に自衛隊が北に進入する際には適用されない」という立場を固守し続けている。日本は「北朝鮮侵略」をやる気マンマンだな! かつて1905年の乙巳勒約(을사륵약)で旧朝鮮王国は外交権と軍事権を日本に奪われ、その5年後に完全な植民地にされた。今の韓国は110年前のそれと酷似した状況にあり、新ガイドラインは日本による朝鮮半島再侵略の野欲を現実化させたものに他ならない。

【20世紀初頭の日帝による朝鮮侵略の状況】
・乙巳勒約による朝鮮の軍事権剥奪。
・アメリカは日本の朝鮮侵略を積極的に後押し(日本の朝鮮独占的植民地化を決定付けた日露戦争にアメリカが戦費の多くを出資。その間に桂・タフト密約)。
・李完用ら親日派は「朝鮮は日本に学ぶべきだ」と主張して売国行為。挙げ句が「天皇陛下にこの国をあげます(1910年庚戌失国条約)」。

【2010年代現在の日帝による朝鮮侵略(スケジュール)の状況】
・韓国の戦時作戦権は米軍に掌握されたまま。
・アメリカは日本の韓国上陸、朝鮮半島への再侵略を積極的に後押し(日米新ガイドライン)。
・朴槿令(朴槿恵の妹。この仲良し姉妹の親父も言うまでもなく…)ら親日派は「韓国は日本に学ぶべきだ」と主張して売国行為。挙げ句が「天皇陛下にこの国を…(20xx年XX失国条約?)」。

上記二つの間には、韓国の軍事権が日本に奪われているかアメリカに握られているかの違いしかない。110数年の時を経て、ものの見事に恐るべき歴史が再現されている。李完用や朴槿令のような人間さえ選んでいれば、メフィラス星人もさぞかし仕事がやり易かったに違いない。この件が我々に与えてくれる教訓とは、帝国主義者にとって、侵略先の国で手先になりそうな現地人を選ぶ時の人選は極めて重要という事だろう。腹立たしい事に日帝は今も昔も、少なくともメフィラス星人のそれよりは「使える手先」を選んでいたようだ。

【1910年】
桂太郎「大日本帝国は紳士(?)で暴力は嫌い(?)な国だ。そこで朝鮮人(?)である李完用総理に了解をもらいたいと思うんだ。李完用総理は素晴らしい(?)朝鮮人(?)だ。どうだね、私にたった一言『天皇陛下に朝鮮をあげます』と言ってくれないかね?」

李完用「OK! 絶対OK! 喜んで天皇陛下にこの国を差し上げますッッッッ!」

【20xx年】
津田大介(笑)「日本は紳士(?)で暴力は嫌い(?)な国だ。そこで韓国人(?)である朴槿令さんに了解をもらいたいと思うんだ。朴槿令さんは素晴らしい(?)韓国人(?)だ。どうだね、私にたった一言『天皇陛下に韓国をあげます』と言ってくれないかね?」

朴槿令「OK! 絶対OK! 喜んで天皇陛下にこの国を南北まとめて差し上げますッッッッ!」

…冗談はともかく、朝鮮民主主義人民共和国が日米新ガイドラインを桂・タフト密約の再来だと強く批難しているのは、まさにこういう歴史的文脈によるものだ。日本による朝鮮半島侵略は今も昔も日米合作共同作戦、すなわちアメリカという強大なバックを得て日本が実行した(しようとしている)ものなのである。例の「日本の歴史家を支持する声明」が極めて偽善的でインチキなのもこうした脈絡で理解出来るだろう。あの声明呼びかけ人には朝鮮半島や中国の学者が一人も含まれておらず、アメリカ人をメインに日本人も含まれて構成されていた。つまり朝鮮や中国を侵略した加害国側の人間達だけがつるんで、一方的に「日韓和解」を押し付けるものに他ならなかったのである。一体全体、この声明は日米共謀の桂・タフト密約と何が違うというのか? これほど帝国主義のエゴ丸出しな傲慢はない。とりわけ浅野豊美の

https://twitter.com/ToyomiAsano/status/595840954776604672

浅野豊美 @ToyomiAsano
新たな防衛協力・安全保障枠組みに先だって、こうした歴史に根ざした問題を避けずに、むしろ、先駆けて積極的に解決にむけて努力して欲しいと願わずにはいられない。
23:42 - 2015年5月5日

という発言は極めて象徴的だ。「新たな防衛協力・安全保障枠組み」すなわち日米新ガイドライン体制やそれの下での韓米日軍事同盟にとって最大の足枷が日本と韓国の歴史問題であり、だからこそアメリカはこの間に一貫して「日本と韓国は歴史問題を棚上げして安保協力を優先しろ」と要求してきたではないか。その為の極めて理不尽な「日韓和解」を推進しようとする勢力が韓国(朴裕河や太平洋遺族会など)にも日本(和田春樹や大沼保昭など、日韓いずれもアジア女性基金系)にもいる。それに対応するアメリカ側の動きが「日本の歴史家を支持する声明」だったと考えるのが妥当だ。浅野はこれの呼びかけ人ではなく日本語訳に協力した立場に過ぎないが、実は日本人としては誰よりも、小山エミ(笑)などよりもずっとこの声明の本質「日米新ガイドライン体制下での韓米日軍事同盟と安保、すなわち戦争体制の地均しの為に!」という事を正しく理解し、それを本来の目的に確信犯的に推進しようとしていた。小山エミふぜいはそんな事すら分かっていなかった、ただのミーハー馬鹿に過ぎない。この声明が「日本だけでなく韓国と中国でも民族主義者がこの問題を悪用して云々」という喧嘩両成敗的な書き方をしていた理由も、「新たな防衛協力と安保枠組み」すなわち「日米新ガイドライン体制」というキーワードを放り込んで考えれば、まさに快刀乱麻のごとく、目から鱗が落ちるように明快に理解出来る。それを読み取れずに、この声明を「素晴らしい! 安倍を牽制してくれて、アメリカの学者様がたありがとう!」と勝手に解釈してしまう間抜けが、日本でも韓国でも何と多かった事か! この声明にはあっと驚く良心的な学者も参加していただって? だったらなおさらそうした「良心的学者」とやらは、こんな声明に名を連ねるべきではなかったのだ。そうした学者達は自分の脇の甘さか、さもなければ実は日帝の被害者であるアジア民衆の苦痛を本当は理解していないという帝国主義的本性を露呈したに過ぎない。危険千万・有害無益な声明や社会的動向などの本質を全く読み取れず、とんでもない方向へ突き進んでしまうという喜劇を、その後再び我々は沖縄米軍基地の「本土引き取り運動」で目撃する事になる…。

話を戻すと、アメリカの援助がなければ日本の帝国主義や軍拡化など空威張りにしかならない。日本がアメリカの助けなしに軍拡化出来ない? これに疑問を持つ者もいよう。だがかつての大日本帝国はアメリカに金を借りなければ露日戦争すら開戦出来ず、桂・タフト密約によるアメリカの承認がなければ朝鮮を自力で奪う事も出来ない三流帝国主義国家に過ぎなかった。今は? もし仮に北一輝や三島由紀夫がかつて言ってたように日本が完全にアメリカから離れて対米自立し、日本一国だけで軍備を拡張して、とうとう頭がイッてしまった挙げ句に「ムカつく中国や北朝鮮を征伐するッッッッ!」とばかりに狂気の軍事行動を起こしたらどうなるだろう。その場合、朝鮮共和国も中国もその気になりさえすれば、日本列島の沿岸に大量に林立する原子力発電所を長距離ミサイルで好きなだけ狙い撃ちする事が出来る。すでに朝鮮共和国は核保有国であるし、中国にいたっては原爆どころか水爆まで持っているではないか。そうなれば戦争もへったくれもなく、日本はジ・エンドだ。だが、日本がアメリカという強大な後ろ盾を付けていれば話は大きく違ってくる。19世紀であれ21世紀であれ、日本鬼的帝国主義(軍国主義)とはどこまで行っても「西洋覇道の手先(by 孫文)」となる事でのみ成り立つという宿命から逃れる事は出来ない。
逆に言えば、

日米同盟を徹底して守りながら軍拡化を着実に進め(脱亜入欧)、河野・村山談話的なおためごかしで周辺諸国の批難をかわし(それでいて日本の植民地支配や侵略戦争の法的責任だけは絶対に認めない)、9条の明文改憲にも消極的で、慎重にも石原慎太郎的な妄言も比較的言わない(何か言わねばならない時も、その言い回しは非常に慎重かつ微妙な表現の仕方をする)勢力。要するに福沢諭吉、伊藤博文、斉藤実、巣鴨刑務所釈放後の岸信介(笑)、河野洋平、村山富一、菅直人、和田春樹、明仁、SEALDs、角川ゲームズ(笑 艦これの事ね)的な狡猾な帝国主義者ども

よりも、

日本をアメリカから自立させて独自に軍事大国化を進め(攘夷)、河野・村山談話の撤回を求め(日帝の法的責任を絶対認めない点は全く一緒)、9条の明文改憲に積極的で、まさに石原慎太郎そのものの暴言を平然と吐きまくる勢力。要するに吉田松陰、北一輝、寺内正毅、東条英機、日本敗戦以前の岸信介(笑)、三島由紀夫、石原慎太郎、西尾幹二、小林よしのり、ニトロプラス&芝村裕吏(笑 刀剣乱舞の事ね)的な単細胞系のファシストども

が日本の主導権を握っていた方が、アジアの視点からすればまだ与し易いという考え方も成り立たない訳ではない。確かに同じようなゲームを作っていても、ニトロプラスと芝村が盗用問題や極右妄言でトラブルを連発して泥縄的醜態を晒しているのに対し、角川ドワンゴグループ(角川ゲームズ)は狡猾にもそうした盗用問題や芝村のような妄言も(大きく表沙汰になっている範囲内では)していない。それどころか角川ドワンゴは朴槿令のような韓国の有力者から日本側に有利な妄言を引き出して晒し者にするような事までやってのけたではないか。同じ日本の帝国主義でも「艦これ系」と「刀剣乱舞系」のいずれが手強い相手かは歴然としていよう。
ただし現実的には前者の「艦これ的日帝(笑)」と後者の「刀剣乱舞的日帝(笑)」の差異は紙一重であり、両者は対立関係と言うよりは基本的に協力関係にあるし、何かをきっかけに互いの立場にあっさり宗旨変えもする(両者に本質的な違いはない)。戦前戦後の岸信介はもちろん児玉誉士夫や笹川良一らの変わり身(鬼畜米英から、アメリカばんざいへ)は典型例であるし、アジア女性基金が拒否されて逆ギレ病を起こす前と後の大沼保昭の変化(一見「良心派」っぽい外見から、露骨に在特会的なレイシストへ)もこれと言っていい。他ならぬ岸の孫もそうではなかったか。かつての安倍(少なくとも第1次内閣の辺りまで)はかなり「刀剣乱舞的日帝」だったが、第2次内閣で復活して以降の安倍は新ガイドラインや米上下院での演説を許されたのを見ても分かるように、かなり「艦これ的日帝」の色彩が濃い。安倍は安倍で第1次内閣の時にあのような無様な醜態を晒して退陣したものの、その経験を元に第2次内閣以降はよりタフに「成長」して逆襲して来たと言える。一部に見られる「安倍は頭が悪い、知能が足りない」という批判の仕方は少なくとも現状では無効と言って良く、今ではむしろ安倍政権や安保法制に反対する陣営の現状認識を誤らせる有害なものであろう。現実的には、「福沢諭吉・脱亜入欧・斎藤実・文化政治・SEALDs・艦これ」と「吉田松陰・攘夷・寺内正毅・武断統治・小林よしのり・刀剣乱舞」のいずれが日本の主流を占めていようと、アジアへの脅威であって打倒すべき対象でしかないという事だ。ただし日本を真に武装解除してそのアジアへの脅威を本当に除去しようとしたら、究極的には日本とアメリカを引き離すしかないのが本当である。沖縄の基地問題解決も究極的にはそれしか道はない。だからこそ「本土引取り」は誤っているのである。

何よりも明治以降の日本という国自体がその時々に応じて御都合主義&機会主義的にこの二つの間を行ったり来たりしていた。
明治維新まもなくの日本はまさに福沢諭吉的な「脱亜入欧路線」に基づき、欧米覇道の手先となる事で周辺アジア諸国を侵略していく。当時の欧米帝国主義諸国にとっても本命のより大きな獲物(中国)をとって食うのに、日本を育てて利用した方が得であり、両者の利害は合致したのである。日本の「明治維新・文明開化」とやらの正体はまさにこれであった。とりわけ朝鮮侵略においてはそれが露骨であり、露日戦争の戦費や桂・タフト密約といったアメリカの全面的バックアップのおかげで、日本の独占的な朝鮮半島植民地化が可能になったのである。だがアメリカは慈善事業で日本を援助したのではない。露日戦争に金を貸したアメリカのクーン・レーブ商会のような大銀行は戦後にきっちり利子付けて貸金を回収して大儲けしたし、庚戌失国以降に朝鮮の富を収奪する為に作られた日本の植民地会社達(イギリスの東インド会社やフランスのインドシナ銀行などに該当する)にはアメリカの大資本が軒並み大株主として出資し、「もの言う株主」として支配権と利益の配当を得る事になった。代表的な例が悪名高い東洋拓殖株式会社(東拓)で、当初ここにアメリカのさる大銀行が大株主となっていた事はあまり知られていない。要するに侵略先の国で抵抗する地元民(東学や義兵など)を虐殺してその財産を奪う野蛮な実戦は日本に任せ、アメリカは汗を全く流さずそのシノギをピンハネだけするという構造だった。頭が良くて金儲けの上手い、いわゆる漫画ゴラクの白竜みたいな経済ヤクザの事をアメリカではホワイトカラーギャング(white-collar gang)と言う。あるヤクザの組に粗暴で喧嘩は結構強いが、頭が悪くて金儲けの下手なチンピラ(ブルーカラーギャング blue-collar gang)がいた。ある日、金に窮したそのチンピラは、金儲けの上手な頭のいい経済ヤクザと知られる兄貴分の所へ金を借りに行く。その経済ヤクザな兄貴分曰く「分かった。金貸してやるからそれでシノギをしろ。おまえは頭悪いから、シノギの仕方も俺が指導してやる。その代わり、毎月売り上げの中から利子付けて返済しながら俺に上納しろ」と言って来た…。

米帝というホワイトカラーギャング、
頭の足りないチンピラに金を出し口を出し。
日帝というブルーカラーギャング、
自分より狡賢い兄貴分に汗水垂らし利子付けて上納する。
後に残るは数千万のアジア人の屍。

日本のアジア侵略は当初こういう構造だったと言っても過言ではない。まさに「西洋覇道の手先」「脱亜入欧」で順風満帆(?)に「帝国主義デビュー」を果たした時代、福沢諭吉に端を発して後に村山談話やアジア女性基金、和田春樹、角川ゲームズや明仁に連なる系譜の帝国主義が日本の主流だった頃だ。
だがこの日本という頭の足りないくせに欲だけは人一倍で自分は世界最強だと思い込んでいるブルーカラーギャングの国、自分の稼ぎのかなりの部分が兄貴分の米帝に吸い上げられて取り分が思ったよりも少ない事に不満を持つようになった。さらに台湾と朝鮮だけでなくもっと勢力を増やしたい、とも。それで起こったアメリカに対する第1次反抗期が1931年の9.18事変(満州事変)、第2次反抗期が1937年の中日戦争、そして決定的な第3次反抗期が1941年の真珠湾攻撃であった。この期間の日本は福沢諭吉的な脱亜入欧帝国主義が失墜し、吉田松陰や北一輝に端を発して後に三島由紀夫やニトロプラス&芝村裕吏に連なる系譜の攘夷的軍国主義が支配的になった頃だ。日本は「艦これ」から「刀剣乱舞」へと移り変わったのである。だがアメリカでも日本でもそうだが、その筋で名のある経済ヤクザというのは決して穏健派でも何でもなく、実際にはとんでもない武闘派でもある場合がほとんどだ。ホワイトカラーギャングという言葉の語源になったのはマイヤー・ランスキーというユダヤ系マフィアの組長だが、この男は金儲けが上手いだけでなく、ランスキー一家の戦闘力の強さと残虐ぶりを当時のアメリカの裏社会で知らない者はいない。日本でも経済ヤクザの雄として有名な石井進(稲川会2代目会長)や宅見勝(元山口組若頭)の組織も極めて血生臭い武闘派である。強力な経済ヤクザの資金を支えるのは、究極的には暴力だ。ましてやアメリカ帝国こそ世界最大のホワイトカラーギャングである。で、その結果…。
多言を要しない。大空襲と原爆2発で終了である。完膚なきまでに返り討ちにあった日本は今度こそアメリカには絶対逆らわない(けど、アジアには絶対謝罪しない)「平和国家」として生まれ変わり、例の「70年」を経て現在に至る。日本は「艦これ」から「刀剣乱舞」へ、そして再び「艦これ」に回帰したのだ。

話を戻すと、さらに新ガイドラインでは「島嶼奪還作戦」を明示しており、これは中国との紛争地域である釣魚台(尖閣諸島)を主な標的にしているが、その領土奪還作戦には独島や南クリル諸島(いわゆる「北方領土」)も当然含まれていると見るのが現実的だろう。今の日本では植民地支配と侵略戦争の否定どころか、これらの島が全て「日本固有の領土」と教科書に記されている。これらの「島嶼奪還作戦」は「日本固有の領土」を取り返すだけだから侵略ではない、という事だ。自衛隊の独自活動による侵略行為を明文化したのが日米新ガイドラインである。
(続く)

※筆者より
本来この連載は第3回目の今回で終了する予定だったのですが、昨今の色々なネタを取り込んで書いているうちに話が大きく脇道に逸れ、本来ならば「日本の歴史家を支持する声明」や一連の刀剣乱舞騒動に関する記事で書く予定だった内容をまとめて盛り込んだり、日本の朝鮮侵略史などにも深入りして、不必要に長くなってしまいました。肝心の「翁長ドクトリン」についての詳しい説明が出来なくなり、これは次回で詳述して締めくくりたいと思います。もうしばらくだけお付き合い下さい。辺野古の基地建設も1ヶ月「休戦」などと言われていますが、これはさらなる欺瞞戦術や暴力の嵐の前兆に過ぎず、いささかの油断も出来ない状態でしょう。

「思慮ある者」が「思慮なき者」をカモにしたゲーム~艦隊これくしょんと刀剣乱舞 その1

日本の人気ウェブゲーム「艦隊これくしょん」(艦これ)、国内サービスが不発に終わった理由は
2014.07.01 16:40

三ヶ所以上の国内パブリッシャーが輸入競争を繰り広げた人気ウェブゲーム「艦隊これくしょん」の国内(韓国:訳注)サービスが結局不発となった。

日本でDMM.comがサービスを行っている艦隊これくしょんは、PCオンラインゲームの不毛地帯である日本では異例な成功を収めたウェブゲームとして、国内ゲーム業者達のラブコールが続いたが、ライセンス問題によってゲーム内のイメージを変更出来ず輸入が不発となってしまった。

去る2013年から日本でサービスを開始した艦隊これくしょんは日本で大ヒットが証明されたゲームである上に、VPNを使って楽しむ国内ユーザー達も多く、国内パブリッシングに成功すれば1年前の「拡散性ミリオンアーサー旋風」が再現されるだろうという期待を受けて来た。

特に艦隊これくしょんは今後、開発会社である角川ゲームズによってアニメ、小説、家庭用ゲームなどにその領域が拡大される予定とあって人気がさらに高まるものと予想され、確認されただけで三ヶ所の国内パブリッシャーが輸入競争を繰り広げた。

だが、難しい条件に合わせる事が出来ず、3社全て輸入を諦めたものと最終確認された。DMM.com側は韓国輸出に対しては肯定的だったが、結局複雑に絡んだライセンス問題を解決出来ず、三つの業者とも国内サービスを放棄してしまったという。

艦隊これくしょん輸入協議に乗り出したA社関係者は「韓国でのサービス自体には異見がなかったが、ゲーム内イメージを一切変更出来ず、結局韓国でのサービスを放棄した」として「例えばゲーム内イメージに旭日旗が登場しても、韓国側サービスでは修正出来ないので答が出なかった」と説明する。

さらに「ライセンス問題のせいで、韓国でサービスを開始した場合に我々が変更出来るのは、簡単に言って『字幕』だけだった」とし「他の業者達も等しい理由でサービスを断念しただろう」と言った。

やはり艦隊これくしょんの輸入に乗り出したB業者の場合、正式サービスが不発になった場合はモバイル版権を獲得してモバイルバージョンの開発・サービスに乗り出す計画もあったが、開発権獲得に失敗したものと確認された。

訳 ZED
韓国語原文記事はこちら。
http://gamefocus.co.kr/detail.php?number=35684&thread=22r02

上記記事はほぼ1年前の記事だが、日本ではまず知られていない事実であり、また同じ運営会社による艦これの女性向け版とも言うべき刀剣乱舞もまた問題&疑惑の百貨店状態である(画像の盗用問題、一部キャラデザインの剽窃疑惑、芝村裕吏の「大東亜共栄圏」発言問題「歴史修正主義」という言葉の意味の歪曲など)事もあり、これらDMMの「右翼ゲーム」問題を考える資料の一つとして訳出する事にした次第である。

・韓国でも艦これをこっそりプレイして熱中している(馬鹿過ぎる)ユーザーが決して無視出来ない数存在する。
・それに目を付けて輸入しようとした韓国のゲーム会社もまたいくつも存在した。
・DMMも輸出に前向きだったが、ライセンス問題の為に頓挫した。特にデザイン面での変更が一切認められなかった(これは開発元である角川の意向である可能性が高い)点が大きい。

要約するとこういう事になるだろう。

艦これと刀剣乱舞の問題というのは本来セットにして考えられるべき問題であり、歴史問題という観点から見た場合は艦これの方が実際にははるかに悪影響が大きく、不道徳さにおいても上であろう。刀剣乱舞が引き起こした諸トラブルを機会に、艦これの問題もこの際セットで徹底的に炙り出された方が望ましい。
とりわけ韓国側の立場で考えた場合、本来ならば艦これのようなゲームは糾弾の対象以外の何者でもなかったはずだ。少なくとも90年代半ばまでの日本文化解禁以前であれば、国やマスコミを挙げての猛攻撃を受けていただろう。そうした動きがほとんど見られず、それどころか今ではむしろそれを輸入(これらのゲームは現在のところ、外国からはVPNを介して迂回しなければプレイ出来ない)しようという業者まで現れる始末なのだから、本当に悪い意味で隔世の感がある。日本文化解禁の一番悪い効果が、最近の若い人達の歴史的無知(日本だけでなく韓国もである!)と合併症を起こして、惨憺たる病理を引き起こしたかのようだ。
日本でも韓国でもそうなのだが、艦これ(刀剣乱舞)を擁護する者達の(口に出さない)最大の理由は登場する「美少女(イケメン)キャラ」のせいだろう。これは誰が見ても明らかな事だ。だがそれをあまりにもストレートに言うのはさすがに憚られるので、「ゲームと史実は違う」「艦これで史実を学んだ」などというお話にならない屁理屈が持ち出される。だが実際にその手の者どもの言行を見ればお分かりの通り、艦これ(刀剣乱舞)に熱中している日本人には驚くほど右翼度や嫌韓・嫌中度が高い。自分の好きなキャラとその背景設定などを擁護していて、無意識のうちにゲーム自体のバックボーンである日本の侵略戦争や軍国主義や歴史修正主義に親和的になったり問題点に無自覚になっていく。こういう「魅力的なキャラ」の効果というのは世間一般に思われている以上に影響力が大きい。はっきり言って、ある面では「つくる会教科書」などよりもずっと悪影響が大きいと言える。だからこそ自衛隊が艦これ(と漫画の「GATE」)をフルに広報利用しているのではないか。「たかがオタクメディア」と侮るなかれ。その美少女キャラのせいで、無思慮(생각없는)な韓国のゲーム配給会社が歴史問題も何もかも無視して、これの輸入に躍起になったのではないか。その意味を深く考える必要がある。

とりあえず今回はここまで。続きはまた後日改めて論じたい。こうしたゲームを平気で展開する日本側の酷さは自明であり、徹底して追及されねばならない。が、同時にそれを何の問題意識もなくプレイしたり擁護したり、果ては輸入して商売しようとする者が相次ぐ韓国側の問題も考えねばならないだろう。艦これをあそこまで欲しがる韓国のゲーム会社というのは、ニコニコ動画で愚劣極まりない親日発言を誇らしげに連発した朴槿令(朴槿恵の妹)並みの恥知らずである。

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